モトローラからGoPro意識の廉価スマホが登場

Motorola(モトローラ)は興味深い試みを続けている。現時点では廉価な「アクションカメラ・スマートフォン」の市場の大きさはわからないが、単調な電子機器の世界では、Lenovo(レノボ)が所有するブランドは面白い立ち位置にいる。

正直、GoPro全盛期の中で自分をアクションデバイスとして位置づけるスマートフォンが増えなかったことに私は驚いている。しかしほとんどの消費者にとってブームは落ち着き、GoPro自身も廉価なコピー品や最近市場に参入したDJIにより、競争は激しくなっている。

Motorola One Actionの「アクション」とは、主に背面の3連カメラ、特にGoProスタイルの117度の画角の超広角カメラを指している。ここで本当に興味深く意味があるのは、センサーの向きを変えるという決定だ。スマートフォンを縦に持つと、ランドスケープ(水平)での動画撮影ができるのだ。つまり、スマートフォンでの動画撮影時には「正しい」「間違った」向きは存在しない。

他の意味では、このスマートフォンは標準的なモトローラの端末だ。米国時間8月16日より、ブラジルやメキシコ、ヨーロッパの一部で発売が開始される。米国とカナダでは10月に発売される予定だ。価格は300ドル(約3万2000円)以下になることが予測される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Galaxy Note10+ではVerizon向けの5Gバージョンも登場

5GバージョンのiPhoneは、おそらく来年までは期待できない。しかし次世代の通信技術に関していえば、Samsung(サムスン)はすでにそれを実現している。今年2月には全部入りのGalaxy S10を発表したが、これが同社初の5Gモデルだ。この端末は先月に発売された。

米国時間8月7日にブルックリンで開催されたUnpackedイベントではGalaxy Note10+の5Gバージョンも登場したが、それほど強調されなかった。標準モデルのGalaxy Note10+との違いは、その値段だ。

このデバイスは8月23日にVerizon(ベライゾン)限定で発売され、標準版の1100ドル(約12万円)にたいして1300ドル(約14万円)となる。通信業者によるプランでは、36ドルの36ヶ月契約だ。

5Gを利用したときのバッテリー駆動時間など、その他の詳細は不明だ。ただし、Galaxy Note10+には4300mAhのバッテリーが搭載されている。さらに、蒸気冷却を利用したクーリングシステムも搭載されているので、5Gによる加熱問題をある程度解決できることが期待できる。

他のバージョンと同様に端末の予約は8月8日に開始され、同月23日から店頭販売が開始される。またT-MobileやSprint、AT&Tにも、おそらく年末までに5Gモデルが投入されることだろう。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

ファーウェイ初の5Gスマホが来月中国でリリース

Huawei(ファーウェイ)は米国時間7月26日、初の5Gスマートフォンを中国市場で発売することを発表した。英国でのデビューに続き、Huawei Mate 20 Xは現在予約を受付中で、中国での発売は8月16日を予定している。

2月に開催されたMWC(モバイル・ワールド・コングレス)でデビューした折り畳みスマートフォン「Mate X」よりも、Mate 20 Xは早く発売されている。ようやく先週におおよその発売日が決定したSamsung(サムスン)のGalaxy Foldの混乱をみれば、企業が折りたたみスマートフォンのリリースについて慎重になるのは当然だ。

China Mobileは先月末、ファーウェイの機器を利用した5G通信ネットワークを稼働させ、10月には商業サービスを展開する予定だ。また6月には、China TelecomとChina Unicomも商用5Gネットワークのライセンスをいくらかの遅れの後に取得した。先週には、ZTEのAxon 10 Pro 5Gも中国で先行販売された。

ただしサービスが展開されるまでは、5Gスマートフォンの購入者は古いネットワークに頼らざるを得ず、米国と中国の貿易戦争の影響をうける。安全保障上の懸念からファーウェイとZTEの両方が国際的に、特に北米において標的となっている。

報道によれば、ファーウェイは米国における排除を受けて、ハードウェアとソフトウェアの内製率を大きく向上させようとしている。注目すべきは、ARMベースのKunpengサーバーチップを中心としたエコシステムの構築に、4億3600億ドル(約470億円)を投資したことだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google Pixelの販売台数が前年比倍増

どうやら、ミッドレンジ向けのPixel 3aはGoogle(グーグル)が期待していたヒット商品のようだ。

Googleの親会社であるAlphabet(アルファベット)は米国時間7月25日に、かなり好調な決算を報告したが、Googleや他のビジネス部門の詳細を明らかにしていないことを考えると、同社の報告は極めて平凡になりがちだ。だからといって、Googleにとっていいニュースがないわけではない。同社でCEOを務めるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、スマートフォンビジネスに関するいくつかの新しい統計を共有した。

ピチャイ氏によれば、「5月にPixel 3aをローンチしたことで、第2四半期のPixel全体の販売台数は前年同期比で2倍以上伸びた」そうだ。この成長の要因の一部は、Googleが自社ストアとVerizon(ベライゾン)以外にもT MoibleやSprint、US Cellular、Spectrum Mobileなどにも販売網を広げたことにある。また、Pixel 3aはNet Promotor Score(顧客ロイヤルティ、顧客の継続利用意向を知るための指標)にてGoogleにおける最高の評価を受けたことも強調された。

もちろん、Googleは実際の販売台数を公表していないので、ピチャイ氏が主張するベースの数値については不明だが、Pixel 3aが手頃な価格かつフラッグシップ機と比べても大きなトレードオフがないことは確かだ。さらに、ローンチ時のレビューもおおむね好評だった。これまで時にGoogleを悩ませてきたPixelのローンチとは異なり、Pixel 3aでは大きなハードウェアの問題も起きていない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

