マイクロソフトがSurface Go 2とSurface Book 3を正式発表

派手な製品発表イベントが開催されるようになるまでには、もう少し待たなければならない。それまでは、ブログ投稿が大きな役割を果たす。Microsoft(マイクロソフト)が、デュアルスクリーンデバイスにはそれほど注力していないことを明らかにした翌日、最高製品責任者のPanos Panay(パノス・パナイ)氏は、同社のDevicesブログで多くの新製品を発表した。

その中で最も注目すべきものは、Surface BookとSurface Goの最新モデルだ。またヘッドフォン製品シリーズのアップデートもある。よりコンパクトになったGoは、Surfaceファミリーに加わった最も魅力的な新製品の1つだ。まずは、以前から人気が高いGoの新モデルの話から始めよう。

Goの当初の目標は、Surfaceに手軽なエントリーレベルの製品を加えることだった。よりポータブルな本体を、小型で安価な製品として提供した。今回発表されたGo 2は、前任機と設置面積は同じだが、画面サイズを10インチから10.5へと、わずかに増やしている。プロセッサーも、Pentiumから、第8世代のIntelチップ(Core m3またはPentium Gold)にアップグレードされた。内蔵マイクと前面カメラも改良され、Surface Penに対応した新しいアプリもいくつか追加されている。Go 2は5月12日に発売予定で、価格は399ドル(日本仕様は6万5780円)からとなっている。

一方、Surface Bookのアップグレードは、主に内部に関するものとなっている。第10世代のIntel Coreプロセッサーを採用し、最大32GBのRAMを実装可能、グラフィックスも強化されている。マイクロソフトによれば、このSurface Book 3は1回の充電で最長17.5時間使用できるという。これは5月21日に発売予定で価格は1599ドルからとなる(日本仕様は6月5日発売予定で価格は20万9880円)。

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Surface Headphonesもアップグレードされ、バッテリー寿命が延長された。1回の充電で最大20時間聴くことができる。音質も改善され、調整可能なアクティブノイズキャンセレーションも強化されている。また、イヤーカップ部分の回転の自由度が増し、より使いやすくなるよう再設計されている。このSurface Headphones 2は、249ドル(日本仕様は税込3万2428円)で、オンラインでは5月12日(日本では6月5日)に発売予定となっている。

待望のSurface Earbudsも登場した。Surfaceファミリーにとっては異色の存在となるだろう。もちろんアップルのAirPodsと競合するものだが、Word、Outlook、PowerPointなどで利用可能な音声ディクテーション機能など、Office関連のさまざまな機能を組み込むことで差別化を図っている。ワイヤレス充電ケースも付属し、価格は199ドル(日本仕様は税込2万3980円)となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Microsoft、Surface Goを発表――399ドルと低価格、出荷は8/6

Surfaceに新製品が投入された。これはビッグニュースだが、Microsoftはかなりわかりやすいヒントを出していた。また、この数ヶ月、何かと噂になっていたし、FCC〔連邦通信委員会〕 からデバイスとしての承認を得たときのスペックもリークしていた。結局こうした噂は基本的な部分で当っていた。

というわけでMicrosoft Surface Goを紹介する。このモデルは 399ドルからとSurfaceシリーズで価格がいちばん安い。Surface Proの799ドルのほぼ半額だ。なにより重要なのはこれで329ドルからの9.7インチiPadの価格帯にほぼ重なったという点だ。これまでSurfaceはiPadとまったく異なった製品クラスに属しており、アクセサリー類もハイスペックで、デザイナーなどクリエーティブなプロを主なターゲットとしてきた。これはiPad Proに近かったかもしれない。

Surface Goはタブレット専用モデルと2イン1のコンバーティブルとの中間に位置するモデルだ。スペックが若干低いのはこの価格帯を実現するためだったのだろう。しかし大多数のユーザーにとってはサイズが最大の関心かもしれない。このモデルに何を望むかによって違ってくるのはもちろんだが、10インチ・ディスプレイは十分なサイズの場合も多いだろう。

デモを取材したとき、Microsoftは小ささを強調するためにハンドバッグから取り出して見せた。日頃持ち歩くハンドバッグのサイズにもよるのですべてのユーザーに当てはまるとは限らない。Goは520グラムでたしかに軽量だ。ただしSurfaceがスマートフォンサイズになることを期待していたのならあまり息を詰めて待たない方がいい。Goは小型軽量ではあるがスマートフォンではない。

利用のターゲットについてはMicrosoftは万人向きと考えているようだ。Windows環境に以前から親しんでいる層には、小型ながら相当に高機能のハードウェアであらゆるアプリが利用可能となるのはメリットだろう。メモリは4GB/8GB、ストレージは128GB/256GBが選べる。ログインには Windows Helloによる顔認識ソフトも使える。

ただし、この点はiPadも同様だが、複雑なオフィス業務や大量にタイプ入力が必要な用途にはSurfaceは向いていないと思う。そういう仕事に適した低価格のWindowsノートはいくらでも市場に出ている。昨年、Microsoftがわずか189ドルでChromebookのライバルを発表したことを覚えているだろうか?

Goのフットプリントは小さく、したがってコンビネーションとなるキーボードも小さい。これは大量の入力には不向きだ。Microsoftのセールス担当者はノートはパソコンとしても使えると力説していたが、理想的とはいえないだろう。一方、飛行機の座席の背もたれから引き出すテーブルにはピタリのサイズだし、バッテリー駆動時間も9時間があるのでたいていのフライトでは充電なしでも使えるはずだ。今のところキーボード兼用ケースは製品にバンドルされていない。これが必要なら99ドルで別売となる。

その他気づいた点をいくつか。Surface独自規格の接続ポートは残されていた。すべてのポートがUSB-CになっていくトレンドにもSurfaceから独自ポートが廃止されるのではないかという観測にも反する結果となった。充電ポートはUSB-CだがSurface Connectはレガシー・デバイスをサポートするために残されたのだという。多くのユーザーにとって新しいSurfaceはすでに二代目、三代目になるはずなのだが。

Surface Goの出荷は8月6日になる。OSは標準でWindows 10 Sを搭載する。つまりMicrosoftは教育市場を重視していることを強く示唆する。それでもこの価格は平均的な公立学校には手が出ないかもしれない。しかし全員にiPadを購入できるような予算がある学校の場合は歓迎すべき価格になるだろう。

10 Sの制限を受けたくない場合は標準のWindowsに切り替えることができる(これは一度だけ可能)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+