2018年のGoogle検索とその傾向: トップはWorld Cup, FortniteのGIF画像, Bitcoinだった

Googleの年末恒例のYear in Search(今年の検索)は、12か月にわたって私たちの関心を集めたイベントやストーリーや現象のデジタルな記録であるだけでなく、その年に何が社会で重要だったか、そしてときには、それがどこへ向かおうとしているのかを示す計算書でもある。そして2018年に世界はひとつのスポーツイベントに、ひとつの結婚に、有名人の死に、自然災害に、そして政治に釘付けになった。

2018年に、グローバルコミュニティはワールドカップ(World Cup)に縛り付けられた。決勝戦はフランス対クロアチアだった。どっちが勝ったか忘れた/知らない人はGoogleへどうぞ。さらに世界は、ミュージシャンや科学者、アーチストなど有名人の死の前で歩を止めた。グローバルなGoogle検索の上位10のうちの7つが、2018年に亡くなった人びとだった。それらは、理論物理学者で著作家のStephen Hawking, ラッパーMac Miller, DJ Avicii, コミック・ブックを作った象徴的人物Stan Lee, セレブのシェフで著作家/テレビのパーソナリティAnthony Bourdain, そしてファッションデザイナーKate Spadeだ。

映画では、Black Pantherがグローバルのトップテンに入り、またハリー王子と結婚してサセックス公爵夫人になった女優のMeghan Markleもテンに入った。

アメリカに限定しても傾向は同じだが、選挙の結果とハリケーンフローレンス(Hurricane Florence)、そして宝くじメガ・ミリオンズ(Mega Millions)はアメリカ独特だ。

2018年のアメリカの検索でカテゴリーとして多かったのは、まつげ、1980年代のファッション、投票の仕方、選挙権登録の仕方、ユニコーンケーキ(Unicorn Cake)、Ketoダイエット(ケトン体ダイエット)などだ。アメリカのニュースの検索でトップは、World Cup、その次がHurricane Florence、Mega Millions、選挙の結果、Hurricane Michaelだ。セクハラ疑惑に揉まれたキャバノー判事(Kavanaugh)の最高裁判事承認の件は、2018年で6番目に多く検索されたニュース記事だ。そのあとは、フロリダ州の銃撃事件、イギリス王室の結婚式、オリンピックの獲得メダル数、そして第10位、予算難航による政府閉鎖、と続く。

もっとおもしろいのは、“What is ___ ?”検索(ナニナニは何ですか?)のリストだ。アメリカでいちばん多くの人が尋ねたのはBitcoin、次が恐喝罪(racketeering)、DACA(Deferred Action for Childhood Arrivals)(アメリカで成長した不法移民の子の強制退去猶予)、政府閉鎖(government shutdown)、聖金曜日(Good Friday)となる。このほか、ゲームのFortnite、聴覚の錯覚“Yanny or Laurel”、ナショナリスト(nationalist)も、多く質問された。

ゲームの検索に絞ると、トップはFortniteだった。ゲームのGIF画像の検索でもトップは“Fortnite”、次いで“Default Dance,” “Dilly Dilly,” “Orange Justice,” “Black Panther”だった。

ビデオゲームの検索では、Red Dead Redemption 2, Fallout 76, Far Cry 5, そしてGod of Warも多かった。

  1. US-Google-Searches

  2. copy-copy-copy-top-5-tech-acquisitions

  3. copy-copy-copy-copy-top-5-tech-acquisitions-1


[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ホーキングのブラックホールに関する最終論文がオンライン公開された

スティーヴン・ホーキングは今年76歳で死去したが、彼の驚くべき知性の科学界への貢献はまだ終わっていない。著名な物理学者の最終論文がオンラインで誰にでも読めるように公開され、博士の輝かしい経歴を明らかにした物質界の謎を振り返ることができる。

Black Hole Entropy and Soft Hair“[ブラックホールのエントロピーと柔らかい髪]と題されたその論文は、ホーキング博士と共同研究者のSasha Haco、Malcolm Perry、およびAndrew Stromingerの共著による。論文保存公開サイトのArXivから無料でダウンロードが可能で、ホーキングへの心のこもった賛辞も載せられている。

「私たちは最愛の友で共同研究者だったスティーヴン・ホーキングを亡くし深い悲しみにくれています。ブラックホール物理学に対する博士の貢献は、最後の最後まで絶大な刺激を与え続けるでしょう」

この論文は、ホーキングの経歴にとって一種のブックエンドといえるものであり、ブラックホールの量子構造に関する博士の最近の業績が集められている——ホーキングが 過去40年間追究してきたテーマだ。

ホーキングの最終論文が、物理学最大の未解決問題の一つへの挑戦となったことは実にふさわしいことだ。その問題は博士自身が提起したものでもある:ブラックホールに落ちていく物体は本当に消滅するのか、たとえ物理の法則がそれを不可能だとしていても? このパラドックスが悩ましいのは、量子力学の法則と一般相対性理論の法則を戦わせることになるからだ。

