銀行口座を持っていないラテンアメリカ女性のためのチャレンジャーバンクJefa

Jefa(ハファ)は、ラテンアメリカの女性向けに特化したチャレンジャーバンクを開発しているスタートアップだ。同社は女性が銀行口座を開設し管理する上で直面するさまざまな問題を解決することに焦点を当てたサービスを目指している。同社は2020年のTechCrunch Disrupt 2020の「Startup Battlefield」に参加した。

「世界には銀行口座を持っていない人が14億人います。そのうち13億人近くが女性です」と、Jefaの創業者兼CEOのEmma Smith(エマ・スミス)氏は語る。

さまざま意味で、銀行口座は男性によって男性のために作られている。フィンテックのスタートアップを見ても、ほとんどの創業者が男性だ。すでにラテンアメリカには、NubankBanco InterBanco OriginalUaláなどいくつかチャレンジャーバンクがある。しかし、チャレンジャーバンクのほとんどはヨーロッパや米国などの成熟した市場をターゲットにしている。スミス氏は、新興国の女性をターゲットにすることで膨大な市場機会が得られると考えている。

画像クレジット:Jefa

なぜラテンアメリの女性は銀行口座を持っていないのか、持っていても満足していないのかを、Jefaは注意深く観察した。

例えば、銀行は女性が統計的に男性よりも収入が少ないにもかかわらず、最低残高の維持を要求するのが普通だ。銀行は、車が1台しかなくてバスの便がよくない家庭が多いにもかかわらず、口座開設のために支店に来るように求める。銀行のサービスは必要以上に複雑であり、女性向けの販売経路に力を入れない。

「こうしたことのすべてが、無店舗の完全デジタルソリューションが必要だと私たちが考えた理由です」とスミス氏。「私たちは必要最低残高を設けていません。政府の発行する身分証明書だけあれば、3~4分で口座を開設できるのです」と続ける。

Jefaは数カ月以内に開業予定で、口座は無料で開設できる。数日後に、口座とキャッシュカードが利用者の手に入る。口座には購入金額の端数を貯蓄できる機能が備わっており、もちろん目標の設定も可能だ。

「It pays to be a women.」(女性でいることは損ではない)という特典プログラムもある。購入金額に応じてポイントが貯まり、衛生用品や婦人科診療に使える。

画像クレジット:Jefa

当初、獲得したポイントはキャッシュバックに交換できる。いずれ、貯めたポイントを女性にとって大切な場面で換金できるようになる。ユーザーは、アプリを使って無料でピア・ツー・ピア送金と受け取りができる。口座からの引き出しと預け入れのために、Jefaは現金を安全に管理するための提携先ネットワークを構築している。

Jefaでは、クレジット(信用力)獲得プラットフォームにも取り組んでいて、これは米国サンフランシスコ拠点のチャンレジャーバンクであるChimeの機能と似ている。

Jefaはまず中央アメリカのコスタリカとグアテマラでサービスを開始する。ウェイティングリストにはすでに5000人が載っているそうだ。サービスの利用者によるコミュニティーを作ることが大切だと知っているので、融資について他のJefaユーザーと話し合えるコミュニティーフォーラムができるかもしれない。

概して銀行というものは魂のない存在で、人のニーズを理解しないことで悪評を買ってきた。「あなたは条件を満たしていない」と言われ続けるのは苛立たしい経験だ。デジタルファーストの銀行が作れるようになったことは、目的に特化した銀行業務の可能性を示している。Jefaはその好例だろう。

画像クレジット:Sharon McCutcheon / Unsplash

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Disrupt 2020のStartup Battlefieldの勝者は大麻栽培者向けERPプラットフォーム開発のCanix

TechCrunchは、20社の印象的なスタートアップからこのコンペティションを始めた。まったく新しいバーチャルなStartup Battlefieldでの5日間の熾烈なピッチの後、勝者が決まった。

Startup Battlefieldに参加しているスタートアップ企業はすべて、競争の激しいスタートアップ・コンペティションに参加するために厳選な審査を通過した。今年は、物理的なコンテストの興奮をバーチャルなステージに移した前代未聞の年だった。彼らは全員、審査員を務める複数のVCやテックリーダーのグループの前でプレゼンテーションを行い、10万ドル(約1060万円)と栄誉あるDisrupt Cupを獲得するチャンスを手にした。

何時間もの審議の後、TechCrunchの編集者は審査員のメモに目を通し、最終的に5つのファイナリストに絞り込んだ。Canix、Firehawk Aerospace、HacWare、Jefa、Matidorである。これらのスタートアップ企業は最終審査員である審査員の前でデモを行い、フィナーレを迎えた。最終審査員を務めたのは以下の6人だ。

  • Caryn Marooney(キャリン・マルーニー)氏/Coatue Managemen
  • Ilya Fushman(イリヤ・フッシュマン)氏/Kleiner Perkins
  • Michael Seibel(マイケル・セイベル)氏/Y Combinator
  • Sonali De Rycker(ソナリ・デ・リッカー)氏/Sequoia)
  • Troy Carter(トロイ・カルテ)氏/Q&A
  • Matthew Panzarino(マシュー・パンザリーノ)/TechCrunch

