Autodesk、オープンソースの3Dプリンティング規格、Sparkを発表―3DプリンターのAndroidを狙う

Autodeskが個人向け3Dプリンティングの分野に本格的に参入する戦略だということは3Dモデリング・ソフトウェアのTinkercadを買収し、アマチュア・モデラーがスマートフォン上で3D作品を作れるアプリをリリースしたことでも明らかになっていた。Autodeskは、こうしたソフトで作った作品を出力できるエコシステムを作ろうと、Sparkと呼ばれる3Dプリンティング・プラットフォームを発表した。

このプロジェクトには2本の柱がある。まず第一にプラットフォームとしてのSparkはユーザーが3Dオブジェクトをデザインし、3Dプリンタに送信するレンダリングのためのデータを準備する。Autodeskは多くのサードパーティーの3Dプリンター・メーカーがSpark標準の3Dプリンタを開発することを狙っている。次の柱として、AutodeskはSparkプラットフォームの参照機となる3Dプリンタを開発中だ。価格は5000ドル程度になるという。Sparkはオープンソースで、すべての技術的詳細が無償公開される。

Autodeskのブログ記事によれば、

Sparkは3Dプリンティングのプラットフォームだ。これによってハード、ソフト、素材のメーカー、製品デザイナーが利益を受ける。Sparkは新しい効率的な方法で3D作品をビジュアル化し、3Dプリンタのためにレンダリング・データを準備する。これによって無駄な試行錯誤が避けられ、3Dプリンティングに用いられる素材も大幅に拡大する。Sparkプラットフォームはオープン・プロジェクトであり、そのテクノロジーはすべての部分が誰でも無償で利用できる。

Autodeskはデスクトップ3Dプリンター分野に参入する必要に迫られていた。3Dプリンタの2大トップメーカーの一つ、StratasysはMakerBotの買収によって順調に売上を伸ばしている。もう一方の3D Systemsもホーム分野への参入に熱心だ。その理由は、産業用3Dプリンタはきわめて高価な装置であり、販売にもサポートにも多大なコストがかかるからだ。個人向けのデスクトップ3Dプリンターは、インクジェット・プリンターと同様のコモデティーであり、スケールさせることさえできれば有利なビジネスになる。

AutodeskはSpark規格が事実上の標準として普及し、いわば3Dプリンティング版のAndroidとなることを望んでいるようだ。実際、現在の3Dプリンティングには標準がまったく欠けている。互換性、安定性をもたらす試みはユーザーに歓迎されるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


消費者向け3DプリンタのMakerBotを工業用3DPの雄Stratasysが買収

今日(米国時間6/19)、本誌が前に報じたように、工業用3Dプリンタの大手Stratasysが、消費者向け3DプリンタのリーダーMakerBotを買収したと発表した。買収価額の4億300万ドルは、現在の株価に基づいてStratasysの株で支払われる。これにより、業務用3Dプリントのリーダーとデスクトップ3Dプリントの新進リーダーが結婚するわけだが、両社はプレスリリースで、これにより、あらゆる分野における3Dプリントの採用が加速される、と述べている。

買収の条件として、MakerBotの企業としての独立性は維持される。すなわち今回の買収は、いわゆる持ち株交換方式らしい。M社はS社の子会社として消費者/デスクトップ市場をターゲットとし、S社はこれまでと同じく業務用分野を対象とする。

MakerBotは2009年に創業され、今日まで22000台あまりの3Dプリンタを売った。そのうちの11000は、昨年9月発売の最新機種Replicator 2だ。今回の買収は、M社の上昇機運のさなかに行われたことになり、その経過はさぞかし順調だったものと思われる。

Stratasysは、本誌の読者にはなじみが薄いと思われるが、この前報じた買収交渉の記事を読んで、その名前を知った方もおられよう。われわれ一般人にとって無名とはいえ、同社は3Dプリンタの世界ではすでに有名企業である。同社の製品は、各種のプロトタイプやコンセプト、コンポーネント、部品、などなどを高精度実物大で3Dプリントし、それらを企業顧客が業務用〜商業目的で使用している。すでに公開企業であり、2012年にはObject Ltd.と合併して業容を拡大した。本社はミネアポリスとイスラエルのレホヴォトの両方にある。

これまでの動きを見ると、Stratasysには3Dプリントの世界を支配したいという意思があるようだ。このパズルにおいてMakerBotは、消費者向け製品という名の大きなピースだ。またMakerBotとしては、Stratasysの豊富な経験から学ぶものが大きいし、今後の新しい技術導入も可能だ。S社の技術力やマーケティング〜営業力から得るところも大きいだろう。

MakerBotは4年前の発足以来、ハードウェアとソフトウェアのアップデートを一貫して真摯に行っている。つい先週にも、最終プリント物の品質向上のために、ファームウェアと設計ソフトの更新を行った。消費者向け3Dプリンタのメーカーとしては、最近新製品のテストを行ったForm Labsをはじめとして、競合他社も多いが、その中でMakerBotはリーダーの位置につけており、また今回のStratasysとの合体で、成長のために吸収する栄養成分がぐんと増えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))