グーグルの360度動画プロジェクト「Spotlight Stories」終了か

グーグルは360度動画プロジェクトの「Spotlight Stories」を終了するようだ。Varietyが報じた。

Spotlight Storiesのメンバーはグーグルの先端技術開発チームであるATAP(Advanced Technology & Projects)のグループに属し、6年ほどコンテンツを制作してきた。フェイスブックのOculus Story Studioと同様に、マネタイズは重視していなかった。

米TechCrunchではグーグルに事実関係の確認をしている。

Spotlight Storiesが制作した作品の中でも大きな話題となった「Pearl」は2017年、アカデミー賞にノミネートされ、エミー賞を受賞した。

TechCrunchのライター、Lucas Matneyは、グーグルは「市場をOculusに譲った」、「今度は独自のコンテンツ制作に関しても、“正しいアプローチでない”と結論づけるのかもしれない」と綴っている。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

[米国版TechCrunchの記事はこちら]

Google、360度没入型ムービーの「スポットライトストーリー」をYouTubeアプリケーションで閲覧可能に

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GoogleがYouTubeで「スポットライトストーリー」を閲覧可能にした。「スポットライトストーリー」とは、360度を見渡せる没入型インタラクティブムービーのことだ。米国時間の22日朝にアナウンスされた。まず投入されたのは「Special Delivery」と題されたクリスマスムービーだ。「ウォレスとグルミット」を製作したアードマン・スタジオが制作したものだ。多くのAndroidデバイスで、YouTubeアプリケーションを使うことで閲覧することができる。スマートフォンの向きを変えたりすることで、ムービー内のシーンをさまざまな角度から楽しむことができるようになっている。

この「スポットライトストーリー」のフォーマットは当初、Motorola MobilityのAdvanced Technology And Products(ATAP)部門が開発していた。Googleは同社を2011年に買収して以来、自社内での開発を続けていたというわけだ。もともとはMotorolaのMoto Xなどのデバイス用に開発されていたため、直ちにAndroidに移植することはできなかった。現在でも完全な互換性を有するわけではなく、動作しないAndroidデバイスもある。

Googleは今年、YouTubeのAndroidアプリケーションに従来型ビデオを閲覧させるだけでなくVR機能を投入したり、360度見渡すことのできるビデオフォーマットなどを導入してきた。今回の「スポットライトストーリー」も「機能拡張」の一貫と見ることはできるが、ただしこれまでのものとは異なると言えよう。すなわちスマートフォンに内蔵されたセンサーを活用した新しいインタラクティブ・エクスペリエンスを提供することができるからだ。

「スポットライトストーリー」の形式でビデオを制作する場合、ジャイロスコープや加速度センサーなどからのデータを使って、2Dないし3Dで、360度を見渡すことのできる没入型エクスペリエンスを提供できるのだ。専用のアプリケーションを使えば、2013年からこうしたエクスペリエンスを体感することはできた。今年にはiPhone用のスポットライトストーリーズ・アプリケーションも投入していた。

Googleの発表によれば、「Special Delivery」はさまざまな角度から閲覧することができ、またスマートフォンを動かしていくことで、隠れたストーリーをアンロックすることもできるのだとのこと。10種類のサブプロットが隠れているのだそうだ。ストーリーの分岐点は60シーンに隠されているらしい。見るたびに何度も違うはストーリーを楽しむことができると言っても良いかもしれない。

「スポットライトストーリー」は今のところ限られたAndroidスマートフォンでしか動作しない。Googleは対象ユーザー以外にも楽しんでもらうためにYouTube 360版を用意して、今回非対応となったAndroidデバイスやiOSデバイスでも閲覧できるようにしている。またGoogle Cardboardでも楽しむことができるようになっている。

来年にはより多くの「スポットライトストーリー」を公開し、またiOS版のYouTubeアプリケーションでも閲覧することができるようになる予定なのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H