そしてTechCrunch Battlefield 2020の優勝はCanixに決定した。

Canixは、大麻栽培者のデータ入力にかかる時間を短縮するために設計された堅牢なエンタープライズリソースプランニングプラットフォームを構築。このプラットフォームは、一般的な会計ソフトウェアや、業界全体の規制プラットフォームであるMetrcとうまく統合されている。創業者によると、このプラットフォームは、人件費を改善することで、生産者の利益を増加させることができるという。Canixについての詳細はこちらしてほしい。

【Japan編集部注】大麻は米国ではカリフォルニア州など一部の州、カナダ、オランダなどでは全土で解禁されているが、日本国内では大麻取締法で規制されており、栽培、所持、譲渡することは違法となる。

準優勝はMatidorだ。

Matidorは、コンサルタントやエンジニアが単一のダッシュボードでプロジェクトや地理空間データを追跡するためのプロジェクトプラットフォームを構築。エネルギーや環境サービス分野の顧客にオールインワンのデータ可視化スイートを提供している。Matidorの詳細についてはこちら参照してほしい。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Disrupt 2020の目玉企画Startup Battlefieldのファイナリスト20社を紹介

TechCrunchは、Startup Battlefieldでピッチする20社を発表することに興奮している。世界中の創業者がリモートで接続し、Disrupt 2020のバーチャルステージでライブピッチを行う。これまでで最も競争の激しいこのバッチでは、スタートアップ企業が10万ドル(約1060万円)の賞金と一流の投資家や世界的な報道陣の注目を集めている。

競争は熾烈だ。選ばれたスタートアップ企業は厳格な応募プロセスを経ており、合格率はたった2%。なお、今年のバッチもバラエティに富んでいる。グリーンエンジンのデザインからソーシャルネットワーキングのビデオツール、GIS構築管理、中米の女性向け銀行プラットフォーム、サハラ以南のアフリカの適応型交通機関、医療費の手ごろな価格化に至るまで、各社はそれぞれの分野で画期的なイノベーションを起こしている。インドでの節水型垂直農業、スクリーンレスインターフェース、セキュリティ技術、多言語対応の子供向け学習玩具、さらには3Dプリントのロケット燃料を開発しているスタートアップもある。

各チームはStartup Battlefieldチームと数週間にわたってトレーニングを受け、ピッチとライブデモに磨きをかけ、事業立ち上げ戦略を強化してきた。9月14日の月曜日から9月18日の木曜日まで、スタートアップは6分間のプレゼンテーションを行い、そのあとに専門家の審査員による6分間の質疑応答が行われる。9月19日の金曜日には、最終選考に残った企業が新たな審査員を迎えてStartup Battlefieldの最終ラウンドに向けて再びピッチで戦う。

Startup Battlefieldのモデレーターは、TechCrunchシニアライターでおなじみのAnthony Ha(アンソニー・ハー)が登場する。ライブストリームを見るには、TechCrunch.comにログインしてほしい。また、Disrupt 2020のフル体験にアクセスすることもできる

それでは、各社をチェックしておこう。

【編集部注】Startup Alleyの一環として、DaVinci Kitchen、Vibeはワイルドカードからの選出でStartup Battlefieldの参加券を獲得した。これらの企業はイベントの数日前に選出された。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Disrupt BerlinでのStartup Battlefieldファイナリスト5社が決定

現地時間12月11日、ドイツ・ベルリンで開催されたDisrupt Berlinのステージに14社のスタートアップが立ち、ライブのデモと彼らの起源とビジネスモデルに関するプレゼンテーションを行い、業界のエキスパートである審査員たちの質問に答えた。そこからTechCrunchは、審査員たちの意見も参考に、5社のファイナリストを選んだ。彼らの製品は、生産性ツールから大気汚染に至るまで実にさまざまだ。

これらのファイナリストたちは明日12月12日の決勝のステージで、新たな審査員を前に再びプレゼンを行う。その実況はTechCrunchのウェブサイトでも見られる。そして優勝チームは5000ドルの賞金と、由緒あるDisrupt Cupを1年間管理する権利を勝ち取る。以下が、そのファイナリストだ。

Gmelius


Gmeliusは、Gmailの中に作業スペースを作り、チームが次々と新しいソフトウェアを導入するのではなく、既存のさまざまなツールで仕事ができるようにする。GmeliusはGmailの作業スペースに、受信トレイの共有やヘルプデスク、アカウント管理、オートメーションツールなどさまざまな機能を加える。関連記事はこちら

Hawa Dawa

Hawa Dawaは、衛星や大気質監視ステーションなどからのデータを組み合わせて大気汚染のヒートマップを作り、そのマップをAPIのサブスクリプションとして都市や企業に売る。データの利用はハードウェアを特定しないが、同社は大気質センサーを装備していない企業や都市のために、独自のIoTセンサーを作って提供している。関連記事はこちら

Inovat

Inovatは、旅行者に対する付加価値税の還付手続きを容易にする。アプリとOCRと機械学習を併用してレシートを解釈し、取られすぎの税金を計算して、正しい形式の申告書類をオンラインで、または税関に直接提出する。関連記事はこちら

Scaled Robotics

Scaled Roboticsのロボットは、建築現場の3D進捗マップを数分で作る。精度は高く、梁の1〜2cmのずれでも見つける。現場監督はそのマップを見て細部の状況をチェックできる。現場に残された残骸が多すぎるという検知もできる。関連記事はこちら

