YouTubeがテレビ用インタフェイスを刷新、いかにもテレビ的に

YouTubeがHTML5をベースとしてデザインを一新したテレビ用インタフェイス今日(米国時間8/14)立ち上げる。そこでは、ユーザのプレイリストや、会員となっているチャネルが今まで以上に強調される。このニューバージョンはまずXbox One用が展開され、その後、そのほかのインターネット接続型デバイスにも展開されていく(PS3、Roku、スマートテレビ、ストリーミングプレーヤ、ブルーレイプレーヤなどなど)。

前のバージョンではログインせずに単純に閲覧する使い方がメイン、と想定されていたようだが、この新しいインタフェイスでは、チャネルや、個人化されたリコメンデーション、アップロード、視聴履歴などが重視される。いずれも前のバージョンでも可利用だったが、でも旧デザインではかなり不格好なリストの一部でしかなかった。新デザインはそれらを、整然とグループ分けしている。

またそのフラットなルックスは、Googleの新デザイン方針であるMaterial Designに沿うものだ。

〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

チャネルやプレイリストのページも、やや手が加えられた。画面横にスクローリングリストがあるだけでなく、複数の分類ジャンルが表示されるので、リストをわざわざスクロールすることに比べると、コンテンツを見つけやすいし、それらの魅力が際立つ。そもそもわざわざテレビでYouTubeを見る人は、単純に楽しいコンテンツを見たいのだから、それを見つけるための苦労は少ない方が良いのだ。

PlayStation 4用のYouTubeアプリは、まだ公式には展開されていない。でもそれは、そんなに遠い先ではないだろうし、しかもそれは最初から、この新しいインタフェイスになっているだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


パナソニック、Mozillaと提携してFirefox OS搭載のスマートTV開発へ

CESでLGがOperaのweb OSを搭載したスマートTVを発表した直後にPanasonicもモバイル連動テレビの計画を明らかにした。

パナソニックはMozillaと提携してFirefox OS (FFOS)とオープンWeb標準の精神に準拠したスマートTVで居間の大画面の制覇を企てる。

今のところFirefox OSはブームを起こしているというには遠い。ヨーロッパや南アメリカの市場で安価な携帯電話に多少使われている程度だ。 このHTML5ベースのモバイルOSのGoogleのAndroid OSと競争できるようになるのは困難が山積している。そこでMozillaがモバイル・デバイス以外の分野にエコシステムの拡張を図るというのはある程度納得できる。

はたしてFFOSのUIが消費者にパナソニックのスマートTVを買う気を起こさせ、オープン・プラットフォームの旗印がデベロッパーにアプリ開発に参加させるだけの魅力があるかどうかは今後に待たねばならないだろう。

「MozillaとPanasonicは共同でFirefox OSとそのオープンなエコシステムの普及に努力する」 と両社は今朝(米国時間1/6)のプレスリリースで述べた。このプロジェクトはパソコンやモバイル・デバイスの世界ではすでに広く採用されているHTML5と各種のウェブ・テクノロジーをスマートTVに拡張し、消費者が放送と同時にウェブ・サービスを通じたコンテンツを簡単かつ幅広く利用できるようにすることが狙いだ。

パナソニックのAVCネットワークス社,のテレビ事業部長、Yuki Kusumはプレスリリースで「Mozillaとの提携はわれわれのスマートTVの接続性と対話能力を家庭の内外で強化することが目的だ」と述べた。

来るべきFFOS搭載のパナソニック・スマートTVはMozillaのWebAPIを搭載しているため、インターネットに接続可能な他のデバイスやスマート家電製品をモニタしたり制御したりすることが可能だ。

この記事の執筆時点ではMozillaはFFOS TVのスクリーンショットをまだ公開していないが、 プレスリリースによればFFOS搭載テレビではEPGのような基本機能も専用の内蔵プログラムではなく、HTML5で書けるようになり、サードパーティーのデベロッパーが多様なアプリケーション容易に開発できるようになるとしている。

「パナソニックがわれわれのFirefox OSを採用したことをたいへん嬉しく思っている。Firefox OSとオープン・ウェブによるプラットフォームへの参加者は増えつつあり、スマート・スクリーンの普及に向けて大きな力となっていくだろう」とMozillaのアジア事業部のモバイル・デバイス担当上級副社長、Li Gong博士は述べた。

パナソニック自身もモバイル・デバイスのメーカーではあるが、昨年、スマートフォン市場からの撤退を決定しており、生産の努力をスマートTVのような別分野に向けることにしたものだろう。パナソニックはFirefox OS搭載の次世代テレビだけでなく、Firefox OSとオープン・エコシステムの普及に関してMozillaと幅広く協力していくと述べている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ビデオ・コンシェルジュサービスの5by、スマートフォンおよびスマートTVにも対応を計画中

