家庭用真空調理ヒーターのAnovaがバージョンアップへ―Kickstarterですでに50万ドル集まる

昨日のMellowにつづいて、真空(低温)調理器の話題だ。

私が以前にレポートしたAnovaが真空調理用ヒーターのバージョンアップを発表した。鍋にこのヒーターを取り付けると、湯音を指定の温度に精密に温度をコントロールして調理ができる。AnovaのKickstarterプロジェクトは目標額10万ドルをはるかに越して50万ドルに達している。

現行の第一世代のAnovaは、タイマーや温度設定をすべてデバイスの中で行うものだった。 新システムではスマートフォンから専用アプリを通じて詳細なコントロールができるようになる。また外出先からリモートで調理をスタートさせることもできる。昨日紹介したMellowとは異なり、Anovaはユーザーの手持ちの鍋にクリップで取り付ける方式。またMellowと違って食材を入れるプラスチック・バッグは真空にする必要はなく、市販のジップロックでよい。

新しいAnovaは市販予定価格は169ドルと業務用真空調理器はもちろん、400ドルのMellowとくらべても大幅に安い。開発者のJeff Wuはこの種のデバイスを以前から作っており、最初に完成させたのは2013年だった。

家庭用真空(低温)調理器市場は現在立ち上がりかけているところで、まだまだ大きなチャンスがある。本来なら大手家電メーカーから製品が出ていてもいいはずなのに、私は一つも見つけられないでいる。デバイスのスタートアップを狙っている起業家には絶好の時期だ。低温調理の柔らかいステーキのファンとしては、この市場がさらに活気づくことを期待したい。


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマートフォンからコントロールできる真空調理器、Mellowが予約受け付け中


真空パックした素材を温水で長時間加熱する低温調理法あるいは真空調理法は肉や野菜を驚くほど柔らかくする料理手法だ。これまでは主に業務用として利用されてきたが、最近Anovaのように手頃な価格の家庭用の製品も出始めている。

ここで紹介するMellowはいわば「スマート低温調理ポット」だ。スマートフォンのアプリから自動的にコントロールでき、素材と分量に応じて最適なタイミングで調理ができる。

この調理器には予約した調理開始時間まで5℃で素材を保存するための冷蔵機能もある。調理が開始されると水温を最高90.5℃まで上げ、熱した水を真空パックした食材の周囲に循環させる。Mellowには真空シール機能も含まれており、繰り返し利用できる真空バッグも付属している。内蔵の秤が素材の重量を測り、素材の種類にしたがって適切な調理時間が設定される。ユーザーは材料をMellowに入れ、アプリからスタートボタンを押すだけで理想的に調理されたステーキが食べられる。

このアプリは調理開始時間を予約でき、調理が完了したら通知を受け取れる。さらに新しいレシピをユーザーに提案してくれる。

Mellowは現在予約受付中で価格は400ドルだが、値段に見合う価値があるだろうと思う。しゃれたデザインのプログラマブルな大型コーヒーメーみたいに見えるが、このコンパンクトな筐体に驚くほど多くの機能が詰め込まれている。正しく低温調理されたステーキやチキンは驚くほど柔らかく、野菜は不思議に歯切れよく調理され、すばらしい味わいを楽しめる。

Mellowを開発したのはCatarina ViolanteとZe Pinto Ferreiraのポルトガル出身のチームで、現在はイギリスを本拠として各種のキッチンウェアを製造販売している。

〔日本版:記事中で紹介されているAnovaはユーザーが手持ちの鍋にセットする電気ヒーターで25℃から99℃まで正確に水温を設定できる。価格は199ドルでAmazon USからも購入できるようだ。〕

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自動化スーヴィードシステムAnovaを使ってみる…Appleが調理器具を作ればこうなるか

スーヴィード(sous vide, 真空調理)はたぶんいちばんハイテクな料理法だと思うが、ハイテクといっても化学の学位は要らないし、事故で人が死ぬほどの危険性もない。だからぼくも、Anovaはすばらしいと思った。スーヴィード用の自動加熱循環機で、最初冷たかった鶏肉も、約1時間でジューシーなご馳走に変身するのだ。

スーヴィードは特殊な茹で方だ、とぼくは思う。肉や野菜を真空密閉したポリ袋に入れて、沸騰していない低温のお湯が循環している鍋でゆっくり煮る。たとえば、Anovaでお湯を循環させながら密封した鶏胸肉を煮ると、肉汁は一滴も失わないし、肉に焦げ目もつかない。お湯から取り出したら表面をちょっと炙(あぶ)る。すると、これまでで最高の鶏料理の完成だ。

Anovaはとってもシンプルな機械だ。必要なものは、お湯を入れる大きな鍋と、電源コンセントのみ。肉は必ず、真空密封すること。Ziplocなどよりも、真空加熱シーラーを使った方がよい〔参考ページ〕。そして、温度と時間をセットする。たとえばぼくの場合は、鶏肉を60℃で45分煮た。そのあと、塩で味付けし、フライパンで炙った。

温度調整は25℃~99℃のあいだでできる。お湯の循環能力は毎分12リットルだ。なお、材料は水から入れるよりは、最初からお湯の中に入れた方が結果は良いようだ。

ファウンダで制作者のJeff Wuは、家庭用の安価なスーヴィードシステムはこれが世界初だ、と言う。オープンソースのDIYプロジェクトは、前からいくつかあるが、デザインが良くて使い方が簡単なApple的製品は、これが初めてかもしれない。Wuは大学で生物化学とコンピュータ科学と金融学を専攻した。今の彼の本業は、製薬会社や化学企業のためのハードウェアの制作だ。

“ぼくが作る製品は主に、新薬の研究や医学研究、あるいは新素材の開発に関連している”、と彼は言う。“毎日のように、博士たちやノーベル賞受賞者など、エライ人たちに会う。スーヴィードを知ったのも、その人たちのおかげだ”。

“4年前にボストンの名門大学を訪ねたとき、研究室で数名の院生たちが鶏肉をスーヴィードしていた。実験用具の攪拌機をお湯を循環させるために使い、ホットプレートで表面を炙っていた。興味を抱いたぼくは、同じことを会社の実験室でやろうとして、大失敗した。2009年の当時は、ぼくはスーヴィードについて完全に無知だった。鶏肉を入れた袋が実験機械のシリンダに巻きついてしまって、たいへんだった”。

そんな苦労をしてまで、挑戦する価値があるのか? ある! スーヴィードは、一度食べると誰もがやみつきになる。ぼくも、そうだ。Anovaはわずか199ドルだし、真空加熱シーラー(と大きな鍋)は70ドルぐらいだ。高級レストランのジューシーな肉や味の落ちてない野菜の料理は、どうやって作るのだろう、といつも不思議だったけど、今ではその秘密が分かる。しかもスーヴィードは準備がほとんど要らないから、セットしたらあとは忘れてもよい(火事や黒焦げ事件は起きない)。低温での調理時間は最大72時間だから、簡単な煮豆でもそんじょそこらの煮豆とは違う最高の風味の煮豆ができる。

まあ日常の調理器具に199ドルは高いかもしれないが、スーヴィードを試してみたい人にとっては、これがたぶん、ベストのデバイスだ。ネット上には加水オーブンなんかも売ってるが、400ドル以上もする。しかもAnovaは、ほぼスタンドアロンのモデルで、真空ヒートシーラー以外にはほかの機器が要らない。しかも使いやすいしデザインもエレガントだ。

スーヴィードは本来、とても高度な料理テクニックだが、世の中にはつねに、Wuのようなナードがいて、Anovaみたいなクールな物を作ってくれるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))