論文中ホーキングらは、「柔らかい髪」と呼ばれるものがその矛盾を解決することを示唆している。「髪」とは」とはブラックホールの縁である事象の地平線に存在する光子を意味している。柔らかい髪バージョンの事象においては、ブラックホールの縁にあるその「髪」が、ブラックホールに落下した物体に関する情報を保管する。これは、物質に付随していた情報は宇宙から消滅したのではなく、見かけ上の地平線の彼方に消えたように見えるだけであることを意味している。

「これは道半ばの一歩であり、決して完全な答えではない」と共同研究者のMalcom PerryがGuardianに語った。「これまでより若干パズルの数は減ったが、厄介な問題がいくつか残っていることは間違いない」

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Stephen Hawkingが76歳で逝去

物理学の進歩とともに、その大衆的な理解にも貢献したStephen Hawkingが、彼の家族によると、76歳で亡くなった。

Hawkingの優れた知性と頑強な個性は、彼を生涯苦しめ、彼の運動と発話を制限した破壊的な疾病と著しい対照をなし、彼はそのことでも有名だった。彼は21歳のときの診断と、30歳までは生きられないという予測にひるむことなく、あらゆる予想を撥ねつけて、非凡で実り多い生涯を生きた。

“知性とは変化に適応する能力だ”、と彼はかつて言った。それは、彼がその正しさを見事に証明した声明だ。

彼の作品が一般大衆に広く理解されたとはとても言えないが、Hawkingは執筆の才能に恵まれた物理学者であり、多くの著作の中でもとくにA Brief History of Timeはとりわけ有名で、複数の世代を楽しませ、教育した。彼は、専門分野への大きな貢献と、親しみやすい教育のスタイルを兼ね備えていた点で、Feynmanのような巨人たちの一人でもある。彼は聴衆や読者を見下したり見くびることが、決してなかった。

彼の逝去を受けて、その業績の優れた要約が次々と出版されるものと思われるが、彼に関心を持った方には、自伝My Brief Historyをお薦めしたい。

彼は複雑な人物で、自説に固執する天才でもあり、多くの人を啓発するとともに、ときには論争も招いた。しかしそれが、彼のふつうの姿だった。彼のような生き方をする人物は、過去にも、そして未来にもいないだろう。遺族の中には彼の三人の子ども、Robert, Lucy, そしてTimothyがおり、三人の孫がいる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ブラックホール博士HawkingやTesla自動車のMuskらが、AI軍拡競争は始まる前に阻止せよ、と提議

terminator-salvation

高名な物理学者のStephen Hawkingや、先進的電気自動車を作るTesla Motors社などのCEO Elon Musk、そして1000名を超えるAIやロボット工学の研究者たちが、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われた、人工知能に関する国際合同会議(International Joint Conference on Artificial Intelligence)で月曜日(米国時間7/27)に、AI戦争の禁止を提言する書簡に署名した。書簡は、“自律的能力を持った兵器”による激しい破壊の蔓延を警告している。書簡の宛先は、AI軍備競争に手を染めようとしている世界各国の軍事部門である。

それは、このような警告だ:

人工知能(Artificial Intelligence, AI)の技術は今、そのようなシステムの軍事的な配備が、法的にはともかく少なくとも実用的には、数十年以内ではなく数年以内に可能な地点にまで達しており、それが人類にもたらすリスクはきわめて大きい。自律的能力をもつそれらの兵器は、火薬と核兵器に次ぐ第三の戦争革命と言われている。

研究者たちは、すべてのハイテク戦争を終わらせる、といった理想を述べてはいない。むしろ力点は、人間が機械を確実に制御することに置かれている。彼らの焦点は自律能力を持った兵器の、人間による制御に置かれ、照準を人間が合わせる巡航ミサイルやリモコンドローンなどではなく、事前に決められている一定の基準を満たす標的を、自動的に探索し破壊する兵器の、人間による確実なコントロールを要請している。

書簡は、自律的兵器の開発を追求しないことが、世界の軍事大国の責務だ、と述べている。

世界の軍事大国が一国でもAI兵器の開発を推進すれば、世界的な軍拡競争の招来が不可避となる。そして、そのような技術競争の行き着く先は明白である: それは、自律的兵器が明日のカラシニコフになることだ。

〔カラシニコフ、誰にでも簡単に入手できる銃火器。〕

HawkingとMuskはこれまでにも、AI技術に関する警戒を声高に述べている。Muskは最近、人工知能は人類にとって実在する“最大の脅威だ”と述べ、一方Hawkingは、この技術が““人類の終末をもたらす”、と語った。

この書簡に署名した人の中には、このお二人に加えて、Appleの協同ファウンダSteve Wozniak、人工知能企業Google DeepMindのCEO Demis Hassabis、著名なMIT教授Noam Chomsky、Googleの研究部長Peter Norvigらがいる。

書簡の締めくくりは、

人工知能はさまざまな面で人類に利益をもたらす、とわれわれは信じており、当分野の目標はそこに置かれるべきである。AI軍備競争を開始することは良からぬ考え方であり、攻撃的自律兵器が人間による有意な制御を超えて使われることを禁じることによって、AI軍拡競争の開始を防ぐべきである。

となっている。

Hawking博士は今、一週間の予定で、RedditのAMAに出ておられるので、質問などはそのサイトにポストできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa