SnSnapはソーシャルに投稿した写真を印刷できる、オンラインとオフラインをつなぐプロモーションサービス

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SnSnap CEO兼共同創業者の西垣雄太氏

25歳の西垣雄太氏が立ち上げたSnSnapは、ソーシャル上でシェアした写真をイベント会場などに設置した専用端末から印刷できるサービスだ。主にプロモーションやイベントで利用する。今回TechCrunch Japanは、SnSnapを展開するスタートアップ、ドーグスの代表の西垣雄太氏にインタビューを行った。

SnSnapの利用方法は次の通りだ。ユーザーはスマホで写真を撮り、指定のハッシュダグを付けて、Twitter、Facebook、Instagramに投稿する。イベント会場や店舗に設置してある専用端末は、指定のハッシュダグが付いた最新の写真を読み込んでいる。その端末でソーシャル上に投稿した写真を選択すると、端末とつながったプリンターからカードサイズの写真が印刷され、ユーザーはそれをノベルティーグッズとして持ち帰ることができる。

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企業にとってSnSnapの利用は、ソーシャルメディアでのマーケティング効果と共にユーザーをイベント会場へと呼びこむきっかけとなる。また、企業は印刷紙の裏面と余白を自由にカスタマイズすることができる。そこにはブランドのロゴやQRコードを印刷したり、再度来店を促すクーポン券として活用したり、更には広告枠としても利用できる。印刷紙はカードとシールの2つのタイプがある。

アパレル企業のオープニングパーティーやプローモーションイベントの引き合いが多いと西垣氏は話す。7月9日に行われた、日本でも人気のデンマークの雑貨店「Flying Tiger Copenhagen」の名古屋ストアのプレオープニングイベントにSnSnapが登場した。写真の余白部分には、このイベント限定のデザインがあしらわれた。いつもは友人にのみ投稿を表示する非公開モードでTwitterを利用していても、この写真を手に入れるためだけに公開設定に変更する若い女子が続出したそうだ。

ビジネスモデルとしては、SnSnapの端末とプリンターを数日や月単位で貸し出す方式だ。また、端末を借りた企業はSnSnapの余白部分を広告枠として他企業に販売することも可能だ。いずれにしろ企業側が端末と印刷代金を負担しているので、ユーザーは無料で写真を手に入れることができる。

現在、端末のディスプレイは、店舗に設置するのに適した小さめのサイズだが、今後は広いイベント会場でも目立つ大型ディスプレイを導入する予定だと言う。また、観光名所ごとに異なるデザインのカードやシールを発行できるようにし、街興しに活用することも考えているそうだ。

25歳で自己資金450万円から始めたビジネスが順調に軌道に乗っているという話を聞くと、学生時代から起業を目標にこれまでのキャリアを積んできたのではないかと思うかもしれない。その事について尋ねると、西垣氏は昔から起業に強い関心があったのではないと言う。ただ、大学生時代に留学していたワシントン大学で出会った学生の中には10代で起業している人も多く、刺激を受けことが起業を意識したきっかけになったと西垣氏は言う。

西垣氏は留学を経てAppleに就職し、数年後にインターネットを通じて市場調査を行うマクロミルへと転職した。そしてTechCrunchが主催したイベントで、スタジオや会議室などの貸し借りを行うスペースマーケット代表の重松大輔氏との出会いがあり、重松氏のスタートアップに参画した。まだスペースマーケットに在職中の今年5月、自身のスタートアップを立ち上げるに至った。

多くの人を魅了する製品を作るApple、インターネットが始まったばかりの時代にアンケート調査に目をつけたマクロミル、そしてシェアリングコミュニティーを実現しようとするスペースマーケット。それぞれでの経験や人との出会いが起業につながったと話す。社名の「ドーグス」はアメリカの古い言葉で「仲間」や「兄弟」を意味し、「創業日が2015年5月15日なのは、語呂が良いのに加え、大切にしている『一期一会』を表しています」と西垣氏は創業への想いを語った。