マイクロソフトは、Surface RTを今後は単に”Surface”と呼んで欲しいと本気で考えている

Microsoftは、同社のタブレットSurface RTを、ただの “Surface” へと名前を変えた。部分的に名前を削ったと言うべきかもしれない。Surface RTは発売後1年間市場で苦戦を続けてきた。今は新しくてかなり良くできたSurface 2にほぼ置き換えられた。

しかしMicrosoftは、当分の間、おそらく在庫整理のために、価格を下げてSurface RTの販売を続ける意向だ。つまり今は3種類のSurfaceデバイスを買うことができる。Surface [RT]、Surface 2、およびSurface Pro 2だ。

なぜ名前を変えたのか? 消費者はそれがSurface Proとどう違うのか等々、わからず混乱していたに違いない。Microsoftは、“今月始めにはっきりとそれを認めた。Microsoftは名称変更に関する声明をThe VergeのTom Warrenに送り、そこには「当社の新しい製品群の命名体系との一貫性を保つために、Surface RTは “Surface” と呼ぶことにした」と書かれていた。

Tomはもう一つ今私が確認中のことを発見した。新しいWindows RT 8.1デバイスにはデスクトップ・タイルがない。どうやらMicrosoftはこれを隠してしまったようだ。私は不満だ。MicrosoftがWindows RT 8.1からデスクトップを消そうとしている。

次はおそらくこうなる。Microsoftはメトロ化したバージョンのOfficeを発表し、Officeを立ち上げてもデスクトップに行かなくなる。かくしてWindow RT 8.1では、平均的消費者がデスクトップに行くことは、スタート画面にタイルを追加しない限り決してない。これは事実上、Windows RT 8.1のデスクトップが〈終った〉ことを意味している。

感傷的、と言われても仕方ないが、製品視点から考えても正しいこととは思えない。この変更についてMicrosoftに問い合わせているので、確認がとれ次第続報する予定だ。

トップ画像提供:Vernon Chan

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(翻訳:Nob Takahashi)


マイクロソフト、Surface RTのWindows RT 8.1アップグレード問題に対応中

Windows RT 8.1アップグレードは、Microsoftがごくわずかの割合のSurface RT所有者の新OS移行で起きている問題を解決するまで、凍結されている

今日(米国時間10/21)Microsoftは、この問題について新たな声明を発表し、プログラム中のバグはSurface RT所有者だけに影響することを明らかにした。同社の推定によると、アップデートしようとしたSurface RTユーザーの約0.1%が問題に遭遇している。しかし、不良コードがマシンを無用の長物にする可能性を考えると、このパーセンテージは高すぎると言わざるを得ない。

Windows RTにはトラブルの過去があり、自社製ハードウェアの所有者が、自社製オペレーティングシステムのバージョンから次期バージョンへとアップグレードする最中につまづくことは、信じがたい醜態である。問題を何日も引き延ばすことは致命的であり、同社は迅速に解決するべく取り組んでいる。Micosoftは、デバイスを動作可能な状態に復旧させるためのWindows RTリカバリーイメージを公開している。

以下にMicrosoftの本件に関する声明の全文を引用する。

Windows RT 8.1へのアップグレードに際して起きている状況について調査したところ、現時点でWindowsアップデートの問題の影響を受けているのはSurface RTユーザーのみであることがわかりました。影響を受けているのは、Windows RT 8.1をインストールしたSurface RTユーザーの1000人に1人以下(0.1%以下)ですが、これらのシステムをできる限り早く復旧することは、当社の第一優先事項であります。当社はリカバリー用プログラムをダウンロード提供すると共に、Windows RT 8.1アップデートを再びWindows Storeに掲載するべく引き続き作業いたします。ご不便をおかけしていることをお詫びいたします。今後のアップデートは準備ができ次第提供いたします。

これはMicrosoftがWindows 8.1を公開する上で最も避けたかったことだろう。修正にいつまでかかるのか注目したい。

トップ画像提供:Vernon Chan

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoftは、Windows RTの死を認めようとしない

Microsoftは苦しい立場にいる。Windows RTは溺死状態だ。しかしMicrosoftでは,無数のSurface RTタブレットが倉庫でほこりをかぶっている。そこでBalmerと仲間たちは、Appleに対する無知な戦いを続け、遥かに成功しているiPadと比較するテレビCMを作った。

ネタバレ:Surface RTは勝者であると宣言される

以前のCMと同じく、Surface RTのiPadとiOSに対する正当な優位性が繰り返し語られる。そして多くの場合、Microsoftは必ずしも嘘を言っていない。Surface、そしてWindows RTは、iPadに対して明確な優位性を持っている。一見、Windows RTは、iOSよりも生産性が高く進歩的に見える。しかし、スタート画面を何度か左右にスワイプしてみると、その新奇性は廃れる。

もちろんMicrosoftは、iOSに見られるようなアプリをWindows RTで揃えることに失敗している。

Windows RTは、初めから敗者だった。そして今、Asusが市場を引き上げ、このWindows 8の弟分は急速に存在感をなくつつある。Asusが去り、残るWindows RTハードウェア製造者は、DellとMicrosoftだけだ。Samsung、HTC、HP、およびLenovoは以前にWindows RTタブレットの計画を取り下げている。

「これは我々だけの意見ではない。業界全体がWindows RTは成功していないとという意見だ」とAsusのCEO Jerry Shenは、Wall Street Journalに語った。

現時点でWindows RTの支持は急速に消滅しつつあり、Microsoftは、スペックだけで購入する疑うことを知らない消費者を相手に失敗作のタブレットを押し付けようという仕打ちをしている。WIndows RTの製品区分は早々になくなり、現在のわずかなデベロッパーサポートもすぐに後を追うだろう。消費者の手に残るのは過去の遺物と化したタブレットだけだ。

6月に私が書いたように、Microsoftよ、Windows RTをあきらめろ

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Microsoft、誰もSurface RTを欲しがっていないことをようやく認める

Windows RTは失敗作だ。われわれは最初からそう言っていた。本誌だけではなかった。Windows RT、より具体的には生後9ヵ月のMicrosoft Surface RTに好意的なレビューを探すのは非常に困難だ。そして今Microsoftは、自社の最新収支報告で、ついにわれわれが正しかったことを公に認めた。

同社は前四半期に9億ドルという巨額の減損処理を、売り残ったSurface RTのために行った。もっと多くを物語るのは、Microsoftがこの損失を公表したという事実だ。それほど膨大だった。同社は投資家に向けて、なぜウォール街の予測を達成できなかったかを説明する必要があった。

悲しいかな、悪いのはSurface RTのハードウェアではない。むしろタブレットそのものは美しいマシンだ。スマートで堅牢でまさしく素晴らしい。これを手に取って感心せずにはいられない。Surface RTのデザイナーとエンジニアたちは自分たちの作品に誇りを持つべきだ。彼らの責任ではない。

Windows RTは消費者向け製品として存在すべきではなかった。それは、iPadや市場に溢れる数多のAndroidタブレットに対する反射的行動の産物だ。それは、Microsoftが立ち去るるべきだった戦場に放った一撃だった。Intelが、ARMチップの長所の大部分を迅速に同社のx86ラインに導入しているのに対し、Microsoftは、Windows最大の利点である従来アプリとの互換性を捨てた製品を作るのを我慢できなかった。Surface RTは、この失敗が約束されたエコシステムの不幸な部分だった。

Surface製品群はMicrosoftにとって大きなリスク要因だった。同社にとってオールインワンPCは全く初めての試みだ。そしてある意味で、それは成功した。Surface RTおよびProは、Windows 8タブレットに多くの注目を集めた ― HP、Dell、あるいはSamsungがやるよにもずっと多く。この強力な製品ラインは、多くの消費者向けエレクトロニクス企業に対してメッセージを放った。なにしろMicrosoft ― 歴史的にソフトウェア第一の集団 ― が自身で第一級ハードウェアの製作に取り組んだのだから。

Surface ProとRTがなければ、Windows 8タブレットの世界は陳腐で生気のないものになっていただろう ― Windows 8ノートPCのように。

あらゆる兆候が近々発表される新しいSurface製品ラインを指している。そして今日のニュースにもかかわらず、Microsoftが第2世代のSurface RTをさらに大きく価格を下げて発売する可能性は十分にある。結局Microsoftは、たとえ誰も買いたいと思わない製品であっても、やりたいことは何でもやる会社なのである。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Surface RTが値下げ―こういうニッチ・ハードウェアは成功しそうにない