Stable

Stableが提供するソリューションは自動車保険並にシンプルだ。同社は世界中の農家を、価格変動から護る。このスタートアップを利用して、小さなスムージーショップからコカコーラのような大企業に至るまで、何千種類もの農産物や包装資材、エネルギー製品などに保険を付けることができる。関連記事はこちら

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Disrupt SF 2019のStartup Battlefieldファイナリスト5社が決定

米国時間10月2日、3日の2日間、Disrupt SFのステージで20社が競い、ビジョンを語り、技術をデモり、エキスパートの集団である審査員の質問に答えた。彼らは世界中から集まり、そしてコレラの検出から軌道上の給油までの、さまざまな課題に挑戦した。

そして審査の結果、5社のファイナリストが決まった。その5社が米国時間10月4日には、新しい審査員たちにプレゼンを行う。そして最終勝者は、株式の提供義務のないシード資金10万ドルと優勝杯を持ち帰る。優勝杯の所有権期間は向こう1年だ。

Disrupt SFの決勝戦はTechCrunchのウェブサイトで太平洋時間13時15分(日本時間10月5日午前6時15分)から見られる。では早速、5社を紹介しよう。

OmniViz

OmniVisは、コレラなどの病原を、妊娠検査のように迅速簡単安価に見つける。検出にはスマートフォンを使うので、大量の人命を救える。

関連記事:OmniVis could save lives by detecting cholera-infected water in minutes rather than days

Orbit Fab

Orbit Fabは、宇宙でロボットによる燃料補給を行う。今年の初めに同社は国際宇宙ステーションに水を供給する最初のスタートアップになった。

関連記事:Orbit Fab raises $3M to make orbital refueling easier, cheaper and more accessible

Render

Renderは、マネージドクラウドのプラットホームを作った。そこには、オブジェクトストレージのサービスもある。それは、ストレージをユーザーが簡単に増やすことができる。

関連記事:Render announces object storage service at TechCrunch Disrupt

StrattyX

StrattyXは、ユーザーが作った複雑なルールに基づいて株の売買を行う。同社の狙いは自動化株取引ソフトウェアの大衆化だ。プロでないトレーダーもプロもどちらも利用できる。

関連記事:StrattyX lets you buy and sell shares using automated rules

Traptic

小麦やトウモロコシの収穫はとっくに機械化されているが、イチゴなどフルーツは収穫の機械化が難しい。Trapticは3Dのコンピュータービジョンと特製のロボットアームを使って、熟れたイチゴだけを摘み取る。

関連記事:3Dのコンピュータービジョンと特製のロボットアームでイチゴの収穫を自動化Trapticの記事

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Disrupt SF 2019は10月2〜4日に決定、メーリングリスト登録で500ドル早割をゲット

TechCrunchでは今年もアーリーステージのスタートアップのためのビッグなイベントを準備している。Disrupt San Francisco 2019の開催日時は10月2日から4日までの3日間(米国時間)だ。会場はサンフランシスコ最大のコンベンションセンター施設の一つ、Moscone Northだ。

今年のイベントでは早割もビッグになる。3日間の参加パスの料金から500ドルも節約できるスーパー早割がある。

実は大変簡単だ。3月に参加申し込みサイトが公式にオープンする前にまずメーリングリストに登録するのがその方法だ。登録ページには「姓、名、メールアドレス、会社名」を入力してクリックするだけで500ドルの節約が可能だ。参加登録は来月すぐに始まってしまうのでので急いだほうがいい。

Disrupt SFではクレージーなほどの内容を3日間に詰め込んでいる。素晴らしいスタートアップ、トレンドのイノベーション、思いもよらないアイディアを発見できるだけなく、テクノロジー・コミュニティーのベスト&ブライテストな人々が集まるお祭りでもある。起業家志望者は共同ファウンダーを見つけることができるかもしれない。投資家は時代のユニコーンを探り当てることができるだろう。

もちろんDisruptはStartup BattlefieldがなければDisruptではない。今やスタートアップの公開コンペティションとして世界的に有名になったBattlefieldだが、昨年は選ばれた21チームのスタートアップが激しい戦いを繰り広げた。その結果、ForethoughtがDisrupt Cupと賞金10万ドルを勝ち取った。メディア投資家の注目の的となったメリットも計り知れない。今年のBattlefieldも株式の売却を必要としないキャッシュの賞金を各種用意している。起業家、起業家志望者はDisruptサイトを定期的にチェックして最新の情報を得るようお勧めする。

エキジビション・フロアに設けられるStartup Alleyではアーリーステージのスタートアップのブースが数百も並ぶ。AI/MLはもちろん、ブロックチェーン、フィンテック、ゲーム、モビリティー、プライバシーとセキュリティー、eコマースとリテール、ロボティクス、IoTまでありとあらゆるサービス、ソフトウェア、ハードウェアまでありとあらゆるカテゴリーのスタートアップが競う。

Startup Alleyの参加者から有望なチームにスポットライトを当てるTC Top Picksが今年も実施される。参加希望者は要チェックだ。

Disrupt San Francisco 2019ではテクノロジー・コミュニティーの世界的リーダーによる講演、デモ、ワークショップ、 Q&Aセッションなどのイベントが盛り沢山だ。メーリングリストに登録しておくだけでこれらすべてが500ドル割引で体験できる。3月早々にチケットの申し込みがスタートするとML登録は終了する。 早割のMLをゲットするには急ぐ必要がある!.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Nima、ピーナツ成分検出ツールをリリース

実は、重度のナッツアレルギーに罹患している。そんなぼくにとって、 Nimaのピーナツセンサーは救いの神となるのかもしれない。これまでに、ナッツが含まれていると思いもしない食材を摂取して救急搬送されたことも何度かある。Nimaがあれば、食べる前に適切な判断を下し、そしてER直行の悲劇を回避することができるのかもしれない。

ご存知ない方のためにお伝えしておくと、NimaとはTechCrunchのBattlefield出身のスタートアップだ。彼らは「ピーナッツセンサー」のローンチに向けて邁進しているところだ。彼らのセンサーは、ppm単位を検知することができる。カプセルに食材を入れて、それをセンサーに装着すれば結果が表示される。5分以内に、アレルギーの原因となるピーナッツ成分の検知を完了してレポートしてくれる。

センサーは、Bluetooth経由でスマートフォンと連携するようになっている。これまでにNimeデバイスを利用してチェックした食べ物の検査結果を保存しておくこともできる。但し、現在のところでは、センサーはピーナッツにのみ反応するようになっている。他の種類のナッツを検知することはできない。しかしNimaのファウンダーであるShireen Yatesは、他の成分の検出も行えるようにしたいと語っている。

おわかりのことと思うが、このNimaデバイスは「エピペン」(Epi-Pen)の代替となることを目指すものではない。「エピペン」とは、アナフィラキシーに対する緊急補助資料に用いられるものだ。エピペンは症状を引き起こすものを食べてしまってから用いいるもので、Nimaのセンサーは食べること自体を防ごうとするものなのだ。内部的なテストを行なったところでは、97.5%の検知率を示したとのこと。

Nimaデバイスの価格は229ドルで、それに12個のテスト用カプセルを加えて289ドルとなっている。Nimaは、これまでにもグルテン成分を検出するためのテストツールの開発などを行なっている。詳細については、冒頭に掲載した紹介ビデオを参照してほしい。

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(翻訳:Maeda, H

Disrupt SF 2018 Startup Battlefieldの決勝出場5社が決定

2日間で21社が、Disrupt SF 2018 Startup Battlefieldのステージに上がった。そして、エキスパートたちの審査員団により、5社の決勝出場チームが決まった。

これらのチームは明日(米国時間9/7)の午後、新しい審査員団の前でプレゼンを行い、より突っ込んだ質問に答える。そして最後に選ばれた1社が、Battlefield Cupと優勝賞金10万ドルを手にする。

では、ファイナリストをご紹介しよう。決勝は金曜日の午後1時35分からTechCrunchでライブストリーミングされる〔日本時間9月8日午前5時35分〕。

CB Therapeutics


CB Therapeuticsは、カンナビノイドを人工的に清潔に安く作るバイオテク企業だ。微生物、具体的にはイースト菌を生物工学して、単なる砂糖からカンナビノイドを作る。

CB Therapeuticsの紹介記事

Forethought


Forethoughtの現代的なエンタープライズ検索技術は、AIを利用して仕事のコンテキストに合ったコンテンツを拾い出す。最初のユースケースはカスタマーサービスだが、企業の至るところで利用できる、と意欲満々だ。

Forethoughtの紹介記事

Mira


Miraは、女性が確実に妊娠できるためのデバイスを提供する。そのMira Fertilityシステムは、尿検査により生殖ホルモンの濃度を測定し、個人のサイクルを予測して受精可能日を教える。

Miraの紹介記事

Origami Labs


Origami Labsはヘッドセットやスピーカーなどのデバイスを要さずに、指にはめたリングから骨伝導でスマートフォンの音声アシスタントアプリからメッセージを伝える。アプリはGoogle AssistantやSiriなどでよい。

Origami Labsの紹介記事

Unbound


Unboundはファッション志向のバイブレーターを作っていて、その最新製品がPalmaだ。新製品はリングの形をしていて、スピードは可変、完全防水だ。今後、加速度計を加える予定がある。

Unboundの紹介記事

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Disruptベルリン2017の勝者はバイオのスタートアップ、Lia Diagnostics

ベルリンで開催されたTechCrunch Disruptのスタートアップ・バトルフィールドの参加チームはすべて慎重な事前の審査を経て招待された選り抜きの精鋭ばかりだ。プレゼンはベンチャーキャピタリストやテクノロジー界のリーダーからなる何組かの審査員を前にして行われた。激しい競争を勝ち抜いたチームにはDisrupt杯と4万2000ユーロの賞金が贈られることになっていた。

最初のプレゼンの後、何時間にも及ぶ検討の末、TechCrunch編集部は BlikCaspar HealtheTrack TechLia DiagnosticsWandelbotsの5組をファイナリストとして選出した。

これらのスタートアップはSuranga Chandratillake(Balderton Capital)、 Tugce Ergul(Angel Labs)、Luciana Lixandru(Accel Partners)、Matthew Panzarino(TechCrunch編集長)、Mark Schmitz(Lakestar)からなるパネルの前で最後のデモを行った。

ではDisrupベルリン2017のスタートアップ・バトルフィールドの勝者をご紹介しよう。

最優秀賞:Lia

Lia Diagnosticsはこの種のプロダクトとして初のトイレに流せる妊娠検査テープを開発した。ディスポーザブルであるだけでなく再生可能素材を用いている。また妊娠ししていることを知ろうとする女性のプライバシーの保護の面でも大きな飛躍を達成した。従来の製品と異なり、Liaのプロダクトはバイオ分解し、水にも溶ける特殊な素材の紙を使っている。

Liaに関してわれわれはこの記事で詳しく紹介している。.

次点:Blik

Blikは倉庫業務の革新を目指すプロダクトだ。倉庫に何が保管されているか、どのアイテムがどこにあるか、仕掛品であればどの段階のものか、などの情報を容易に管理し、表示できる。ワイヤレス・センサーと屋内位置情報システムを組み合わせてこれを実現している。

Blikについてはこちらの記事を参照

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ベルリンのStartup Battlefieldで予選通過5社が決定、リハビリの簡素化アプリなど

Disruptがベルリンにまたやってきた。そして今年のスタートアップコンペStartup Battlefieldには、15のチームが出場した。

それぞれが自分のプロダクトをデモし、専門家たちによる審判団の質問に答えた。そして最終的に、明日のファイナル、42000ユーロの賞金と優勝カップBattlefield Cupを争う5社が決まった。

ファイナル(決勝戦)は、明日(ベルリン時間12/5)午後3時から行われる。

Blik

Blikは、倉庫の在庫管理を現代化する。どの品物がどこにあって、製造中のものは今どこで製造が行われているか。そのためにBlikは、ワイヤレスのセンサーと、建物内の位置追跡を利用する。

Caspar Health

Caspar Healthはリハビリをもっと簡単に利用できるようにする。負傷した患者の治療メニューを医師がアプリに入力し、患者もそのアプリから受診を申し込む。

eTrack Tech

eTrack Techは重機などの産業機械の予防的メンテナンスを行い、オペレーターの安全を守りユーザー企業の(機械が突然動かないことによる)損失を防ぐ。同社のデバイスはルーターのような形をしていて、多様なセンサーが機械の状態データを集め、分析を可能にする。

Lia Diagnostics

Lia Diagnosticsの妊娠テストは、初めてのトイレに流せる製品だ。環境にやさしく、使い捨てで、便利で、妊娠の有無に関して女性のプライバシーも守れる。Liaが使用する特殊な紙は、水溶性で、微生物によって分解される。

Wandelbots

Wandelbotsは、ロボティクスの難問を解決する。同社の最初のプロダクトは、人間が着て作業をデモすると、その動きをロボットが記憶して再現する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Startup Battlefield Africaのファイナリスト15社はこれだ

【本稿の記者は Samantha Stein

東アフリカ時間10月11日午前9時(日本時間10月11日午後3時)より、ケニアのナイロビで、初のStartup Battlefield Africaが開催される。その様子はこのライブストリームで視聴することが可能だ。TechCrunchはこのイベントの栄えあるホスト役を務める。以下に示すのがイベントで発表を行うスタートアップたちだ。

Startup Battlefield Africaファイナリスト:

セッション1 – プロダクティビティとユーティリティ 9:35 AM: WeCashUp, Form+, Delivery Science, Abacus Invest, Sellio, Lori Systems

セッション2 – ゲームとエンターテイメント 11:20 AM:Big5 GamesTango TVLomaySynCommerce

セッション3 – ソーシャルグッド 1:45 PM:ConnectMedM-ShuleDot LearnTalent2AfricaAgroCenta

これらのスタートアップが解決しようとしている問題の多くは、深い個人的経験に根ざしている:例えば、ある起業家は国境を越えて、通貨がシームレスに処理されて、支払いを行うことができるAPIを開発しているが、その動機は金融取引の困難さが彼の父親の命を奪ったからだ。また別の起業家は、エデュテックのイノベーションを信じてガーナからMITへ留学し、ビデオのベクトル化技術を用いて、ビデオ学習をテキストメッセージング並にアクセスしやすく安価なものにしようとしている。また商品取引プラットフォームを使って農家に力を与える起業家も参加している。これは仲介人にかかるコストが家族で経営する農場の負担になるためだ。

Startup Battlefield Africaのファイナリストたちは、大陸内ならびに外部からの商品やサービスへのアクセスに、革命を起こしたいと努力している。投資の不確定要素を減らし、物流コストを劇的に下げ、遠隔医療を使った治療の優先度の決定、そしてアフリカでのデジタルコンテンツへの要求への対応などだ。

参加したスタートアップたちは、アフリカの状況の中でイノベーションを推進し、限られた接続性しかない環境の中でどのようにテクノロジーを拡大し拡散すれば良いのかという問題を、創造的に解決しようとしている。これらのスタートアップの中には、利益を上げながらも、大きな開発課題を解決しようとバランスをとっているものもいる。また、アフリカで長年に渡り続いている創造的産業を、デジタル化しようとしているものもいる。

こうした全ての課題に関して、私たちはステージの上で、Startup Battlefieldの参加者たち、連続起業家、投資家、そして技術者との間で議論を行い、これからの日々の仕事に活かして行きたい、当日の完全なプログラムはここにある

Startup Battlefield Africaでは、敬意を払われている審査員たちが、3つのカテゴリ(プロダクティビティとユーティリティ、ゲームとエンターテイメント、ソーシャルグッド)それぞれの勝者を決定する。

