イギリス王室もスタートアップを支援―アンドルー王子、「宮殿でピッチ」の人気投票呼びかけ

本物の高位の王室メンバーがテクノロジー・スタートアップに関与するというのは珍しい。しかしこの数年ヨーク公爵(そう、チャールズ皇太子の弟、アンドルー王子だ)はテクノロジー系起業家の応援と青少年に対するSTEM (サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マセマティクス)能力の育成に力を入れている。

ヨーク公が主催するPitch@Palaceイベントは、スタートアップが文字通り宮殿―セント・ジェームズ宮や時にはバッキンガム宮そのものでイギリス産業界に向けたピッチを行えるというものだ。ヨーク公はテクノロジー・イノベーションと起業環境の整備を図るために多数の有力な投資家、起業家を組織している。ロイヤル・ファミリーのメンバーが自ら動いてこれほど積極的に起業家を支援するというのは他国ではまず見られないだろう。

ヨーク公はこのイベントに人気投票による賞 “People’s Choice Award”を設け、一般公衆の参加を促している。Pitch@Palace 3.0(3回目のイベント)に参加した42のスタートアップからお気に入りのチームを選んで誰でも投票できる。 サイトはこちら。投票締め切りは3月23日の午後5時(イギリス標準時)。次回のPitch@Palaceイベントで結果が発表される。

結果が判明しだいTechCrunchでも報じる予定だ。

ヨーク公自身による投票の呼びかけ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


テクノロジー・ブログのパイオニア、GigaOm、資金繰りに行き詰まって閉鎖

ジャーナリストからベンチャーキャピタリストに転じたOm Malikが創立したテクノロジー・ブログ、GigaOmは資金繰りに行き詰まり、閉鎖されるもようだ。2006年6月に創立されたGigaOmはテクノロジー・ブログのパイオニアの一つで、ちょうどその1年前に創立されたTechCrunchの良きライバルであり続けた。

まずTwitterにこのブログの死亡を告げるツイートが投稿された。「Gigaom、サイトを閉鎖へ。会社も運営停止。Omは素晴らしいブログを作り、私の人生を変えた。私はOmと同僚を愛している」と上級ライターのStacey Higginbothamがツイートした。その直後にGigaOmとOm Malikの個人サイトの双方にこれを確認する記事がアップされた。

太平洋時間午後5:57にGigaOmに次の記事が掲載された。

GigaOmブログと運営会社に関する告知。最近われわれは債権者に対して全額を返済することが不可能となった。その結果、わが社の全資産は担保として債権者の管理下に入った。すべての運営は中止された。現時点では債権者がこの資産に対してどのような処分を行うかわれわれには分からない。この資産を用いて将来運営が再開されるかどうかも不明。ただしわが社は現在、破産の申し立てを行うつもりはない。この場を借りて読者とわれわれを支えてくれたコミュニティーの全員に感謝する。 ―GigaOm経営チーム

MalikもGigaOmも取材に対してまだコメントを返して来ない。

GigaOmはテクノロジー・ニュースとテクノロジー・イベントを結びつけ、数多くの分野で活発な活動を行ってきた。現在までサイトは生きており、今日のAppleイベントの記事が掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


対戦型脳トレアプリのBrainWarsが1000万ダウンロード達成――Supercell、Kingを目指す

トランスリミットの対戦型脳トレアプリ「BrainWars」が、全世界1000万ダウンロードを達成した。同社の設立は2014年1月14日。ちょうど創業1周年での達成となった。

日本はたった4.3%――高い海外ユーザー比率

BrainWarsはトランスリミットが2014年5月にリリースしたスマートフォンアプリだ。穴あきの計算式に、正しい式になるよう計算記号を入れる「四則演算」、指示された方向に画面をフリックしていく「フリックマスター」など、直感的な操作で楽しめる約20種類の脳トレゲームで世界各国のユーザーと対戦できる。対戦はリアルタイムだが、相手のユーザーが応じられない場合、そのユーザーの過去の実績をもとに非同期での対戦が行われる。

僕はリリースの1カ月ほど前にアプリのデモを見せてもらったのだが、その頃からトランスリミット代表取締役社長の高場大樹氏は「ノンバーバル、言語に依存しないサービス設計をしている」と語っていた。実際のところ、ユーザーが最も多いのは米国(25.4%)で、日本は4.3%と少ない。

2014年5月にiOS版をリリースしたBrainWarsだが、ノンプロモーションながらサービス開始から2カ月で2万ダウンロードを達成。そこから国内のIT系のメディアやブログなどで取り上げられ、さらに7月にApp Storeの「注目アプリ」として日米で紹介されるようになってから急激にダウンロード数を増やしたそうだ。9月にAndroid版をリリースするとダウンロードは更に増加。10月に300万、11月に700万を達成し、今回の1000万ダウンロードに至った。

高場氏は海外でのダウンロードについて、「特に米国ではApp Storeでの紹介がきっかけだが、それと同時に(対戦結果をシェアした)Twitter経由でのダウンロードが多い。ユーザーインターフェースもフラットデザインを意識したし、ノンバーバルでシンプルなゲーム性を追求している。そのあたりが海外でも受けたのではないか」と分析する。ダウンロード数だけでなくアクティブユーザーも気になるところだが、具体的な数字は非公開だという。ただし「一般のソーシャルゲームのアクティブ率は7日間で20%程度だと考えている。それよりかは大きい数字だ」(高場氏)とのこと。

ユーザーの「真剣さ」ゆえに読み違えたマネタイズ

BrainWarsは1プレイごとにハートを1つ消費していき、そのハートは時間経過によって回復するというソーシャルゲームなどでよくある仕組みを導入している。時間経過を待たずにプレイする場合は課金、もしくは成績上位で得られるコインを使ってハートを購入する必要がある。またコインは、対戦時に自分の得意なゲームを選択する際や過去の成績を閲覧する際にも使用できる。このコインの課金と広告によって、「すごく小さい額ではあるが黒字で運営している」(高場氏)というBrainWars。だが課金に関しては誤算もあったのだそうだ。

BrainWarsは「ガチャでレアキャラを引き当てればゲームを有利に進められる」というものではなく、地道にミニゲームに慣れていかなければいい結果を出せない。そんなこともあってか、前述の「得意なゲームを選択する」という機能を使わずにランダムに選ばれるゲームで正々堂々と戦いたいというユーザーが多いのだそうだ。高場氏もこれについては「鍛錬を積んで勝負をするという競技的な側面があり、ユーザーは(課金して自分に有利なゲームを選ぶことなく)真剣に勝負する。ここが課金のポイントだと思っていただけに誤算だった」と振り返る。また、具体的な数字は教えてもらえなかったが、課金率の低さも今後の課題なのだそうだ。そういった背景もあって、2月にも予定するメジャーアップデートでは、1人向けの新たなゲームモードを用意。ここでコイン消費を促すという。

LINEとの協業、2015年中にゲームを提供

トランスリミットは創業期にMOVIDA JAPANやSkyland Venturesなどから資金を調達。その後2014年10月にLINE傘下のベンチャー投資ファンドであるLINE Game Global Gatewayのほか、ユナイテッド、East Ventures、Skyland Ventures、Genuine Startupsから総額3億円の資金調達を実施している。同社はこの調達と合わせてLINEとの業務提携を発表。LINEのユーザー基盤を活用した新たなゲームコンテンツを開発するとしていた。

