ウォズニアック氏の宇宙企業「Privateer」は混雑化して危険な宇宙のGoogleマップを目指す

現在、地球低軌道上(LEO)には、壊れた衛星やロケットの破片、多段式ロケットや宇宙ミッションの残骸など、何百万個もの宇宙ゴミが散乱しているが、これを一掃することを目的としたベンチャー企業が次々と誕生している。Steve Wozniak(スティーブ・ウォズニアック)氏と共同で宇宙ベンチャーを設立したAlex Fielding(アレックス・フィールディング)氏によると、LEOの清掃は重要な課題だが、1つ問題があるという。宇宙ゴミ(スペースデブリ)の多くは、実際にどこにあるのかわからないということだ。

「軌道清掃企業は、地球低軌道上にあるほとんどの物体がどこにあるのか一致した意見がなく、それぞれの瞬間に3~400km程度の精度以上で把握することができません」とフィールディング氏はTechCrunchに語った。

フィールディング氏とウォズニアック氏は、新会社「Privateer」を設立して、この知識のギャップを解消しようとしている。これまでステルス状態にあったこの会社は、9月にウォズニアック氏がYouTubeにアップした1分間のプロモビデオへのリンクをツイートしたことで注目を集め、Privateerは宇宙空間の物体の清掃に力を入れるのではないかとの噂が広まった。

しかし、それは微妙に違っていた。「Privateerは実際には、宇宙をきれいにするという目標でスタートしたわけではありません」とフィールディング氏は説明する。「私たちは、宇宙のGoogleマップを作ることを目指してスタートしたのです」。

フィールディング氏とApple(アップル)の共同創業者ウォズニアック氏のコラボレーションは、今回が初めてではない。2人は2000年代初頭に、物体の物理的な位置を追跡する技術を開発する無線ハードウェア企業Wheels of Zeus(WoZ)を設立している。

「20年前、私たちがそれ(WoZ)を始めたとき、宇宙にあったものの半分はゴミでした」とフィールディング氏は語る。その後、状況はさらに悪化していった。「今の世界では、(軌道上には)もっともっと多くのものがあり、その中でも特に危険なものはほぼすべてが低軌道にあり、非常に高速で移動していて、ほとんどの場合よく追跡されておらず、理解されていません」。

宇宙ゴミの危険性は依然として存在する。5月、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士が、モジュールの1つに取り付けられたロボットアームに幅5mmの穴が開いているのを発見した。アームは機能していたが、ISSが衝突を避けるための操作をしなかったことから、当たった物体は、米国宇宙軍の宇宙監視ネットワークが追跡できないほど小さい軌道上の数百万個の物体の1つであると考えられる。

Rocket Lab(ロケット・ラボ)やSpaceX(スペースX)のような打ち上げ企業が、かつてNASAのような公的機関が独占的に行っていたサービスを今は提供しているのと同じように、Privateerはこうした膨大なデータギャップを埋められるかもしれない。

Privateerは、最初から早いペースで取り組みを進めている。同社は、2022年2月11日に「Pono 1」と名づけられた最初の小型衛星を打ち上げる予定だ。Pono 1の大きさは約3U(約30cm)で、非光学式センサー30個と光学式カメラ12個の合計42個のセンサーを搭載する。非光学式センサーは、4ミクロンの精度を実現する。衛星本体は炭素繊維を用いて3Dプリントで作られ、そうすることによりチタンと同等の剛性を持つ単一の固体部品になるとフィールディング氏はいう。推進剤の代わりに、磁気トルカという衛星姿勢制御用の電流を発生させる小型装置を使って方向を制御する予定だ。

Pono 1衛星は4カ月間だけ運用され、そのあと軌道離脱して地球の大気圏に戻り焼失する。2番目の衛星であるPono 2は、4月末に打ち上げられる。Privateerは、両機の打ち上げのためにすでに打ち上げ業者を決定し、必要な承認を得ている。

これらの打ち上げに加えて、Privateerは、軌道上のロジスティックスとサービスを提供するスタートアップであるAstroscaleとすでに協力関係にあり、現在、宇宙ゴミ除去衛星のデモを行っているとフィールディング氏は述べている。また、Privateerは、米国宇宙軍とのパートナーシップも締結した。

フィールディング氏は、宇宙の完全なGoogleマップを追求しないことは、単なる怠慢ではなく、命取りになるかもしれないという。「私は普段は楽観主義者ですが、今でも非常に恐れているのは、遅すぎたのではないか、2年以内に軌道上で最初の有人宇宙飛行士の犠牲者が出るのではないかということです。そう考える理由は、地球低軌道での(物体や活動の)急増にあります」。

関連記事:日本の宇宙スタートアップAstroscaleが宇宙で軌道上デブリをつかまえて放すデモに成功

画像クレジット:Maciej Frolow/Photodisc / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

アップル共同創業者ウォズニアック氏が「修理する権利のおかげでアップルが創業できた」と明かす

アップル共同創業者ウォズニアック氏が明かす、「アップルが創業できた理由」とは?

米国で「修復する権利」、つまりユーザーが自ら選んだ方法で(主にメーカー非公認の修理業者に持ち込んで)購入した製品を修理できる権利を法案化する運動が盛り上がりを見せており、ジョー・バイデン大統領もそれを後押しする動きを見せているほどです。それを阻止しようと、アップルがロビイストや業界団体を通じて働きかけていることも伝えられていました

そうした「修復する権利」をアップルの共同創業者のひとりスティーブ・ウォズニアック氏が支持し、それが自分の人生にどれほどの影響を与えたのかを約10分間語っています。

ウォズ(愛称)氏の話を引き出したのは、「修復する権利」運動の中心人物であるルイス・ロスマン(Louis Rossmann)氏です。ロスマン氏がウォズ氏にCameo(著名人に謝礼を支払い、短編のカスタム動画を作ってもらえるサービス)のリクエストを送ったところ、ウォズ氏は「自分はとても忙しいので、この運動にはあまり参加していないが支持している」と切り出しています。

ウォズ氏は「私が非常にオープンな技術の世界で育っていなかったら、アップルは存在しなかったでしょう」「当時、テレビやラジオなどの電子機器を購入すると、回路や設計のすべてが紙に書かれていました。完全なオープンソースだ」と振り返っています。

さらに「技術者ではない家族でも、真空管を引っ張り出してきて、真空管テスターを探し、故障していれば新しい真空管を買ってくる。当時は誰もがそうしていた」と修理がどれほど簡単だったかを説明。そして創業時のアップルが、当時のオープンな回路図から恩恵を受けたことを強調しています。

すなわち「アップルを設立するとき、私は入出力用のテレタイプ(印刷電信機)を買うことができなかった」ため、信号の出力用にテレビを使うことができたとのこと。「それもこれも、自分で修理したり、改造したり、利用したりすることができたからだ」として、回路図が公開されていたから金がない若者でも自力でどうにかなったというわけです。

そんな自らの修理経験を踏まえて「なぜ自分で修理するコミュニティを止めるのか?なぜ人々の修理する権利を止めるのか?Apple IIを見てください。完全な回路図付きで出荷された…この製品はアップルの最初の10年間、唯一の利益源だった」として、累計で約600万台が販売された名機の原動力が「修復する権利」だったと語っています。ちなみにApple IIの手書き回路図は、約6500万円で落札されたこともありました。

それに続けてウォズ氏は「修復する権利をもっと全面的に認めるべき時が来ている」と述べ、「企業がそれを邪魔するのは、彼らに権力を与え、すべてを支配することに繋がるからだと思う」と語っています。締めくくりの言葉は「自分のコンピュータなのか、それともどこかの会社のコンピュータなのか。それを考えてみてください。正しいことを始める時が来たのです」というものです。

ウォズ氏の考えは「修復する権利」の阻止に動くと噂されるアップルの方針とは真逆にも思えますが、一方でアップルは独立系修理業者の認定プログラムを日本を含むグローバルに拡大するなど歩み寄りの姿勢も見せています。アップルが「修復する権利」に恩返しをするのか、今後の展開を見守りたいところです。

(Source:Steve Wozniak speaks on Right to Repair。via 9to5MacEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Apple / アップル(企業)オープンソース / Open Source(用語)修理する権利 / Right to Repair(用語)Steve Wozniak / スティーブ・ウォズニアック(人物)