総合優勝である”Sub-Saharan Africa’s Most Promising Startup”(サハラ以南のアフリカで最も有望なスタートアップ)の獲得者には2万5000米ドルの賞金と、TechCrunchのフラッグシップイベントであるDisrupt SF 2018への、2人分の旅費を含めたバトルフィールド参加費用が提供される(すなわち選ばれる会社は来年の時点でもまだ競争力を失っていないことが想定される会社だということだ)。スピーカーと審査員の一覧はここで見ることができる。また優勝者は、TechCrunchのStartup Battlefield Alumni Network(バトルフィールド同窓生ネットワーク)に参加することになる。この同窓生たちは、これまでに総額約70億ドルを調達し、これまでに100件近くの売却あるいはIPOを行っている。

過去2カ月間、この15のスタートアップたちは、彼らのビジネスモデルとデモを洗練し、TechCrunchのStartup Battlefieldチームならびに編集者たちと、メッセージを交換して来た。当日は、ステージ上での5分間のピッチと、投資家、起業家、技術者、そして世界中からライブストリーミングで見ている聴衆の前で行なうデモが、その総仕上げとなる。それぞれのスタートアップは、審査員団からの質問に6分間答えることになる。

Samantha SteinMatt Burnsの司会とオープニングリマークで、10月11日水曜日午前9時にStartup Battlefieldは始まる。Startup Battlefield Africaに関するより多くの情報はここで見ることができる

Disrupt SFのStartup Battlefield、決勝出場の6社が決まる

今年のTechCrunch Disrupt SF Startup Battlefieldには22社が出場し、その独自の技術を見せびらかし、そしてエキスパートの審査員たちからの厳しい質問に答えた。

さまざまな篩(ふるい)にかけた結果が、6社のファイナリストだ。決勝では、まったく新しい審査員たちを相手にしなければならない。そして最後には、一社がBattlefield Cup(優勝杯)と賞金5万ドルをかっさらうのだ。

決勝は明日(米国時間9/201)太平洋時間午後2時からだ。

Augmedics

イスラエルのAugmedicsは、脊椎手術のための拡張現実ヘッドセットを作っている。その製品Vizorを使うと、患者から目を離すことがないので、術中に非常に充実した知見が得られる。

colormass

ベルリンのcolormassは、自店の商品でIKEA的なユーザー体験をお客さんに提供できる。家具会社が提供した画像や資料をもとに、コンピュータービジョンを利用して臨場感のある3Dファイルを作り、お客はそれらの風合いや色を変えられる。

Future Family

女性の受胎能力の検査を低料金化したFuture Familyが、今度は精子の検査Sperm Activity Testで勝負に出た。

Matic

Maticは、自己のニーズや状況に合った正しい住宅保険を楽に見つけるためのお手伝いをする。ニーズに合った見積やリコメンデーションも得られる。

Oneva

Onēvaは、企業の社員に対する福利厚生の一環として、高齢者介護、乳幼児や子どもの保育、家の掃除などのホームサービスなどを提供する。ケア提供者は、全員がFBIのバックグラウンドチェックや犯罪履歴チェック、経歴チェック、本人性確認などを経ている。

Pi

Piのデバイスは複数のデバイスを同時に約1フィート以内の距離で無線充電する。他社がトライしていた全室充電ではないが、それよりも柔軟性が高い。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Disrupt NYの最優秀スタートアップはRecordGram―モバイルで音楽の制作からビジネスまでカバー

ニューヨークで開催されたTechCrunch DisruptのStartup Battlefieldではスタートアップ各社の間で激しい競争が繰り広げられた。参加チームは5万ドルの賞金とDisruptカップを目指してベンチャーキャピタリストやテクノロジー専門家などの審査員グループの前でプレゼンを行った。

数時間に及ぶ討議の末、ColliderDomusoNuCypherRecordGramSunrise Health の5チームをTechCrunch編集部は ファイナリストとして選定した。

ファイナリストは最優秀賞を決定するため再度デモを行った。この際の審査員はStuart Ellman(RRE Ventures)、 Ann Lamont(Oak Investment Partners)、 Susan Lyne(BBG Ventures)、 Matthew Panzarino(TechCrunch編集長)、Deven Parekh(Insight Venture Partners)、Reshma Saujani (Girls Who Code)の6名だった。

なお、サンフランシスコで開催されるStartup Battlefield at Disrupt SFの受付が開始された。こちらから応募できる

ではDisrupt NY 2017のStartup Battlefieldの勝者を発表しよう。

最優秀賞: RecordGram

RecordGramはモバイルをサポートする音楽スタジオだ。野心的な若いアーティストはここで楽曲を制作し、レーベルと契約することができる。グラミー賞を受賞したことがある音楽プロデューサー、Winston “DJ Blackout” Thomasも共同ファウンダーだ。CEOのErik Mendelsonはラジオ番組、デジタル音楽のベテラン、Shawn Mimsはヒップヒップのアーティストで“This is Why I’m Hot”がよく知られた曲だ。

RecordGramについてのTechCrunch記事.