REDが3Dホログラフィックスマホの次期モデルHydrogen Twoの開発に着手

REDのメッセージボードで創設者のJim Jannard(ジム・ジャナード)氏は、期待外れなHydrogen Oneへの取り組みについて触れた。今となっては昔の話だが、この高価かつニッチなデバイスは数カ月も登場が遅れ、レビューも芳しいものではなかった。

カメラモジュールはこのデバイスに関する不満点の1つだが、REDはODMパートナーにその責任を押し付けた。ジャナード氏は投稿の中で、Foxconn(フォックスコン)はきちんと仕事を果たしたが、デザインパートナーがそれを台無しにしたと伝えた。

Qualcomm(クアルコム)のプロセッサとソフトウェアの統合や新技術を含むデザインのメカニカル・パッケージングを担当していた我々のODMのパフォーマンスは、大幅に期待を裏切るものだった。中国のODMがHydrogen Oneの予定されていた機能を完成させ、既知の問題を解決することは大変困難であることがはっきりした。いや、実際には不可能だ。これは極めて苛立たしい事実だ。

1300ドル(約14万円)の端末に対する悪評を考えれば、小規模な会社なら出荷ぶんを見捨ててもおかしくはない。しかしジャナード氏とREDは賭けに出た。新しいカメラモジュール「Komodo」はHydrogen Oneだけでなく、将来のHydrogen Twoでも利用できるのだ。

「そのために、Hydrogen OneのすべてのオーナーはHydrogen Twoや新型のCinema Cameraモジュールにおいて、配送や割り当て、価格に関する優先的な取り扱いを受けることになる」と、ジャナード氏は伝えている。

第1世代のローンチに時間がかかったことを考えると、後続機種にも期待しすぎないほうがいいだろう。しかし、一般的に初めてのスマートフォン製造はもっとも難しく、また社内で機器を組み立てることに慣れているハイエンドカメラメーカーにとって、新しいスマートフォンを開発することは新たなパラダイムなのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ASUSのZenFone 6はフリップカメラと大容量バッテリーを搭載

ますます価格の上昇するプレミアムスマートフォン市場だが、2019年は普及価格帯モデルの年となるかもしれない。そんな購入しやすい価格で登場したのが、499ドル(約5万5000円)で販売される台湾ASUS(エイスース)の「ZenFone 6」だ。

中国OnePlusの「OnePlus 7 Pro」と同じくZenFone 6には、ノッチやパンチホールは搭載されておらず、フリップ式のポップアップカメラが背面に搭載されている。つまり画面上のボタンを押すことで、カメラが背面カメラとしても、あるいは前面カメラとしても利用できるのだ。またOnePlusと同じく、端末が落ちていることを落下検知センサーが動作すると、カメラが収納される。

カメラ機構だけでも注目に値するが、ZenFoneは普及価格帯のスマートフォンとしても魅力的だ。プロセッサはSnapdragon 855で、5000mAhのバッテリーが組み合わされている。また、ヘッドホンジャックが搭載されている点も評価できる。

近年は存在感を低下させていたASUSのスマートフォンだが、ZenFone 6のような魅力的な端末が、魅力的な価格で登場するのは喜ばしい。米国での発売情報なども、近いうちに発表されるはずだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アメリカがHuaweiを企業秘密窃盗で告訴か

The Wall Street Journalの記事によると、連邦検事たちは、企業秘密を盗んだ廉でHuaweiの刑事訴訟を準備している。その記事が引用している内部筋からの情報は具体的に、T-Mobileのスマートフォン試験ツール“Tappy”をめぐるHuaweiの行為に言及している。しかし記事は、告発が近々に行われるほど十分な捜査段階にはまだ行っていない、と言っている。

Tappyの名前を聞くのはこれが初めてではない。2014年にT-MobileはHuaweiを、シアトル郊外の同社の研究所を外から撮影して、そのスマートフォン試験ロボットの部品などの情報を盗もうとした、として告訴した。2017年5月にT-Mobileは480万ドルで勝訴したが、それは同社が求めた5億ドルという額には遠く及ばない。現在行われている上記連邦レベルの犯罪捜査は、この民事訴訟が契機と言われている。

この中国のスマートフォンメーカーは、最近ますます、アメリカの政府や議会から厳しく詮索されている。同社は中国政府と緊密な間柄なので、その企業や製品にはセキュリティ上の危険性がある、とされている。12月にHuaweiのCFO Meng Wanzhouが、アメリカの要請によりカナダで詐欺容疑で拘束されてからは、緊張が一挙に高まった。彼女は欺瞞的行為により、アメリカのイランに対する制裁をかいくぐろうとした、と言われる。

現在のHuaweiは、Samsungに次いで世界第二位のスマートフォンメーカーで、2018年の後半にはモバイルデバイスの売上がAppleを抜いた

関連記事: 詐欺で訴えられているHuaweiのCFOが$7.5Mで保釈

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Googleのレーダー技術によるジェスチャー入力方式SoliをFCCが認可、電波妨害問題をクリア

数年後にはタッチスクリーンを陳腐化するかもしれない、Googleのレーダーを利用するモーションセンサー技術を、アメリカの規制当局が認可した。Soli Projectと命名されたそのイニシアチブは2015年に、Googleの最先端の技術開発部門Advanced Technology and Projectsでスタートした

それ以降私たちは、Soliの技術的成果をいくつか見てきた。それはオブジェクトを認識でき、レーダーセンサーの消費電力を少なくできた。いちばん最近では、規制当局からの指示がきっかけで、もっと実用的な段階へ移行した。アメリカの連邦通信委員会(Federal Communications Commission, FCC)は今週初めに、Project Soliに対し、現在許されている以上の高い電力レベルでの運用を認めた。この政府機関はさらに、そのデバイスが“他のスペクトルのユーザーを妨害する可能性が極微なので”、航空機の中で使用してもよい、とした。

Soliのレーダーセンサーは25ドル硬貨サイズの小さなチップで、手や指のわずかな動きを高速高精度で追える。これによりたとえば、オーディオ装置ではボリュームのつまみを回さなくても、スピーカーの前で指をすり合わせるだけで音量を調節できる。FCCの今度の規制なら、スマートウォッチのボタンをエアプレスすることもできるだろう。

FCCは、安全性の懸念が一掃されればこのセンサー技術が公共の利益にも奉仕する、と言っている: “スマートフォンなどのデバイスをタッチをしない手のジェスチャーでコントロールできるようになれば、運動能力や発話能力、触知能力など多様な障害を持つ人びとを助けることができる。それにより、アメリカ社会のより多くの成員の生産性と生活の質が向上する”。

今本誌TechCrunchはGoogleに詳細を問い合わせているので、返事が得られ次第この記事をアップデートしたい。

FCCのこの認可の数か月前には、Facebookが、Soliのセンサーが高い電力レベルで運用された場合の電波妨害、という問題をこのお役所に持ち込んでいた。しかし両社は9月に合意に達し、 Soliは政府が許容したよりも高いがGoogleが求めたよりも低い電力レベルで運用される、という合意内容をFCCに届け出ていた。その合意内容が認可された、というわけだ。

この新しい分野でFacebookがルールを設けようとしたことは、理にかなっている。同社もまた、Oculusで同様のモーション技術を展開しようとしているからだ。Facebookはたとえば、腕の動きを作り出すデバイスで、ハグなどの社会的ジェスチャーをシミュレートする技術開発に投資している。

Googleのこの技術開発のアップデートはしかし、ある種の‘頭隠して尻隠さず’でもある。そう言いたくなるぐらい、最近の同社は問題含みの行為が多い。まず、Google+の大量のデータ漏洩、その前の、オンラインゴーストタウンの閉鎖。児童ポルノ対策の失敗。そして中国への再進出が、検索エンジンの検閲を伴うという報道

画像クレジット: Google

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Qualcommは7nmの8cxプラットホームでPC市場にさらに大きく賭ける気だ

QualcommはPC、とくにラップトップ市場でメジャーになることを望んでいる。Windows 10がARM上にもある今、それは単なる夢ではない。しかしこれまでのQualcommベースのWindows 10ラップトップは、PC用に特製されたSoC、Snapdragon 850を使っていたが、それは同社のスマートフォン用プラットホームの直接の子孫のようなチップだった。

しかし今日(米国時間12/6)同社が発表したSnapdragon 8cxプラットホームは、“これまでで最高のSnapdragon”と自画自賛され、同社のモバイルの専門技術とビルディングブロックを一部に使用しながらも、強力なPC向けに一から新たに設計されている。

8cxはPC向けに最適化され、ピーク時のパフォーマンスやマルチタスクにも十分対応する。それは初めての、7nmプロセスのPCプラットホームでもあるが、発売は2019Q3以降となる。

QualcommのSnapdragonプラットホームをPC(それをQualcommとMicrosoftは“Always Connected PC”(常時接続PC)というブランドで呼んでいる*)に使うとどうなるのか。Q社の売りによるとそれは、複数日の電池寿命でIntelのチップと同等のパフォーマンスが得られることだ。最初の世代のデバイスは電池寿命はグレートだったが、パフォーマンスはまだまだだった。今度の8cxでは、その点が改良されたとQualcommは約束している。そして同社は、その7nmチップは“従来のPC業界よりも数世代先を行っている”、とあえて〔10nmでつまづいた〕Intelを名指しせずに主張している。〔*: Always Connected PC, 日本ではHPのCore i5機が最初に使用。〕

8cxプラットホームをローンチしながらQualcommは、依然850をキープしている。8cxの位置づけは、既存の850プラットホームを補完して、ベンダーが多様な価格帯のPCを提供できるようにするための、プレミアムプラットホーム(ハイエンド機用チップ)だ。

8cxはQualcommのKryo 495 CPUとAdreno 860 GPUを搭載し、後者は4KのHDRモニターを駆動できる。またQualcommの最新の高速充電技術や、いつもの接続性オプション(Bluetooth, USB-C, LTE, …)により、常時接続をサポートする。

QualcommのSVPでモバイル部門のゼネラルマネージャーAlex Katouzianが、今日の声明で言っている: “パフォーマンスと電池寿命をつねに重視するわれわれは、7nmのイノベーションをPCに導入し、スマートフォンのような能力を持たせることによってコンピューティング体験を変革する。これまでで最速のSnapdragonプラットホームであるSnapdragon 8cxによって、弊社の顧客のみなさまは、複数日の電池寿命と複数ギガビットの接続性、および薄く軽くファンのないデザインによる強力なコンピューティング体験を、消費者と企業に提供できる”。

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CasioのオールメタルG-Shockが設定やアラームをBluetooth化してややスマート化

Casioが最初のG-Shockウォッチをリリースしたのは1983年だ。その初代は、クォーツモジュールを保護するすばらしい耐衝撃性によって、タフなウォッチのバーを上げた。今やクラシックウォッチだが、2018年の今でもさまざまな機種が売られている。

最近Casioは、このウォッチのオールメタルバージョンを発売した。それはその独特のデザインを維持しつつ、Bluetoothなどのモダンなテクノロジーをフィーチャーしている。スマートウォッチではないが、ちょっとばかしスマートだ。

Bluetoothの機能はシンプルだが一見の価値がある。それを使ってオーナーは、ウォッチの設定にアクセスできる。ウォッチの上のメニューをたどる代わりにスマートフォンのアプリを使って時間を(スマートフォンの時間へ)シンクし、いろんな設定を調整し、アラームやリマインダーをセットする。ウォッチの上のボタンをひとつ押すだけで、アプリが立ち上がる。Bluetoothの接続や設定はスマホ側が全部やるので、ウォッチ側は何もしないでよい。

実際にやってみると、とても新鮮な感じだ。スマートフォンが常時必要なのではなく、必要に応じて接続する。これが時間管理の未来の形なら、大歓迎だ。ぼくは複雑なメカが大好きな方だが、それでも時間帯とかアラームの設定は面倒くさい。アプリがそれをやってくれるのなら、大いにけっこうだ。

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Armは進化したモバイルチップのラップトップ適性を確信、向こう二年間が勝負と

世界中のほとんどすべてのスマートフォンやIoTデバイスで使われているチップを設計しているArmが今日(米国時間8/17)、今後二年間のロードマップを発表した。Armがそんなことをするのはこれが初めてだが、その理由はたぶん、同社のチップをラップトップにも持ち込みたいという意欲を、強調するためだろう。

今のところ、Armベースのラップトップといえば、遠く途(みち)半ばだが、でも最近Microsoftは、常時接続のWindowsラップトップという構想でArm方向へ大きく舵を切ろうとしている。それは理論的にはすごいかもしれないが、その一回の充電で一日中動くラップトップは、パフォーマンスでx86チップにかなわないだろう。でもArmは、そのギャップは急速に閉じつつある、パフォーマンスと電池寿命のもっと良いバランスを提供できる、と言っている。

それどころか、ArmのマーケティングプログラムのシニアディレクターIan Smytheは、同社の次世代アーキテクチャをIntelの中級機Core i5と、堂々と比較している(下図)。

Smytheは今日の記者発表の席でこう述べた: “画面の大きなデバイスに映像を満足に表示できるのも、コンピューターの性能アップのおかげだ。そして弊社のビジョンは、これまでのモバイルのイノベーションの力を借りてラップトップのパフォーマンスを上げることだ。そのためにはファウンドリと協力して、今日と明日の最先端のチッププロセスでそのパフォーマンスを実現しなければならない”。

Armが発表したロードマップはそれほど詳細ではないが、でも今年同社はCortex-A76アーキテクチャを製品化するだろうし、そのためにパートナーのファウンドリは10nmと7nmの両方のプロセスを使うだろう。そして来年同社は、Deimos CPUsをローンチするが、こちらはすべて7nmのプロセスだろう。2020年になれば、Herculesプロセッサーを7nmと5nmのプロセスでローンチする(下図)。

それらの裸の計算性能では、A76はIntel i5と競合し、Armは5WのTDPを約束している。単純に物理的な計算性能だけでコンピューターの実用性能が決まるわけではないが、あえてそれを持ち出すのは、Armとそのパートナーたちのラップトップ市場に賭ける意欲を表している。そして同時にまた、スマートフォンもより強力になるのだ。

しかし、Armのプロセッサーが本当にラップトップ市場に食い込むことができるのか? Smytheは、それを確信している: “各回のイノベーションがもたらす破壊的進化により、その都度、新たな機会が作られる。そのときわれわれが有利性を示すことができれば、ラップトップ市場にわれわれの足場が作られて、それが大きくなる。今度のArmデバイス上のWindowsという初の試みも、そんな機会の一つであり、今後のCortex A76ベースのデバイスとその先には、それらがもたらす能力と破壊的進化により、今あるものを超えた機会が開けるだろう”。

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ガートナー、世界スマートフォン販売台数の減少を初めて報告

ここ数年、世界のスマートフォン販売状況は絶好調とはいえないが、Gartnerの最新データによると、同社のアナリストが追跡を始めて以来初めての減少を記録した(ただし、減少を指摘したアナリストは以前にもいた)。

Gartnerによると、2017年Q4のエンドユーザーに販売されたスマートフォンは4.08億台で、2016年Q4より5.6%減少した。

同社によると、スマートフォンメーカー第1位のSamsungは対前年比3.6%減だった。Apple iPhoneの売上は5%減ったが市場シェア第2位は確保した。

GartnerはQ4売上の減少には主要因が2つあると言っている。ひとつは多機能電話からスマートフォンへの買い換えが遅れていることで、これは高品質で「超低価格」なスマートフォンがないことが理由だ。もうひとつは、スマートフォンオーナーが高級モデルを買って長期間使用するようになり、買い換えサイクルが長くなったためだ。

AppleのQ4実績は、同社の新しい最高機種iPhone Xの提供が遅れたために、iPhone 8と8 Plusという別の新機種への買い換えが低調だったことの影響も受けた。iPhone Xの供給の遅れは、部品の不足や生産能力の制約によるところもあった。

Gartnerは、Appleが2018年最初の四半期で、遅れを取り戻すと見ている。看板機種の流通サイクルは正常に戻っている。

また、SamsungもGalaxyの最高機種を発売するQ1に売上を伸ばすとGartnerは予想している。

2017年通年ではSamsungの市場シェアは20.9%、Appleは14.0%だった。

極東市場

先月、Canalysのアナリストは中国の年間スマートフォン出荷台数が初めて減少したことを報告した。中国は飽和する欧米諸国に代わり数年間にわたってスマートフォンの成長を支えてきた。しかし、さすがに中国の消費者たちも財布の底が尽きてきたようだ。

ただし中国のOEMメーカーは依然として伸びている。そしてGartnerによると、トップ5中の中国メーカーの市場シェアは、2017年に4.2%増加したが、SamsungとAppleのシェアは変わっていない。

スマートフォンメーカーのうち、中国のHuaweiとXiaomiの2社だけが、Q4に積極的にシェアを拡大し、ホリデー四半期の販売台数はHuaweiが7.6%、Xiaomiが79%伸ばした。

Gartnerは、Huaweiが同四半期に新機種を発売して製品ラインの魅力を高めた努力を躍進の要因に挙げた。また、Xiaomiの「競争力のある」品揃えが新興のアジア太平洋市場での成長を加速し、中国でのシェア回復にも貢献したと言っている。

Huaweiは世界のスマートフォンメーカーランキングで3位をキープし、2017年は通年シェア9.8%を獲得してAppleとSamsungとの差を縮めている。

Overall, Gartner says total smartphone sales exceeded 1.5 billion units in 2017 — a year-on-year increase of 2.7 per cent.

2017年全体では、スマートフォン総販売台数は15億台を超え、対前年比2.7%増だった。

OSプラットフォームでは、GoogleのAndroidが2017年にリードを広げ、全市場の86%、前年比1.1%だった。iOSは14%だった(「その他のOS」カテゴリーは存在しないに近い0.1%へと縮小した)。

そして世界最大のモバイル展示会、MWCを間近に控え、Androidベースの新しい端末が出てきそうだ —— Samsung、NokiaブランドのHMD等々が控えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スタートアップ時代が終わった後に何が来るのか?

最近シリコンバレーとサンフランシスコには奇妙な空気が漂っている。他所では、つまりデンバーサンチャゴトロントベルリンなどではSilicon GlenSilicon AlleySilicon RoundaboutStation Fなどスタートアップのセンターを育成している。こうした都市は皆、第2のシリコンバレーになることを夢見ているのだ。しかしシリコンバレー自体ではどうだろう? ここでは「スタートアップの黄金時代は去った」という空気が支配的だ。

世界中いたるところで工学や経営学の学位を得た若者たちが第2のFacebook、Uber、Airbnbを創立しようと懸命だ…ポール・グレアムが創立したY Combinator方式のスタートアップ・アクセラレーターがどこの大都市にも生まれている…テクノロジー起業家は生活、経済のあらゆる面をディスラプトしつつある…ビッグビジネスは神経痛の恐竜も同様、動きが鈍く、俊敏で鋭い牙を持った哺乳動物―スタートアップにとって代われられてしまうだろう…。

残念ながら、ノーだ。上に述べたようなことは10年前の話だ。 時代は変わった。いまやスモールではなくビッグであることがもてはやされる。しばらく前から振り子は反対側に揺れ始めた。来るべき10年の主役はスタートアップと起業家ではなく大企業と大企業経営者たちだ。今の優秀な若者は第2のザッカーバーグになろうとするよりザッカーバーグの会社で働くことを目標にしている。

1997年から2006年ごろのインターネット時代の到来はAmazon、Google、Facebook、Salesforce、Airbnbといった新たな企業を登場させた。インターネットはそれほど革命的だった。数人の若者がガレージや学生寮の1室で新しいサイトを立ち上げ、数百万ドルの資金を手に入れ、世界を変えるような存在に成長することが可能だった。その後、2007年から2016年にかけてのスマートフォンの時代にはUber、Lyft、Snap、WhatsApp、Instagramなどが注目された。スマートフォン・アプリの登場はインターネットの登場に近い大きな影響を与えた。

しかし周囲を見回してもインターネットやスマートフォンに匹敵するような革命が起こりつつある様子はない。ウェブはすでに巨大企業に分割占領されている。誰もがすでにスマートフォンを持っており、アプリの世界を支配するのもビッグビジネスだ。ウェブにせよスマートフォンにせよ、現在のテクノロジーはきわめて複雑で開発には莫大なリソースを必要とし、ビッグビジネス以外には手に負えない規模となっている。

2017年のシード投資がダウンしたのは偶然ではない。Alphabet、Amazon、Apple、Facebook、Microsoftは「テクノロジー分野のビッグ5」から世界でももっっとも時価総額が大きい上場企業5社へと成長した。世界の支配者はこの5社とそれに続く大企業グループだ。

次世代の重要テクノロジーにはAI、ドローン、AR/VR、暗号通貨、自動運転車、IoTが含まれることは常識となっている。これらの技術が全体として社会を大きく変えることは確実だが、当初のウェブやスマートフォン・アプリに比べると圧倒的に複雑であり、多くのスタートアップの手が届かない範囲にある。以下個別に問題点を見ていく。

AI:実装には並外れた才能を必要としない。というか機械が学習する基礎となる膨大なデータなしにはいかに才能があっても役に立たない。それでは誰がそうした巨大データの山を所有しているかといえば、先程述べたビッグ5だ。プラス中国のTencent、Alibaba、Baiduだろう。

ハードウェア:これはドローンやIoT(モノのインターネット)デバイスが中心になるが、プロトタイピングが困難で大きな資金を必要とする。また一般に製造業はマージンが低く、スケールさせるのも難しい。FitbitJawboneJuiceroHTCなどの例を見てみるとよい(ただし新しく登場しつつあるハードウェアを基礎とするソフトウェアやサービスは例外だろう。こうした分野のスタートアップは成功の確率が平均よりずっと高いと思われる)。

自動運転車: 言うまでもなく金がかかる分野だ。バイオもそうだが、こうした分野は巨大企業による資金投入の競争の場となっている。少数のスタートアップは有利な条件で買収される可能性があるが、それ自身で大企業に成長できる可能性はほとんどない。

AR/VR: 現在すでに当初の楽観的な普及の予測は大きく外れている。ハードウェアは依然高価であり、ソフトウェアの開発も依然として難しい。スタートアップのMagic Leapは20億ドル近く(!)の投資を集めたにもかかわらず、まだ何のプロダクトも発表できない。(根拠の有無はともかくとして)Theranosと比較する懐疑的な意見も出ている。一方、MicrosoftのHoloLens、GoogleのCardboard / Tango / ARCore、AppleのARKitは着実に前進し続けている。

暗号通貨: これは別にスタートアップに価値を与えるようなテクノロジーではない。これは新たな分散型の通貨とそれによるエコシステムを創造しようとするテクノロジーだ。Bitcoin自体の価値はBitcoinをベースにしたスタートアップの会社評価額とは比べ物にならないほど大きい。Ethereumについても同じことがいえる。信奉者は暗号通貨が世界のすべてを変えるはずだと主張するが、このTwitterのスレッドを読めば、私のようにインターネット経済は非中央集権化されるべきだと信じている私でさえ、そこここでうなずかざるをえない。

Blockchain/暗号通貨に関する賛否の意見 

とすると、テクノロジー・スタートアップの出番はどこに求めたらよいのだろうか? 成功へのハードルは高いだろう。大企業、願わくばトップ5に買収されるというのがベストの可能性かもしれない。もちろん例外的に独自の成長を遂げるスタートアップも現れるだろう。しかしスタートアップがブームであった頃に比べるとその数はずっと少ないはずだ。

こうした移り行きをすでに現実のものだ。たとえばY Combinatorを考えてみるとよい。スタートアップ・アクセレーターというコンセプトのパイオニアであり、あらゆる意味でその模範となる存在だ。YCのクラスに入るのはハーバード大学に入るより難しいと噂されるくらいだ。ではその卒業チームはどうなっただろう? 5年前、 2012年にはYC出身のトップ3といえばAirbnb、Dropbox、Stripeであり、まさに世界を変革する勢いだった。

では早送りして現在の状態を見よう。YCを代表とするスタートアップのトップ3は…変わっていない。この6年、YCはそれ以前の全期間(最初の6年)の2倍以上のスタートアップに投資してきた。しかし2012年のビッグ3ほどの成功を収めたスタートアップを1チームでも覚えているだろうか? 唯一の例外になる可能性があるのは生鮮食品配送のInstacartだが、AmazonがAmazon FreshとWhole Foodsスーパーマーケットチェーンの買収でこの市場に参入を図っているのは大きな不安材料だ。

Amazon、Apple、Googleを始めとする巨大テクノロジー企業はますます支配力を強め、スタートアップの成功はますます難しくなる。もちろん歓迎すべき事態ではない。ビッグ・ビジネスの支配力は今でも強すぎる。AmazonとGoogleはあまり圧倒的なので公的規制を受けるべきだという声もある。Facebookに掲載されたフェイクニュースが大統領選に影響を与えた可能性もある。

スタートアップは新しいアプローチ、新しい思考をもたらし、時代遅れの巨大企業が支配する非効率な市場を変革する。しかしテクノロジーの進化の現状を見ると、次の5年から10年は、時代遅れであろうがなかろうが、巨大企業が支配を強める時代になりそうだ。私としては振り子がいつかまた逆の方向に振れ始めればよいと祈っている。

画像: Wikimedia Commons UNDER A Public domain LICENSE

〔日本版〕トップ画像はアニメ番組『ルーニー・テューンズ』のエンディング。「これでお終い」。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

BlackBerry、最新機種でキーボードを見捨てる

昨日(米国時間10/8)ドバイのGITEX Technology Weekで、BlackBerryは巨大バッテリー搭載の全画面スマートフォン、Motionを発表した。TCLがBlackBerry Mobileブランドで製造するMotionは、5.5インチのスクリーンを備えSnapdragon 625 SoCプラットフォームを採用している。

同端末は当初中東市場で販売され、価格は460米ドル前後。北米地域での販売については何も発表されていない。

画面は大きく、バッテリーはいっそう大きい。5.5インチ画面の下には4000 mAhのバッテリーが潜んでいる。ちなみにSamsung Galaxy S8+のバッテリーは3500 mAhだ。

これは、近代BlackBerryとして2番目の端末だ。同社今年発売したスマートフォンのKEYoneには、画面の下にキーボードが搭載されていた。しかし本日発表されたのは純粋なタッチスクリーン・スマートフォンで、すでに同社はハードウェア事業からほほ撤退していることから、BlackBerryのコアなユーザーが対象であることは間違いない。

BlackBerryはかつてResearch in Motion(RIM)の名前で知られていた会社で、携帯端末のブランドをTCLに売却し、このスマートフォンを作ったのがそのTCLだ。BlackBerry自身はセキュリティーに特化したソフトウェアベンダーとして復活しつつあり、最新の四半期決算を見ると、ピボットは大成功を収めたようで、ウォール街の期待を上回っている。売上総利益率は76%で、前四半期の67%、前年同期の62%を超える新記録だった。

BlackBerryブランドは復活したものの、ほとんどゼロのブランド市場シェアを救うには至っていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 8の電池が膨張してケースが割れる問題をAppleは今調査中

iPhone 8とiPhone 8 Plusを買った人たちの一部から、電池が膨らんでケースが開き、内部が露出するという報告が寄せられている。

Appleのスポークスウーマンは、問題を調査していることを確認したが、被害が生じたデバイスの台数については口をつぐんだ。

本誌が聞いたかぎりでは、報告の数はきわめて少ない。

昨日(米国時間10/5)CNETが、いくつかの報告があることを報道し、iPhone 8が継ぎ目から割れるという報告は少なくとも5か国からの計6件だ、と述べた。

今日のReuters(ロイター)によると、中国の国営メディアが、買ったばかりのiPhone 8 Plusが10月5日に割れて開いたというユーザーについて報道している。ただし焼け焦げや爆発の様子はない、という。

AppleのライバルSamsungは昨年、同社のスマートフォンGalaxy Note 7の電池が大きな問題を抱えた。そのときは一部のNote 7の電池が発火し、Samsungは出荷したNote 7のすべてをリコールするという、大きな損害を被った。

iPhone 8の場合、これまでの報告では、電池が膨張するだけで発火はないようだ。

でも発売が9月22日だから、まだ発売直後と言っても過言ではない。

Appleは例によって発売後第一週のiPhone 8と同Plusの売上台数を発表しないから、現に今何人の人がこの製品を手にしているのかは分からない。

一部のアナリストの説では、アップグレードを手控えて、後日発売の最上位機種、iPhone Xを待っている消費者も少なくないだろう、という。

iPhone Xの予約受付は10月27日に始まり、発売は11月3日の予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iPhone 8のカメラのポートレートライティング機能でプロがスタジオで撮ったような高級感ある写真を作れる

iPhone 8のカメラには、これまでのポートレートモード(Portrait Mode)に加えて、“ポートレートライティング”(Portrait Lighting)という新しい機能がある。この機能は機械学習を使ってカメラの画像をリアルタイムで分析し、それに基づいてプレビュー段階またはPhotosアプリで撮影後に、ライティングの効果を変えられる。

iPhoneでAppleは、人が気軽にいつも持ち歩くようなカメラに高度な撮影効果を持たせようとしているが、これもその一環だ。昨年のポートレートモードでは、人工的なボケ効果で背景をぼかし、被写界深度を変えたような写真を作れた。そして今回のイフェクトは、人工的にライティングを変えて、まるでプロの写真家が高価な照明装置のあるスタジオで撮ったような画調を作り出す。

Appleは、これがフィルターの一種ではないことを強調している。シーンを分析して、その結果に基づいて画像情報を自動的に調整するのだ。たとえば、いろんな部分の露出やハイライトを変えて、ダイナミックなライティング効果を作り出す。

今日(米国時間9/12)見たデモでは、顔の輪郭を明るくするとか、額(ひたい)などのハイライトを変えて単灯のステージライトが当たってる感じにしたり、顔をグレースケールにしてほかのものを黒っぽくフェードさせる、といった効果を見た。

この超クールなイフェクトは、iPhone 8 Plusのデュアルカメラを必要とする。だれもかれもがこの機能を使い始めたら、Instagramのフィードが、一見すごい上手な写真ばかりになるだろう。

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スマートフォンのギミックとゲームチェンジャーの違い

近頃は明らかに出来の悪いスマートフォンのフラグシップ機を見つけるのは難しい。時としておかしなものもあるだろうが、総じてよくできている。画面、カメラ、そして内部。改善の余地は常にあるが(バッテリー、耐久性など)、良いものと悪いものとの隔たりはかつてとは比べ物にならないほど小さい。

そしてここ何世代か、ほとんどのフラグシップ機は見た目がほぼ変わらなくなった。指紋センサーやホームボタンはあちこちに移動しているが、一般人はおそらくiPhone/Galaxy以外を識別することはできないだろう。これは知的財産権のコピー問題なのかもしれないし、あるいは、画面がほとんどのポケットサイズ通信デバイスには、理想のフォームファクターというものが存在しているのかもしれない。

最大手以外のスマートフォン会社にとって、自らを差別化することは非常に困難だ。少なくとも米国では、SamsungとApple以外の会社すべてが当てはまる。トップ2社以外にとって(実際のところ、その2社でさえ)この混みあった業界がいかに厳しいかを踏まえると、多くのメーカーが差別化に走るのは当然だろう。

ギミック(ちょっとしたからくり)はそれ自体悪くない。主流になってしまえば、もはやギミックではない。標準機能だ。たとえば防水。いくつかのメーカーが展示会で水槽に自社製品を入れ始めたとき、注目を集めるためだと思われた。しかし、実は誰もが欲しがっていた機能だった。今やフラグシップ機にとって当たり前の機能になった。スノーケリングのためだけではなく、土砂降りにあったりうっかりトイレに落とした時のためだ。

袋一杯の乾燥した米では十分ではないこともある。

対称的なのがAlcatelのA5 LEDだ。これは90年代に流行ったスニーカーのL.A. Lightsに相当する。かかとが地面につくたびに光る靴だ。これは一か八かの神頼みのような製品であり、スマートフォンを高価なおもちゃだと思っている証拠だろう。

一方、良くできたギミックもある。LGの製品はつまづきもあったが、興味深いアイデアがないという意味ではない。この会社はデュアルレンズ・カメラの先駆者の一つであり(V20)、縦に長いフォームファクター(G6)も早期に採用した。いずれも今やフラグシップ機では標準になっている。

もちろんこうした端末は、良いギミックだけではスマートフォンとして成功できないことを示す好例でもある。さらに明白な例は、あのG5に見ることができる。この機種はモジュラー端末の期待を背負って登場した。しかし結果は破滅的であり、会社が経営難に陥った主要な原因ともいわれた。しかし、これはモジュラー方式が失敗の運命にあることを意味していない。G5から遠からず発表されたMotorrola/LenovoのMoto Zシリーズは会社に成功をもたらした。すでに数百万台を売ったと発表している ―― 発表当時多くの人たちが見限った製品としては大したものだ。

こうした端末の出来栄えの違いははっきりしている。まず、Moto Zはハードウェアとしてよくできている。ギミックだけに頼ってはいけないという現実的教訓だ。マグネット方式もこれまでで最高のモジュラー実装だ。Moto Zの発売時に有用なモジュールがいくつかあったことも大きい。ゲーム機にゲームが必要なのと同じく、モジュールのないモジュラーフォンはおよそ意味がない。

もちろん、Motoralaの単一の成功例は「ゲーム・チェンジャー」にはならない。ほかのメーカーもモジュール化に目を向けているようではあるが、かつて競ってモジュラー製品を出した時とは違う。

HTC U11の結論はまだ出ていない。そもそもこの製品はまだ市場に出ていない。それでも、現時点で Edge Senseはギミック以上に思える。しかし端末にもたらす現実的な機能はあったとしても限定的だ。会社は、スクイーズ可能な端末側面の使い方を増やしていくことを約束しているが、アプリを起動できるくらいでは、ユーザーがスマートフォンを買う動機にはなりそうもない。

ギミック自体に問題はない ―― ギミックだけにならなければ。成功するためにはデバイスに有用な機能を付加し、スマートフォン全体の利用体験を邪魔しない、意味のある機能でなくてはならない。目先にとらわれないことも重要だ。メーカーは現在の栄光に満足してほかのハードウェアやソフトウェアに対する努力を怠ってはならない。