このLINE向けゲームの進捗については、「今はBrainWarsに注力しているところ。だが年内にはLINE向けの新規タイトルを1本リリースする予定だ」(高場氏)とした。またそのテーマについては、「『LINEに乗せて成果の出るもの』を考えているが、BrainWarsがベースになるか、まったくの新規タイトルになるか未定」(高場氏)なのだそうだ。

高場氏はこのほか、現状10人(インターン含む)の組織を年内に30人程度まで拡大する予定だとした。年内にはBrainWars、LINE向けタイトルに加えて、自社の新作タイトルも提供するという。「BrainWarsは1年で1000万ダウンロードを達成したので、2015年内に3000万を目指したい。また同時に年内に3ラインまで拡大して、1つ1つのアプリで売上を作って自走しつつ勝負をする。目標は世界で名前が通るデベロッパー。SupercellやKingと肩を並べたい」(高場氏)

トランスリミットのスタッフら。前列中央が代表取締役の高場大樹氏

 


Infinity Ventures Summitのプレゼンバトル、登壇13社を紹介

京都にて12月3日から4日にかけて開催中の招待制イベント「インフィニティ・ベンチャーズ・サミット 2014 Fall Kyoto(IVS)。同イベント2日目の朝8時45分からは、毎回恒例となっているプレゼンバトル「Launch Pad」が開催中だ。

これまでクラウドワークス、スマートエデュケーション、freee、WHILLなどが優勝してきたLaunch Padだが、今回登壇するのは以下の13社。なお、Ustreamおよびスクーでもその様子は生中継される予定だ。

baton「マッチ

「高校生向け対戦型問題集」をうたうこのサービスは、大学入試問題集に出てくるような問題を対戦型のクイズとして楽しむことができる。

ザワット「スマオク

スマホアプリで利用できるオークションサービス。これまで24時間以内の入札に対応していたが、アプリをアップデートし、入札時間5分限定の「フラッシュオークション」にリニューアルしている。

ギャラクシーエージェンシー「akippa(あきっぱ)

駐車場などの空きスペース、空き時間がある人と駐車したい人をマッチングするパーキングシェアサービス。プレゼンでは、人に車を貸して、空きスペースを探してもらう「akippa+」も発表された。

落し物ドットコム「MAMORIO

Bluetooth LEを使った追跡用タグ。スマホと一定の距離が開くとアラートが鳴って置き忘れを未然に防ぐ。バッテリー交換なしで1年利用が可能。自転車が盗難にあった場合などに利用できる機能として、ユーザーが相互にタグをトラッキングする「クラウドトラッキング」を備える。

ビズグラウンド「Bizer(バイザー)

弁護士や会計士などさまざまな士業への相談サービスを提供していたBizer。今後はバックオフィス業務をサポートするクラウドサービスを提供していく。

Socket「flipdesk

スマートフォンECサイト向けの販促・接客ツール。ユーザー属性をリアルタイムに解析して、ダイレクトメッセージの送信やクーポンの発行ができる。年商100億円規模の起業でCVR5.6bai ,客単価15%アップという実績がある。

プレイド「KARTE

こちらもECサイト向け(flipdeskとは異なりPCにも対応する)の販促・接客ツールだ。ECサイトへの来客をリアルタイムに解析。ユーザーに合わせて商品のレコメンドやクーポン発行などができる。現在はクローズドベータ版として25社に限定して提供中。

オープンロジ「オープンロジ

CtoCコマースや小中規模ECサイトなどをターゲットにした物流アウトソーシングサービス。通常大規模ECサイトでないと利用しにくい物流サービスだが、同社があらかじめ物流業者と契約することで、少ない商品でも定額(サイズによる)、かつすぐに利用できるようになる。

フクロウラボ「Circuit(サーキット)

スマートフォンウェブからアプリにスムーズに遷移するための「ディープリンク」。その設定を容易できるグロースツール。シームレスなアプリ間移動を実現する。

ミニマル・テクノロジーズ「WOVN.io(ウォーブン・ドット・アイオー)

ウェブサイトに1行のスクリプトを足すだけで、ウェブサイトの多言語化を実現するサービス。翻訳は機械翻訳、人力翻訳に対応。リリース4ヶ月で登録ドメイン数は3000件、6万ページ。海外ユーザーが6割となっている。

セカイラボ・ピーティイー・リミテッド「セカイラボ

世界中のエンジニアチームに仕事を発注できるサービス。中国やベトナムなどのエンジニアチームに対して、日本語で大規模な開発を依頼できる。

YOYO Holdings Pte. Ltd.「PopSlide

新興国向けモバイルインターネット無料化サービス。スマホのロック画面に広告を表示し、それにスライドしてアクセスしたり、動画を閲覧したりすることでポイントを提供する。ポイントはロード(プリペイドの通信料金)と交換できる。

ファームノート「Farmnote(ファームノート)

酪農・肉牛向けのスマートフォンアプリ。タブレットやスマホを使って、リアルタイムに個体管理が可能。

以上が登壇する13社となる。11月に開催したTechCrunch Tokyo 2014の「スタートアップバトル」でも登壇してくれた企業がいくつかあるが、Launch Padは来場者、審査員とも経営者が中心のイベント。またプレゼンの内容も変わってくるかもしれない。個人的に応援しているスタートアップもあるのだけれど、ひとまずは各社のプレゼンを楽しみにしたい。


TechCrunch Tokyo 2014、スタートアップバトルでプレゼンを競うのはこの12社だ

いよいよ明日11月18日から11月19日にかけて東京・渋谷ヒカリエで開催する「TechCrunch Tokyo 2014」。これまで各セッションの内容や見どころのまとめという形で紹介してきているが、1つ大事なことをお伝えし忘れていた。そう、メインイベントの1つ「スタートアップバトル」の登壇者だ。

スタートアップバトルは創業3年以内のスタートアップに限定したプレゼンバトルだ。今年は昨年より30社ほど多い113社が応募してくれたが、その中から事前審査で選ばれた12社が自慢のプロダクトについて5分間のプレゼンを行う。ちなみに2012年は電動パーソナルモビリティを手がけるWHILLが、2013年は「Ring」を手がけるログバーがそれぞれ優勝を果たしている。今回本戦に勝ち進んだスタートアップをざっと紹介していこう。

mikan

mikanが提供するのは「圧倒的に一番速く覚えられる」を標榜する英単語アプリ。TinderライクなUIで英単語を知っている、知らないに分け、知らない単語に何度も接触することで、ベータテストでは1日1000単語という記憶スピードを実現したという。

AgiC

AgICは家庭用プリンタと伝導性のインクを組み合わせることで、電子回路の高速な試作を実現するプロダクト。IoT、メイカーズムーブメントなんて言われているが、実は電子回路に関しては、革新的な試作というものはなかったそうだ。AgiICでは、自社プロダクトを利用することで、通常1週間ほどかかっていた電子回路の試作を2〜3分に短縮するという。

STANDING OVATION

同社が提供するソーシャルクローゼットアプリ「XZ」は、自分の手持ちのファッションアイテムを登録し、自分が登録したアイテムやほかのユーザーが登録したアイテムを組み合わせて、コーディネートを作成できるアプリだ。将来的にはこのアイテムをもとにCtoCやBtoCのコマースにつなげていく予定。

フォトシンス

フォトシンスが手がけるのはスマートロック「akerun」。ドアの内側にこのakerunを取り付ければスマートフォンを使ってドアの開閉が可能になる。購入者以外のスマートフォンにも開錠権限を与えられるため、ハウスキーピングやしスペースの入場管理などでの活用が見込まれる。

ミニマル・テクノロジーズ

ウェブサイトに1行のスクリプトを埋めるだけで他言語化を実現できるサービス「WOVN.io」を提供。テキストの機械翻訳のような手軽さを感じてしまいがちだが、サイトの他言語化というのは実は翻訳にとどまらない大変な作業。WOVN.ioはそれを非常に手軽にしてくれる。

baton

batonが提供するのは、対戦型の学習アプリ「クイズマッチ」。入試に出るような問題をクイズ化し、全国のユーザーがクイズ形式で対戦できるというもの。現在は日本史に限定して約2000問を配信中。利用は無料となっている。

ビズグラウンド

同社のサービス「Bizer」はもともとスモールビジネス向けの士業や専門家への相談サービスだった。だがそれはあくまでサービスの一部。実はバックオフィスの業務支援サービスを開発していた。例えば新たに社員が入った時に何をするべきかというタスク管理や文書の作成などをサポート。専任者なしでのバックオフィス業務を実現してくれる。

FiNC

FiNCはスマホアプリを活用したダイエット家庭教師サービス。クラウドソーシングで集めた管理栄養士がユーザーのアップした食事に対する評価をしてくれるほか、専門家によるトレーニングの指導、遺伝子検査やアンケートをもとにしたオリジナルのサプリメントなどを提供する。

スペースマーケット

スペースマーケットは、あらゆるスペースをネット上で貸し借りできる、いわばビジネス版の「Airbnb」だ。ベンチャー企業の会議室から、お寺や野球場、帆船、はてはお化け屋敷まで、あらゆるスペースを借りることができる。

ベントー・ドット・ジェーピー

bento.jpは、スマホアプリを2タップするだけでお弁当を注文できるファストデリバリーサービス。メニューは日替わり、価格はデリバリー費用込みで500円。もちろんエリアは限定されるが、最短1分、平均10分でオフィスまでお弁当を届けてくれる。

yTuber.tv

「yTuber.tv」はYouTubeの様々なコンテンツをキュレーションして、テレビのチャンネルのようにカテゴリ分けした、いわばYouTubeの「ラテ欄」を作っている。そして同じコンテンツを視聴しているユーザー同士でメッセージのやりとりが出来るサービスだ。

オープンロジ

「物流をもっと簡単・シンプルに」をコンセプトにした中小事業者・個人向けの物流アウトソーシングサービス。物流会社と連携することで、本来手続きがかかり複雑な料金体系を持つサービスを簡素化した。代表の伊藤秀嗣氏は富士山マガジンサービスの物流システムの構築から約10年間事業に携わった後に起業した。

以上が今年登壇する12社となる。昨年僕は観客席から見ていたわけだけれども、今年は事前のプレゼンから見させてもらっている。どこもプレゼンのレベルが高く、またジャンルもC向け、B向けのウェブサービスからIoTまで幅広いので、正直優勝の予測がつかない。栄光を勝ち取るのははたしてどのスタートアップになるのか。

なお、このセッション様子は当日Ustreamでも公開する予定だ。さらにバトルの直前には、昨年優勝したログバーの吉田卓郎氏も登壇の予定。一般販売までの経緯を語ってもらうほか、デモも披露してくれるという。


2日で約3000語を暗記、スマフォ世代の英単語学習アプリ「mikan」はTinderライク

「2日で3800単語」とか、「2週間で8000単語」とか、いままでちょっと聞いたことがないスピード感で英単語が学習できるとするアプリ「mikan」は、これまでの単語学習アプリと毛色がだいぶ違う。6月に株式会社mikanを創業した宇佐美峻さんは、「圧倒的にいちばん速く覚えられるアプリ」を目指していて、すでに実績も出始めているという。

mikanでは左右にスワイプすることで次々とカードをめくっていくようなUIを採用している。これは、去年あたりからアメリカの若者の間で流行している出会いアプリの「Tinder」が生み出し、多くのアプリが採用しているスマフォ・ネイティブといっていいUIだ。デート候補として表示される相手を「いやー、ないわー」「会ってみたい!」に直感的に分けていくTinderに対して、「これは色がイマイチ」「このパンツいいね!」というようにファッションアイテムの好き嫌いをユーザーごとに学習するファッションアイテムのキュレーションのようなサービスでの応用がある

mikanの場合、次々に表示されるカード上の単語について、「意味が分かる」(右)、「分からない」(左)とスワイプしていくのだが、Tinder同様に、片手で手軽に、そして高速にカードがめくれるのが特徴だ。

mikanでは10単語を1セットにして、次々とスワイプする。右へスワイプした既知の英単語は消え、左へスワイプした未知の英単語は残って再び画面に現れる。10単語で1周したときに、未知語が6つあれば、2周目には6単語が表示される。2周目に覚えた単語は3周目に出てこない。というように、ただ「知ってる、知らない、知らない、知ってる。あ、さっき覚えた。さっき見たけど、やっぱりまた意味が分からない……」などと左右にスワイプしているだけで、10→6→3→1→0というように、覚えていない単語だけを高速に繰り返して復習していける。10単語1セットとして、慣れると1セットを1分程度で消化できるという。以下がデモ動画だ。

10単語が1分だとすると、3800単語なら、どのぐらいか? 答えは2日だそうだ。試験的に3800単語を2日間で覚えるというこを7人にやってもらい、2日目の最後に400単語のテストをしたところ、平均定着率は82.4%だったという。記憶というのは時間とともに薄れるので、集中的に暗記をした直後のテストの定着率をもって3000語を「マスターした」ということはできないだろうが、従来の学習法から考えると驚くようなパフォーマンスだ。単調な暗記作業とは異なる、ちょっとしたゲーム感覚で細切れ時間が活用できるのは面白い。

英語学習合宿が話題になったことがキッカケ

mikanを創業した宇佐美さんは東京大学で機械情報工学を専攻する4年生。そろそろ周囲が就職活動を始めていたとき、「このまま行くとオレも就職しちゃうという危機感」から休学を決意。いまはmikanの実証データを集めるために47都道府県を回る全国行脚の準備中だ。各都道府県で、英語学習に取り組む学生を中心に、テスト利用者を20人ほど集めて合宿形式で「1日で1000単語を覚える」というのにユーザビリティーテストを兼ねて取り組む。もし成果がでれば、この初期ユーザーがmikanのエバンジェリストになってくれるという読みもある。

宇佐美さんは、別に英語アプリで起業しようなどと思っていたのではなく、「英語を教えていたら、お金になり始めた」ことが起業のキッカケだったと話す。

もともと起業には強い関心があり、クラウドソーシングの「クラウドワークス」やアクセラレーターの「MOVIDA」でインターンを経験していて、最初からシリコンバレーを目指していたという。「スタンフォードの大学院に行きたい」ということから、まずはTOEFLに申し込んだ。ところが、試験日当日まで一切勉強せず、「申し込んだら勉強すると思ったんですけどね、4万円が無駄になりました」と笑う。そこでまず、英語の勉強をするしかない時間と場所を決めてやろうと、今年3月に2週間の合宿を実施した。友人らに声をかけると、結構みんなが来てくれた。

