WeWorkが中国国内で提供する新しいサービスは、スターバックスの良きライバル?

中国国内におけるスターバックスの台頭は、ちょうど西洋と同様に、家庭と職場の間で立ち寄る「第三の場所」としての機能と、密接に結びついている。近年、多くのコーヒー起業家たちが、中国国内におけるこのアメリカの巨大企業の地位を脅かそうとしている。そして今度は予想外の競争相手 ―― WeWork ―― がその流れに加わった。

オフィステナントとワークプレースサービスプロバイダーであるWeWorkは、今月WeWork Goを立ち上げた。これは中国国内の利用者たちに、机を分単位で貸し出す新しいサービスである。このおかげでユーザーは長期のリース契約に縛られる必要がなくなったのだ。スターバックスが無料の場所と有料のコーヒーを提供しているのに対して、WeWorkはその関係を逆転させて、無料のコーヒーと有料の場所を提供するのだ。スターバックスはすでに、ライバルの新興企業であるLuckin Coffeeの挑戦を受けている。同社はスターバックスとの対決を鮮明に打ち出し、コーヒーデリバリーのモデルに集中している。

WeWork Goは他の共有サービスと似た点がいくつかある。ユーザーは移動する前に、一覧上のオフィスの混み具合をアプリでリアルタイムにチェックすることが可能だ。オフィスに到着すると、ユーザーは入口でQRコードをスキャンし、ドアを開けて、共有エリアに着席するが、その時点から請求が始まる。

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WeWork Goは、WeChat miniプログラムを通じてアクセスできる。スクリーンショット:TechCrunch

同社は、人の流れは綿密にモニタリングされているため、共有スペースが一時利用のユーザーたちで溢れ返ることはないと述べている。個室を予約するためには追加料金が必要だ。WeWorkの中国本社が置かれる上海内の18か所で、3ヶ月にわたるパイロットを行った結果、5万人の登録ユーザーを集めることができたとGoは主張している。

中国向けに

ネイティブアプリを開発する代わりに、WeWork GoはWeChat miniプログラムを介して運用されている。WeChat miniプログラムというのは、中国最大のソーシャルネットワークの中に存在する簡易アプリケーション形式だ。miniプログラムは、開発が比較的容易なために、スタートアップがアイデアを試すための、人気の高い方法になって来ている 。「(Goは)私たちの中国向けローカライズの中心的開発なのです」と、WeWorkの広報担当者はTechCrunchに語った。

Goはいわゆる「一時利用ユーザー」向けに合わせられている。「そうした人たちは、月々のメンバーシップを購入しません。彼らは、自宅や、コーヒーショップ、レストラン、あるいは図書館で働くのです」とTechCrunchに語るのは、WeWork Chinaでイノベーションとテクノロジーを率いるDominic Penalozaだ。彼は以前、Naked Hubというオンデマンドワークプレイスサービスのコンセプトを作り上げた人物だ。これはWeWorkにとっては地元の小さな競合相手だったが、昨年WeWork Chinaが4億ドルで買収した。合併後、エグゼクティブと彼の技術チームは共にWeWorkに参加し、後にGoとして実現されたプロジェクトの開発を続けて来た。

この「使った分だけ支払い」(pa-as-you-go)機能は、米国本土でも先週マンハッタンの新しいオフィスでも導入された。

Penalozaは、Goが「フリーランサー、モバイルワーカー、ビジネス旅行者、あるいは一時的にオフィスから離れて気持ちを落ち着かせたい人のための代替スペース」を提供するという意味で、コーヒーショップたちと競合する可能性があることを認めている。明らかなターゲットはスターバックスである。なにしろ同社は中国の急成長しているコーヒー市場の51%という大きなシェアを占めているのだ。

WeWork向けに

WeWorkにとっては、Goは月々のサブスクリプションを申し込むか否かを決めようとしている人にとっての、お試し機能として役立つ。そうした人たちが思案するのは、上海のダウンタウンでは1830元(271ドル)になるホットデスクの月極料金だ。比較のために挙げるなら、Goの料金は1時間あたり最低15元から始まり、プレミアロケーションでは30元に達する。この料金の中にはフルタイムのホットデスクと同じサービス(共有スペースへのアクセス、飲み物、そしてWi-Fi)が含まれている。

ユーザーは自分にとって有利なプランを自分で計算することができる。「もしWeWork Goメンバーとして始めて、サービスをたくさん使うようになったとしたら、月極料金のサブスクリプションに登録した方が遥かに経済的だということに気が付くでしょう。Wealo Goは、WeWorkがまったく新しい市場セグメントにリーチすることを可能にするのです」とPenalozaは語る。

柔軟な価格設定は、大企業からの収益の大部分を生み出しているWeWorkが、より幅広いユーザーベースにリーチすることを助けるかもしれない。中国のシェアードオフィス業界は、不動産業界研究者のJones Lang LaSalleが呼ぶところの「第2段階」に突入した。そこではWeWorkや地元のSoho 3Qのような大企業がプレミアムワークプレイスに参入してきている。一方資金不足のスタートアップたちは、徐々に政府に支援された低料金のインキュベーターに向かうようになってきた。

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写真:WeWork China

Goの初期ユーザーの何人かは、TechCrunchに対して、このサービスは大部分のコーヒーショップよりも、「より静寂」で「より快適」な雰囲気を提供してくれると語った。だが、急いでいるときにはそこまでの距離が重要となる。WeWorkは現在、中国の十数か所の主要都市に約60か所の拠点を展開している。一方スターバックスは3330店舗におよぶ密なネットワークを形成しているが、2022年末には6000店舗に拡大することを狙っている。WeWork Chinaは、昨年Naked Hubを買収したことで場所を増やし、またレストランなどのサードパーティのスペースを、レンタル対象に追加することは可能だと述べているが、そのビジョンに向けた確固たる一歩はまだ踏み出していない。

「繁華街には本当に面白いチャンスがあります。そこにあるWeWorkとNaked Hubは、ランチ後から午後5時まで本当に満席なのです」とPanalozaは指摘した。「驚くべきことに、その付近にあるレストランは、その時間ほとんどガラガラなのです。なので、そこには魅力的な機会があるのですが、私たちはまだ何もしていません」。

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(翻訳:sako)

StarbucksがUber Eatsを使う出前サービスを来年は全米2000店に拡大、すでに中国で実験に成功

Starbucksが来年はUber Eatsとのパートナーシップを拡大して、アメリカにおける契約店を2000店以上に増やす。これはアメリカの全店舗の約1/4だ。

それでもちろん、UberのフードデリバリーサービスUber Eatsの方も足場が強化される。Uberによると、2018年の終わりまでにアメリカの人口の70%以上をカバーしたいそうだ。Starbucksとのパートナーシップがスタートするのは来年だが、これによりマーケットシェアでPostmatesと肩を並べる、もしくは抜くことは確実だ。

Starbucksが出前サービスStarbucks Deliversをパイロット事業としてマイアミと東京で開始したのは9月だ。実は本当のルーツは中国で、AlibabaとのパートナーシップでオンデマンドフードデリバリーサービスEle.meを立ち上げたし、また上海と杭州ではご当地のスーパーマーケット経由でサービスをパイロットした。

それらはまだ実験段階だが、かなり成功しているようだ。中国ではStarbucks Deliversは、立ち上げから3か月で全国30都市2000店に展開している。これは、木曜日(米国時間12/13)の投資家カンファレンスで同社自身が挙げた数字だ。

というわけで今度は、中国で学んだことをアメリカに応用しよう、というわけだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Nestlé、Blue Bottle Coffeeの過半数株式取得――評価額7億ドル以上

シリコンバレーでも大いに愛されているコーヒーショップ、Blue Bottle Coffeeの過半数株式を食品大手のNestléが取得した。今朝(米国時間9/14)明らかになったこの準買収はコーヒーショップ市場に大きなビジネスチャンスがあることを示す何よりの証拠だろう。

NestléはBlue Bottle株式の68%を取得したが、経営陣は従来のままで変更はない。Financial Timesの記事によれば、NestleによるBlue Bottleの企業評価額は7億ドル以上で、5億ドル前後を支払ったという。この額はおおむね正しいだろう。

Blue Bottleはサンフランシスコ、ニューヨーク、東京などの大都市に店舗を設けており、Appleストアに足を踏み入れるような体験ができる。Blue BottleがStarbucksの向かいに店を出して客を奪い、すぐにもっと利益を出せるなら、市場シェアはスターバックスにははるかに及ばないだろうが、そうであっても非常に旨味のあるビジネスということになる。

Index Venturesのパートナー、Mike Volpiは声明で「現在、アメリカと日本でBlue Bottle Coffeeはスペシャルティーコーヒーのトップブランドだ。Blue Bottleの成功は、ジェイムズ〔・フリーマン、ファウンダー〕とブライアン〔・ミーハン、CEO〕の顧客を熱心なファンにするユニークな価値を生み出すセンスと能力を証拠だてるものだ。Blue Bottleというブランドの魅力はわれわれを同社に対する初期の投資家とした。 以後同社が永続性のある企業へと成長していくのを見ることはわれわれにこの上ない満足を与える経験となった」と述べた。

コーヒーショップはシリコンバレーの投資家、起業家にとってことにお気に入りのプロジェクトで、Blue Bottle、Philzを始めとする企業にはこれまでにも巨額の資金が注ぎ込まれている。言うまでもなく、Nestléがコーヒー事業に大型投資を行うのはこれが初めてではない。同社はKeurigのライバルであるNespressoコーヒーマシン事業を所有しているし、はるか以前からNescaféブランドで有名だ。Blue Bottleは生産性の高い企業であり、コーヒーショップの経営以外にも多数のコーヒー関連アイテムを製造、販売している。Starbucks同様、小さな袋に詰められたコーヒーを各種のチャンネルで販売している。

いささか皮肉なことに、TechCrunchは最近、AmazonはBlue Bottle、Philzのようなコーヒーショップ事業を買収すべきだと主張した。これはStarbucksのような既存事業に対して新しいスペシャルティーコーヒーにはAmazn Primeをさらに拡大する可能性があると考えたからだ。すでに傘下に多数のコーヒーブランドを所有しているNestléが、これほどの規模での投資を行ったとなると、もはやスペシャルティーコーヒーを実験的なビジネスと見ることはできないと同時に(Amazonや今回のNestléのような)十分な資金力あるパートナーを見つけることがStarbucksのような巨大企業と対抗していくために必要だろう。

Blue Bottleはこれまでに総額で1億ドル以上の資金を調達している。ちなみに、TechCrunchはちょうど1年前にBlue Bottleが新たな資金調達を試みてみる情報を得た。ただし同社はただちにこれを否定した。その後も資金調達に関して投資家と話し合いを行ったことはない。しかし動きの速いこのビジネスで1年というのは長い期間だ。Blue Bottleは今年中に新たに25店舗を開設しようと計画しているという。

なおBlue Bottleの広報担当者は、同社はこの取引に関して会社評価額その他の詳細を明かす予定はないという。

r画像: Kena Betancur/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Starbucksがモバイルオーダーのみの店を本社内でテスト、システム改良のため

Starbucksがモバイルのオーダーシステムを導入したのは2015年だが、その後ある意味で同社は、自分の成功の犠牲者になった。人気店の顧客たちは、レジの列に並びたくないので、こぞってモバイルからのオーダーと前払いを選び、今度は“仮想行列”ができてしまった。場合によってはそれは、本物の行列より長いこともあった。そこでモバイルオーダーの改良を志した同社は、シアトルの本社内にテスト店として、オーダーはモバイルからのみ、という店を開いた。

Reutersの記事によると、本社内にある二つのカフェのひとつが、来週からモバイルオンリーになる。記事によると、そのビルにいる5000名の社員のモバイルからのオーダーはすべてその店へ行く。その店舗は改装され、受け取り窓口がよく目立つようになり、店内であなたのコーヒーを淹れているバリスタの姿もよく見えるそうだ。

Starbucksのアプリに、事前オーダー・後で受け取り、というシステムが加わったのは2015年の9月で、それ以降、人気が拡大した。アプリの中でメニューを選び、店を指定し、前払いをすると、受け取り予定時間を教えてくれる。コーヒーは受け取り窓口に置いてあったり、あるいは店内オーダーのときのようにバリスタが声をかけたりする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Niantic、「新しいポケモンがやって来る」と確認―週明けに新キャラ多数追加へ

Pokemon figures are seen at the International Tokyo Toy Show 2016 in Tokyo, Japan June 10, 2016. (Photo by Hitoshi Yamada/NurPhoto via Getty Images)

膨大なユーザーを抱えるスマートフォン・ゲーム、ポケモンGOを開発したNianticは来週月曜日に新しいゲーム・キャラクターが登場することを明らかにした。

「12月12日にはソーシャルメディアのニュースに注意を払うことをお勧めする。われわれはポケモンGOの新キャラクターを紹介することを予定している」と Nianticは声明に書いていてる

この拡張現実ゲームではユーザーは現実世界に隠れているポケモン・キャラを発見し、捕獲することがでる。7月に登場すると即座にiTunesで1位のアプリとなった。 その後、同じキャラばかり捕まえるのに少々飽きたかしてユーザー数は下降ぎみになっていた。新しいキャラクターのリリースはファンを喜ばせ、ゲームを再活性化させそうだ.

アメリカのキャリヤ、Sprintは水曜日に同社の1万500箇所のショップ等をポケストップとポケジムにするとを発表している。これによって多くのユーザーがSprintの店先に足を止めてくれることを狙っているようだ。このニュースを受けてSprintの株価は7%アップした。

カフェのStarbucksもポケモンと同様の提携を結ぶのではないかと話題になっっている。Starbucksはすでにポケモン提携のドリンクを販売している。

Nianticはハロウィンと感謝祭にもこうした休日にふさわしいテーマをあしらったプロモーションを大々的に展開した。われわれは新キャラのDitto〔メタモン〕の追加を紹介している。

ポケモンGOは今年のTechCrunchのCrunchies賞のファイナリストにも選ばれた。

情報開示:TechCrunchの親会社はVerizonでSprintとは競争関係にある。

画像: Hitoshi Yamada/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スターバックスが専用キーボードアプリを公開。ユニコーンがコーヒーを飲む絵文字も送れる

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果たしてこのStarbucksの最新アプリは、次のKimojiになれるのか? たぶん〈ノー〉だ。しかし同社は今週、食べ物やドリンクを売るためではなく、エンターテイメントのみに焦点を絞った初めての消費者向けアプリを公開した。その通り。Starbucksの専用絵文字キーボードアプリを使えば、フラペチーノやコーヒーやティーはもちろん、紫のユニコーンがStarbucksの飲み物を楽しんでいる絵柄だって、友達にメッセージで送れるようになった。

アプリはApple App StoreやGoogle PlayでStarbucksの名前では公開されておらず、サードパーティーのSnaps Mediaとの協力の下で開発された。

現在Snaps Mediaは、独自の絵文字キーボードアプリを提供したい様々なブランドと仕事をしているが、自身でアプリを作る意志はない。顧客リストには、Nickelodeon、BET、VH1、MTV、TCM等のメディア企業や、スポーツチーム、テレビ番組、さらにはHotel Transylvania 2、Portlandia、Deadpool、Workaholics、Broad City等の映画タイトルが名を連ねる。他にもDove、Victoria’s Secret、Pepsi、Coca-Cola、Sour Patch Kids等、数多くのブランドを扱っている。

こうしたアプリのインストールベースはニッチだが、Starbucksの名前が持つリーチは大きい ― そのブランド人気は、何十ものアプリデベロッパーが、自身の作品をアプリストアで宣伝するために名前を使うほどだ。

アプリストアで、”Starbucks” を検索すると、近くの店舗やクーポン検索等々、何十もの「シークレットメニュー」が見つかる。だったら絵文字キーボードも。あっていい。

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これはStarbucksにとって初めてのモバイル用絵文字キーボードであることを広報担当者が認めた。Starbucksはこの新アプリを月曜日(米国時間4/25)に発表し、年間を通じて新しいコンテンツが追加されることを約束した。

キーボードの出来映え? 早期レビュワーたちはあまり感心していないようで、例えばアイコンの品質が高くないと不満を漏らしている。絵文字をメッセージにコピー&ペーストしなくてはならないことに憤る人たちもいる。残念ながらこれは絵文字キーボードではよくあることのようで、App Storeで人気トップのKimojiもそうだ。

他のサードパーティーキーボードアプリと同じく、Starbucksキーボードアプリは、SMS/iMessage、メール、およびWhatsApp、Messenger等のメッセージングアプリ内で使用できる。

この発表に先立ち、Starbucksのメインアプリは全面改訂された。同社のITリソースはそちらに集中していた。新バージョンのアプリでは、報酬プログラムの改訂、モバイル注文の改善、各種エンターテイメント特典の統合等が行われた。

Starbucksキーボードアプリは、 iTunes App StoreおよびGoogle Playから無料でダウンロードできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スターバックス、店内で再生した音楽をSpotifyのプレイリストとして提供開始

Spotify in the Starbucks app photographed on Fridday, January 8, 2015. (Joshua Trujillo, Starbucks)

スターバックスとSpotifyが共同で、新たな音楽体験を提供することとなった。スターバックス店内で流れている曲のリストを入手し、そこに含まれる曲をSpotifyのプレイリストに登録することができるようになったのだ。

新たなエクスペリエンスを提供することで、スターバックスのモバイルアプリケーションの利用者増と、Spotifyの登録者を増やすことを目的としたものだ。本機能はアメリカ7500件以上のスターバックスで提供が開始された。1000万を超える「My Starbucks Rewards」会員や、米国のSpotify利用者をターゲットとしている。

スターバックスは当初より音楽をどのように扱うかに気を配ってきた企業だ。最初はiTunesの無料楽曲を流したりしていたが、1994年にはジョン・レノン、アレサ・フランクリン、ボニー・レイットなどの楽曲からオリジナルCDを作って店舗で販売することを始めた。さらにはボブ・ディランやヨーヨー・マ、ローリング・ストーンズやレイ・チャールズなどの楽曲を使って季節毎の特製CDなども制作してきた。

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そうした中で、Spotifyとスターバックスは2015年に共同でのサービスの提供を開始している。このときから、スターバックスのミュージックパートナーはSpotifyであるという位置づけになった。スターバックスのバリスタにはSpotifyのプレミアムライセンスが付与され、流れる音楽を指定する権限を得ることとなったのだ。両社は、新たなサービスを提供することになったわけだが、しかしこれまでの仕組みも変わらずに継続していくとのこと。すなわちバリスタないし従業員たちは、店で流す音楽のプレイリストを作成する権限を持つのだ。

スターバックスはSpotifyと連携したサービスを提供し始めるにあたって、スターバックスのモバイルアプリケーション経由で、店舗の顧客にもプレイリストの提供を行いたいと話していた。

その話がいよいよ実現し、さらにハイレベルのサービスを提供できるようになったわけだ。有料および無料のSpotifyユーザーは、店舗のプレイリストをSpotifyのプレイリストとして保存できるようになったのだ。

ただし、Spotifyにプレイリストを保存するには、まずスターバックスのモバイルアプリケーションから操作する必要があるとのことではある。

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スターバックスの店舗でアプリケーションを起動すると「Now Playing」や「Recently Played」というメニューが表示される。それぞれのメニューから、曲のタイトルを指定してプレイリストに保存するものを指定することができる。さらに、ここで「love」(お気に入り)を選択することで、店側に「また流して欲しい」という意志を伝えたり、あるいはソーシャルネットワークに投稿したりすることもできるようになっている。

もちろん、スターバックスのプレイリスト全体ではなく楽曲を単独でSpotifyで再生することも可能で、スターバックスを離れてもお気に入りの曲を再生することもできる。

スターバックスは、ある意味でSpotifyの「プレイリスト・プログラマー」としても機能するようになるわけだ。Spotify利用者が新たな楽しみをここに見出す可能性もある。

ちなみにスターバックス店舗内の音楽は、インターネットに接続して動作するPlayNetworkのCURIOという仕組みを、iPod touchで操作して流されるようになっている。スターバックスのモバイルアプリケーションもCURIO経由でプレイリストを認知して情報を提供する仕組みとなっている。

CURIOシステムでは定番の楽曲やプレイ頻度が上がっている楽曲を識別する機能も備えていて、「今週のベストテン」などの情報もアプリケーション経由で提供できるようになっている。

こうした機能は、iOS版およびAndroid版のスターバックスアプリケーションで利用できるようになるのだとのこと。

「私たちの店舗にあって、音楽というのはずっと重要な役割を果たし続けてきました。店舗の魅力を高めるのに、音楽の力を融合していく仕組みを得たことになります」と、スターバックスのチェアマン兼CEOのHoward Schultzは言っている。「音楽体験の面でいえば、新しい時代の幕開けということができると思うのです。フィジカルとデジタルを融合したとも言えるのではないでしょうか。成長を続けているSpotifyに新たなチャネルを提供することにもなりました。利用者の方々が楽しめるオプションも増えましたし、また、アーティストにも自分たちの魅力をシェアする新たなチャネルを提供できるようになったと考えています」。

ちなみにSpotifyはこれまでにも人気ブランドとの協業により利用者層を拡大する試みを行なってきている。たとえば2014年にはUberと提携して、Uber利用者が好きな音楽を視聴できるサービスを行った。あるいはVirgin Americaと組んで、フライト中のストリーミングサービスを提供するようにもなった。他にも自動車メーカーやモバイルデバイスの製造企業、あるいはBonnarooなどの音楽フェスティバルとの提携などを行なってきている。

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(翻訳:Maeda, H

GoolgeとDell、業務向けChromebookを発表

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今日(米国時間8/13)サンフランシスコのGoogleで行われた企業向けイベントで、同社はDell製の新しい企業向けChromebookを発表した

Google for Workチームは、同社の消費者向け全ソフトウェア製品を企業利用向けに仕立て直している。つまり、セキュリティー、セキュリティー、そしてセキュリティー。要するに、巨大企業のお墨付きを得るためには、防弾仕様でなければならない。

企業内に踏み入れるために、GoogleとDellの新13インチChromebookは以下の機能を備えている:VPNサービスの統合、バーチャル化(Microsoft OfficeがGoogle Chomeで動くところを見るのは妙な気分だ)、ネイティブファイルストレージの利用、Chromeマネージメントエンハンスメント、プリントサポートの拡張、ネットワーク個人認証などだ。

AndroidおよびChrome for Work&EDU製品担当ディレクターのRajen Shethは、力強く言った:「私たちはChromebookを業務で使える準備が整ったと信じている」。

本当に?

最大の問題は、「Microsoftに依存している企業が移行するのか?」だ。Googleは、NetflixとStarbuckがChrome OSを導入し始めたことにかなり興奮気味で、こうした象徴的契約が他の変化を求める人々に火をつけることを期待している。Googleは、Chromebook製品は教育分野で人気があり、それは企業でも採用できる証拠だと主張する。学校現場では、セキュリティーや管理のしやすさなど、企業同様のニーズがある。

これは一夜にしてなせることではないが、GoogleとDellはそれが「可能である」ことを示そうとしている。Netflixのような巨大組織で物事を動かすためには、多くの人々が関与する必要がある。CIOの決断を勝ち取ることは、紛れもなく悪夢だ。

Chromeが企業でうまくいかない理由はたくさんあるが、その一つは既存の社内アプリが移植されていないため、容易に乗り換えられないことだ。Neflixのような会社で既存アプリを書き直すにはそれほど時間はかからないかもしれないが、伝統的な、技術力の低い会社が変わっていないのには理由がある。

変化は難しい。金もかかる。

ともあれ、ここに新しい業務用ノートパソコンが登場した。”Dell Chromebook 13” は、13.3インチIPSスクリーン(タッチまたは非タッチ)、1080p FHD、第5世代Intelプロセッサー(最廉価モデルはCeleron)、重量3.23ボンド(1.47kg)、バッテリー持続時間12時間以上、価格は非常に魅力的な399ドルから(メモリー増設を含む最大構成で899ドル)。発売は9月中旬。

またGoogleは、価格は手頃でソフトウェアは現行ライバルのように肥大化していないが、Chromeを使用した業務で可能になるグローバルな管理機能は、他に類を見ないと確信している。

Device Details

改めて、企業が今すぐ変わるのに十分か?ノー。その同じ企業に、Chromeプラットフォームへの移行を少なくとも検討させるには十分か?そうかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Starbucks、近くの店舗に事前オーダーできる仕組みの利用可能エリアを大幅拡大

Starbucksの事前オーダーシステムが、発祥の地であるシアトルを含む太平洋岸北西部でも利用できるようになった。このシステムでは、近くにあるStarbucksにオーダーを送り、スマートフォンを利用して支払いを行う。店舗では行列に並ぶことなく商品を受け取ることができる。今回の規模拡大により、ワシントン州、アイダホ州、オレゴン州、およびアラスカ州の650店舗で新たにシステムが利用できるようになった。さらには年内の全米展開を目指している。

Starbucksのこのシステムは「Mobile Order & Pay」と呼ばれるものだ。最初に利用可能となったのは2014年12月、ポートランドにおいてのことだった。以来、今回の対象地域拡大までに、150店舗で利用できるようになっていた。

現在のところ、このシステムを利用するにはiPhone用のStarbucksアプリケーションが必要となっている。ただし、年内を予定する全米展開の際には、Androidアプリケーションでも利用できるようにしたいと考えているそうだ。

このシステムを利用するには、画面の右上にある「Order」をタップして、品物を選択する。もちろんいろいろなオプションを追加することもできる。オーダーが決まれば、アプリケーションが表示する近くのスターバックスにオーダーするという流れだ。アプリケーションではGPS機能を利用していて、近くのスターバックスを探すとともに、またそれぞれの店舗でのだいたいの待ち時間も表示してくれる。必要とあらば店舗への道順も提示してくれる。

商品を受け取るショップの確認もできたら、オーダーの確定を行う。支払いは登録しておいたStarbucks Cardで行う。

確定したオーダー内容はショップに送信され、注文主がショップに到着する前から商品の準備が始められることになる。利用者がショップに到着すれば、あとは商品を受け取るだけだ。長い列に並んでオーダーする必要はないわけだ。

このシステムはスタートしてまだ数ヶ月にすぎず、さらに対象エリアも限られていた。それもあってか、Starbucksはシステムの利用状況について、これまでのところは詳細をアナウンスしていない。しかし、対象エリア拡大への動きは非常に迅速であると評価することができよう。これまでに用意してきた決済インフラとの相乗効果で、スマートフォン決済の利用者はいっそう拡大していくものと思われる。

ちなみにStarbucksといえば数年前、スマートフォン決済を手がけるSquareに出資したにも関わらず、店舗での運営がうまくいかないという状況になることもあった。Squareの利用がうまくいかないことについて多くの批判の声も寄せられていた。以来Squareは同社のWalletプランを放棄し、そしてStarbucksの方は独自のスマートフォン決済のためのインフラを拡充することとなっている。

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(翻訳:Maeda, H


Google、全米のStarbucks7000店舗に無料の高速Wi-Fiを提供へ

さきほどGoogleはブログ記事で、Starbucksと協力して、アメリカの全7000店のコーヒーショップに無料の高速Wi-Fiホットスポットを設置すると発表した。このプロジェクトは完了までに1年半ほどかかる予定だ。

Googleによれば、現行のStarbucksの無料ホットスポット比べて速度は最低10倍にアップする。Googleが光ネットワークの実験を行っているカンサスシティーなどでは100倍に高速化されるという。

8月中にもGoogle化されたStarbucksのWi-Fiが登場し始めるという。ひいきのStarbucks店舗がGoogle化されたかどうかは手持ちのデバイスでSSIDをチェックすればよい。Googleはこれまでにも本社の所在するマウンテンビュー市に無料の高速Wi-Fiアクセスポイントを設置している。またBoingoと協力してさまざまな場所に無料Wi-Fiを設置してきた。最近ではサンフランシスコ市の公共の場所に多数の無料Wi-Fiを設置する計画を発表している。承認が得られれば 2014年の4月までに設置が完了する。

今回のプロジェクトでGoogleは全米のStarbucks店舗のWi-Fi設置と運営という大きな事業をAT&Tから引き継ぐことになる。その意味でも結果が大いに注目される。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


アメリカのスターバックス店ではモバイルを使う支払いが全売上の10%を超える–料金計算もワイヤレスで

Starbucksの合衆国の店舗はモバイル支払いを大々的に採用しているので人目を引く。同社が昨夜発表した最新の四半期決算では、合衆国の全店の売上の10%あまりがモバイル支払いによる、という(WSJより)。Starbucks専用のモバイルアプリのほかに、AppleのPassbookやSquare Walletがよく使われている。

このチェーン店のコーヒー屋さんは、今後ワイヤレスの料金計算マットを各テーブルに置くなど、モバイル化をさらに進めていく予定だ。そのPowermatによるワイヤレス料金計算システムは、ボストンの17店でテストし、8月にはシリコンバレーに来る。使用しているPower Matters Allianceの規格はQiを使っている携帯、たとえばNexus 4では使えない。しかしそれでも、今はPMA陣営に加わる企業が増えており、Starbucksの採用はさらにそれに拍車をかけるだろう。

注目すべきは、Starbucksの場合は企業の戦略レベルでモバイル化を推進し、しかも成功していることだ。StarbucksのCDO(Chief Digital Officer) Adam Brotmanによると、デジタル化はいろいろな面で合衆国の企業に目に見えるインパクトを与えつつある。そしてそれが将来性の大きな経営転換だからこそ、これまでデジタルに投資してきた企業は、これからも投資を続けようとしているのだ。

モバイル支払いは今ではベンダとそのブランドが多様化している。初期には、独占に近い一社がサービスを提供し、ワレットも一形式のみ、そして技術もNFCのようなものに限られていた。今のStarbucksのやり方は多種類の支払い方式を含み、従来からのバーコードスキャンも使え、そしてとても人気がある。便利で使いやすく、見つけやすく、複数のよく知ってるブランド名が見られるからだろう。

まだふつうの支払い方式が支配的な中で、Starbucksの例は、企業にやる気があり条件が整えばモバイル対応の商業が十分に成り立つことを示している。しかし今後しばらくは、全面的普及というより、Starbucksのような孤立した成功例があちこちに芽生えて育つという形になるのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))