そうでなければ、ライトのつくスニーカーを売る羽目になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ネット広告の効果としての物理店来店者数予測にGoogleはディープラーニングを利用

Googleは、今日行われたMarketing Nextカンファレンスで、来店計測ツールのアップデートを発表した。Googleは2014年以来、ユーザー名を取り去った位置データと状況的データを利用して、ネット広告に刺激されて物理店に来る人の数を推計してきた。今回同社は、そのツールを機械学習で強化して、考慮する要素を増やし、推計の精度を上げた。

オムニチャネルマーケティングは、今大流行のバズワードだ〔IBMにはOmni-channelという製品まである〕。これは、目立ちすぎて目ざわりな言葉であるだけでなく、マーケターにとっての重要な問題も示唆している。物理的な小売店という古い世界と、オンラインショッピングという新しい世界、この二つの世界のデータをうまく組み合わせて、今後の経営意思決定のために利用したいのだが、具体的にはどうやるのか? それがまさに、オムニチャネル(omnichannel, 全方向的な)マーケティングの課題なのだ。

Googleはこれまで、Wi-Fiの信号や位置データ、地図、計測データなどを利用して来店数を巧みに推計してきたが、でも過密都市や中高層のモールなどでは顧客の動きを掴みかねていた。そういうところのロングテールは、従来の推計テクニックになじまないのだ。

この不確実性を解決するために、Googleはディープラーニングに着目した。大量かつ多様な訓練データをディープラーニングに注ぎ込めば、もっと多様なユースケースを扱えるようになり、データの精度は上がるのではないか。

AdWrodsのプロマネVP Jerry Dsichlerはこう言う: “今は、コアの部分で機械学習を利用している。機械学習がなければ、来店数を計算できなかっただろう”。

Googleによると、わずか3年で、計算した来店者数は50億に達した。この数をもっと大きくしたい同社は、同様のキャンペーンにYouTubeやTrueViewを含めようとしている。今、ますますビデオ広告の効果が大きいから、その動きも当然だ。

YouTubeの利用を告知するにあたってGoogleはマーケターたちに、店舗売上の管理機能をデバイスとキャンペーンの両方に含める、と発表した。店頭データをAdWordsに統合すると、コンバージョンからの来客がさらに目立つようになるだろう。

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GoogleのPixelスマートフォン、今年中に‘2’が出ることは確実

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GoogleのPixelスマートフォンは、昨年同社がモバイルのハードウェアに関して行った、抜本的な再編成を表していた。それは、一般消費者と評論家たちの両方から大いに賞賛された。そして、さらに良いニュースが: Googleのハードウェア担当SVP Rick Osterlohが今年のMWCでAndroid Pitに語ったところによると、Pixelの後継機が年内に出る。

Osterlohによると、どうやらそのPixel 2は、同機の“プレミアム”(高級機)という位置づけをそのまま継承するようだ。彼によると、同社には低価格機を提供する意思がない。そちらは、そのほかのハードウェアパートナーたちの担当分野にしたい、と。

ハードウェアの1年というリリースサイクルはふつうだから、Googleが今年スマートフォンを出すことは前から予想されていた。でもOsterlohの談話には、これまで明らかにされなかった同社の戦略のようなものが、見え隠れしている。

第一に、GoogleはPixelで打ち出した新しい戦略コースを外れない。それによって、さらに直接的に、iPhoneとの競合を目指す。

第二として、ミッドレンジやローエンドを同時に追うことによって、同社の集中力を分割弱小化しない。

Googleのスマートフォン戦略としては、きわめて妥当だろう。初代のPixelは今でも最良のAndroidスマートフォンだから、その路線が継続されるのは嬉しいね。

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外国語学習のDuolingoがソーシャルな機能を加えてモチベーションの持続と進捗アップをねらう

College students working in group with laptop in library

今やユーザー数が1億5000万を超えているDuolingoは長年、コンピューターやスマートフォンから誰もが気軽に外国語を勉強できるサービスとして人気があった。でも、教室のような環境と違ってDuolingoで勉強することは孤独な営みだ。そこで同社は今日(米国時間12/29)、言葉を勉強する体験にソーシャルな要素を加えるDuolingo Language Clubsというオプションを導入した。

この機能はiOSAndroidの両方で使えるが、同社はこれを“ジム友だち”になぞらえる。そう、体ではなく、脳を鍛えるジムの。このクラブでユーザーは、自分の成績のニューズフィードを友だちとシェアできる。そして競争性を持たせるために、毎週のハイスコアボードがある。

Duolingoの協同ファウンダーでCEOのLuis von Ahnは、今日の発表声明でこう言っている: “言葉を勉強することは本質的にソーシャルな体験だ。言葉の勉強の大きな難関のひとつがモチベーションの維持だが、今度の新しい機能で友だちや家族と目標をシェアできれば、ユーザーは勉強の進捗がもっと早くなるだろう”。

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このソーシャルな機能は、母国語が次の言葉の人たちが今日から使える: 英語, スペイン語, ポルトガル語, フランス語, ドイツ語, イタリア語, ロシア語, オランダ語, ハンガリー語, ウクライナ語, トルコ語, 韓国語, 中国語, 日本語, ベトナム語, インドネシア語, ギリシャ語, ルーマニア語, チェコ語, ポーランド語, タイ語, そしてヒンズー語。

Duolingoがこの新しい機能を今日発表するのは、偶然ではない。数日後の1月1日には世界中の多くの人たちが、“新しい外国語をおぼえること”を新年の誓いに加えるからだ。たいがい、一週間後にはそのことを忘れてしまうのだけどね。しかも12月にはスマートフォンの新規ユーザーが(ギフトの結果として)どっと増えるから、Duolingoとしては販促の機会として絶対に無視できないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))