Googleのモニタリング/ロギングサービスStackdriverがアップデートされカスタマイズと視覚化が充実

Google Cloud PlatformやAWSの上で動くアプリケーションの、モニタリングやロギング(ログ取り)、診断などのサービスを提供するGoogleのツールStackdriverが今日(米国時間8/31)アップデートされ、ロギングの機能が増えるとともに、無料のログサービスの大きさが拡張された。すなわち12月1日からは、Stackdriverのロギング機能は1プロジェクトあたり1か月に50GBまでのログを無料で提供する。50GBを超えるぶんは、1Gバイトにつき月額50セントが課金される。

このアップデートのスローガンは、ログの分析を早くし、管理を容易にし、そしてより強力にすることだ。そのためにGoogleのチームは、ログに何かが書き込まれたときと、それがStackdriverの分析結果に反映されるまでの時間を短縮した。これまでは、ログのアップデートがStackdriverのユーザーにとって可視になるまで5分以上を要していた。それが今や1分未満になったそうだ。

これまでも、5分では困るというユーザーはあまりいなかったと思うが、でも早くなって怒るユーザーはいないだろうね。

またこれからは、ログのどんな項目でもそれらの各欄をラベルにして、ログのデータを視覚化できる。しかしもっとおもしろいのは、ユーザーが排除フィルターをセットアップして、必要なデータだけをログに出力させられることだ。GoogleのプロダクトマネージャMary KoesとDeepak Tiwariが、今日の発表声明で書いている: “排除フィルターを利用してコストを下げ、無駄なログを減らしてS/N比を上げられる。特定のソースをブロックしたり、逆に特定のパターンにマッチする項目を拾うことによって、コンプライアンスにも貢献する”。

もうひとつの新機能一括エクスポート は、複数のプロジェクトのログをGCS, PubSub, BigQueryなどにエクスポートできる。これまではデベロッパーが、一つ々々手作業でエクスポートしていた。

[↓排除フィルターと排除を指定するエディター]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleがクラウドモニタリングサービスStackdriverを買収して同社クラウドプラットホームの優位化を目指す

Googleが今日(米国時間5/7)、同社がクラウドをモニタするサービスStackdriverを買収したことを発表した。今後Googleは、同社のCloud Platformの機能の一環として、同サービスの機能を提供していくものと思われる。買収の価額等は公表されていないが、Stackdriverはこれまで、Bain CapitalとFlybridge Capitalがそれぞれ率いる2回のラウンドにより、計1500万ドルを調達している。

2012年にローンチしたStackdriverは、ユーザのクラウドアプリケーションの監視を代行し、問題が起きたときにはdevopsの一部を自動化、そして、ユーザのクラウド利用状況を詳細に数字で把握し記録する。

これまで、Amazon Web Servicesのモニタリングが主だったが、個別のサーバや、Rackspaceのクラウドサービス、Google Cloud Engineのインスタンスなどもサポートしている。昨年同社がシリーズBの資金調達ラウンドを完了したときに、協同ファウンダのIzzy AzeriとDan Belcherに聞いたところによると、今後はもっとサポートする対象サービスを増やしたいという話だった。そういった努力が、今回の買収に結びついたのだろう。

Googleとしては、Stackdriverの既有のサービスはすべてそのまま継続させ、ユーザにはハイブリッドなクラウド環境に対しても使えるツールを提供していく。ただしStackdriverのチームは当面、Google Cloud Platformとの統合化に追われ、主にGoogleの顧客に“同社の高度なモニタリング能力を提供して”いくことになる。そしてそれが、顧客においては、Googleのクラウドサービスを利用することのアドバンテージにもなる。

Googleのクラウドプラットホームが一種の節目を迎えているときに、この買収が行われた、とも言える。数週間前にはまずクラウドストレージをめぐる小規模な価格戦争の口火を切り、その後は同社のクラウドストレージとコンピューティングサービスに多様な新サービスをローンチしていった。Googleはクラウドプラットホームサービスに関して、相当本気だと伺われる。今のところ、この世界のリーダーはAmazon Web Servicesだが、AWS自体は使いやすいモニタリング機能をまだ提供していない。

だからStackdriverの高度なモニタリング機能を加えたGoogleは、そのプラットホームを市場でより目立たせることができ、クラウドコンピューティングがコモディティ化して料金も下がる一方、コアなコンピューティングとストレージサービスが主体であるかぎりは各社の差別化要因もほとんどない、というこの時期に、他社に鼻の先ぐらいの差をつけることが、できるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


StackdriverのAWSモニタリングは異常時対応を自動化し, エンドポイントのチェックも行う

Amazon Web Services(AWS)をモニタするサービスStackdriverに、ユーザが処理方針(ポリシー)を設定できる自動化ツールがいくつか加わる。それらは、問題が起きたときアラートするだけでなく、ユーザがあらかじめ指定した対応処理を行う。ユーザがサーバをいちいち手作業で停止/始動しなくてもよい。今日(米国時間11/11)Stackdriverはさらに、WebサイトやサードパーティのAPIなど、エンドポイントをモニタする機能をローンチした

これらの新しいサービスはStackdriver Proの現ユーザと年内に登録したユーザに提供される。その後は、これらの機能は同社が近く発表する”Elite”プランの一部になる。今年の12月31日までにProのユーザになった者は、この新しいプランに自動的にアップグレードされる。