退屈で仕方がない中、何も生産的なことなどやる気にならず、何時間もYouTubeを見て過ごしてしまうという経験が、誰にでもあることと思う。但し、そうした中ですら不満を感じてしまう。即ち、そうした何もやる気がしないほど退屈した心をすら、楽しませてくれるビデオになかなか出会うことができないのだ。

こうした問題こそ、5byが対処しようと考えているものだ。モントリオールに拠点をおくこのサービスを立ち上げてCEO職に就いているのはGreg Isenbergだ。モバイル向け音楽推奨サービスにやや似たスタイルで、「キュレーション」を前面に押し出したウェブビデオサービスを提供しようとしている。

外見的に5byはビデオ版Songzaともいったようなサービスだ。その言葉の意味するところは試してみればすぐにわかることだろう。こうしたサービスの場合、たいていはサイトを訪問すると数多くのビデオが掲載されているものだ。しかしこの5byの場合は違う。まずはカテゴリのみが表示されているのだ。曰く「Blowing You Away」(びっくり)、「Killing Time」(ひまつぶし)といったたぐいのものだ。気になるカテゴリを選ぶと、さらに細かなジャンルを選ぶことができる(「Animals」や、個人的に最も気に入っている「Space」などといったジャンルが用意されている)。ここでジャンルを選べば、そこでビデオ(YouTubeないしVimeoのビデオが使われている)が表示されるという仕組みだ。

ビデオの上映が始まると、画面にはさまざまなリアクション用ボタンが表示される。笑ってしまった場合にはそうした場合用のボタンがある。気に入らなかった場合には、その旨を意思表示するボタンもある。もちろんいつでもビデオをスキップできるようにもなっている。こうした利用者からのリアクションは5by側で集約され、嗜好に関する情報は、好みのビデオを提供できるようにと活用される。

やり方としては非常にシンプルなもののように思えることだろう。Isenbergによると、これがとてもうまく機能しているのだとのことだ。彼は当初、他のメンバーとともに、今年3月に行われたLaunchカンファレンスにて「リーンスタートアップ」形式で本サービスを立ち上げた。そして数千の訪問者を獲得し、それぞれサイト上で12分程度の滞在時間を楽しんでもらうことに成功したそうだ。それからしばらくして、現在ではサイト滞在時間は19分程度に伸び、集めたビデオ本数も10万本を超えるのだとIsenbergは話している。

今のところ、コンテンツキュレーションはすべて5by内の少人数チームが担っている。もちろん、複数ソースから魅力的なビデオを選んでくるためのプログラムは利用している。ViceやEpic Mealなどの人気ビデオを集め、適切なカテゴリに分類して利用者に提供しているのだ。利用者の拡大に伴ってニーズも増え、キュレーションサービスを社内リソースのみで行うのは難しくなっていくのだろう。5byのマネタイズプランはStumbleUpon同様にCPVモデルによるところもある。しかしIsenbergによれば、キュレーターとしての存在感もまた、利用者からの人気を集めているものなのだそうだ。

ところで、楽しむためのビデオコンテンツと、そして広告ビデオとの境界が曖昧になってきているのも5byにとっては追い風となるのだろう。BuzzFeedを見てもわかるように、広告コンテンツであっても積極的にシェアしようとする人たちも多い。こうした動向の中、キュレーターとしても通常のコンテンツに加えて、ネイティブ広告を配信してビジネス化するチャンスが生まれているわけだ(5byは利用者の好みを把握しているので、この面からも効率的な配信が行えるかもしれない)。Isenbergによると、まずはPlayboyがネイティブ広告の配信元として提携に名乗りをあげているのだとのこと。

5byが今後考慮すべきは、PCを見ながらのビデオ体験の満足度についてだろう。PCを設置しているデスクの前でビデオを見ても楽しめないことが多い。すなわち5byはPCのみでなく、他の環境にもサービス展開を広げていくことが必要だ。Isenbergもこのことは認識しており、現在はiOSアプリケーションを開発中であるとのこと。モバイル環境では、他のことをしながら端末を操作するというようなことも多。そうしたことを視野に入れて、利用者の興味をいっそう掻き立てるように、カテゴリ分類に工夫を加えようともしているところなのだそうだ。

さらにIsenbergの話によれば、今後のスマートテレビ時代を見据えて、2つの有名番組制作社と提携に向けた話し合いが進んでいるのだとのこと。ネットワークに繋がったテレビでYouTubeを見ても、多くのコンテンツの中で迷い、面白いコンテンツを見逃してしまうのが一般的な話だ。そこに5byの参入余地があるのだとされているようだ。5byがサービスの提供を始めてから、まだ日が浅い。しかし筆者の例で言えば、ビデオを見ながら過ごしてしまう時間がますます増えてしまっている。それもこれも5byのせいなのだが、これでもしマルチプラットフォーム化などをしてしまえば、さらに大きな問題になってしまうに違いないと思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H)