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次点:Collider

ColliderのフラグシップモデルはOrchidという3Dプリンターだ。現在まだプロトタイプの少量生産の段階だが、インジェクション・モールドと同程度の強度、精度を持つ金属部品を製造する。コンパクトで安全でありコストパフォーマンスも高いという。工場ではない一般オフィスや研究所でも使用できる。

TechCrunch記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ニューヨークの新進スタートアップ5社がDisrupt NY, Startup Battlefieldの決勝に残った

2日間で20社がステージに立った本誌TechCrunch主催Disrupt NYのStartup Battlefieldでは、さまざまなプロダクトがプレゼンテーションされ、審査員たちの質問を浴びた。

そして選ばれたのが、明日(米国時間5/17)決勝を戦う5つのスタートアップだ。その5社とは:

Collider

Colliderの3DプリンターOrchidは、射出成形製品のような高品質の金属製品を作り出す。まだプロトタイプ機の段階だが、安全かつ安価なのでオフィスや研究室などでも使える。

Domuso

Domusoは貸家貸室の条件に柔軟性を持たせ、同時にオーナーや管理会社が家賃を効率的に集められるようにする。同社は家賃支払いの処理を高速化し、一時的滞納者にはローンの便宜を提供する。

NuCypher

NuCypherは、企業がクラウド上のビッグデータを安全に利用/分析できるための暗号化レイヤ(layer, 層)を提供する。「ビッグデータのための防弾チョッキ」が同社のキャッチフレーズだ。

RecordGram

RecordGramはミュージシャンが曲を作って登録する、スマートフォン上の録音スタジオアプリだ。グラミー賞を取った音楽プロデューサーWinston “DJ Blackout” Thomasとラジオやデジタル音楽のベテランErik Mendelson、そして“This is Why I’m Hot”がヒットしたヒップホップのShawn Mimsらが協同ファウンダーだ。

Sunrise

Sunrise Healthは、より良いメンタルヘルスを目指す介護つきのグループチャットで、匿名性による開放性、専門家セラピストのガイド、いじめなどの緊急事態をAIが監視、といった特長や機能を持つ。今ベータバージョンのこのグループチャットによるセラピーアプリは、患者たちが無料で利用できる。施設などには、有料のSaaSとして提供される。


決勝は明日(米国時間5/17)の東部時間午前11時に始まる。もちろん、ライブでストリーミングする。そして今や、Disrupt SFの出場者を受け付けている。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

妊娠しやすい時期を特定できるウェアラブル端末のAvaがシリーズAで970万ドルを調達

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11月15日(現地時間)、女性の生殖に関する健康にフォーカスするメディカル・テクノロジーのAvaは、シリーズAで970万ドルを調達したことを発表した。本ラウンドでリード投資家を務めたのはヨーロッパのPolytech Venturesで、この他にもBlue Ocean Ventures、Global Sources、既存投資家のSwisscomとZKBも出資に参加している。Avaは2015年9月に開催されたTechCrunchのStartup Battlefieldの卒業生だ。

Avaにとって最初のプロダクトである女性周期をトラッキングできるブレスレットは、クラス1の医療用デバイスとして認められ、「妊娠の窓」と呼ばれる妊娠しやすい期間をより正確に特定できるようになった。

ブレスレットの価格は199ドルで、今年7月から出荷が始まっている。私たちが最後に同社を取材した時には、彼らはちょうどUniversity Hospital of Zurichで行なわれた臨床実験を終えたところだった。この臨床実験には41人の女性が参加した。この実験の結果、Avaのデバイスを利用すれば89%の精度で1回の周期につき平均5.3日の妊娠可能日を特定することができることを証明した。ユーザーからの報告によれば、2017年には8人の「Avaベイビー」が誕生する予定だ。

今回調達した資金の使い道については、通常の製品開発費に加えて、研究費用や追加の臨床実験にかかる費用として使う予定だとしている。これまでに、Avaの研究によって女性の体温および心拍数と、「妊娠の窓」との間に相関関係が存在することが分かっている。

同社は近日中に2回目の臨床実験を予定しており、その実験には200人の女性が参加する見通しだ。今後Avaは、これまで収集した女性のカラダに関するデータによって新しい研究成果を発表することを目指している。そのデータには、尿中LHやエストリオール3-グルクロニド(エストロゲン代謝物)などのホルモンや、生体インピーダンス法による体脂肪率の表示、脈拍数、呼吸速度、睡眠時間、寝返り、心拍変動、皮膚温度、熱損失量、パヒュージョン(毛細血管から細胞への血液の動き)などの人体に関する各指標が含まれる。

また、Avaは先日「CEマーク」と呼ばれるEUの基準適合マークを取得しており、これによってEU加盟国でもプロダクトを販売できるようになった。2017年初めにはイギリス、ドイツ、オーストリア、スイスで販売を開始する予定だ。

共同創業者のLea Von Bidderは、Avaが目指すビジョンとは女性の人生のあらゆるステージにおいて彼女らをサポートすることだと話している。Avaは、女性が避妊するときも、子作りに励むときも、妊娠中も、そして閉経期であっても彼女らのサポートを続けていくのだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

GPUの並列処理でSQLクェリを超高速化するBlazingDB、AWSのGPUインスタンスなどを利用

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顧客データを数ペタバイトも集めるのはクールだけど、でもそれをどうやって有効利用するのか? BlazingDBは、大量のGPUを使ってデータベースに対するSQLクェリを高速化する。同社はTechCrunch Disrupt SFのBattlefieldコンペで、そのソリューションの無料のコミュニティエディションを披露した。

