米国の州検事総長がTikTokとSnapに対して他社製ペアレンタルコントロールアプリに対応するよう要望

TikTok(ティックトック)とSnapchat(スナップチャット)にはペアレンタルコントロールの強化が必要だとする書面に、44人の州検事総長が署名した。

米国時間3月29日、全米検事総長協会(NAAG)は10代の間で広く使われているTikTokとSnapchatに対し、一連の懸念を書面で送った。

州検事総長のグループはソーシャルメディアアプリに関して、広い意味で子どもの身体、感情、精神の健康に与える悪影響などさまざまな問題点を挙げている。虐待的な性的関係を表現したコンテンツは子どもの健全な関係に対する考え方を著しく傷つけることがあり、家庭内虐待や人身売買の継続を助長する恐れもあると指摘している。そして書面では、TikTokとSnapchatが他社製ペアレンタルコントロールアプリと効果的に連携して保護者がプラットフォーム上での子どもの行動を監視し制限することに努めていないと強調している。

NAAGはBarkというアプリの調査を引き合いに出した。2021年に30種類のアプリで34億通のメッセージを分析したところ、10代の74.6%が自傷や自殺の状況に関わり、90.73%がオンラインでヌードや性的コンテンツに接し、93.31%がドラッグやアルコールについて話したという。

書面では「ペアレンタルコントロールアプリは保護者や学校に対し、プラットフォーム上のメッセージや投稿が有害で危険な恐れがあることを警告します。子どもが自傷や自殺の願望を示した場合にも保護者に警告できます」と述べられている。

Snapchatにはすでにアプリ内のペアレンタルコントロール機能があり、TikTokにもあるが、州検事総長のグループはプラットフォームに対し他社製ペアレンタルコントロールアプリとの互換性を高めるように要望している。ただし、特定のプロダクトは推奨していない。州検事総長のグループは、ペアレンタルコントロールアプリはプライベートなメッセージなどアプリに内蔵のペアレンタルコントロールでは監視していないソーシャルメディアアプリの機能にもアクセスできることに言及している。さらに他社製アプリは、アプリのメインのフィードに表示されるユーザー生成コンテンツのフィルタリング機能も優れているとしている。

ただし、他社のコントロールアプリには子どもを監視する方法に関して独自の問題がある。

TikTokとSnapchatにはペアレンタルコントロール機能があるが、競合のInstagram(インスタグラム)にはなかった。ソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに与える影響に関する一連の上院公聴会の後、Meta(メタ)はようやくInstagramにペアレンタルコントロールの導入を開始した。

しかしペアレンタルコントロールの有無に関わらず、こうしたプラットフォーム上での10代の安全について米国政府は今も懸念を持っている。バイデン大統領は一般教書演説でソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに与える脅威に言及した。この一般教書演説にはFacebook(フェイスブック)の元従業員で内部告発をしたFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏がゲストとして参加していた。

10代の間ではInstagramよりTikTokの方が人気があり、Instagramはそれに負けじとTikTokによく似たリールに投資している。しかしTikTokは急速に成長してソーシャルアプリとして地位を守っているため、Metaは自社の存在感を維持するために驚きの行動に出た。The Washington Postが米国時間3月30日に報じたところによると、Metaは共和党系コンサルティング企業のTargeted Victoryを使ってTikTokに対する大衆の反感をあおったという。Targeted Victoryが危険なクチコミトレンドがTikTokで始まったと主張して世論に影響を与えようとしたが、それは実際にはFacebookで始まったものだったというケースもあった。TechCrunchも2018年に、FacebookがTargeted Victoryと組んでFacebookプラットフォームの政治広告費に影響を及ぼす法案の進行を遅らせようとしたことを報じた

Targeted VictoryのCEOであるZac Moffatt(ザック・モファット)氏は声明で「Targeted Victoryの企業活動ではクライアントに代わって両党のチームに対応しています。我々が数年間にわたってMetaと協力しているのは広く知られていることで、我々はこれまでの仕事を誇りに思っています」と述べた。

いずれにしても、アプリを10代にとって安全なものにするためにペアレンタルコントロールにできることは限られている。アプリそのものが、危険なコンテンツを10代に提供しないように努めなくてはならない。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

Netflix、PayPal、Adobe、Epic Games、任天堂もロシアでの事業停止

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアでの事業を停止するハイテク企業のリストが増え続けている。この動きに最近加わった企業には、Netflix(ネットフリックス)、PayPal(ペイパル)、Mastercard(マスターカード)、Visa(ビザ)などの有名どころが含まれている。

Varietyが最初に報じたように、Netflixは米国時間3月6日、ロシアでのサービスを停止すると発表した。この措置は、同社が先週、ストリーミング配信会社にロシアの20のプロパガンダチャンネルホスティングを義務づけるロシアの新法に従わないと述べたことを受けたものだ。Netflixはまた、ロシアで制作を予定していた今後のすべてのプロジェクトを一時停止している。

Adobe(アドビ)も、ロシアにおける自社製品・サービスの新規販売をすべて停止すると発表した。同社は、自社の製品やサービスが「法律に反した戦争の支援に使用されない」ようにする責任があると信じている、と述べている。

PayPal(ペイパル)は、米国時間3月5日にロイターが最初に報じたように、ロシアでのサービスを停止すると発表した。ウクライナのMykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)副首相はツイートで、PayPalのCEOであるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏がこの措置を確認している書簡を公開した。

ロシアから撤退した決済企業はPayPalだけではない。Mastercardは米国時間3月5日、ロシアにおけるネットワークサービスを停止すると発表した。つまり、ロシアの銀行が発行したカードは、今後Mastercardのネットワークではサポートされなくなる。また、ロシア国外で発行されたすべてのカードは、ロシアの商店やATMで使用できなくなる。同社は、適切な時期に業務を復活させるとしている。

同様にVisaも同日、ロシアでの全業務を停止したと発表した。同社は、ロシア国内の顧客やパートナーと協力し、すべてのVisa取引を停止するとしている。ロシア国内で発行されたVisaカードでの取引はすべてロシア国外では機能しなくなり、ロシア国外の金融機関が発行したVisaカードはロシア国内で使えなくなる。

ゲーム会社もまた、テック業界の他の企業とともにロシア国内でのビジネスを終了する。Epic Games(エピックゲームズ)は米国時間3月5日、ゲームに関するロシアとの取引を停止すると発表した。しかし同社は「他のコミュニケーションツールがオンラインであるのと同じ理由で、アクセスをブロックしていない。自由な世界は、すべての対話をオープンにしておくべきだ」と述べた。

態度を明らかにしたゲーム会社はEpic Gamesだけではない。Activision Blizzard(アクティベーションブリザード)も同じ日にロシアの消費者へのゲーム販売を一時停止すると発表した。同社はまた、ロシアでのゲーム内購入の提供も停止する予定だ。

任天堂も、利用している決済サービスが「ルーブルでの決済処理を停止した」ため、ロシアのeショップを一時的にメンテナンスモードにし、同国でのデジタル販売を停止した。

Snapchat(スナップチャット)は先日、安全予防策としてウクライナで公開されているSnap Mapの「ヒートマップ」を無効化すると発表し、対応を拡大した。ヒートマップ機能は通常、人々が多数のSnapを共有した場所を目立たせる。この措置は、同社がその前にロシアで広告を一時停止していると発表したのに続くものだ。

また、TikTok(ティクトック)は米国時間3月6日、ロシアの新しい「フェイクニュース」法に対応して、ライブストリーミングと動画サービスの新コンテンツを停止すると発表した。この法律では、ロシア政府がウクライナ侵攻に関する偽情報と見なすものを公開した者は刑務所に入ることになる、と脅している。TikTokは、従業員とユーザーの安全を維持するために、同国での事業を停止することを決定した。

Samsung Electronics(サムスン電子)は「このところの地政学的な動きにより」ロシアへの全製品の出荷を停止すると発表した。出荷が停止された製品には、スマートフォン、半導体、家電製品などが含まれる。この動きは、デバイスメーカーのApple(アップル)やDell(デル)、チップメーカーのIntel(インテル)、ソフトウェア大手のMicrosoft(マイクロソフト)からの同様の発表に続くものだ。

GrubHub(グラブハブ)は、ロイターが最初に報じたように、ロシアのテック大手Yandex(ヤンデックス)との提携を終了すると発表した。複数年にわたるこの提携は、大学生に食事を配達するドライバーレスロボットに関するものだった。Grubhubは、欧州最大の食事宅配会社Just Eat Takeaway.com(ジャストイート・テイクアウェイ・ドットコム)の一部門だ。

ロシアに対抗する姿勢を示したこれらの最新の企業グループは、AppleやGoogleなどの仲間入りをしている。Appleは3月1日、ロシアでの製品販売を停止したことを認めた。また、App StoreからSputnikとRT Newsを削除し、同国でのApple Payサービスの一部を無効にしたGoogleはAppleに続き、自社のモバイルアプリストアからRT(ロシア・トゥデイ)とSputnikのアプリを削除した。Googleはロシアでの広告販売も一時停止した

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

Snapchatが「家に着いた?」のかわりになるリアルタイムの位置情報共有機能を導入

Snapchat(スナップチャット)は米国時間2月18日、バディシステムのような新機能を展開し、ユーザーが15分というような少しの間、または数時間、リアルタイムの位置情報を友達と共有できるようにすると発表した。このグローバルな新機能は、ユーザーが社会生活を再開したり、キャンパスに戻ったり、再び旅行を始めたりする際に、友達を見守ることを目的としている。夜、友達が安全に帰宅したかどうかを確認するなど、日常的に使用することができる。