私はSurface Proの大ファンだ。今まで使ったなかで最高のWindowsマシンだと思うし、持ち歩いて使うのが非常に楽しい。一方でSurfaceRTはダメ製品の典型だと思う。

今回、RTはすこし安いダメ製品になった。

この日曜日、Nvidia Tegra 3O搭載のRTが150ドル値下げされて349ドルになった。Windows 8で走るソフトのごく一部しかRTでは走らないのでそのリストは短い。Surface Proは900ドルから1000ドルの価格帯で変わりなし。

RTには今後QualcommのCPUが搭載され、LTE接続もサポートされるようだ。しかし価格の推移を見る限り、Proのセールスは好調だがRTは苦闘しているようだ。

ニッチのハードウェアにもチャンスはある。OS XはiOSと、AndroidはChrome OSと共存できる。これらのOSの間には明確な役割分担があるからだ。しかしRTというのはWindowsの機能制限版、いわばWindows Liteで、ほとんどのユーザーにとって受け入れがたい製品だ。

Windows PhoneベースのタブレットならWindows 8と共存することは可能だろう。しかしRTはそのブランド戦略と機能、ことにWindows 8との互換性の欠如という問題のせいで多くの消費者に受け入れにくいものとなっていると思う。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


MicrosoftがiPadをけなすCMをリリース―Windows 8タブレットがダメな理由がよく分かる

自社の製品が市場で遅れを取っていれば苛立たしいだろう。トップの製品にケチをつけたくなる気持ちは理解できる。最近、検索とメールでGoogleに食ってかかったMicrosoftが今回はタブレットでAppleをけなした。最新Windows 8タブレットのCMはiPadを横に並べてWindows 8タブレッtがいかに優れているか主張するものになっている。Asus VivoタブレットはiOSにできないことがたくさんできるというのだ。

MicrosoftはSiri風の音声を使って(ごくありふれた女性の声の合成音声だからこれは別に難しくない) 、Windows 8タブレットにできてiPadにはできないことを数え上げている。しかしそのセリフがあまりわかりやすくない。たとえばWindows 8のSnapマルチタスク・モードでPowerPointをデモしている場面でiPadが「私はそんなアップデートがありません」というのだが、私はしばらく考えてしまった。最後に価格の比較になってAsusのタブレットの方がずっと安いと訴える。

単にSiriに喋らせるというアイディアが弱く、セリフもまずいというだけはない。最大の問題は、Microsoftが選んだ「Windowsタブレットにはこれができる」というその機能が、なぜWindowsタブレットが市場で受け入れられないかを浮かび上がらせてしまったところにある。一般のユーザーはタブレットにマルチタスクでPowerPointのスライドを作る機能などは望んでいない。そういう作業のためには普通のコンピュータを使う。

CMの最後のシーンが最悪だ。Siriの声が「PowerPointはできません。Chopsticksなどをプレイしてはどうですか?」と言う。しかし競争相手をやっつけたいときに、iPadがいかに驚異的にリアルなバーチャル体験を提供できるかを見せるのはまったくの逆効果だろう。自分の製品がデモできる同等のユーザー体験がないなら特にそうだ。楽器やゲームなどの楽しい体験に対して(いくら実用性があるとはいえ)真面目くさった作業を並べて見せても市場の大勢を変えるのは無理だろう。

この記事は掲載当初Asus VivoタブレットをSurfaceと勘違いしていた。訂正済み。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


MicrosoftがiPadをけなすCMをリリース―Windows 8タブレットがダメな理由がよく分かる

自社の製品が市場で遅れを取っていれば苛立たしいだろう。トップの製品にケチをつけたくなる気持ちは理解できる。最近、検索とメールでGoogleに食ってかかったMicrosoftが今回はタブレットでAppleをけなした。最新Windows 8タブレットのCMはiPadを横に並べてWindows 8タブレッtがいかに優れているか主張するものになっている。Asus VivoタブレットはiOSにできないことがたくさんできるというのだ。