その合宿の様子をブログやFacebookでシェアしているうちに、学生以外の社会人からも「行きたい」と連絡が来るなど、問い合わせが10件、20件と増え、話題になりはじめたという。5月に実施したTOEFL合宿には約60人が参加するまでになった。

合宿ビジネスでは労働集約型のマンパワーがモノを言う世界になる。そうではなく「アプリとかWebサービスとか、スケールするもので実施できないか」と考えて、5月にMacを買い、iPhoneアプリを作り始めたという。

アプリのアイデアは、自身が行ったExcelを使った英単語学習法が元になっている。まず日本語と英語が対になったものをExcelに1万語分、打ち込んだリストを作る。学習済みの単語については、このExcelの表の右側に「1」を付けていって、これを並べ替え。覚えていない単語だけをプリントアウトして覚える。次に「2」を付けてプリントアウト……、というのを繰り返した。

宇佐美さんは「数が少なくなっていく喜びを感じたんですよ。それで、これをアプリにしたらいいんじゃないかと思いつきました」という。この話を聞いたぼくは、正直それは意識の高い東大生ならではなのじゃないかと問い返してしまった。1万語を用意するのも、自分で進捗管理するのも、ちょっと並じゃない。

ただ、宇佐美さんは、これまでにmikanアプリを試していて面白いパラドックスに気付いたという。自分で工夫する人は、かえって成績が悪かったのだという。愚直に右へ左へとスワイプしまくった人のほうが成績が良く、逆に自分で工夫してプラスアルファの学習をしようとした人は成績が伸びなかったのだという。つまり、愚直にやるだけで誰でもできるという可能性はある。

mikanはまだ一般公開しておらず、MVPとして宇佐美さんが実装したiOSアプリが存在するだけだ。mikanは自己資金で設立していて、チームは3人。現在は資金調達のために個人投資家を回っているが、資金目的ではなく、「内部の支援者として入って頂きたい」という。アプリの一般公開は年内を予定している。

英語学習で似た状況にある中国や韓国にも「いま直ぐにでも行きたい」(宇佐美さん)が、当初は日本に集中する。また一部、フランス語や中国語などを学習している受講者に単語帳を実験的に作ってもらうなど、多言語展開も視野には入れているという。マネタイズはフリーミアムを検討しているそうだ。


JavaScript 1行でサイトを多言語化、ボタン一発翻訳の「WOVN.io」が良さそう

先日とあるWebサイトの新規制作のために見積もりを取ったら、日本語・英語の「多言語化対応」のためだけに18万円が計上されていて、卒倒しそうになった。翻訳料じゃなくて、単にCMSを多言語設定にするのに18万円ってナンノコッチャと思ったのだけど、Webサイトの文章やコンテンツを多言語化するのは手間もコストもかかる頭の痛い問題であることは間違いない。言語切り替えメニューは、どこに配置するのか、それは国旗アイコンなのか文字列なのか、言語ごとにURLパスはどう切り分けるのか、サブドメインで対応するのか、コンテンツ更新の同期はどうするのか、翻訳はどこに外注するのかなど、考えなきゃいけないことは多い。そして実は何より、コンテンツの更新となると、HTMLやCMS上で対応箇所を確認しながら訳文をコピペするという面倒な作業も発生する。

大手グローバル企業のWebマスターなら、ありあまる予算をクラウドソーシングにぶち込むなり、Web制作会社に翻訳ごとまるっと投げてしまえばいいのかもしれないけど、それにしたって、結構なグローバル企業のWebサイトで、英語と日本語で異なるコンテンツが表示されているなんていうケースに出くわした経験は誰にでもあるんじゃないだろうか。要するに大変なんである。

この問題を「なるほど!」という感じで、あっけなく解決するのが、創業間もないミニマル・テクノロジーズが提供する「WOVN.io」(ウォーブン)だ。独立系VCのIncubate Fundから450万円のシード投資を受け、ここ数カ月ほとんど1人でWOVNを実装してきたミニマル・テクノロジーズ創業者でCEOの林鷹治氏は、起業した理由を「ふとアイデアを思い付いたから」と語る。

元サイトには手を加えずに多言語化できる

もともと林氏は、Stores.jpを運営するブラケットでグロースハッカーとして活躍していた。グロースハッカーとして、ブラウザ上でA/Bテストが簡単にできるOptimizelyのサービスを使っていて、「あれ? これを多言語化に使えばいいんじゃない?」と同僚との会話の中で気付いたのだという。Optimizelyはブラウザ上で、ボタンやテキストといった要素を移動したり編集したりして、バージョンAとバージョンB……と同一ページで複数の異なるバージョンのページをユーザーに見せることができるツールだ。「A案」「B案」と出し分けることで、どちらがより良い反応が得られるかを見た上でデザインを決めるのがA/Bテストだ。

ポイントは、異なるバージョンを見せるために、元サイトにJavaScriptのスニペットを入れるだけで良いというところ。実際のコンテンツはOptimizelyのサーバから各サイト訪問者に提供される。これと同様の仕組みを多言語化サービスに使ったのがWOVNだ。

JavaScriptを1行、書き足すだけ

使い方は簡単で、WOVNでアカウントを取って、多言語化したいURLを入力。WOVNがHTMLをフェッチして解析した上でボタン類やコンテンツのテキスト要素を一覧して並べてくれる。ここで翻訳ボタンを押すと、マイクロソフトの機械翻訳サービス(Bingのもの)を使って主要10言語の訳文を生成することができる。訳文は手で編集することも可能だ。

次に、元サイトでJavaScriptのスニペットをHTMLに埋め込む。スニペットといえば、1行から5行程度ものが多いけど、WOVNでは実際に1行にすることにこだわったそうだ。

すると、Webサイトの右下に(モバイルでは下部に帯状に)、以下の画面のようなドロップダウンメニューが表示されて、訪問者は言語切替ができるようになる。技術的にいえば、各言語はハッシュタグの付いた個別のURLが割り当てられることになるが、ユーザー体験としても管理側としても、同一ページで複数言語が切り替えられるといって良く、非常にシンプルだ。WOVNのダッシュボードから多言語のリソース(テキスト)を管理、更新することができるという意味で、WOVNは一種のCMSとして機能する。オリジナルのHTMLやサイト構成、サーバ設定などに変更を加える必要がないのがポイントだ。

ちなみに、ちょっと技術的なことを書くと、WOVNではWebページにおけるテキスト要素をXPathで管理していて、これを動的に差し替えているそうだ。動的差し替えといっても、多言語のテキストは最初にまとめてクライアント側に持ってくるので、UIの応答性は極めて良い。

人間による翻訳も提供

「なるほど便利そうだ、でも機械翻訳じゃ翻訳精度が……」と思う人もいると思う。まず1点は、翻訳後の訳文は自由に編集ができるので、あくまで機械翻訳をスタート地点とすることができるというのがWOVNの良さと思う。もう1点、WOVNでは人間による翻訳の「リクエストボタン」も用意するそうだ。WOVNはMVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト)としてローンチしたばかり。今後、たとえばAPI経由でクラウド翻訳が可能なGengoなどのサービスへつなぎ込みを行うとか、背後にプロの翻訳者や、あるいはボランティア翻訳者をプールしておいて、翻訳の納品日数によって料金プランを変えるようなことも考えているという。

まだ、訳文のバージョン管理機能などはなく、たとえば人間が翻訳した高品質の訳文があるページにコンテンツを追加して、誤って全翻訳ボタンを押すと、せっかくの訳文が機械翻訳で上書きされて吹っ飛ぶという「その辺は運用でカバーしてね」という仕様や、「本文」「段落」などと認識してほしいテキストブロックが、全てP要素でバラバラに表示されてしまうといった荒削りなところはある。翻訳についてもURL単位なので、ドメイントップを指定して3階層まで翻訳するなどといったオプションもない。

とはいえ、元サイトに変更をほとんど加えることなくサイトを多言語化できて、何よりもオリジナル言語のコンテンツの更新に合わせて多言語をまとめて管理できるサービスとしてみると、ぼくは潜在市場は大きいと思うし、デモを見る限り、すでに十分な利用価値があるように思う。読者の中には、「Google Chromeの翻訳でいいんじゃね?」と思う人もいるかもしれないけど、提供者側が用意できることとか、肝心のところは人間の翻訳を入れられるというのがポイントだと思う。もっとも、まだ翻訳テキストのGoogleクローラー対策などは、これから考慮に入れないといけないという話なので、検索流入に効果があるのかなど未知数なところもあるけどね。

林氏は「スモールビジネスのオーナーの需要があるのではないかと見ている」という。たとえば、外国人向けサービスを提供する行政書士の事務所が、中国語、韓国語、ロシア語などのページを用意するといったケースがある。あるいは自治体のWebサイトなどでは、現在冒頭に書いたようなWeb制作会社や翻訳事務所への外注コスト、メンテナンスコストがかさんでいるといった状況はありそうだ。WOVNでは、オリジナルのHTMLに変更を加えると、ダッシュボード上で該当URLがピンクになるので、それを確認して翻訳ボタンを押し直すだけで良く、メンテンスコストを大幅に下げられるだろう。

ほかにもWebコンテンツの翻訳ということでは、KickstarterとかAirbnbのようなサービス系のサイトだとか、ブログプラットフォームでの利用ということも想定しているそうだ。ブログだと、Tumblrまで含めて、JavaScriptのスニペットを埋め込めるサービスであれば、ほとんどどんなブログサービスでも利用可能という。個人ブログに入れるのもありだ。

なんで今までWOVNみたいなサービスがなかったのか? というと、実はこれまでにも類似サービスは存在していたそうだ。たとえば、TolqというサービスがWOVNに近いそう。ただ、こうしたサービスは少数派で、多くの「多言語化サービス」はDakwakのようなタイプ。Dakwakでは翻訳コンテンツをDakwak側でホストして翻訳コンテンツについてはページ全体を提供するというモデル。だから、利用者はDNS設定を変更してサブドメインがDakwakのIPアドレスに振り向けられるようにしておく必要がある。つまり、サーバ管理ができるドメイン保持者ではないと利用が難しいということ。

まだWOVNにどの程度市場性があるのか良く分からないけど、ぼくは今すぐTechCrunch Japan主催のイベントページの多言語化に利用してみたいと思ったね。


地デジ・ストリーミングのAereoがChromecastに対応

今日(米国時間6/5)、テレビ放送のストリーミング・サービスのAereoがGoogleのChromecastのサポートを開始し、 Androidアプリを公開した。

AndroidデバイスへのAereoのストリーミングは昨年から可能となっていたが、今回のバージョンアップでAereoユーザーはタブレットとスマートフォンだけでなく、Chromecastさえあれば居間のテレビでも番組を楽しめるようになった。

Aereoは各都市に置かれた拠点内でユーザー1人ずつに小型のアンテナを割り振ってレンタルし、さまざまなデバイスに対してほぼライブでテレビ番組をストリーミングするサービスだ。Aereoには録画オプションもある。ユーザーはAereoに月額12ドル払うだけで100ドルのケーブルテレビとほとんど同じサービスを受けることができる。

もちろんAereoがストリーミングできるのは無料の地デジ放送だけだからBravoやESPNは見られない。

テレビネットワークはAereoに対して著作権侵害の訴訟を起こしており、ついに4月には最高裁に持ち込まれた。そのためAereoの将来は最高裁が判断を下すまで不透明な状態だ。

しかしそれとは別にAereoは着実にサービスを拡大している。今回のバージョンアップでAereoのサービス地域の住民にとってChromecastの価値が大きくアップしたことは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


建設現場の空撮ドローンのSkycatchが1320万ドルを調達―クライアントにはベクテルも

ドローンは遊びにも配達にも軍用にも使える。ではその他に何に使えるだろう? それがChristian Sanzという起業家が数年前に取り組んだ疑問だった。さまざまな可能性を試した後、Sanzはある分野でドローンの需要が間違いなく高いことを発見した。建設現場のデータ収集だ。Sanzのスタートアップ、Skycatchはこのほど新たに1320万ドルの資金調達に成功した。

私の取材に答えてSanzは、「この分野の可能性に気づいたのは、私がドローンのプロトタイプを大勢の聴衆にデモしたとき、ある建設関係者が現場の空撮をしてくれないかと言ったときだ」と語った。

この建設業者はSanzにいろいろな空撮業務を依頼し、料金を支払うと申し出たが、Sanzは開発のために無料で撮影した。建設や土木の工事現場では通例、設計段階での1回の空撮写真しか得られない。運が良ければ数ヶ月ごとに追加の空撮が行われる。

Sanzが提供するサービスでは、ドローンの編隊を駆使して、工事の進捗状況を頻繁に空中から撮影する。なんらかの異常があれば早期に発見でき、莫大なコスト削減につながる。

それにミスを発見するだけではない。工事現場に関してこれまでは得られなかった膨大な情報が蓄積できる。 センサーとカメラを搭載したドローンは工事に関するあらゆる情報を正確に記録できる。

SkycatchはすでにBechtel、Bouygues、Rio Tintoなどの世界的エンジニアリング企業を始めとして数多くのクライアントを獲得している。契約上、社名を明かせないクライアントも多いという。Skycatchのドローンは現場上空から2Dと3Dの写真を撮影するが、この飛行は予めプログラミングされた経路に沿って自律的に操縦され、自動的に発進場所に帰ってくる。風の状態にもよるが、1回、最長30分の飛行が可能で15GBのデータが取得できる。

今回の資金調達でSkycatchは既存ビジネスの強化と同時に、高高度に長期間滞空できる新しい無人機の開発も計画している。こうした長期滞空タイプのドローンはGoogleとFacebookのドローンによるインターネット・アクセス・ポイント提供計画で用いられるものと類似している。私は「この分野には手強いライバルが多いのではないか?」と尋ねたが、Sanzは「まだ現実にはそこまで行っていないし、将来は商業航空機の飛行高度以上からの情報収集ドローンに関しては多くの企業が共通の通信チャンネルを確立するなどして協力していくものと思う。単なる競争関係にはならないはずだ」と答えた。

Skycatchはビッグデータの収集、解析とドローンという2つの未来的な要素を結びつけたところにビジネスを成長させようとしている。 これまでの建設プロジェクトでは、ビルや橋が崩落して始めて重大なミスがあったことに気づいていたが、Skycatchのようなサービスを利用すれば問題の発生と同時に直ちに正確な情報が取得できる。言い古された表現だが、Skycatchの成長の可能性は「青天井」だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


TechCrunch School第4回は5月29日開催–テーマは「大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」

1月から開催しているイベント「TechCrunch School」。3月に開催した第3回「スタートアップ企業のマーケティング戦略」は、天候にこそ恵まれなかったが100人超に参加頂くことができた。

そして5月29日木曜日の夕方6時から、これまでと同じく東京・秋葉原(末広町)で第4回となるイベントを開催する。今日から参加申し込みの受け付けを開始したのでお知らせしたい。

今回のテーマは「大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」。前回はスタートアップ企業のマーケティング担当者やCMO、起業家などを対象にしたが、今回は大企業から中小企業までに勤めつつ、スタートアップを立ち上げたい、スタートアップに参画したいと考えている人。大企業からの内定を得ているが、スタートアップに参加することを考えている学生、さらにはそういったスタートアップにに挑戦したい人たちと出会いたい、一緒に働きたいと考えているスタートアップの起業家や人事担当者らを対象にしたい。

今回はゲストスピーカーとして、KAIZEN Platformの共同創業者でCEOの須藤憲司氏、freee代表取締役の佐々木大輔氏、みんなのウェディング代表取締役社長の飯尾慶介氏の3人をお呼びしている。

須藤氏は、新卒でリクルートに入社。マーケティングや新規事業開発部門を経て、アドオプティマイゼーション推進室を立上げ。リクルートマーケティングパートナーズで最年少の執行役員として活躍したのちに退職し、KAIZEN platformを創業した

リクルート時代から広告の最適化に取り組んできた同氏だが、KAIZEN platformでは、A/Bテストの実行と、テスト向けのクリエイティブ制作のクラウドソーシングを組み合わせた「planBCD」を展開している。また最近では元グーグルで、広告営業部門の立ち上げ、業界営業部門の立ち上げと責任者、広告代理店事業の責任者を歴任した小川淳氏や、グリーおよびGREE Internationalで、ゲームやアドテクノロジー分野のプロダクトマネジメントを手がけた瀧野諭吾氏などの参画を発表。さらに500万ドルの大型調達を実施して米国を中心に展開を本格化するとのこと。イベントでは、大企業とスタートアップの違いから、優秀な人材の“口説き方”までを聞いていきたいと思う。

またfreee佐々木氏は、大学在学時よりインタースコープ(経営統合を経て、現:マクロミル)にてリサーチ集計システムや新しいマーケティングリサーチ手法を開発。卒業後は博報堂、CLSA キャピタルパートナーズを経て、ALBERTの執行役員に就任。その後2008年にGoogleに参画し、国内のマーケティング戦略立案やGoogle マップのパートナーシップ開発、日本およびアジア・パシフィック地域における中小企業向けのマーケティングの統括を担当したのちに退職。2012年7月にfreeeを創業した。

2013年3月にサービスを開始したfreeeだが、現在のユーザーはすでに7万事業者以上。Windows XPのサポート期間終了や消費税率の変更なども追い風となりその数はさらに増加中だという。また直近には8億円の資金調達も発表し、機能強化やアジア進出についても準備しているという。以前、佐々木氏に起業の経緯を聞いた際、前職で中小企業との接点があったことからその課題を知ったのがきっかけだと語っていたが、イベントでは、Googleを飛び出して起業した理由や、過去の経験がスタートアップにどう生きているかについて聞いていきたい。

飯尾氏は、1999年にトーハンに入社。子会社直営店舗の店長、スーパーバイザー職などを経て、2006年にディー・エヌ・エーに入社。ECアドバイザー職を経て、社長室の新規事業としてウェディング情報の口コミサイト「みんなのウェディング」の立ち上げに携わる。その後、Mobageのオープンプラットフォーム立ち上げなども経験したのち、2010年10月にスピンオフ。みんなのウェディングを設立。同社は2014年3月に東証マザーズ市場に上場した。

「大企業の新規事業を持ってスピンオフして、上場を目指す」というIT系スタートアップはそう多くない。例えばこれが社内の事業として展開していたのであれば、このスピードでの上場を実現できていなかったのかもしれない。飯尾氏には、大企業から出て自らのサービスに注力した意味やその成果、さらにはスピンオフで得た経験や知識について聞いていきたい。

前回に引き続き、今回のパネルディスカッションでは、会場でのみ聞ける「オフレコタイム」を設ける予定だ。プレゼンテーションの模様は記事や動画でも紹介する予定だが、会場に来て頂いた人たちに限定して、登壇頂く起業家の生の声を届けたい。

今回は1人3000円の有料イベントとなる。19時半以降の交流会では食事とドリンクも用意するので、是非早めにお申し込みをいただければと思う。

TechCrunch School #4
起業志望者注目!
「大企業から飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」
【開催日時】 5月29日(木) 17時半開場、18時開始
【会場】 東京・末広町 3331 Arts Chiyoda 3331 Arts Chiyoda地図
【定員】 100名程度
【参加費】 3000円
【参加資格】 起業を志す、もしくはスタートアップに興味のある大〜中小企業の社員および、学生の方。スタートアップへの参画を希望する人材と出会いたいスタートアップの起業家、CxO、人事担当者
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンラインジャパン
【内容】
18:00〜18:05 TechCrunch Japan挨拶
18:05〜18:50 講演セッション
須藤憲司氏(KAIZEN Platform共同創業者・CEO)
佐々木大輔氏(freee 代表取締役)
飯尾慶介氏(みんなのウェディング 代表取締役社長)
18:50〜19:30 パネルセッション「僕らが大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」
パネラー:
須藤憲司氏(KAIZEN Platform共同創業者・CEO)
佐々木大輔氏(freee 代表取締役)
飯尾慶介氏(みんなのウェディング 代表取締役社長)
西村賢(TechCrunch Japan編集長)
19:40〜21:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
【申し込み】イベントページから事前登録必須
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

資金調達・事業提携イベント「RISING EXPO 2014」、アジア4地域で開催

スタートアップが資金を調達する手段はいくつかあるが、イベントで自分たちのプロダクトをアピールすることもその手段の1つではないだろうか。サイバーエージェントグループで投資育成事業を手がけるサイバーエージェント・ベンチャーズが、IT・インターネット関連のスタートアップを対象とした資金調達・事業提携イベント「RISING EXPO 2014」を開催する。

これまで2年連続で開催され、僕も事前審査員をさせていただいた同イベント。当日は国内外の有力ベンチャーキャピタルや大手事業会社などが一堂に集結。事前選考を通過したスタートアップがプレゼンテーションを実施、さらにネットワーキングの場を提供する。2013年9月に東京で開催された「RISING EXPO 2013」では、ベンチャー企業15社、有力ベンチャーキャピタル50社、大手事業会社20社が参加した。

2014年度は、日本に加えて東南アジア、韓国、中国のアジア4地域で順次イベントを開催する。第1弾として、3月17日よりインドネシアのジャカルタで開催予定の「RISING EXPO 2014 in SEA」への企業の応募受付を開始する。

対象となるのは、東南アジアですでにIT・インターネット関連事業を開始しており、事業拡大やグローバル展開のために1億円以上の資金調達や事業提携を検討しているスタートアップ。本店所在地は日本、海外を問わない。開催日に関しては、決定次第順次特設サイトにて紹介するとしている。

昨年参加させて頂いた際には、「来場者はユーザーではなく投資家。その視点を持ってプレゼンをするべきだ」と強く語っていたキャピタリストがいたのが印象的だった。僕も日本でのイベントには参加させて頂く予定。すばらしいプロダクト、そして起業家と出会えるのが楽しみだ。