ユーザーがリアルタイムの位置情報を共有できるのは、個々の友達に限られる。Snapchatによると、安全上の理由から、ユーザーがリアルタイムの位置情報の詳細をSnapchatのすべての友達に送信するオプションはないとのこと。また、位置情報を共有するには、双方がSnapchat上でお互いを友達として受け入れる必要があるとしている。ユーザーがこの機能をオンにすると、「このツールは親しい友達や家族との間でのみ使用することをおすすめします」という注意書きが表示される。

2017年から同アプリは、ユーザーがSnapchatを利用する際に、Snap Mapで自分の位置情報を友達と共有できるオプションを提供している。現在、毎月2億5千万人のユーザーがMap機能を利用して友達とつながっている。同社によると、この新しいリアルタイム機能は、Snap Mapを友達とどのように使っているかというユーザーからのフィードバックに基づいて構築されたという。米国のSnapchatユーザーの78%が「Snap Mapで位置情報を共有することにためらいはない」「他の人とのつながりを保つための安全な方法だと思うから共有する」と答えていることを紹介している。

この新機能は、大学キャンパスでの性的暴行問題に取り組む全米の非営利団体「It’s On Us」との幅広いパートナーシップの一環としてリリースされる。また、この新機能に加えて、バイスタンダー(傍観者)の意識向上に焦点を当てた新しいPSAを公開する。

この新機能は17日、Snapchatが2月23日からユーザーネームを変更できるようになると発表した翌日に発表された。ユーザーネームの変更は、友達リスト、Snapコード、Snapchatスコア、メモリなど、ユーザーのアカウント内容には影響しない。また、すでに使用されているユーザーネームを選択することはできず、ユーザーネームの変更は1年に1度までに限られている。

画像クレジット:Snap

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

Snapchat、2月23日から待望のユーザー名変更が可能に

Snapchat(スナップチャット)のユーザーは、2月下旬からユーザー名を変更できるようになる。Snap(スナップ)が米国時間2月17日に発表した。ユーザー名の変更は、友人リスト、Snapコード、Snapスコア、メモリーなど、ユーザーのアカウントには影響しない。同社によると、全世界のiOSとAndroidのユーザーは2月23日からユーザー名を変更できるようになる。

過去に使用したことのあるユーザー名を選択することはできない、としている。また、ユーザーがユーザー名変更を決定すると、アプリはユーザー名を1年に1回しか変更できないと注意喚起する。

Snapchatのユーザー名を変更する方法

ユーザー名を変更するには、カメラの左上にあるBitmojiアイコンをタップして、プロフィールセクションに移動する。そこから、右上の歯車アイコンをタップして設定を選択。「ユーザー名」をタップすると、青くマークされた「ユーザー名を変更する」ボタンが表示される。新しいユーザー名を入力し「次へ」をタップして変更を確定する。

画像クレジット:Snap

Snapによると、ユーザー名の変更は最も要望の多かった機能の1つだという。エフェメラリティ(短命性)を中心に構築されたアプリとして、人々が成長し、変化し、ハンドルネームを変更したいと思うかもしれないことを認識している、と同社は話す。この機能は待望のものだが、その導入は必ずしもサプライズではない。2021年10月、リバースアプリエンジニアのAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルッツィ)氏がこの機能を初めて発見し、Snapがユーザーによるユーザー名変更に取り組んでいることを明らかにした。

2月17日の発表は、Snapchatがいくつかの新機能をリリースしている中でのものだ。同社は2月16日、Ticketmaster(チケットマスター)と提携し、ユーザーがSnap Map内でライブのエンターテインメントイベントを発見する新しい方法を導入することを発表した。アプリで利用できる新しい「Ticketmatcher Mini」は、ユーザーの好みに基づいて、ユーザーが興味を持ちそうなイベントをマッチングしてくれる。

Snapchatは数日前、Snap Star向けにSnapchatストーリーの途中にミッドロール広告を導入する予定であることを明らかにした。SnapchatはSnap Starを最大のクリエイターと呼んでおり、Snap Starのステータスを獲得するには申請する必要がある。Snapchatの広報担当者はTechCrunchに、この機能はすでに米国を拠点とするごく一部のクリエイター向けに非常に初期のベータ版で提供されていて、今後数カ月でSnap Starsにより広く展開する予定だと語った。これらの広告は、ストーリー内のミッドロール広告として表示され、クリエイターは広告収入の一部を得る。その支払いは、投稿頻度や視聴者のエンゲージメントなどの要素を加味した支払い方式で決定される。

画像クレジット:Snap

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

ユーザーと近くのライブイベントのマッチングのためSnapchatがTicketmasterと提携

Snapchat(スナップチャット)はTicketmaster(チケットマスター)と提携し、ユーザーがマップ内でライブエンターテインメントイベントを発見する新しい方法を開始すると、米国時間2月16日に発表した。この新機能は、新しいアプリ内のMini(ミニ)からアクセスできるようになる。Snap Minisは、Snapchatのチャットセクション内にあるサードパーティプログラムだ。新しい「Ticketmatcher Mini(チケットマッチャーミニ)」は、ユーザーの好みに基づいて、興味を持ちそうなイベントとマッチングする。

まず、ユーザーはアプリのチャットセクションにあるロケットアイコンからTicketmatcher Miniにアクセスすることができる。そこで簡単なアンケートを実施し、ユーザーの興味関心を探る。その後、アプリは、ユーザーの好みに基づいて提案されたイベントを表示し、左右にスワイプしてブラウズすることができる。同社はこれを、パートナーではなく、興味深いイベントとユーザーをペアリングする、新しいデートアプリと見なしている。

興味のあるイベントが見つかったら、友達が同じイベントにマッチングしているかどうかを確認することができる。また、そのイベントに友達を招待したり、チャットでゲストリストを作成したりすることもできる。また、ユーザーは自分のストーリーにイベントを投稿し、他の人が参加することに興味があるかどうかを確認することもできる。イベントが決まったら、チケット購入のためにTicketmasterのウェブサイトに移動する。

画像クレジット:Snap

また、マップの新しいレイヤーで、近くの会場で開催されるイベント情報を閲覧することができる。同社は、新機能「レイヤー」を通じてマップにパートナーを統合するのは今回が初めてであると述べている。同社のレイヤー機能は、Snapchatが選んだいくつかのデベロッパーパートナーのデータを直接マップに追加し、ユーザーが特定の見方で世界を見ることができるようにするものだ。

新しいTicketmatcher Miniは、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国を含む21カ国で展開されている。

今日の発表は、Snapchatが、プラットフォームが最大のクリエイターと呼ぶ、申請制のスナップスターのために、スナップストーリー中のミッドロール広告を導入する計画だと発表した数日後に行われたものだ。Snapchatの広報担当者はTechCrunchに、この機能はまだ米国に拠点を置くクリエイターの小規模なセットのための非常に初期のベータ版であるが、プラットフォームは今後数カ月スナップスターにそれをより広く展開する予定であることを語った。これらの広告は、ストーリー内のミッドロール広告として表示され、クリエイターは広告収入のシェアを獲得することになる。その支払いは、投稿頻度や視聴者のエンゲージメントなどの要素を加味した支払い方式で決定される。

画像クレジット:Snap

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Snapchatがクリエイターのストーリーにミッドロール広告を導入する計画を発表

刹那的なメッセージングアプリだったSnapchat(スナップチャット)は、クリエイターが利益を上げられるプラットフォームとしての地位を確立しようとしている。米国時間2月14日、同社はSnapStar(スナップスター)と呼ばれる(そのためには申請して資格を得る必要がある)最大のクリエイターたちを対象に、Snapchatのストーリーの中にミッドロール広告を導入する計画を発表した。

Snapchatの広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、この機能は、米国を拠点とする少数のクリエイターに向けてごく初期のベータ版がすでに導入されているが、今後数カ月のうちに、Snap Starsを対象にもっと広く展開していく予定だという。これらの広告は、ストーリーの中にミッドロール広告として表示され、クリエイターは広告収入の一部を得ることができる。その報酬は、投稿頻度や視聴者のエンゲージメントなどの要素を加味した支払い計算式によって決定される。Snapchatはこれらの支払いの仕組みなどについて、それ以上の詳細なコメントを控えている。

Snapchatは、TikTok(ティックトック)の類似品的なSpotlight(スポットライト)だけで、2021年に2億5000万ドル(約289億円)をクリエイターに支払っている。クリエイターは、アプリ内のギフト機能や、企業がAR開発者やインフルエンサーとより簡単に提携できるクリエイターマーケットプレイスを通じて、Spotlightでも利益を得ることができる。

関連記事:Snapはこの1年間でTikTok風動画のクリエイターに約284.5億円を支払っている

今回のテストは、クリエイターファンドの支払いとレベニューシェアの違いについて、クリエイターの間で継続的に行われている議論を受けて、実施されるものだ。長年YouTuber(ユーチューバー)として活躍し、Vidcon(ビドコン)の共同設立者であるHank Green(ハンク・グリーン)氏は先月、TikTokのクリエイターファンドの規模がユーザー数と同じペースで成長していないことを指摘した。つまり、TikTokのクリエイターがプラットフォームへの貢献に対して得られる収入は、時間の経過とともに少なくなっているということだ。しかも、TikTokの親会社であるByteDance(バイトダンス)が、1年で580億ドル(約6兆7000億円)もの利益を上げていることを考えれば、2億ドル(約231億円)のクリエイターファンドの規模は(それがたとえ10億ドル[1154億円]に成長することになっていたとしても)わずかなものに感じられる。一方、YouTubeは過去3年間に広告収入から100億ドル(約1兆1540億円)の分配を支払っている。しかしそれと同時に、TikTokやSnapchat Spotlightのような短い動画形式のプラットフォームに、YouTubeと同じくらい多くの広告が入ったら、とても使っていられないと感じるだろう。

関連記事:「クリエイターファンド」はそれほど褒められたものじゃない

Snapchatはこのテストで、クリエイターファンドとレベニューシェアの両方のモデルを組み合わせようとしている。しかし、この機能がクリエイターにとってどれほど有益なものになるかは、支払いの仕組みが謎のままでは何とも言えない。

画像クレジット:Snapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

やった!ついにSnapが黒字に

クラクションを鳴らせ、のぼりを立てろ、パレードをしよう。Snap(スナップ)が黒字になった

それも、調整後EBITDA黒字のことでも、調整後営業利益黒字でも、悪名高き非GAAP純利益黒字でもない。「本物」の黒字だ。

2021年第4四半期、Snapは売上13億ドル(対前年比42%増、約1493億3000万円)、営業損失2510万ドル(約28億8000万円)、GAAP純利益2260万ドル(約26億円)を計上した。これまで長年にわたりSnapのときには曲がりくねった黒字への道について書いてきた意地悪のすべてに代えて、私は「おめでとう」をいいたい。

1つだけ、わずか6320万ドル(約72億6000万円)の注意点。営業損益はマイナスなのに、どうやってプラスの純利益をひねり出したのか?

