Snowball EdgeでEC2を現場で動かせるようになった――AWS、エッジ・コンピューティングをさらに強化

AWSのエッジコンピューティング・デバイス、Snowball Edgeはすでに広く使われている。しかし今日(米国時間7/17)、AWSはきわめて役立つ新機能を追加した。これまで、このデバイスは大量データの保管、転送、GreengrassサービスとLambdaを利用したある種のタスクの実行などに使われていた。しかしAWSはさらに一歩を進め、フラグシップ・コンピューティング・サービス、EC2をSnowball Edge上で利用できるようにした。

これにより、たとえば、工場内にデバイスを設置してそれまで使ってきたAmazon Machine Imagesを実行することができる。これによりまず帯域幅が大きく節減できる。ユーザーはEdgeデバイスですべてのコンピューティングを実行するか、プリプロセッサとして利用し、処理済みのデータをAWSに転送することができる。操作には従来のAWSのマネジメント・コンソール(ないしコマンドライン)を使える。Snowball Edgeは1.8 GHzのIntel Xeonプロセッサを内蔵しており、最大32GBのメモリで24のvCPUまで作動させることができる(メモリサイズ、vCPU個数の組み合わせは自由に設定できる)。

従来どおりの単一のマネジメント・コンソールから管理できるサーバーの中にSnowball Edgeが含まれるようになった、つまり他のAWSのクラウド上のマシンとまったく同様に扱えるようになったというのがAmazonが強調するメリットだ。念のために付け加えれば、OpenStackのエッジ・コンピューティングの基礎をなすアイディアだ(ただしSnowballはOpenStackより設定がはるかに簡単)。またMicrosoftのAzure Stackや各種のエッジ・コンピューティング・サービスが目指すのも同じ方向だ。

デバイスをレンタルする必要があるためSnowball Edgeのコストは決して安くはない。しかしオンデマンドによるコンピューティングのコストの大半はデータ転送費用で、これは500ドルからスタートする。Snowball Edgeを1台、1年間使うと少なくとも1万5330ドルかかる。しかし企業がエッジ・コンピューティングで処理を完了する前に、 AWSとデータをやり取りする必要が起きるケースはめったにないだろう。 また公平に言って、1万5330ドルという価格は同種のライバルに比べてはるかに安い。

〔日本版〕AWS日本語ページのSnowball Edgeの説明はこちら(EC2の利用に関してはまだ説明がない)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スマートフォンにやってくる大量の通知の、重要なものだけを通すSnowballがAndroidでデビュー

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モバイルアプリの数は膨大で、しかし日常よく使うのは五指に足りる、という現状では、デベロッパがユーザの注意を自分のアプリに向けるための唯一の方法がプッシュ通知だ。そしてユーザは、無用な通知の洪水に悩まされる。また、スマホの設定でいちいち、通知OKのアプリを指定するのも面倒だし、慣れないとやりにくい。

そこで今日ローンチしたSnowballは、もっと便利なインタフェイスで、重要な通知だけを指定できるようにする。

実はこのアプリの前身は、ユーザが使っているすべてのメッセージングアプリの来信を一箇所にまとめるアプリだった。このお利口なアプリはこれまでに25万回ダウンロードされ、今でも数万人が愛用しているが、SnowballのファウンダでCEOのAnish Acharyaから見れば、成功とは言えない。

そこでスタートアップの本場サンフランシスコに拠を構える同社は、アプリの設計からやり直した。そしてメッセージの統一受信箱ではなくて、通知のための“優先度指定受信箱”ならいける、と判断した。

そのアプリの開発は、かなりの難産だった。

“そんなアプリは、前例がまったくなかったから、雲をつかむような設計課題だった。1年前には、そんなのできない、とすら思っていた”、とAcharyaは説明する。Androidにおける、通知のプルダウンインタフェイスや、すべての通知をスワイプするやり方を、Snowballが支配しないといけないのだ。誰もやったことのない、ワザだ。

たどり着いたソリューションの詳細を同社は明らかにしないが、Acharyaによればそれは、“ハッキング”ではない。リバースエンジニアリングもやっていない。そして、その方法をGoogleにも試してもらって、ゴーサインをもらった。

SnowballをAndroid機にインストールすると、それが通知関連のインタフェイスをすべて乗っ取ってしまう。そしてアプリのアップデート通知のような、多すぎて迷惑な通知をすべて隠してしまう。そのほかの通知は、それらが来たときに、重要/重要でないを、スワイプで指定する。重要でないのは、次回から隠される。

隠された通知を見たくなったら、Snowballのドロップダウンペーンを呼び出せる。それらを見ても、次回からは、やはり隠される。〔余計な訳注: うーん、このへんがちょっと問題か…。〕

Snowballのメインの画面は“重要(Important)”と“そのほか(Everything Else)”に分かれている。“そのほか”に入れた通知は、次回から自動的に隠される。

今後Snowballは、ユーザのアプリの使い方から学んで、重要な通知とそうでない通知を自動的に見分けるようにしたい、とAcharyaは言っている。

今度のSnowballにはその前身の機能もすっかり残っていて、たとえばいちいち個々のメッセージングアプリを開かなくても、とにかくすべての来信を読めるし、それらへの返信もその場でできる。Facebook Messengerに来たのか、WhatsAppに来たのか、などなどをいちいち気にする必要がない。とにかく、メッセージ来信の通知がSnowballに来るので、単純にそれを読めばよい。友だちがメッセージで知らせてきたYouTubeのビデオや、そのほかのURLも、それらをユーザがいちいち開かなくても、専用カードの上で見ることができる。

そしてカレンダーのリマインダーが来たら、Snowballは現在地のUberやLyftの料金を教えてくれる。

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こうやって、何らかのアプリからの通知を優先することもできるから、そのあたりに今後のSnowballのビジネスモデルの手がかりがありそうだ。たとえば、UberやLyftのコンペティタの料金情報を見ることもできる、とか。もちろんそれは、Snowballのユーザがもっと増えてから、の話だけど。

“長期的な目標としては、今のスマホはアプリが主、通知が従だけど、それを逆転して、スマホの利用はすべて通知から始まる、という日常にしたい。通知は実は、スマートフォンの利用の中心にあるものなんだ。そしてアプリの利用は、そこから派生していく。通知にオーケストレーションされて、いろんなアプリを取っ替え引っ替え、有意義に使っていくのが、日常のスタンダードなスマホの使い方なのだ”、とAcharyaはすごい目標を語る。

同社はこれまで、First Round、Felicis Ventures、Golden Venture Partners、Google Ventures、Metamorphic Venturesなどから計230万ドルのシード資金を支援されている

Snowballの最初のバージョンは今日からリスト上にないから、ユーザは新しいアプリをGoogle Playのここで入手しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa