StreamlabsがTwitchクリップをTikTok / Instagram / YouTubeに共有できる新ツール「Crossclip」を発表

今やユビキタスなライブストリーミングソフトウェアとなったStreamlabsの開発元が、ストリーマーがゲームのハイライトをTwitch(ツイッチ)以外のプラットフォームで共有するための新しい方法を発表した。Streamlabsは、この新しいツールを「Crossclip」と名付け、現在、iOSアプリと軽量のウェブツールとして提供している。

Crossclipを使えば、クリエイターはTwitchのクリップを、TikTok(ティックトック)、Instagram リール、YouTube ショート、Facebook(フェイスブック)ビデオに適したフォーマットに簡単に変換することができる。クリップのURLを入力し、出力フォーマット(ランドスケープ、バーチカル、スクエア)とあらかじめ用意されたレイアウトを選択するだけで、Twitchから共有したいスニペットを簡単に適応させることができる。

Crossclipでは、クリップの長さをクロップしたり、背景の一部をぼかしたり、フレームをさまざまな場所に配置するレイアウトを選択することができる(例えば、フェイスカムビューとストリームビューを一緒に並べて縦向きに表示するなど)。

Crossclipのコア機能は無料だが、プレミアムサブスクリプション版(月額4.99ドル / 年間49.99ドル、月額約550円 / 年間約5500円)を購入すると、ブランドロゴのウォーターマークが取り除かれ、1080P・60fpsでのエクスポート、より大容量のアップロード、レイヤーの追加が可能になり、編集内容が処理キューの先頭にプッシュされる。

Twitchで発見されるのは難しい。確立されたストリーマーは簡単にオーディエンスを増やすことができるが、スタートしたばかりのユーザーは、数少ない視聴者がたまに挨拶に来るだけの孤独な「Stardew Valley(スターデューバレー)」のセッションを何度も延々と続けなければならない。Crossclipのアイデアは、このプロセスの苦労を減らすよう、ストリーマーがサブコミュニティやタグなど、コンテンツを発見しやすい機能がより充実している他のソーシャルネットワークでオーディエンスを構築しやすくすることだ。

Streamlabsの製品責任者であるAshray Urs(アシュレイ・ウルス)氏は、TechCrunchにこう語った。「クリエイターにとって、自分のコンテンツをより発見しやすくすることは大きなメリットです。最も人気のあるTwitchストリーマーを考えてみると、彼らは非常に人気のあるYouTubeチャンネルを持ち、Twitter(ツイッター)、Instagram(インスタグラム)、TikTokに積極的に投稿していることに気づくでしょう。さまざまなプラットフォームでコンテンツを共有し、オーディエンスを構築していなければ、自分の状況をより難しくしていることになります」。

ウルス氏は、TikTokのアルゴリズムによるディスカバリー機能を利用して視聴者を増やすクリエイターが増えていると指摘している。TikTokが最近追加した3分間のより長い動画フォーマットは、ゲーマーやTwitchストリーマーなど、TikTokの活用に興味を持つさまざまなクリエイターにとって有益なものだ。

既存のオーディエンスを持つユーザーにとってもCrossclipは使いやすく、ゲームのハイライトやJust Chattingクリップを、フォロワーを増やしたい場所で簡単に共有することができる。平均的なクリップの変換には2~3分かかり、ワンクリックで簡単に処理できる。似たような機能を持つツールはいくつかあり、独立系ウェブツールであるStreamLadderが最も有名だが、Streamlabsは同じアイデアをさらに改良し、モバイルアプリを追加している。

現在はLogitech(ロジテック、日本法人はロジクール)の傘下にあるStreamlabsは、ここ数カ月でいくつかの便利な製品をリリースしている。同社は2021年2月には、チップ機能を組み込めるリンクインバイオ(link in bio)ツール「Willow」を発表した。Streamlabsは2021年5月、あらゆる種類のゲームコンテンツの新興ハブとなったTikTokとの関係を深め、中核となるライブストリーミングプラットフォームStreamlabs OBSにTikTokでの「ライブ配信開始」機能を追加した。

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Streamlabsの「リンクインバイオ」ウェブサイトビルダーはユーザー直行のチップ機能を組み込める

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画像クレジット:Gabby Jones/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

Streamlabsの「リンクインバイオ」ウェブサイトビルダーはユーザー直行のチップ機能を組み込める

多くのオンラインクリエーターやインフルエンサーは、ファンにソーシャルプロフィールやプロモーションしたい他のコンテンツをアピールするために、Linktreeのようなモバイルフレンドリーな「リンクインバイオ(Link In Bio)」ウェブサイトを採用している。米国時間2月23日、ライブストリーミングソフトウェア会社のStreamlabsは、新しいモバイルウェブサイトビルダーWillowとともに、この市場に自社製品をローンチした。同社のツールは、ランディングページに直接チップ機能を統合することで、この分野の他のツールと差別化を図っている。

「リンクインバイオ」のウェブサイトが人気があるのは、TikTokやInstagramのようなソーシャルプラットフォームでは、ユーザープロフィールにURLを1つしか書けないためだ。オンラインのクリエイターやインフルエンサーは、自分のサイトが複数あることが多いため、ファンにもそのことを知って欲しい。そこで、カスタムされたウェブサイトが役に立つ。

他の「リンクインバイオ」ウェブサイトのビルダーと同じくWillowも、ユーザーがカスタマイズしてモバイル向けに最適化したウェブサイトに、リンクのリストを簡単に載せることができる。

このプロダクトは、新顔のBeaconsなどと比べるとシンプルだ。Beaconsは、寄付やアフィリエイトでのショッピングや有料ダウンロードなどのリンクを載せることができるが、Willowでは自分のウェブサイトにURLを1つ掲載できるだけだ。ただしそのリンクインバイオウェブサイトはデザインや色、フォントなどを自由に選べる。

しかしこのオンラインのウェブサイトビルダーでは、その後新たにリンクを加えたり、デザインをアップデートしたりできる。また、ボタン1つでモバイル、タブレット、デスクトップそれぞれでの表示をプレビューできる。

Willowのおもしろいところは、ウェブサイトにチップ機能を加えられることだ。

そうするためには、ウェブサイトビルダーのインタフェイスで「Tips」機能にチェックを入れて、自分のPayPalアカウントをWillowにつなぐ。すると自分のリンクのリストの上部に「Donate!(寄付をお願いします!)」ボタンが現れるので、ファンにチップをお願いすることができる。

画像クレジット:Streamlabs

これまではクリエイターがソーシャルやストリーミングのプラットフォームでチップをもらっても、かなりの額をプラットフォーム自身がとっていた。しかしStreamlabsでは、チップはPayPal経由なのでチップはすべてクリエイターのものとなる。同社の取り分はないという。クリエイターはファンとのダイレクトに支援関係を構築することができ、費用としてPayPalの手数料がかかるくらいなので、この機能が、新しいウェブサイトビルダーの重要なセールスポイントとなっている。

Willowそのものの収益化は別途考えてある。数週間後に同社が立ち上げる5ドル(約530円)の有料版Willowには、高度なアナリティクス機能があり、クリックスルーレートや、曜日別のクリックやビュー数がわかる。また、このプロバージョンでは、カスタムテーマの種類も増える。

画像クレジット:Willow

Willowは米国時間2月23日に立ち上がったばかりであり、まだユーザー数などはわからない。しかし、トップストリーマーのFaZe Mew がすでに登録していることは、彼のさまざまなソーシャルメディア上のプロフィールにWillowのリン((wlo.link)があることでわかる。

StreamlabsのゼネラルマネージャーであるGeorge Kurdin(ジョージ・カーディン)氏によると、「ライブストリーマーのためのツールを作った経験から、もっと大きなコンテンツクリエイターのエコシステムの役に立つプロダクトを作る気になりました。このミッションを実現し、ビジネスとしても大きくするために、もっと多くのブランドや企業、それに個人に奉仕するプロダクトを現在開発中です」と述べている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Streamlabs

画像クレジット:Willow

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)