人工蜘蛛の糸のBolt ThreadsがシリーズDで$123Mの巨額を調達、二次製品は他企業とのパートナーシップ次第か

蜘蛛の糸を、微生物を利用して人工的に作ろうとしているBolt Threadsが、シリーズDで1億2300万ドルという巨額を調達した。本誌が11月に報じたように、SECの提出書類によると同社は、Formation 8から1億600万ドルを調達した。

Boltの新たな発表では冒頭の額になり、同社の調達総額は2億1300万ドルになった。

【中略】(投資家詳細)

Bolt Threadsは、2009年のローンチ以降、テフロンより強く雲より柔らかい、そして自然界に豊富にある、という蜘蛛の糸を人工で作ることに向けて、大きく前進してきた。

過去に同じことに挑戦した企業や個人は多いが、誰も成功しなかった。しかしBolt Threadsは不可能から黄金を紡ぐことに成功し、2017年には初めての衣料製品、314ドルのネクタイを作った。

その後同社はPatagoniaやStella McCartneyなどとパートナーし、また職人のための道具などを扱っているBest Made Companyを買収した。

シリーズDの資金は、研究開発の継続と、その微生物から作った素材の商業化努力に充てられる。

協同ファウンダーでCEOのDan Widmaierはこう言う: “昨年のBolt Threadsは大きく前進できた。長年の研究開発の結果、弊社は世界で初めて、人工蜘蛛の糸の市場化に成功した。でもそれは、今後起きるであろう素材革命の上(うわ)っ面(つら)をかすったにすぎない。今回の資金で工程の改良を継続し、また他企業とのパートナーシップも拡大したい”。

ただし、今後の多様なパートナーシップや製品開発についての、具体的な説明はなかった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

この壁を歩くクモ型ロボットは、カーボンファイバーでハンモックを編む

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家にクモ型ロボットのペアを解き放つというのは、ふつう危険な考えだ。しかし、留守中クモたちが不思議な数学的ハンモックを編んでくれるとしたらどうだろう? 直ちに恐怖は驚きに ― そして昼寝へと変わる。

この「Mobile Robotic Fabrication System for Filament Structures」はドイツ、シュツットガルトの大学、Institute for Computational Designで作られた。基本をなすコンセプトは「群れの構成」。数多くの小さなロボットたちが協力して一つの作品を作り上げる。ここではロボットたちが、壁に密着したルンバのようにカーボンファイバーを編んで安楽の場所を作る。その形はまるでスピログラフから飛び出してきたようだ。このプロジェクトは同大学の大学院生であるMaria Yabloninaの研究に基づいて作られた。

「今はまだこの製作システムを建築に応用する可能性を探り始めたばかりです」と 同大学のAchim Menges理事がDezeenに話した。「しかし、他の方法では実現できない全く新しい構造物を作れるという特徴は、大きな利点だと確信しています」

これは、ごく控え目に言っても、見ていて非常に楽しい。ロボットはカーボンファイバー糸のリールを備え、壁の基点に糸を固定すると、まるであやり取りをするように前後左右に動き回る。

相互にやりとりしながら壁を這い回り、群のように行動することによって、極めてユニークな構造を作り、全く新しい形で空間を活用できるようになる。

Mengesは自然界の経済と創意工夫に触発された。Mengesのチームは昆虫やロブスターの外骨格を参考にして構造を設計した。このロボットがクモ類をはじめとする糸を紡ぐ動物の影響を受けていることは間違いない(BBCの番組、“Life in the Undergrowth” に驚くべき紡績の達人たちの特集があるのでご覧あれ)。

現在の計画はロボットの数を増やし、天井や曲面の壁のような場所でも編物ができるようにすることだ。そうなればもっとユニークな創作が可能になる。ちなみに、黒い糸で編まれた不気味な空間で働いたり生活したりしたいかどうかは、もちろん全く別の問題だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook