喘息対策に利用するピークフローメーターのテック化を目指すMy Spiroo

喘息を患っている人には、日常的にピークフローメーターという器具を使う人が多い。息を吸い込んでから吐き出すまでの息の速さ(ピークフロー値)を測るためのものだ。発作の予兆をチェックしたり、アレルギー物質などの外部要因が、自身の喘息症状にどのように関係しているのかを確認する用途などにも利用できる。このピークフローメーターは、ほとんどのものが機械式で動作するものとなっている。そこにテックの要素を持ち込もうとして生まれたのがMy Spirooだ。スマートフォンに繋いで使うようになっていて、データを有効に活用でき、そして持ち運びも多少楽になる。

このプロダクトを世に送り出したのはDr. Lukasz KoltowskiPeter Bajtalaだ。大きさはこれまでのピークフローメーターとあまりかわらないが、スマートフォンに繋ぐためのヘッドフォンジャックがついている。

「一度の測定にも時間がかかり、また数回ずつ繰り返して測定しなければならない手間を軽減しようと考えてMy Spirooを考案しました」とBajtalaは言う。「測定結果はスマートフォンに保存され、必要な相手と共有することができます」。従来は測定して結果を紙に書いて医師に見せるという手順を踏んでいた。My Spirooを使えば測定をしながら記録と情報共有が同時に行えるようになるわけだ。

必要最小限のデータをとることを目的とした患者用版に加えて、医師用の「プロ版」もつくっていく予定なのだとのこと。現在ポーランドの製薬会社やベンチャーキャピタリストなどと、今後の動きを話し合っているところなのだそうだ。ここまでは自己資金でやってきている。

スマートフォン経由でネットワークにつながっていることを活かして、ピークフロー値などだけでなく、位置情報や地域毎の統計情報なども蓄えていく仕組みを実装しようとも計画しているのだそうだ。花粉や空気汚染などの状況と発症具合を結びつけることで、患者たちの健康管理(吸入器の準備など)にも多いに役立てることができるだろう。「データはすべて個人情報と切り離した形で収集します。統計的データのみをシェアすることにより、いろいろな面で役立つ喘息マップのようなものを提供できるようになると思うのです」とBajtalaは言っている。

My Spirooは、先週行われたポーランドのスタートアップフェスティバルで2位を獲得したそうだ。デバイスは年内にも提供できるようにしていきたいとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H