自動化機能

どのモニタサービスにも、異状をアラートしてくれる機能はある。アプリケーションがメモリ不足になったとか、おかしなプロセスがサーバのパフォーマンスの足をひっぱっている、など。関係データベースのインスタンスがメモリ不足になっているので、容量を増やしてやる必要があるかもしれない。これらはいずれも重要な通知だが、担当が午前2時に起こされて対応しなければならないのは、たいへんだ。そこでStackdriverの自動化機能は、ユーザが対応方法をあらかじめ設定しておき、システムのステータスが一定の閾値を超えたらそれらを自動的に実行する。AWSの必要なAPIを呼び出すことも、Stackdriverがユーザに代わってやる。

すなわちユーザが手作業でインスタンスの始動や停止を行うのではなく、パフォーマンスが劣化したらユーザがあらかじめ設定した対策プロセスが自動的に動きだす。また、そのプロセスが終了したら通知を受け取ることもできる(メール、SMS、PagerDutyなどで)。また、放っておけば直る/元に戻るを期待して、対応プロセスの始動時間を遅らせる、という設定もできる。

今このStackdriver Automation機能にできることは、インスタンスのリブート、Elastic Block Store-backedのインスタンスを移動する〔参考〕、RDSのインスタンスの容量を増やす、などだ。同社の協同ファウンダIzzy Azeriによると、そのほかのプロセスも今対応を準備中だ。

エンドポイントモニタリング

Stackdriverのアラート機能はすべて、新たにできたエンドポイントモニタリングシステムと連係している。同社によればこのシステムは、“アプリケーションモニタリングの最後に残った一切れであるエンドポイントのチェックを、世界中のユーザ環境や場所に対して行う”、というものだ。これによりたとえば、アプリケーションが依存している何らかのAPIの正常動作をチェックすることができる。Stackdriverのモニタリングシステムの詳細はここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWSのパフォーマンスモニタリングで好調なStackdriverがシリーズBで$10Mを調達

Stackdriverは、クラウドから提供されるアプリケーションをモニタするサービスだが、今日(米国時間9/18)はシリーズBとなる1000万ドルの資金調達を発表した。このラウンドはFlybridge Capital Partnersが仕切り、既存の投資家Bain Capital Venturesと数名のエンジェル投資家が参加した。ボストンに本社を置く同社は、昨年シリーズAで500万ドルを調達したが、協同ファウンダのIzzy AzeriとDan Belcherが今月初めに語ったところによると、今回の資金は営業およびマーケティング努力の拡大と、分析サービスのタイプを増やすことに充てられる。

彼らによると、同社は新たな資金調達にそれほど熱心ではなかったが、昨年のシリーズAの完了以降に数社のVCからアプローチされた。すでに同社のサービスの顧客は相当増えていたから…約400社、有料顧客はSmugmug、99designsなど数十社…、今回のラウンドもやることに決めた。FlybridgeはMongoDBの初期の投資家でもあるので、今回のラウンドのリーダーとしてふさわしいと思われた。

Stackdriver自身は今のところAmazonのクラウドサービスのパフォーマンスの測定が主だが、起業時の目標は一般的なmonitoring-as-a-service、何でもモニタするMaaSだった。でも実際には、デベロッパはもっぱらパフォーマンスを気にする生き物であった。同社のファウンダたちによると、大きなチームが大量のリソースをパフォーマンスモニタリングに投じているところも多く、そういうところはモニタリングをStackdriverに任せて楽になるべきである、と。

Stackdriverはリソース単価8ドルで、パフォーマンスの測定結果を視覚化するダッシュボードを顧客に提供する。リソースとは、ひとつのデータベース、ひとつのEC2インスタンス、ひとつのDynamoテーブル、などなどのことだ。また同社のモニタリングアルゴリズムは、サーバの異状をデベロッパに警告する。サービスの利用料金は、10名未満の開発環境なら無料だ。

Smugmugのオペレーション部長Andrew Shiehが今日の声明文の中で、“Stackdriverが登場するまでは、ダイナミックな…動的にたえず変化していく…クラウド環境をモニタできるソリューションがなかなか見つからなかった”、と言っている。“今日ではStackdriverを利用することによって、弊社のシステムとインフラストラクチャのパフォーマンスを数百万のユーザが期待するレベルに維持できる。クラウドモニタリングのためのプロダクトを弊社で作るとしたら、まさにStackdriverと同じものになるだろう”。

既存の同種サービスに比べてとくに優れていると自負しているのが、アラートだ。これまでのデベロッパは4種類か5種類のモニタリングシステムを使っていたから、アラートが多すぎてアラート疲れになっていた、と同社は言う。

Stackdriverは目下AWSとパフォーマンスに絞っているが、今後は新しいツールも加えたい、と考えている。たとえばユーザは、コストのモニタリングもしたい、と望んでいる。また、外部リソースについてもモニタしたい。ただし同社のチームが前から考えていたスレッド検出ツールは、当面棚上げとなっている。

AWSのほかに、Rackspaceのクラウドのモニタリングも提供しているが、利用者は同社の全顧客の中でごく少数であり、だから、こんな記事など向けにあまり強く謳うべきではないと考えている。

〔参考: 関連記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))