画像クレジット:Snap

この会社の2021年第4四半期の営業損失をプラスに変えるのにひと役買った「その他の利益(Other Income)」とは何か?私は知らない。今はまだ。会社の決算リリースでも用意されたコメントでも説明されていない。しかしいずれにせよ、Snapの四半期は絶好調であり、投資家たちは興奮した。株価はこの日の散々な通常取引(23.53%安)から、数字が発表されたあとの時間外取引で現在急上昇(40.90%高)している。

要するに、多くの会社に打撃を与えたApple(アップル)のプライバシーポリシー変更が、SnapにとってはOKだということらしい。これは驚きだ。なぜなら2021年第3四半期同社は、Appleの新しいプライバシー方針は損益に直接的打撃を与えるとコメントしていたからだ。どう考えればよいのか?会社の決算発表文を見てみよう。最高ビジネス責任者であるJeremi Gorman(ジェレミ・ゴーマン)氏が次のように語っている(強調は引用者による)。

ダイレクトレスポンス広告部門では、AppleのATT(アプリケーション追跡透明性)関連の変更から生じた課題への継続的取り組みによって、堅調な進展を見せています。予想していたとおり、ブランド部門では、サプライチェーン崩壊と労働力崩壊に関連するマクロな逆風が顕在化し、新年になっても未解決のままです。こうした状況にもかかわらず、当社は新しい広告主の獲得を続け、アクティブ広告主数は史上最高を記録しました。

確かに堅調な進展だ。

絶好調の四半期を推進したのは着実なユーザー成長であり、それはMeta(メタ)が現在苦闘していることそのものだ。これに関するSnapのグラフを見てみよう。

画像クレジット:Snap

要約すると「ヤバイ!」

他に関連する企業のニュースとしては、Amazon(アマゾン)は絶好調の決算報告後の時間外取引ですばらしい時間を過ごしている。これはPayPal(ペイパル)、Spotify(スポティファイ)、Netflix(ネットフリックス)をはじめとするテック世界の他社が、投資家の期待に答えられずに沈黙せざるをえなかった後の出来事だ。

最近の決算報告は悲喜こもごもであり、言い方を変えれば、我々は、少なくとも2021年は足並みを揃えて前進していたようだった企業間の業績の相違を確認しているのだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

デジタルファッションブランド「XXXXTH」がNFTタトゥーのAR試着体験をSnapchatで提供開始

デジタルファッションブランド「XXXXTH」がNFTタトゥーのAR試着体験をSnapchatで提供既読が運営するデジタルファッションブランド「XXXXTH」(フォックス)は1月20日、2021年発表したNFTコレクション「ネオ東京 – “人気”に潜む光と闇」の一部アイテムに関して、ARサービスを提供するOnePlanet協力のもと、SnapchatAndroid版iOS版)を利用したAR試着体験の提供開始を発表した。また、同日17時からNFTマーケットプレイス「OpenSea」「Foundation」で対象商品を販売する。

AR対象は、「Defensive attack #02」「狐 GAME BOYS #02」「OtattoO AImi」の3アイテム。Snapchatのアカウントを持っていれば誰でもAR試着を体験できる。

「Defensive attack #02」

「狐 GAME BOYS #02」

「OtattoO AImi」

  • Snapchat URL:AImi
  • 販売場所:Foundationで販売予定。XXXXTH公式Twitterで販売URLを公開予定。ARは素肌での利用となり、服の上からは表示されない
  • 販売期間:2022年1月27日〜28日

XXXXTHは、現実世界と仮想世界(メタバース)を横断する日本発のアパレルブランド。遠くない未来に、2つの世界の境界がなくなり、どちらの世界に存在する自分も本当の自分になる日が来ると考えており、そんな未来を楽しく過ごせるような、デジタルウェアを展開しているという。

また、「東京がメタバース化され、性別・容姿・職業など、あらゆるものを自分の思うがままに設定することができたらどうなるだろう?」という妄想から「ネオ東京 – “人気”に潜む光と闇」コレクションの構想に至ったそうだ。

Snapchat、メタバースに出てくるような顔になれる新レンズをリリース

Snapchat(スナップチャット)は米国時間12月23日、ビデオゲームSims(シムズ)のキャラクターのように見えるARフィルターのAvatar(アバター)レンズをリリースした。もっと、今っぽい表現をするとメタバースに登場するような顔になれるものだ。このレンズを使うには、Snapchatアプリでカメラを開いてSnapchatのウェブサイトにあるQRコードをスキャンする。すると、メタバースでの自分の肌が怖いほど滑らかなのを目にする。そばかすやニキビなどは存在しない。

新しいSnapchatのレンズは、特に同社が拡張現実に全面的に取り組んでいるため、本質的に注目すべきものではない。これは数年来続いているオンとオフを繰り返すバイラルのトレンドの続きだ。過去から判断すれば、おそらくすぐにTikTokに登場する。

関連記事:Snapがより高度なAR体験を可能にするクリエーター向け新機能やツールを発表、年次イベント「Lens Fest」で

Snapchatは2020年8月にCartoon Faceレンズをリリースし、ユーザーは自分のペットを「Disneyfy(ディズニー化)」するのに使えると気づいた。#disneydogというタグはTikTokに飛び火して4090万回の視聴を獲得した。そしてSnapchatは同年12月にCartoonレンズをリリースし、再びバイラルの金字塔を打ち立てた。このレンズでは、以前のレンズよりも人間の顔をよりリアルに再現することができる。

しかし、Snapchatはこのトレンドを若干改良したバージョンを作り続けていて、結局、これらもバイラルになる。人間というのは予測可能なものだ。

2021年6月、ディズニー風のトレンドは、リリース後の最初の週に28億インプレッション(広告が表示された回数)を獲得したCartoon Style 3Dレンズで再び圧倒的な記録を打ち立てた。そして今回、顔だけでなく服も漫画風になるAvatarレンズが登場した。次は、Horizon Worldsで誰かが作ったような、身の回りのものを再現するレンズだろうか。おそらく。

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2021年12月初め、SnapchatはAR技術の祭典であるLens Festを開催した。同社はこのイベントで、200カ国超から25万人以上のレンズクリエイターが参加したと発表した。合計で250万個のレンズが作られ、3兆5千億回以上視聴された。一方、SnapchatのTikTokクローンであるSpotlightは、クリエイター1万2000人の投稿に対して、総額2億5000万ドル(約286億円)を授与した。同社によると、Spotlightの投稿の65%以上がSnapchatのクリエイティブツールやレンズのいずれかを使用しているとのことだ。

Niantic(ナイアンティック)やSnapchatのような企業は、仮想現実よりも拡張現実の方がメタバースを構築するのに適していると考えている。しかし、Meta(メタ)のようなヘッドセット好きのテック大企業にとっても、ARはメタバースで実際に自分自身の姿を見せるのに役立つ。SnapchatのAvatarフィルターは、筆者を非現実的なバービー風に見せるが、それでも、茶髪で眼鏡をかけたどこにでもいる白人女性のように見える私のMeta Horizonアバターよりは、少しパーソナライズされているように感じられる。

関連記事:ナイアンティック「現実世界のメタバース」構築のために約344億円調達、評価額1兆328億円に

ただ、このような自分を目の当たりにすると、何か違和感がある。

Snapchatのレンズの中のアバターは筆者のように見えるが、眉毛は美容師に丁寧に整えてもらったかのように完璧に手入れされている。唇はふっくらとし、リップグロスをつけているようだが、筆者はその日メイクをしていなかった。

VRメタバースでは、自分を表現するアバターが必要だ。そうでなければ、ただの見えない塊になってしまう。バーチャルペルソナを作るのをサポートしようとReady Player Me(レディ・プレイヤー・ミー)、Spatial(スパティアル)、Genies(ジーニーズ)のようなスタートアップが登場している。しかし、拡張現実では、深く入り込めるようにする方法で現実世界を変化させることが前提となっている。SnapchatのARフィルターはおもしろいが、ARメタバースにアバターは必要ない。そしておそらく、ネット上で自分自身の最高の姿だけを見せることがどれほど危険なことか、私たちはすでに知っているというのは良いことだ。

画像クレジット:Snapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Snapchat、メタバースに出てくるような顔になれる新レンズをリリース

Snapchat(スナップチャット)は米国時間12月23日、ビデオゲームSims(シムズ)のキャラクターのように見えるARフィルターのAvatar(アバター)レンズをリリースした。もっと、今っぽい表現をするとメタバースに登場するような顔になれるものだ。このレンズを使うには、Snapchatアプリでカメラを開いてSnapchatのウェブサイトにあるQRコードをスキャンする。すると、メタバースでの自分の肌が怖いほど滑らかなのを目にする。そばかすやニキビなどは存在しない。

新しいSnapchatのレンズは、特に同社が拡張現実に全面的に取り組んでいるため、本質的に注目すべきものではない。これは数年来続いているオンとオフを繰り返すバイラルのトレンドの続きだ。過去から判断すれば、おそらくすぐにTikTokに登場する。

