Googleがシンガポールとオーストラリアを結ぶ海底ケーブルに投資

Googleが今日(米国時間4/5)、シンガポールとオーストラリアのパースおよびシドニーを結ぶ新しい海底ケーブルへの投資を発表した。インドネシアのジャカルタを経由するこのいわゆるIndigoケーブルは全長約5600マイルで、これもやはりAARNet, Indosat Ooredoo, Singtel, SubPartners, Telstaなどから成るコンソーシアムが敷設する。

ケーブルは二つのファイバーペアを使用し、総容量が毎秒約18テラビットになる。将来、さらに拡張される予定もある。

Googleによると、この容量はGoogle Hangoutのビデオメッセージングを同時に800万件送受できる(今ならHangout Meetの、と言うべきか)。ただしもちろん、Google一社が総容量を独占するわけではないから、800万は現実的な数字ではない。しかも18テラビットは今日のスタンダードから見て極端に高速ではない。GoogleとFacebookが昨年投資した香港-ロサンゼルス間の海底ケーブルは、最高で毎秒120テラビットだ。

Googleの投資額は、公表されていない。しかし、今日発表されたIndigoコンソーシアムへとのちに進化したシンガポール-パース間のAPX-Westケーブルは、総工費が7500万ドル強だったようだ。そのAPXの延伸となるパース-シドニー間のプロジェクトは、オーストラリア南部にそのほかの上陸サイトを設けることになっていたが、どうやら今や立ち消えのようだ。

Googleはこれまで、7つの海底ケーブルに投資しており、内5つがアジアだ。

Googleの、とくにオーストラリアの顧客にとっては、シドニーやパースなど国内の都市、アジア、そしてさらには中東やヨーロッパをつなぐ帯域が拡大し、速い接続と、もっと重要なこととしてレイテンシーの低下が期待される。とりわけ、これまでは海底ケーブルで直接結ばれていなかったパース-シドニー間の接続性が大きく改良される。しかもオーストラリアと世界との接続は、2018年の完成が予定されているそのほかの海底ケーブルプロジェクトによっても、今後数年間で大きく改良されるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleも投資した日米間高速海底ケーブルFASTERがいよいよ供用を開始

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Googleが海底ケーブルへの投資を始めたのは2008年だが、その中でも最大の投資は日本とアメリカ西海岸を結ぶFASTERケーブルへの、3億ドルの投資だった。2014年にGoogleは、NEC, China Mobile, China Telecom, Global Transit, KDDIなどから成る、二国間の接続を改良するためのコンソーシアムに参加した。そして同社の発表によれば、このケーブルが今夜(米国時間6/29)、供用を開始する。

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この9000キロメートル、6ファイバーペアのケーブルは、毎秒60テラビット(60Tbps)の帯域を提供する。Googleのテクニカルインフラストラクチャ担当SVP のUrs Holzleはそれを、“家庭のケーブルモデムの1000万倍速い”、と説明する。

Googleは一つのペアケーブル(10Tbps)を自社専用とし、それは日本の千倉および志摩とオレゴン州バンドン(Bandon)を結ぶ。後者は、同州内にある同社のThe Dallesデータセンターに比較的近い。

これと並行してGoogleは、同社のGoogle Cloud Platform(GCP)の東アジアリージョンを今年後半東京で立ち上げる。同社によれば、このたび専用帯域を得たことによって、“GCPの顧客は、全世界の顧客に対して、より高速なデータ転送とレイテンシーの減少を伴うサービス提供が可能になる”、という。

なお、Googleの発表はアメリカと日本間の接続を強調しているが、このFASTERのネットワークは日本と台湾間を二つのファイバーペア(当初能力20Tbps)で結ぶ。この、台湾と日本の二つのランディングサイト間の延長部分は、Googleが100%保有する(同社の100%子会社Google Cable Bermudaが保有)。

Googleはそのほかの海底ケーブルにも投資を続けている。たとえばアメリカ東海岸とヨーロッパ間には、Facebookとのパートナーシップにより、容量160Tbpsの、最高速の大西洋横断海底ケーブルを敷設する、と最近発表した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))