Chrome、SPDYのサポートを5月15日に終了

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Googleがその基礎固めに多大な努力を払ったSPDYは、後に次世代HTTPプロトコルとしてウェブサイトをブラウザーに送る役目を担うHTTP/2となった。そのHTTP/2が公式標準となった今、Googleは同社のブラウザー、ChromeからSPDY対応を外す準備が整い、5月15日でChromeのSPDYサポートを終了すると発表した

これは全くの驚きではない。Googleは一年前から、SPDYをフェードアウトしてHTTP/2に移行することを公表していた。しかし、Chromeが正式にSPDY対応をやめる日付がわかったのは、これが初めてだ。

というわけで、もしSPDYをサポートしてHTTP/2をサポートしていないサーバーを運用している人がいれば、切り換えの時だろう。

Googleによると、Chromeが扱うデータの25%がHTTP/2接続経由で、SPDYはわずか5%だという。Googleは、SPDYの利用が5%まで落ちるのを待ってこの切り替えを発表したのかもしれない。

またChromeチームは今日(米国時間2/11)、TLSプロトコル拡張機能のNPNの対応も、5月15日で打ち切ることを発表した。NPN ( ‘Next Protocol Negotiation’)を使うと、サーバーとブラウザーの間でどのプロトコルを使うかを交渉できる。現在はALPN(Application-Layer Protocol Negotiation)拡張機能がこれに代わっている。

ユーザーにとって、この切り替えによる目立った変化はない。HTTP/2とSPDYはいずれも、ブラウザーとサーバーの間で高速かつ効率のよい接続を行うためのものだ。HTTP/2は一部がSPDYをベースにしており、いくつもの最適化を追加しているので、これからはさらに接続が速くなるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleはHTTP/2を優先してSPDYのサポートを終了へ

Googleが今日、‘Google版のHTTP’とも言えるSPDYのChromeブラウザにおけるサポートを2016年の前半までに終える、と発表した。HTTPの次のバージョンHTTP/2の規格策定作業がすで相当進んでいるので、Googleも独自のソフトウェアを捨ててそちらを採用することにした。ChromeのメインリリースがHTTP/2をサポートするのは数週間後、と言われる。

HTTP/2は今のHTTP 1.1に対し重要な改良をいくつも加えている。長年お役に立ってきた HTTP 1.1も、それが90年代後半に策定されてから今日までのあいだにWebが大きく変わり、とくに、複雑なページや、ストリーミングなど大型コンテンツの読み込みの遅さ、遅れが目立ってきた。今日のWebサイトはコンテンツが大型化しただけでなく、非常に複雑にもなっているので、わずか1ページの読み込みにサーバへのリクエストを数百回も行い、同時に数十もの接続を開き保持することすら、珍しくない。

SPDY(“スピーディ”と発音する)は、ストリームや優先度設定(prioritization)、プロトコルネゴシエーションといった新しい機能をHTTPに持ち込み、ブラウザが多くのファイルをサーバにリクエストする場合のやりとりの回数を減らした。またSPDYはHTTPのヘッダを圧縮してオーバヘッドを減らしているが、その機能はHTTP/2にもある

HTTP/2はSPDYを踏み台にしてスタートし、最終形もGoogle色を多く残している。HTTP/2はこの数年間でSPDYに数々の変更を加えたが、それでもHTTP/2のプロトコルにはSPDYの考え方がそのまま生かされている。たとえばSPDYのストリームの概念も、その典型だ(HTTP/2のストリームは、多重化が加わるなど、SPDYに対しやや改良が加えられているが)。

HTTP/2はこれからほぼすべてのブラウザがサポートすることになるので、Googleとしても独自プロトコルに固執する理由はない。SPDYは、HTTP/2にその方向性を提供したが、現時点ではもはやGoogleのやるべきことは残っていない。将来、HTTP/2に対し不満が出てきたら、またGoogleの出番があるかもしれないけど。

GoogleのエンジニアChris BentzelとBence Békyは、次のように述べている: “オープンなスタンダードであるHTTP/2の策定過程に貢献できて幸甚である。その策定と実装の過程には業界の幅広い参加が得られたので、今後の広範な採用を期待したい。また弊社は、インターネットの基盤的なプロトコルの今後のさらなる進歩により、より高速でより安全なインターネットを多くの人びとに提供していきたい”。

同社はサーバのデベロッパに対して、同社の方向性に従うこと、これからはもっぱらHTTP/2のみを実装することを、推奨している。またTLSに関しても、そのHTTP/2バージョンでセキュアなhttps接続を支えるALPNへの準拠を、求めている。ブラウザと違ってGoogleのサーバは、まだ当分SPDYをサポートすると思われるが、しかし長期的にはやはりSPDYのサポートを完全に終了するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))