関連記事:Snapがより高度なAR体験を可能にするクリエーター向け新機能やツールを発表、年次イベント「Lens Fest」で

Snapchatは2020年8月にCartoon Faceレンズをリリースし、ユーザーは自分のペットを「Disneyfy(ディズニー化)」するのに使えると気づいた。#disneydogというタグはTikTokに飛び火して4090万回の視聴を獲得した。そしてSnapchatは同年12月にCartoonレンズをリリースし、再びバイラルの金字塔を打ち立てた。このレンズでは、以前のレンズよりも人間の顔をよりリアルに再現することができる。

しかし、Snapchatはこのトレンドを若干改良したバージョンを作り続けていて、結局、これらもバイラルになる。人間というのは予測可能なものだ。

2021年6月、ディズニー風のトレンドは、リリース後の最初の週に28億インプレッション(広告が表示された回数)を獲得したCartoon Style 3Dレンズで再び圧倒的な記録を打ち立てた。そして今回、顔だけでなく服も漫画風になるAvatarレンズが登場した。次は、Horizon Worldsで誰かが作ったような、身の回りのものを再現するレンズだろうか。おそらく。

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2021年12月初め、SnapchatはAR技術の祭典であるLens Festを開催した。同社はこのイベントで、200カ国超から25万人以上のレンズクリエイターが参加したと発表した。合計で250万個のレンズが作られ、3兆5千億回以上視聴された。一方、SnapchatのTikTokクローンであるSpotlightは、クリエイター1万2000人の投稿に対して、総額2億5000万ドル(約286億円)を授与した。同社によると、Spotlightの投稿の65%以上がSnapchatのクリエイティブツールやレンズのいずれかを使用しているとのことだ。

Niantic(ナイアンティック)やSnapchatのような企業は、仮想現実よりも拡張現実の方がメタバースを構築するのに適していると考えている。しかし、Meta(メタ)のようなヘッドセット好きのテック大企業にとっても、ARはメタバースで実際に自分自身の姿を見せるのに役立つ。SnapchatのAvatarフィルターは、筆者を非現実的なバービー風に見せるが、それでも、茶髪で眼鏡をかけたどこにでもいる白人女性のように見える私のMeta Horizonアバターよりは、少しパーソナライズされているように感じられる。

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ただ、このような自分を目の当たりにすると、何か違和感がある。

Snapchatのレンズの中のアバターは筆者のように見えるが、眉毛は美容師に丁寧に整えてもらったかのように完璧に手入れされている。唇はふっくらとし、リップグロスをつけているようだが、筆者はその日メイクをしていなかった。

VRメタバースでは、自分を表現するアバターが必要だ。そうでなければ、ただの見えない塊になってしまう。バーチャルペルソナを作るのをサポートしようとReady Player Me(レディ・プレイヤー・ミー)、Spatial(スパティアル)、Genies(ジーニーズ)のようなスタートアップが登場している。しかし、拡張現実では、深く入り込めるようにする方法で現実世界を変化させることが前提となっている。SnapchatのARフィルターはおもしろいが、ARメタバースにアバターは必要ない。そしておそらく、ネット上で自分自身の最高の姿だけを見せることがどれほど危険なことか、私たちはすでに知っているというのは良いことだ。

画像クレジット:Snapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

プッシュ通知を送るだけのアプリ「Push it」が5カ国のApp Storeでナンバー1になった理由

Push itと呼ばれる、友達に「プッシュ通知」を送る機能を持つ新しいアプリがアプリストアのナンバー1アプリになっている。このアプリには2つのスクリーンショットしかない。1つは大きく赤いボタンで、もう1つは「送信中」というテキストが書かれた黒と赤のスクリーンだ。このアプリをインストールした人々の多くはこのアプリをまだ使用することができていない。それなのに、このアプリが5カ国でナンバー1になっているのはなぜなのだろう?

わかったのは、Push itが、Snapchatプラットフォームアプリ、Sendit(ARゲームや匿名Q&Aの機能を持つ)を作った人々が作り出した最新のアプリであることだ。

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Push itがなんであるのかを理解するには、この会社のオリジナルアプリであるSenditについて知る必要がある。

Senditは若い層を中心に人気のアプリで、ゲームをしたり、友達と会話をするのにこのアプリを利用するSnapchatユーザーを着実にひきつけている。Sensor Towerのデータによると、現在までのところ、Senditは世界中で900万回ダウンロードされ、300万ドル(約3億4000万円)近くの個人消費を生み出している。

Senditは、SnapchatがSenditの最大のライバルであるYOLOとLMKを一時停止したことを受け、最近新たに何百万人ものユーザーにインストールされた。このYOLOとLMKの2つのアプリは、これらを使用していた男の子が他の匿名のユーザーにいじめられ自殺したことから、その男の子の母親が裁判所に訴え、提訴の対象になっているのだ。Senditもやはり友達に自分が誰であるかを明かさずに質問するよう促す「何でも聞いて」ゲーム、といった匿名の機能を提供しているが、いまのところYOLOとLMKのような運命に陥らずにすんでいる。

Senditについての否定的なレビューの中には、やはりいじめについて言及したものがあるが、Snapchatはまだこれに対する措置を講じていない。TechCrunchがSnapchatに対し、未成年に対する匿名アプリをめぐるポリシーについて尋ねたところ、同社はプラットフォームの安全性を世界的に統括する責任者を採用したところであり、アプリのエコシステムとポリシーを見直しているとのことだった。

さらに、Senditのユーザーの一部は、このアプリは友達が絶対にしていないはずの質問を表示するボットを使用していると信じているようだ。

あるユーザーはアプリストアのレビューで次のように書いている。

このアプリはランダムにフェイク/自動化された質問を送ってくる。例えば、私と私の友達は全員20台中頃なのだが、全員がまったく同じ、「あなたは人間不信に陥っていますか?」「宿題を写すとしたら、誰が一番よい相手ですか?」といった質問を受け取ってっている。

こんなレビューもある。

受け取った質問の中には、私が知っている友達からのものではないと確信を持っていい切れるものがある。これがフェイクなのは間違い無く、AIからのものだと確信している。それらは誰も質問しないような、「ゾンビだらけの世の終末に生き残りをかけて自分のチームを作るとしたら、そのチームのメンバ-に誰を選びますか?」といったランダムで安っぽい質問だ。ばかばかしいし、こんな質問は誰もしない。本物のアプリを作るべし。

Senditの創設者である Hunter Rice(ハンター・ライス)氏は、ボットは関わっていないと述べている。また彼はSenditがティーンエイジャーに受け入れられているのは、匿名性によるものだという考えに異議を唱えている。

「私たちのユーザーがSenditに惹きつけられているのは、すばらしいAR体験のためです。私たちが当社の使命と感じ目指しているのは、友達との会話を盛り上げるの際の摩擦を低減する新しい方法です。私たちは非常に魅力的なフォーマットをこれらのARゲームを通して発見しました。これがSenditの背後にあるマジックであり、Senditがここまで成功している理由です」とライス氏は説明する。

今日、Senditは「Never Have I Ever」「Truth or Dare」など、若い層に受けるゲームを提供している。Senditではユーザーが「私とお似合いなのは誰だと思う?」といった質問をすることができたり「告白ー誰を好きか言ってください」「適合性試験」など、ティーンエイジャーが友達と話したがるような内容が反映されたものを提供している、

同様に、ライス氏によると、新しいアプリPush itも会話をはずませる新しい方法を提供するということである。

ただし、これは、Snapchat向けの有望なARレンズゲームやQ&Aではなく、直接友達のiPhoneに通知を送るというベーシックなツールだ。

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「私たちはSenditを通し、これらのARでのやり取りの中にすばらしいフォーマットを見つけました。そして、これは順調に進んでいます。そこで、これと同じ仕組みを別のフォーマットを使って複製しようと考えました」とライス氏はいう。

アプリストアの必要最低限のことしか書かれていないリストでははっきりしないが、この新しいアプリはベーシックなフォロワー / フォロウィングモデルを提供しており、ユーザーはアプリで、自分をサブスクライブしている人全員にプッシュ通知を送ることができる。これらのフォロワーはSenditと同様、その通知に反応して、一対一の会話を始めることができる。

ライス氏らは、このコミュニケーションスタイルが、友達グループやクリエーター、ブランドにも受け入れられるのではないかと考えている。

Push itを使用する場合、このアプリはユーザーのiphoneにあるアドレス帳データベースへの完全なアクセスを求める。またこれはテキストメッセージで友達を招待するツールも提供する。招待が必要な友達の名前の横に「OK」ボタンが表示され、それを押すと、友達を招待するためのテキストが作成される(アプリがテキストを送る相手をユーザーのアドレス帳にある人々の名前からランダムに選択するのかどうかは、はっきりとはわからない)。

プライバシー保護への機運が高まりを見せるなか、アプリ招待スパムはびこる現状を受け、SMSベースの成長メカニズムは一般的に良いものとは捉えられていない。しかし幸いなことに、Push itは友達に自動テキストを送るのではなく、ユーザー自らが友達にテキストを送るよう促すだけである(ただし、このアプリのプライバシーポリシーは、ユーザーの個人情報を使ってなにが行われているかについての不安を和らげる効果はありまない。ポリシーを読むと、データがマーケティング目的で使用され、Push itのベンダーやビジネスパートナーと共有されるのは明確である)。

このアプリはユーザーに熱心に5つ星レビューをねだってもくる。ユーザーが星のアイコンをタップすると、ポップアップウィンドウが表示され、アプリストアでPush itを5つ星評価をしたユーザーには「特別なメッセージ」を送ることを約束してくる。