複雑なSQLクェリは、実行時間が長すぎてこっちが眠ってしまいそうになることもある。それは、クェリをCPUが実行していて、必要十分なスケーリングができないからだ。

BlazingDBの協同ファウンダーでCEOのRodrigo Aramburuはこう言う: “サーバーをスケールアップすることはできるが、リニアー(線形)な処理の場合、効果的なサーバーの増設は難しい”。

データベースにGPUを使うのは、なかなかおもしろい。GPUは大量のタスクを並列に動かせるから、一部の限られた種類のタスクにとってはとても有利だ。とくに今では、画像処理や機械学習のアプリケーションでGPUが多用されている。でも、データベースでGPUを使うという話は、今回が初めてだ。

クラウドコンピューティングのおかげで、大量のデータをデータベースに保存することは、とても簡単になった。でも企業のデータベースは今では、アナリティクス(データ分析)のダッシュボードやビジネスインテリジェンスのためのツールなどを構築するためにも使われている。

このような、データベースの高性能な利用が求められる場面が、BlazingDBの出番だ。短時間で、集計をしたり、述語を使ったり、データベースの大量のエントリーを操作しなければならない。同社が顧客を受け入れ始めたのは2016年の6月だが、すでにFortune 100社に挙げられる大企業数社がBlazingDBを使っている。

Aramburu曰く、“彼らがそれまで使っていたツールはSQLの処理に数時間を要していたが、うちのツールなら数分だ。BlazingDBは何千ものコアを使って大規模な並列処理を行う”。

BlazingDBが実際に使うのは、Amazon Web ServicesやIBMのSoftLayer、Microsoft AzureなどのGPUインスタンスだ。だから企業はサーバーを(少なくとも今のところは)自分で管理する必要はないが、大量の機密データを扱うような企業はサーバーの自己管理を選んでもよい。

“うちのインフラストラクチャは、サーバーの種類やタイプを特定しない”、とAramburuは語る。“われわれが構築したコードベースは、そのための問題解決に尽力しているから、けっこう複雑だ”。

顧客は、そのほかのSQLデータベースと同じく、BlazingDBにプログラムでアクセスできる。たとえばPythonでETLのスクリプトを書いて、BlazingDB上のデータにアクセスしてもよい。

今BlazingDBのチームは6名だ。同社は今、大企業の顧客を獲得していくための概念実証の構築を、計画している。一方BlazingDBには無料のコミュニティエディションもあるから、ちょっと遊んでみることもできる。

SQLデータベースの企業というと、あまりセクシーには響かないが、BlazingDBがやってることはおもしろい。今、多くの企業がデータ駆動型になりつつあるが、BlazingDBは大量のデータから意味を見つけ出す作業を助ける。

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Q&A

Q: これまでのどんなツールより速いようだが、切り替えの費用は?
A: コネクタを提供していますから、データが数テラバイトあっても、切り替えはかなり容易です。

Q: 御社のスライドにはDeepMindが登場するけど、AlphaGoもGPUを使っているからか?
A: あれはとても多層的なニューラルネットワークを使っていますが、それはGPUの集合で構成されています。

Q: このソリューションの欠点は何か?
A: トランザクション型のデータベースではないことです。その方面では、そんなに速くありません。また、SQLの規格のすべてを実装してはいません。ウィンドウファンクションやストアプロシージャはありません。

Q: 類似特許は存在していないか?
A: 特許については詳しくないんですけど、既存のSQLツールをGPU利用バージョンに改装しているところは、いろいろあります。われわれは、スクラッチから(ゼロから)スタートしました。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

サンフランシスコでTechCrunch Disrupt開幕―スタートアップバトルフィールドには日本チームも参加

〔この記事の筆者はSam O’Keefe

今日(米国時間9/8)、サンフランシスコでTechCrunch Disruptが開幕した。恒例のスタートアップ・バトルフィールドでは、もっとも有望な初期段階のスタートアップがデモを行う。今年のグループも皆さんを失望させないはずだ。

内容はモノのインターネット、エンタープライズ・ソフトウェア、医療診断、バーチャル・リアリティー、共有経済、セキュリティーツールと多様な分野をカバーしている。

参加チームはベイエリアの出身が多いが、アトランタ、ブルックリン、ダラス、デンバー、サンディエゴ、ブリン・モー、さらにはモンタナ州ボーズマンからも来ている。さらに5チームは日本〔FOVE〕、ドイツ、イスラエル、インド、ナイジェリアから海をわたってサンフランシコにやってきた。10チームは女性がファウンダーに加わっているし、そのうち6チームは女性がCEOを務めている。

彼らの努力の結晶は本日、月曜日と明日、火曜日の午後にステージで発表される。その後、最終候補チームが選ばれ、水曜日に最優秀チームが5万ドルの賞金とDisrupt杯を授与される。

バトルフィールド参加チームは3日間、スタートアップ・アレー会場でデモを継続する。参加チームは以下のとおり。

AlfredClub, Allre, Athla, Beartooth, Disease Diagnostic Group, DynoSense, FOVE, Gem, IsItYou, MailTime, Palate Home, Partpic, PatternEQ, QuickFire Networks, RallyTeam, Sciencebite, Self Lender, Shipstr, Stack, SOP Notify, StudyRoom, TableGrabber, Tailor, Valor Water Analytics, Vin.li, Xen.do.

〔日本版〕サンフランシスコDisruptカンファレンスの模様は、こちらでライブ中継されている。全日程はこちら。下の写真はFOVE。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+