スタートアップが陥るIKEA効果の罠―MVPセオリーに固執するのは危険だ

イラスト: Marius Ursache

〔編集部〕 Bill AuletはMITのMartin Trust起業家センターの責任者であり、MIT Sloan ビジネス・スクールの上級講師。最近の著書はDisciplined Entrepreneurship: 24 Steps to a Successful Startup〔規律ある起業家精神:スタートアップの成功への24のステップ〕。Twitterはこちら

何かを闇雲に作るだけではスタートアップは成功できない。「でも素早く作ることが肝心なんでしょう?」と私はよく質問される。

それはそのとおりだ。昔、大企業が古臭いウォーターフォール型開発に固執していた頃、起業家はできるだけ速く実際に動くプロダクトを作ってしまうという「実用最小限のプロダクト」(MVP=Minimum Viable Product)手法を編み出し、開発のスピードを画期的に加速した。プロダクトの機能を本当に必要な範囲だけに絞り込み、いち早く製品をリリースしてユーザーからのフィードバックを得て、すばやく改良を加えていくというモデルだ。

しかし今や振り子は反対側に振れ過ぎている。ユーザーが何を求めているかを調べる時間を取らずにひたすらプロダクトを素早く作ることだけを考える傾向が見られる。そうした闇雲な開発の結果、プロダクトは方向性を失い、スタートアップは「IKEA効果」として知られる陥穽に落ち込むことになる。

IKEA効果は「人は自分で作ったものに本来以上の価値を与えてしまう」現象でMichael Norton、Daniel Mochon、Dan Arielyによって発見された。この3人は折り紙の愛好家を対象に実験を行った。愛好家に専門家が作った作品と自分たちの作品を評価させたところ、客観的に見て専門家の作品n方がはるかに質が高いにもかかわらず、愛好家は自分の作品の方を高く評価する傾向が見られた。IKEA効果という名前はもちろん誰でも知っているスウェーデンの組み立て式家具のメーカーにちなんでいいる。つまりわれわれは何かを自分で作るや否や、評価モードから擁護者モードに入ってしい、客観的な基準に基づく判断ができなくなる傾向がある。

われわれは何かを自分で作るや否や、評価モードから擁護者モードに入ってしい、客観的な基準に基づく判断ができなくなる傾向がある。

最近の私の教え子のチーム(次に述べるような事情から特に名を秘す)は、自分で開発したテクノロジーに心底夢中になってしまった。彼らはコンピュータ・インタフェースの改良に重要な貢献をなし得る画期的テクノロジーを開発した。デモを行うたびに強い関心が寄せられた。彼らは有頂天になり、デモの際に寄せられた要望にもとづいて新機能を追加していった。印象的なデモにより、このチームはビジネスプランのコンペと投資家から資金を得た。ところが結果的にこれが最悪の結果を招く原因になった。

カンファレンスでデモを見る人々、ビジネスプラン・コンペの審査員、ベンチャーキャピタリストは誰一人プロダクトに自分で金を払うユーザーではない。開発チームがMVP〔最小限実用的なプロダクト〕と称したものは、単に見栄えのするコンセプト・モデルだった。彼らは「仮説を実証している」と称したが、テクノロジー上のあるコンセプトが実現可能であることを示しているに過ぎなかった。そのうちに彼らは「ピボットした」。つまり有効なビジネス・プランを生み出せないままに金が尽き始めたのだ。結局彼らは現実的な成果を何も生み出すことができなかった。

なぜ彼らは貴重な時間と資源を無駄遣いする羽目に陥ったのか? それは自分たちで開発したためにそのテクノロジーに強過ぎる愛着を持ってしまったからだ。「きみたちはそのテクノロジーに金を払うユーザーを見つけるのに失敗している。ユーザーと会話して本当のニーズを調べなおすべきだ」と忠告しても聞く耳もたなかっただろう。彼らはまさにIKEA効果の犠牲者になっていた。

別の教え子チーム、FINsixはこれと別の道を行った。同社は従来のサイズの4分の1の超小型ノートパソコン用電源アダプターを開発し、先月CESで各種の賞を獲得し各方面から注目の的になっている

しかし彼らが私のクラスに入ってきたときに持っていたのは実験室で有望そうなテクノロジー・コンセプトに過ぎなかった。なるほどハードウェア・ギークには興味深いテクノロジーだった。従来のAC/DCコンバータより1000倍高速なVHF帯スイッチングを利用することによってサイズを10分の1にできる。また磁芯のような重い部品を使わずにすむ。物理的な衝撃、振動にも強い。

しかしながら、こういうテクノロジー上の特長は、一般消費者が金を払う動機にはならない。FINsixは賢明にもこの点を認識していた。そこでプロダクトの開発に突進する前に消費者のニーズを慎重に調査した。

「われわれは電子パンフレットを作って(VHFスイッチング)コンセプトに対する反応をさまざまな市場から収集した。広汎な調査の結果、われわれの新しい電源がもっとも受け入れられやすいのはノートパソコンの分野だと判明した」と共同ファウンダー、CEOのVanessa Greenは言う。パンフレット、というところに注目していただきたい。

実際に開発されたMVPに比べて電子パンフレットはIKEA効果を起こす危険性が格段に少ない。FINsixチームはスマートフォンからLED照明までさまざまな市場の可能性を探り、最終的にノートパソコンの電源がもっとも売れそうだと結論した。最初のプロダクトが売上をもたらせば会社を持続させ、さらに新しいプロダクトを開発することが可能になる。

自分が開発したプロトタイプに惚れ込んでしまって、それを誰も欲しがっていないことに気づかなければ、本当にユーザーが必要としている正しいプロダクトを開発するのは不可能だ。

優れたプロダクトを作るにはそれに見合った適切なユーザーグループの存在が不可欠だ。ところが自分が開発したプロトタイプに惚れ込んでしまって、それを誰も欲しがっていないことに気づかなければ、本当にユーザーが必要としている正しいプロダクトを開発するのは不可能だ。

「資金が尽きる前にテクノロジーに惚れ込んだ大企業に買収される」というのがスタートアップ設立の目的なら別だが、そうでなければテクノロジーに執着してプロダクトを作るのをひとまず措いて、ユーザーと虚心坦懐に会話して本当のニーズを探らなければならない。それはギークにとって開発に没頭するより面白くない経験かもしれないが、買収されるという運任せのルーレットに一喜一憂するよりずっと健全な方向だ。優れたテクノロジーと優れたマーケティングを基礎としなければ優れたプロダクトを作ることはできない。われわれはこれを「規律ある起業」と呼んでいる。テクノロジーとマーケティングを二律背反的に考えるのは近視眼的な誤りだ。

私の考えは東海岸の保守的な起業家精神を代表しているのだというように考える読者もいるかもしれない。しかし先週サンフランシスコを訪問して、T3 AdvisorsDavid BergeronRapt StudioのCory Sistrunk、Ed Hallらと話したところ、ぴったり意見が一致した。「行き過ぎたMVPメンタリティは、プロダクト・デザインにおいてもっとも重要jなユーザー中心主義を忘れさせる危険性がある。起業家は『どのように』開発する、『何を』開発するかを考える前に「なぜ」開発するかをを考えることが大切だ」と彼らは語った。