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Push itのiOSアプリは10月後半にアプリストアで公開されたが、Sensor Towerのデータによると以前は「プロジェクトレッド」という名前のもとで準備が進められていた。昨夜の時点(米国時間11月3日)で、オーストラリアやカリフォルニアを含む一部の市場で利用可能になっている。このアプリがすでにナンバー1になっているのを見ると、そのローンチが、発売前マーケティング、あるいは今や当たり前の手法となったグロースハックに大きく依存したものなのではないか、という疑念が湧いてきてしまう(こちらの記事も参照して欲しい。春のチャートのトップを占めるPoparazzi(ポパラッチ)、このアプリがナンバー1になったのはグロースハックによる)。

関連記事:米App Storeトップに華々しく登場、作られた完璧さが並ぶInstagramのアンチを謳う新SNS「Poparazzi」

しかし、ライス氏はこれを否定している。

「Push itにまつわる熱狂は、すべて自然発生的なものです」とライス氏はいうが、それでも同社がソーシャルメディアを使ってアプリの発売を宣伝したことは認めている。例えば、現在Push it のインスタグラムのアカウントには約3万2000人のフォロワーがいる。

しかし、Sensor Towerのデータによると、Push itはすでに記事執筆時点(米国時間11月4日)で、5つの国で急速に拡散しており、米国、カナダ、バミューダ、アイルランド、ノルウェーでナンバー1になっている、と同社はいう。また英国、オランダ、オーストラリア、フィンランド、ニュージーランドでもトップ10に入っている(これらの国の多くは、Push itのInstagramインスタグラムには発売市場としてリストされていない、ということに留意すべきである)。

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Push itがナンバー1であることに違和感があるのは、まだ利用可能になっていない地域(記事執筆時で米国の大半の州を含む)では、このアプリは基本的に機能しないからだ。ユーザーは、アプリに対しユーザーネームを請求することができるが、それだけである。そしてユーザーは自分の地域でアプリが使えるようになるのを待たなくてはならない。

ライス氏によると、段階的な展開戦略をとっているのは、Push itが確実にトラフィックを処理できるようにするためであるが、これによって多くのユーザーの間に混乱が生じているようである。Instagramには「ちょっと、これいつから機能するの?」とか、「これ、一体なんの役に立つわけ?」とか、「超混乱してて、大爆笑」といったコメントが寄せられている。

「私たちは、ユーザーができる限り最善の体験をできるようなスムーズなかたちでアプリを展開しようとしています。全員がアプリにアクセスできるようにしたいですし、すぐにそのようになります。でも、私たちのサーバーが確実に機能し続けるようにしたいとも思っています」とライス氏は述べた。

Push itとSenditは、サンタモニカに拠点を置くFullsenders, Incの10人からなる小さなチームが作っている。同社は資金調達先を公開していないが、TechCrunchでは、関与しているエンジェル投資家の少なくとも1人を正しく推測することができた。

Push itの今後の試練は、アプリストアで現在のような高いランクを保てるかどうかである。自然な手法で、あるいはそうでない方法でダウンロード数を増やすにしても、新しく登場したソーシャルアプリが、高いランクを維持することは通常難しいとされている。また、未成年や10代前半の子ども向けのソーシャルメディアに今後規制がかかること予想されるが、Push itはそうした規制への対処にも取り組まなくてはならない。Push itに弾みがついた場合は、プライバシーポリシーと収益モデルを再考することも必要だろう。

ただし、当分の間Push itが収益を得ることはない。

「私たちは現在、とにかくすばらしいコミュニティを作り、ユーザーが関与したいと思うようなすばらしい機能を築きたいと考えています。そして、私たちが価値ある製品を提供できれば、当社に最もふさわしいビジネスモデルを思いつくことができると思います」とライス氏は述べた。

Push itはiOSにのみ対応している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

Snapchatがソニーミュージックと提携、新AR音楽レンズの計画を発表

SnapchatはSony Music Entertainmentとの契約により、同社アーティストたちの音楽をアプリのSounds libraryライブラリに追加することになった。Snapchatはまた、ARによるミュージックレンズという機能を作っていることを明かした。まず「Sound Lenses」という機能は、映っている人の顔を実際にその曲を今歌っているように見せる。また「Cameo Sound Lenses」はビジュアルエフェクトを加える。

同社によると、現在、同プラットフォーム上で拡張現実を利用している人は1日で約2億に達し、新しい「Sound Lenses」機能があれば、ユーザーのために、さらに没入的な音楽体験を作ることができる。Snapchatは過去数年間、さまざまな方法でARを利用してきた。最新は、そのARにフォーカスしたLens Studioに複数のアップデートを加えたことになる

SnapchatとSony Music Entertainmentのパートナーシップは、ユニークなサウンドがソーシャルアプリにとって競争上有利になってきたことの表れだ。その最新のローンチでSnapchatのユーザーは、自分のスナップにSony Musicのアーティストの音楽を著作権の心配なく含めることができ、それを他のユーザーに送ったり、Snapchat Spotlightにポストしたりできる。

この新しいパートナーシップの2週間前にSnapchatは、NBCUniversalと契約を結び、ユーザーはNBCU TVの番組のいろいろなオーディオクリップを、やはり著作権料Snap負担で使えるようになった。同社は他にもさまざまなスタジオや音楽企業とパートナーしている。例えばUniversal Music Group、Warner Music Group、NMPA、Warner Chappell、Kobalt、BMGなどだ。

TikTokは、ユーザーが自分の短編ビデオに自由に付けられる音楽として大きなカタログを提供しているが、Snapchatはそれと競合したい。ユーザーがいろいろな曲を使えることは、TikTokとの競合に欠かせない。そこで2020年同社はSoundsをローンチした。この音楽機能によりユーザーは、自分のSnapに音楽をつけることができる。

Snapchatの親会社であるSnapによると、Soundsを立ち上げてから、そこからの音楽をつけたビデオは5億2100万作成され、310億ビューに達した。しかしSoundsはTikTokとの競合だけが目的ではなく、Soundsで作られたビデオ全編(送信とポストと保存を含む)の45%近くがDMで送られている。

SoundsのSony Musicのカタログは全世界のSnapchatユーザーが、iOSとAndroidの両方で利用できる。

画像クレジット:Snap

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

SnapchatでNBCユニバーサルのオーディオクリップが使えるようになる

ソーシャルアプリではユニークなサウンドを利用できるようにすることがライバルに対するアドバンテージになる。米国時間11月1日、SnapchatはNBCユニバーサルとの契約により、NBCUのさまざまな映画やテレビ番組からライセンスされたオーディオクリップを利用できるようにすると発表した。この最新機能により、ユーザーは自分のSnapに「サタデー・ナイト・ライブ」や「The Office」などのお気に入りコンテンツからオーディオクリップを追加し、他の人に送ったりSnapchatのSpotlightに投稿したりすることができる。

サウンド付きのSnapを受け取った人は、上へスワイプしてそのサウンドが使われていた映画やテレビシリーズのタイトルを確認できる。「このサウンドを再生」リンクからウェブページを開くとストリーミングのプラットフォームが表示され、その映画やテレビ番組を見ることができる。

人気のテレビ番組や映画のオーディオを使えるようになっていて「40歳の童貞男」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「Billy Madison」「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」「寝取られ男のラブ♂バカンス」「俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル」「スカーフェイス」「シュレック」「The Office」「パークス・アンド・レクリエーション」「サタデー・ナイト・ライブ」「ロー&オーダー」「ブルックリン・ナイン-ナイン」「30 ROCK/サーティー・ロック」「プライド 栄光への絆」などがそろっている。他には「Saved by the Bell」「Girls5eva」「A.P. Bio」など、オリジナルや独占番組を配信しているPeacock Originalsのサウンドもある。

Snapのコンテンツおよびパートナーシップ担当シニアバイスプレジデントのBen Schwerin(ベン・シュヴェリン)氏は発表の中で「NBCユニバーサルにはアイコン的な作品がそろっており、Snapchatユーザーはお気に入りの映画やシリーズから自分のスナップに引用して大切な瞬間を完璧に表現することを楽しんでくれるでしょう」と述べている。

Snapchatは、ユニバーサルミュージックグループ、ワーナー・ミュージック・グループ、NMPA(全米音楽出版社協会)、ソニー・ミュージックパブリッシング、Warner Chappell、Kobalt、BMGなど、音楽業界の多くのスタジオや企業とも提携している。

SnapchatのライバルであるTikTokは、たくさん用意されている中から音楽を選んで設定できるショートビデオの共有で人気だ。ユーザーが別のタイプのサウンドを利用できるようにすることは、SnapchatにとってTIkTokに対抗する重要な取り組みの1つだ。Snapchatは2020年に、ユーザーが自分のSnapに音楽を付けられる機能の「Sounds」を公開した。同社によれば、Soundsの公開以降、Soundsで音楽を付けたビデオは5億2100万本作成され、310億回再生されたという。

Soundsは、Snapchatを盛り上げるために使われているだけではない。Soundsの公開以降にこの機能を使って作られたSnapchatの全ビデオ(送信、投稿、保存されたビデオ)の約45%は、ダイレクトメッセージで送信された。

新しいNBCUのサウンドはiOSとAndroidからグローバルで使えるようになる。

画像クレジット:Snap

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(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

インドのSnapchatユーザーが1億人突破、eコマース大手FlipkartやAndroidスマホベンダーなどと提携へ

Snap(スナップ)は、現地時間10月27日、インドにおける月間アクティブユーザー数が1億人に達したことを発表した。これは、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)が5億人以上の人々にサービスを提供している重要な海外市場での快挙だ。同社は世界第2位のインターネット市場へのさらなる進出に向けて、Androidスマートフォンのベンダー、エンターテインメントTVチャンネルのSony(ソニー)およびZee TV(ズィーTV)、eコマース大手のFlipkart(フリップカート)など、さまざまな企業との契約を進めている。


Snapの共同創業者兼CEOのEvan Spiegel (エヴァン・シュピーゲル)氏は、同日に開催されたバーチャルイベントで、インド進出に貢献した同社のローカライゼーションの取り組みを紹介しながら、この節目を語った。この節目と今日の数多くのパートナーシップは、2~3年前までは存在感や関連性が限定的だったインド市場に対するSnapの戦略における大きな転換を示している(Snapは全世界で5億人以上の月間アクティブユーザーを抱えている)。

同社は近年、Androidアプリを改良したことでインドに進出した。インドでは、スマートフォンの98%以上がAndroidだ。Snapは、Durgesh Kaushik(ドゥルゲシュ・カウシク)氏をインド事業の責任者に任命したことで、現地のクリエイターや企業との関係を発展・改善させることにも大きく貢献したと、多くの人たちが最近の四半期にTechCrunchに語っている。

「私たちは、インドのコミュニティ向けにSnapchatをローカライズするために、多大な投資を行ってきました。文化的に関連のあるコンテンツを追加し、非常に活発でクリエイティブな現地のクリエイターコミュニティを開発し、現地の製品、マーケティング施策、言語サポートに投資してきました」と、イベントでシュピーゲル氏は述べている。

「インドのスナップチャッターにローカライズされた体験を提供するためのこうした取り組みの結果、現在、インドのスナップチャッターは毎月1億人に達しています。今後も、インドの文化や能力を称えることに重点を置きながら、インドのクリエイターのコミュニティを強化し、成長させ、リソースを提供していきます」と述べている。

Snapは、インド向けの2回目の年次イベントで、インドでの成長を加速させるために締結した数々のパートナーシップを発表した。同社は、AR体験を開発するために、インドのeコマース大手Flipkartと「戦略的パートナーシップ」を結んだ。同社によると、eコマース企業とこの種のパートナーシップを結ぶのは初めてのことだという。

「このパートナーシップにより、買い物客はSnapchat ARを通じてショッピングやeコマースを利用する体験を始められ、自宅にいながら簡単にショッピングを進めることができるようになります!」と同社は述べている。

Snapは、インドのSugar Cosmetics(シュガー・コスメティックス)およびMyGlamm(マイグラム)とも提携しており、両社は今後、SnapのARショッピングベータプログラムを採用して、バーチャルな美容・化粧品の試着体験を顧客に提供する予定だ。

「拡張現実は、インドにおけるSnapchatのサービスの中核をなすものです。文化的な関連性を保ち続け、ユニークなAR体験を提供するための当社の取り組みは、1億人のインドのスナップチャッターの共感を得ています。私たちは、ワークショップやレンズソン(ARレンズを用いたインドのクリエイター向けハッカソン)を通じて、学生や若者に必要なARスキルを身につけてもらうことを目指しています。私たちは、インドでより多くのローカルクリエイターと提携し、スナップチャッターが利用できるすばらしい体験の数を増やすことを目指しています。Snapでの私たちの狙いは、ARをこれまで以上に身近で便利で実用的なものにすることです」。とSnapの共同創業者であり、最高技術責任者であるBobby Murphy(ボビー・マーフィー)氏は、イベントで述べている。

もう1つのインド初の取り組みとして、Snapは、インド国内で1億台以上のデバイスをインストールしているAndroidの主要なOEMメーカー(Androidベンダー)と提携したとのことだ。これらの企業は、自社のデバイスにSnapchatアプリをプリインストールする。また、Samsung(サムスン)との提携により、SnapのAR機能付きレンズの一部をSamsungのインド向けスマートフォン「Mシリーズ」に搭載する「ファン・モード」を提供する。

また、Anushka Sen(アヌシュカ・セン)氏とVir Das(ヴィル・ダス)氏が出演する「What’s On My Plate」や「The Most Epic Max Show」など、多数のクリエイターショーを公開し、来年はインド全体で120エピソードの新コンテンツを委託すると述べている。

同社は「ディスカバリー」セクションがインドで非常に人気があると述べている。このセクションでは、ニュース、ファッション、エンターテインメント、コメディーなど、インドのローカルチャンネル70社のコンテンツを紹介している。現在、Sony Entertainment TelevisionやZee TVなどの大手エンターテインメントチャンネルとの提携を発表し、さらに多くの厳選されたコンテンツをアプリに掲載する予定だという。

また、インド事業では、あらゆる規模の企業に対応できるよう、収益化機能を急速に拡大している。2020年の新規広告主数は70%増加し、Spotify(スポティファイ)、Swiggy(スウィッギー)、LG、OnePlus(ワンプラス)、ITC Yippee Noodles(ITCイッペイ・ヌードル)などの企業と提携している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

米国人の半数はSNSが情報源、ただしその割合は減少

Pew Research(ピュー・リサーチ)の最新レポートによると、米国成人の約3分の1は、現在もFacebook(フェイスブック)から定期的に情報を得ているが、割合は2020年の36%から2021年の31%に減っている。この減少は、情報を何らかのソーシャルメディアから得ていると答えた米国人の全体的数字のわずかな減少を反映している。その割合も2020年の53%から2021年の48%へと5ポイント下がっている。

ここでいう「定期的に」は、調査回答者が「often(頻繁に)」あるいは「sometimes(時々)」情報をデジタルニュースから得ていると答えたという意味で、他の選択肢は「rarely(まれに)」「never(一切ない)」、および「don’t get digital news(デジタルニュースを見ない)」だ。

この変化は、テック企業が自社プラットフォームで誤情報の拡散を許していることについて厳しい監視下にある状況の中で起きている、とPewは指摘している。こうした批判はパンデミック期間中に増加し、ワクチンの忌避や拒否につながり、その結果誤情報を受け入れた多くの米国人の健康状態の悪化を招いた。

こうした問題に関わらず、さまざまなソーシャルメディアから定期的に情報を得ている米国人の割合は前年からさほど大きくは変わっておらず、ネットで日々のニュースを見る一部の人たちの習慣を反映している。

画像クレジット:Pew Research

定期的にFacebookで情報を得ている米国成人の3分の1に続いて、22%がYouTube(ユーチューブ)から定期的に情報を取得している。Twitter(ツイッター)とInstagram(インスタグラム)はそれぞれ13%および11%の米国人の定期的情報源だ。

しかし、多くのサイトにおいて自身のサイトを定期的情報源としているユーザーの数字がわずかに減少している、とPewは指摘している。これは、各サイトをニュース源として使っている米国成人のずっと小さな割合とは意味が異なり、サイト自身のユーザーベースがどう認識しているかを示している。ある意味でこれは、具体的には概して若いソーシャルメディア・ユーザーのニュース消費行動の変化を測ったものだと言える。

現在Twitterユーザーの55%が同プラットフォームから定期的に情報を得ており2020年は59%だった。一方Reddit(レディット)ユーザーの情報源としての同サイトの利用は42%から39%に減少した。YouTubeは32%から30%、Snapchat(スナップチャット)は19%から16%に減少した。Instagram(インスタグラム)はほぼ変わらず2020年が28%、2021年が27%だった。

今回、唯一ニュース源として成長したソーシャルメディアプラットフォームは、TikTok(ティックトック)だ。

2020年、ショートビデオプラットフォームのユーザーで定期的にそこで情報を取得している答えた人は22%だった。2021年には29%に増加した。

しかし全体的に見ると、これらのサイトのほとんどが米国の成人人口全体にごくわずかしか掴んでいない。米国人でReddit(7%)、TikTok(6%)、LinkedIn(4%)、Snapchat(4%)、WhatsApp(3%)、Twitch(%)を情報源としている人はいずれも10人に1人以下だった。

画像クレジット:Pew Research

サイトを利用しているユーザーの人口属性による違いもある。

白人成人は情報源としてFacebookとRedditに目を向ける傾向がある(それぞれ60%と54%)。黒人およびラテンアメリカ系成人は、Instagramを定期的情報源としている人の割合がかなり大きい(それぞれ20%と33%)。若年成人はSnapchatとTikTokに頼る傾向が強く、LinkedInを情報源とする人の過半数が四年制大学の学位を持っている。

もちろん、2021年7月26日~8月8日に実施されたPewの最新調査は個人の申告データに基づいている。つまり、被験者の答えはさまざまなサイトを情報源として使っていることに関するその人自身の認識に基づいている。これは、現実世界でユーザーがどれほど頻繁にニュースを読みにサイトに訪れるかの測定値とは異なる結果を生むことがある。利用の割合を過小評価する人も過大評価する人もいるからだ。

また、人はソーシャルメディアでニュースを読むことの予期せぬ影響を正しく理解できていない。見出しや投稿は扇動的なクリックベイト(クリックを誘う餌)に隠されてリアクションやコメントによるエンゲージメントを誘発しようとしている。そうした手口はしばしば強いリアクションを誘うことがあるが、必ずしも聞く価値のある人によるものではない。Pewによる最近の調査で、ソーシャルメディアニュース利用者は、選挙や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの重要な話題に関する事実の知識が少ない傾向があるという結果が出た。そしてソーシャルメディア消費者は過激な陰謀論に接する機会が多い(コメントを読んでいる人にとっては実に明らかだ)。

今回の調査の全標本数は、回答者1万1178名で、標本誤差範囲はプラス・マイナス1.4パーセンテージ・ポイントとなる。

関連記事:米国成人の大半はニュースをソーシャルメディアに頼っていることが明らかに

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snapchatが地図上でおすすめのスポットを紹介する「My Places(私の場所)」機能を追加

この夏、多くの人たちが外の世界に飛び出そうとしている中で(どうぞご安全に!)、Snapchat(スナップチャット)が近所のレストラン、店舗、公園、その他の興味深いスポットを簡単に見つけられるようにしようとしている。米国時間7月28日、Snapchatは、ユーザーと3000万以上のビジネスを結びつけるSnap Map(スナップマップ)に「My Places(私の場所)」機能の展開を始めた。ユーザーはお気に入りのスポットを記録したり、友人に送ったり、おすすめのスポットを探したりすることができる。

「My Places」には「人気」「お気に入り」「訪問しました」という3つのメインタブがある。「訪問しました」には、Snapchatでチェックインした場所がリストアップされ「お気に入り」にはその名の通りお気に入りが保存される。特に興味深いのが「人気」タブだ。これはSnapchatにとっては初めての試みとなるが、アルゴリズムを使ってパーソナライズされたお勧めを提供し、ユーザーが周りの世界と関わりを持てるようにさせる機能だ。アルゴリズムが考慮するのは、ユーザーが今いる場所、すでにタグ付けしたりお気に入りに登録した場所、そして友達や他のSnapchatユーザーが訪れた場所などだ。

この点がSnap Mapが他の有力マップアプリ(Google MapsやApple Mapsなど)と一線を画す部分だ。そうした既存のマップアプリは友達が好きなレストランを探す役には立たないからだ。もちろんSnapchatは流行の寿司屋への行き方を教えてくれるわけではないが、それはSnapchatが目指しているものではない、Google Mapsが昨夜友達みんなが自分の知らないうちに行っていた店を教えてくれるわけではないのと同じだ。

画像クレジット:Snapchat

Snapchatのサーベイは、同アプリのユーザーが平均して「パンデミック後」活動を行う傾向にあることを発表し(これは良いことなのだろうか?)、そしてSnapchatユーザーの44%が身近な興味のある場所を探すのにSnap Mapを利用していることを付け加えた。

Snap Mapの月間アクティブユーザー数は2億5000万人を超えており、5月にはパートナー企業が同社の地図に直接データを追加できるLayers(レイヤース)というアップデートを発表した。これまでにSnapchatは、Ticketmaster(チケットマスター)やレストラン推薦サイトのThe Infatuation(ザ・インファーチュエイション)と提携している。こうした提携により、ユーザーは、ライブエンターテインメントが行われている場所や、素敵なレストランが隠れている場所などを知ることができる。Snapchatは2021年後半に、Snap Mapと「My Places」へのLayersの統合をさらに進める予定だ。

先週Snapは、2021年の第2四半期に、過去4年間で最高のペースで収益とデイリーアクティブユーザーの両方が増加したと発表した。前年比では、アプリは23%成長している。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Snapchat地図アプリ

画像クレジット:Snapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

Snapが4年ぶりに最高の四半期を迎えた

2021年、Snapchat(スナップチャット)をより頻繁に使うようになったのは、あなただけではない。先に開催された第2四半期業績説明会で、Snap(スナップ)のCEOであるEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)氏は、プラットフォームの売上高とデイリーアクティブユーザー数が過去4年間で最高の伸び率で増加したことを発表した。現在、Snapchatのデイリーアクティブユーザー数は2億9300万人で、2020年から23%増加している。

Snapは2017年に240億ドル(約2兆6530億円)の評価額で上場したが、その少し前に、Instagramが当時のSnapの独自機能であるStories(ストーリーズ)をクローンしてしまうという大変な苦難を経験した。Instagram Stories(インスタグラム・ストーリーズ)の開始後、Snapchatの成長は82%も低下した。そして、Snapchatがアプリのインターフェイスを一新すると、女優のKylie Jenner(カイリー・ジェンナー)氏が「もうSnapchatは使わない」とツイートし、同社の評価額は12億ドル(約1327億円)も下落した。

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しかし、Snapchatは持ちこたえ、カムバックを果たした。その収益は、2020年の第4四半期に過去最高の9億1100万ドル(約1007億円)に達した後、次の四半期には7億7000万ドル(約851億円)にまで落ち込んだ。そして2021年第2四半期になり、Snapchatの収益は、これまでの最高額を超えて9億8200万ドル(約1086億円)に達したのだ。

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この第2四半期のアプリの成長は、パンデミックの最中に支出を減らした広告主が戻ってきたことと、ロックダウン中にアプリに集まってきたユーザーがそのまま使い続けていることによるものだ。多くのソーシャルメディアと同様に、Snapchatもパンデミックの間に収益とユーザー数を伸ばしたが、これは単に、ユーザーたちが卒業したアプリを再び利用しているという意味ではない。TikTokが爆発的に普及し、クリエイター経済が活性化する中で、SnapchatはTikTokのクローンであるSpotlight(スポットライト)を開発し、拡張現実のアプリケーションに投資することで対応を続けた。

スピーゲル氏は「この四半期は、AR(拡張現実)プラットフォームで大きな進展がありました」と述べている。「毎日平均して2億人以上のSnapchatユーザーのみなさんがARを使い、20万人以上のクリエイターの方々がLens Studio(レンズスタジオ)を使ってコミュニティのためにARレンズを提供なさっています」。

2021年6月、Snapchatは、ユーザーをピクサー映画のキャラクターのように見せる「Cartoon 3D Style Lens」(カートゥーン3Dスタイルレンズ)で話題になった。スピーゲル氏はこのレンズについて「Snapchatの内外で話題になるレンズの力を見せつけた」機能だと述べている。しかし、Snapchatは楽しい顔フィルターだけでなく、ARを使ってeコマースのパートナーにも訴求している。このアプリは、Walt Disney World(ウォルトディズニーワールド)、Smile Direct Club(スマイルダイレクトクラブ)、Zenni Optical(ゼニオプティカル)、e.l.f. Cosmetics(e.l.fコスメティクス)、Ralph Lauren(ラルフローレン)などのAR体験を開発してきた。こうした機能には、時計、ジュエリー、アイウェア、ハンドバッグ、メイクアップ、そして洋服の試着なども含まれている。Snapchatは、5月に開催されたパートナーサミットで、ユーザーが友人の服装をスキャンして、似たようなスタイルのおすすめのショッピング情報を見つけることができるようにするアップデートを公開した。

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SnapchatにARとカメラを活用したコマース重視の新機能追加

SnapのチーフビジネスオフィサーであるJeremi Gorman(ジェレミ・ゴーマン)氏は「当社の技術を発展させ、ARの普及を促進するためには、まだまだ多くの課題がありますが、カメラの長期的な可能性に投資し続ける当社のパートナーの皆さまが、手にしている結果には感動しています」と述べている。「私たちは長期的な可能性に自信を持っていますし、拡張現実によるショッピングや商取引を倍増させることに興奮しています」。

3月にSnapは、ベルリンに拠点を置くスタートアップ企業Fit Analytics(フィットアナリティクス)を買収した。Fit Analyticsは、買い物客がオンラインショッピングで適切なサイズの服や靴を見つけられるようサポートする企業だ。SnapのARへの投資と組み合わせることで、いずれはARで服のサイズを確認して注文できるようになるかも?このような技術の応用は、特に10代の若者の摂食障害の割合が増加している中では、注意深く対応する必要がある。

eコマース以外にも、SnapchatはHBO Max(HBOマックス)やUniversal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ)などのエンターテインメント企業との戦略的パートナーシップを模索し、AR体験ができるメガネSpectacles(スペクタクルス)の開発をさらに強化している。もちろん、FacebookもARグラス を開発している。両社にとって、Snapの最近の成功は、AR体験の普及と価値の高まりを示しているのだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:SnapSnapchat決算発表

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(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

Snapがビデオで使える音楽の拡充でユニバーサル・ミュージックと提携

Snap(スナップ)は6月24日、世界最大の音楽会社の1つであるUniversal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ、UMG)との複数年契約を発表した。QueenからJustin Bieberに至るまで、ユーザーは自分のSnapsの中で、そしてTikTokと競合するSpotlightで使うために広大なUMGのカタログから曲をクリップできる。

今回の発表に先駆けてSnapchatは昨年10月、Sounds機能を加えていた。この機能ではユーザーはSnapがライセンスを獲得した音楽で自身のSnapsを充実させることができる。機能を追加して以降、5億2100万本超のビデオがSoundsを使って制作され、310億回超閲覧されたとSnapは話す。

もちろん、Snapchatの音楽への投資はTikTokで使える音楽が増えていることへの直接の対応だ。昨年、Fleetwood Mac(フリートウッドマック)のレコードに収録された曲「Dreams」がTikTokで流行った後、1977年のアルバム「Rumours」がビルボードに再登場した。TikTokではダンスもよく流行っていて、そうしたダンスで曲が採用されたアーティストの売り上げを支えている。なので、TikTokやSnapchatのようなアプリがライセンスを取得した曲が多いほど、Nathan Apodaca(ネイサン・アポダカ)氏のような機会、つまり無料の宣伝は多くなる。

Olivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)氏のようなZ世代アーティストは、すでに新しい音楽を宣伝するのにこうしたソーシャルプラットフォームを活用してきた。Snapでは、ロドリゴ氏の曲「Driver’s License」を使ったビデオが1000万本制作された、とSnapは指摘する。ロドリゴ氏はまた、記録破りのデビュー曲「Sour」を宣伝するためにSnapchatでAR Lensesを使った初めてのアーティストでもあったが、公平のために言うとロドリゴ氏はInstagramでもARエフェクトを共有した。

オリビア・ロドリゴ氏は新しいアルバムで「deja vu(デジャブ)」について歌っているが、Snapの発表からもデジャブ感を受けるかもしれない。TikTokはまた、2月にUMGと提携を結んだ。その前の2020年11月には、TikTokはソニーとの新たなライセンス契約合意を発表した。一方、Snapの音楽パートナーのポートフォリオにはWarner Music GroupやSony Music Publishingなどが含まれる。

これらの提携は独占ではない。「deja vu」を使ってSnapchat、TikTok、Instagramなどでビデオを制作できる。こうした提携は他者を出し抜くための、常に繰り広げられる戦いだ。もしTikTokがUMGと提携すれば、Snapchatは競争力を保つために同様にUMGと提携する必要があり、これは現在我々が目にしているものだ。我々の友オリビアが言うように、厳しい世界だ。