さらに言えば、起業家はMVPに執着するのを止めて、まず第一に「誰のために」開発するのかをを明確にさせることが大切だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


靴ヒモのスタートアップ、Hickiesに学ぶKickstarter成功の秘訣。1年で50万セットを出荷

そう、タイトルにはたしかに「靴ヒモのスタートアップ」と書いてある。Hickiesは、アルゼンチンのMariquel WaingartenとGaston Frydlewski夫妻らのファウンダーチームが作ったKickstarterプロジェクトだ。同サイトで15万9167ドルのクラウドファンドを集めたおかげで、スタートアップはニューヨーク市に移転して量産に入ることができた。Hickiesは、ほどく必要のない靴ヒモで、しっかり靴を固定しながらスリップオンのように着脱が可能だ。

キャンペーンの資金調達は2012年6月14日に終了し、それ以来会社がやってきたことはニューヨーク移転だけではない。プロトタイプと曖昧な市場調査だけで流通に売り込むには型破りすぎるこの製品も、Kickstarterの熱意によって多くの販売契約を結ぶことができた。その中には空港内で人気のちょっと変わった便利グッズの店、Brookstoneも入っている。

「Kickstarterがもたらしてくれた認知度は、そこで調達したお金と同じかそれ以上に重要だった」とFrydlewskiがインタビューに答えて言った。「BrookstoneがHickiesに関心を持ったのはわれわれのKickstarterキャンペーンの直後だった。Hickiesプロジェクトの成功によって、Brookstoneは試行期間をおかずすぐに全国展開する確信を持った」

求愛してきたのはBrookstoneだけではない。Hickiesは、日本、韓国、カナダ、中南米で販売契約を獲得し、9月にはヨーロッパ拠点の子会社による事業拡大を計画している。Frydlewskiは、Kickstarterの極めて国際的なユーザー層が米国以外への販路拡大に大きく役立ったと言う。Kickstarterの独特なプラットフォーム特性がなければ成し得なかったことだ。

Kickstarterは商品開発段階でも支援を続けている。そこで作られたコミュニティーは継続的であり、キャンペーン実行中に有用であるだけでなく、その後も見返りのあるものだとFrydlewskiは言う。

「Kickstarterの素晴らしいところは、真のコミュニティーとして機能し、支援者たちとの対話を続けられることだ。このためわれわれはHickiesがどう使われているか、どう改善すべきかの理解を深められる」と彼は言った。「つい最近発売した第2世代製品は、支援者からもらったフィードバックを数多く反映して開発した。今後も製品の改善を続け、ワクワクする製品を開発するつもりだ」

Frydlewskiと仲間たちは、Hickiesを作る過程でKickstarterキャンペーンの運営方法に関する貴重な教訓を得た。彼はこのプラットフォームを使うスタートアップに対して、販売契約を急ぎすぎないよう警告する。高まる関心に圧倒されかねないからだ。適正評価を行い、前もって適切な拡大戦略を練ることがハードウェアスタートアップにとってのカギだと彼は言う。また、基本的には資金を要求し始める前に出荷準備を整えておくべきであることも彼らは知った。

「Kickstarterキャンペーンをスタートする最良のタイミングは、まさに生産開始準備が完了した時か、サービスや製品を供給可能になった時」だと彼は言った。「市場に入る準備が100%完了していないならKickstarterキャンペーンを始めないことを推奨する」。

Hickiesは、昨年Kickstarterで資金調達を終えて以来、その独創的靴ヒモを50万セット販売することに成功し、現在3大陸7ヵ国で小売りされている。Kickstarterプロジェクトがこの会社ほどうまく働くことは稀なので、彼らが正しいことをしたのは間違いない。おそらく同じ道を歩もうとする人たちには模倣する価値があるだろう。

HICKIES Overview from HICKIES – love your kicks on Vimeo.

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(翻訳:Nob Takahashi)


EvernoteがホンダとDocomoと提携、シリコンバレーでスタートアップ支援のアクセラレータ・プログラム実施へ

今日(米国時間4/16)、「すべてを記憶する」サービス、Evernoteは、ホンダとDocomoと協力してEvernote Acceleratorと名付けたスタートアップ向けの1ヶ月の集中指導プログラムをスタートさせることを発表した。

実施の場所はシリコンバレーのRedwood CityにあるEvernoteの本社だ。世界中のEvernote APIを利用してプロダクトを開発しようとする個人あるいは小規模スタートアップのデベロッパーが対象となる。

このプログラムはEvernoteが自社の提供するサービスの範囲を超えて、サードパーティのデベロッパーやサービス・プロバイダーを広く巻き込んだプラットフォームへと進化しようという戦略をさらに一歩前に進めるものだ。Evernoteはすでに毎日60億のAPIコールを処理しているが、その大部分はEvernote自身のアプリから来るものだ。

Evernoteはホンダのシリコンバレー・ラボ(英文)、ドコモ・イノベーション・ベンチャーズと協力し、参加者に対してEvernoteのエンジニアによる指導、マーケティングの援助、さらにオフィスと住居を提供する。ただし直接の投資は行わない。ベテランのジャーナリストで昨年Evernoteに参加してプラットフォーム・エバンジェリストを務めているRafe Needlemanはこの点について次のように説明する。

現時点ではわれわれは投資の必要を認めない。われわれにとってこのプログラムの成功はすぐれたEvernoteプロダクトが生まれることだ。投資よって利益が生まれることに関心はない。すぐれたEvernoteプロダクトが生まれることがわれわれ、そしてわれわれのユーザーにとっての成功だと考えている。ただしわれわれはこのプログラムに参加するスタートアップないし個人デベロッパーに対してサードパーティーの投資家を紹介することはあるかもしれない。

Evernote側がベンチャーキャピタル方式の投資を行わないとしても、他の形式での投資はあるかもしれない。人気アプリの一つ、Evernote FoodはEvernoteが主催したハッカソンでオリジナルが開発されたものだった。NeedlemanによればEvernoteが知的所有権を買収して今日のアプリに仕上げたのだという。

このプログラムへの参加者はEvernote APIの普及のために毎年実施されているEvernote Devcupの今年の優秀賞受賞者から選ばれる。アクセラレータ・プログラムは10月の開催が予定されており、1ヶ月にわたるの助言と開発セッションの後、11月にYコンビネーター方式のデモ・デーが行われるという。

Needlemanは「あらゆるジャンルのEvernoteアプリを歓迎する」としながらも、プログラムには2社の共同スポンサーが存在することにも注意を促した。つまりAPIを活用したホンダの自動車向けアプリやモバイル・アプリが重視すべき分野となるということだろう。自動車とモバイル分野についてはそれぞれ優秀賞が設けられる予定だという。

今日、スタートアップ育成のアクセラレータ・プログラムは世界中いたるところで見かけるようになったが、Evernoteのプログラムには非常にユニークな特徴がある。それはEvernote自身がハッカソンを通じて参加候補者を集める点だ。Needlemanは「できるかぎり多様な人材を集めるために、われわれはハッカソンを東京、シンガポール、チューリッヒ、メキシコシティーで開催している。この参加者から選抜した優秀なデベロッパーたちにITのメッカ、シリコンバレーのすべてを味わってもらおうという趣旨だ」という。

〔日本版:EvernoteのCEO、フィル・リビンは今週4/18(木)午後1:30から日経ビジネスのセミナーで講演する予定。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+