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画像クレジットSnapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

訴訟を受けてSnapchatは物議を醸したスピードフィルターを削除

最近はSnapchatの3D漫画レンズが大好評で、友だちがみんなピクサーのキャラクターみたいになってしまう。しかし2013年以降、短時間で消える写真を共有するそのアプリの主な機能であるフィルターがスピードフィルターになってしまい、写真や動画を撮ったときの移動の速さを誇示するものになってしまった。米国時間6月17日、Snapchatはアプリからそのフィルターを取り去ることにした。

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このニュースを最初に報じたNPRは、その機能に対するSnapの最初の擁護をくつがえす「劇的な逆転」と呼んでいる。最近の数年間で、そのフィルターの使用に関連した複数の事故が起き、負傷者だけでなく死者も出ている。例えば2016年、運転中にSnapchatで自撮りをしていた18歳の少年が、時速172kmで他のクルマにぶつかった。被害者のMaynard Wentworth(メイナード・ウェントワース)氏は脳に外傷を負い、Snapを訴えた。彼の弁護士によると、その18歳は「クルマを時速160kmで走らせてその映像をSnapchatに投稿したかっただけだ」という。

Snapchatのフィルター関連の罪は、これの前にも後にもある。2020年の奴隷制廃止記念日である6月19日にSnapchatは、ユーザーに「笑って鎖を壊しましょう」というフィルターをリリースした。2016年4月20日には、Snapchatはボブ・マーリーの遺産管理団体と提携して、ユーザーのヘアーをドレッドロックスにし、黒い肌にする機能「committing blackface」をリリースした。しかもSnapchatのスピードフィルターで死亡事故が起きた後にもフィルターはアプリに残り「運転中は撮影禁止」という警告が付いただけだ。

Snapの広報担当者は、フィルターの削除を発表する声明で次のように述べている。「ステッカーはもうあまり使われていないため、完全に削除することにしました」。その機能はすでに運転時のスピードでは利用できないようになっている、と付け加えていた。同社はフィルターの削除を始めたが、すべてなくなるまでには数週間かかるだろう。

Snapのこの新しい態度は、2021年5月に米国第9巡回区控訴裁判所が、同社には死亡事故の被告適格ありと裁定した後に出てきた。

一般的には、通信品位法230条がウェブサイトないし「対話的コンピューターサービス」をこのような訴訟から護り、その上にポストされたサードパーティコンテンツからの免責を提供している。しかし2019年には、衝突事故で死亡した2人の子どもの親であるLanden Brown(ランデン・ブラウン)氏とHunter Morby(ハンター・モービー)氏が、もう1件の訴訟を起こした。それによると、原告は「アプリの『怠慢な設計』(何よりもそれはスピードフィルターのことだ)が衝突の原因」と主張している。カリフォルニアの裁判官たちは230条に依拠してその訴訟を却下したが、連邦巡回区控訴裁では3名の判事が、この場合は230条の対象にならないと裁定した。すなわち、触法とされたのはSnapchatのソーシャルメディアプラットフォームとしての役割ではなく、アプリの設計であり、それには危険性を十分証明できるスピードフィルターがあった。

そこで、スピードフィルターの突然の削除は、たまたまに見えても決してそうではない。230条による防御が万能ではなくなったのだからフィルターを維持するという法的リスクに勝ち目はない。フィルター関連の事故があっただけでも、Snapchatがフィルターをやめる理由として十分ではなかったか、とも思えるが、正義は遅くなってもないよりマシである。

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タグ:SnapSnapchat通信品位法230条

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

これで誰でもディズニープリンセス、ARアプリへの捧げ物はあなたの生体情報!?

先週末、あなたのお友達は、次々とみんなをピクサーのアニメーションキャラクターに変身しましたとさ。これは熱にうなされて見た夢ではなく、あなただけに起こったわけでもない。

Snapchatは米国時間6月10日、ARを使ってあなたを「アナ雪」のサブキャラクターのように見せる「Cartoon 3D Style Lens」をリリースした。Snapchat(スナップチャット)では、2億1500万人以上のユーザーが「Cartoon 3D」レンズを利用し、17億回以上再生されている。TikTok(ティックトック)独自のARアニメーション効果はSnapchatほど説得力があるわけではないが、人々はTikTokを利用して、自分がディズニープリンセスになっている動画を共有している。プリンセスになったのだから、当然の流れだ。

ディズニー風のARトレンドがバイラルに広まったのは今回が初めてではない。2020年8月、Snapchatの新規インストール数は2850万で、4120万だった2019年5月以来のヒット月となった。2020年8月初旬にSnapchatが「Cartoon Face」レンズをリリースし、ペットを「Disneyfy(ディズニーキャラ化)」するのにそれを使えるとユーザーが気づいたのは偶然の一致ではないかもしれない。TikTokでは「#disneydog」というタグがプラットフォーム間で4090万回再生された。その後Snapchatは同年12月に「Cartoon」レンズをリリースすることで、再びバイラルの金を掘り当てた。このレンズでは、以前よりも人間の顔がよりリアルに表現されるようになった。

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Sensor Towerによると、Snapchatの世界的なインストール数は2020年の残りの期間を通じて前月比で上昇し続けていたが、12月にはインストール数がわずかに減少した。それでも、同月のSnapchatのダウンロード数は3600万だった。現在、最新の「Cartoon Style 3D」レンズが再びバイラルになった後、SnapchatはApp Storeの無料アプリチャートで6位となった(TikTokは2位)。しかし、2021年5月のSnapchatのダウンロード数は3200万で、4月の3400万から減少している。一方、TikTokの2021年5月のインストール数は8030万で、4月の5930万から増加している。

画像クレジット:Snapchat(TechCrunchによるスクリーンショット)

しかし1位の枠には、先週末のアニメの爆発的ヒットにも影響を与えた新しいアプリがある。
2021年3月にリリースされた「Voilà AI Artist」は、私たちをアニメバージョンに変えるこれまた別のプラットフォームだ。SnapchatやTikTokのARを使ったエフェクトとは異なり、Voilàはフォトエディターだ。ユーザーはセルフィーをアップロードし、広告(広告なしバージョンは週3ドル、約330円)を見た後、自分がアニメの登場人物になったような姿を見られる。

「Voilà AI Artist」は、2021年3月には世界で400回しかダウンロードされなかった。それが5月には100万ダウンロードを突破し、今月の最初の2週間だけで1050万回以上ダウンロードされているとのこと。

ここでもまた「Disneyfy」トレンドで繰り返されたイテレーションと同様、Voilàのようなアプリは新しいものではない。2019年に流行した「FaceApp」は、自分が年老いて白髪やシワになったときの姿を人々に見せるものだった。同アプリは、AIでセルフィーを編集するためにユーザーの写真をクラウドにアップロードしていたため、プライバシー論争の中心となった。FaceAppは「パフォーマンスとトラフィック上の理由」から「更新された写真をクラウドに保存することがある」が「ほとんどの画像」は「48時間以内」に削除されると声明を出した。しかし、これらの曖昧な表現は私たちの頭の中で警鐘を鳴らし、60年後の自分の姿を見ることの裏にひょっとしたら悪意が潜んでいるのでは、と考えさせられた。その2年前にFaceAppは、ユーザーの肌の色を明るくする「hotness」フィルターを発表し、人種差別的なAIを使用したことを謝罪した。カナダのWemagine.AI LLPが所有するVoilàも、そのAIがヨーロッパ中心主義であると批判されている。これらのアプリは人気が高まるにつれ、私たちの文化が持つ最も有害な類のバイアスを支持することにもなりかねない。

画像クレジット:Voilà

FaceAppと同様、Voilàもインターネットへの接続を必要とする。また、Voilàの規約では、ユーザーはVoilàに対して「アップロードされたコンテンツおよび生成されたコンテンツをホスト、保存、任意の方法で使用、表示、複製、変更、適応、編集、公開、配布するための、非独占的、世界的、ロイヤリティフリー、サブライセンス可能、および譲渡可能なライセンス」を付与することになっている。基本的には、あなたが画像をプラットフォームにアップロードした場合、Voilàはその画像を使用する権利を得るが、所有権はないということだ。このようなアプリでは、珍しいことではない。例えば私たちがInstagram(インスタグラム)に写真をアップロードすると、その画像を使用する権利を同社に与えることになる。

それでも、Voilàのようなアプリは、私たちはかわいいディズニープリンセスになれるという知識と引き換えに、いったい何を放棄しているのか考えさせてくれるのでそれは良いことだと思う。2021年6月初め、TikTokは米国でのプライバシーポリシーを更新し、同アプリがユーザーのコンテンツから「バイオメトリック識別子および生体情報を収集することがある」と規定した。これには「faceprints and voiceprints(顔の記録と声紋)」が含まれているが、TikTokはこれらの用語を定義していない。TechCrunchはTiktokにコメントを求めたが、なぜ今になってバイオメトリックデータの自動収集を可能にするように規約が変更されたのかは確認できなかった。バイオメトリックデータとは私たちを識別する身体の特徴、測定値、特性を指し、それには指紋も含まれる。

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VoilàがApp StoreでNo.1の座に上り詰めたとき、SnapchatがピクサーにインスパイアされたARレンズを再発表したのも不思議ではない。Facebook(フェイスブック)のARプラットフォーム「Spark(スパーク)」も新機能を搭載し、先週のWWDCではApple(アップル)がARソフトウェア「RealityKit」の大幅なアップデートを発表した。しかし、これらのトレンドは、私たちがディズニーを懐かしんでいるというよりも、顔を変えるARに慣れてきていることを示している。

【更新】米国時間6月14日東部標準時午後3時40分にSnapchatの「Cartoon 3D」レンズの使用統計を追加した。

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Snapchat拡張現実生体情報

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)