MicrosoftはSiri風の音声を使って(ごくありふれた女性の声の合成音声だからこれは別に難しくない) 、Windows 8タブレットにできてiPadにはできないことを数え上げている。しかしそのセリフがあまりわかりやすくない。たとえばWindows 8のSnapマルチタスク・モードでPowerPointをデモしている場面でiPadが「私はそんなアップデートがありません」というのだが、私はしばらく考えてしまった。最後に価格の比較になってAsusのタブレットの方がずっと安いと訴える。

単にSiriに喋らせるというアイディアが弱く、セリフもまずいというだけはない。最大の問題は、Microsoftが選んだ「Windowsタブレットにはこれができる」というその機能が、なぜWindowsタブレットが市場で受け入れられないかを浮かび上がらせてしまったところにある。一般のユーザーはタブレットにマルチタスクでPowerPointのスライドを作る機能などは望んでいない。そういう作業のためには普通のコンピュータを使う。

CMの最後のシーンが最悪だ。Siriの声が「PowerPointはできません。Chopsticksなどをプレイしてはどうですか?」と言う。しかし競争相手をやっつけたいときに、iPadがいかに驚異的にリアルなバーチャル体験を提供できるかを見せるのはまったくの逆効果だろう。自分の製品がデモできる同等のユーザー体験がないなら特にそうだ。楽器やゲームなどの楽しい体験に対して(いくら実用性があるとはいえ)真面目くさった作業を並べて見せても市場の大勢を変えるのは無理だろう。

この記事は掲載当初Asus VivoタブレットをSurfaceと勘違いしていた。訂正済み。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoft自製のSurface RTが日本で3月15日に発売

Microsoftがスマートフォン、タブレット市場に乗り遅れ昨年から挽回を試みている。そして本日、Microsoftはタブレット端末、Surface RTの国内販売日が3月15日と決まったことを発表した。価格は32GBモデルが49,800円、64GBが57,800円だ。

Surfaceはアメリカでは昨年10月に販売され、Microsoftのハードウェア事業参入ということもあり、話題になった。初期ロットは予約しかし、Surfaceの販売台数は非公開のもののアナリスト達はかなり大幅に販売台数を下方修正している。

現在Surfaceが販売されているのは、アメリカ、中国、イギリスなど比較的タブレットが浸透している地域なので、先進国の中ではタブレット保有率が低い日本で巻き返しを図りたいところだろう。

Surface RTのレビューはすでにたくさんあるが、ご存じない方のため簡単に紹介しておこう。

搭載されているOSはWindows RTで、タイル上のインターフェイス(メトロUI)が特徴的なWindows 8をモバイルに最適化したOSだ。スマートフォンのように常時インターネットに接続できる。常時接続ができるとバッテリーの駆動時間が心配だが、Surfaceは最大約8時間使用可能だ。

画面サイズは10.6インチなので、iPadの9.7インチよりやや大きい。

SurfaceとiPadとの最大の違いはPCのように使える点だ。搭載OSであるWIndows RTはタブレットととしてはもちろん、他のタブレットではPCのように使いにくい点もカバーしているという。また、標準でOffice 2013 RTもインストールされている。

PCとしても使いやすいようにSurface RTのタブレットカバーにはキーボードとしての機能もある。他にもUSBポートやmicroSDのスロットなんかも付いている。

さて、MicroSoftがハードウェア事業に参入すると、これまでパートナーとしてWindowsのハードウェアを製造していたメーカーとの関係はどうなるのか気になるだろう。MicroSoftが販売する方が互換性は良いだろうし、何よりインパクトがある。

この点に関しては、今までと変えるつもりも無いし、これからもパートナーとして協力していく、と日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏はいう。Windows 8搭載のデバイスはすでに約250種類も市場にあるため、その中の1つとして考えてもらいたいとのこと。

また、Windows製品の中で競争をするというよりはWindows陣営とその他(Android、iOS)との勝負だと思っているそうなので、Surfaceを含めトータルでWIndowsが盛上がることが重要なのだろう。

発売時期がアメリカよりも半年ほど遅れたの理由に関しては色々な理由が考えられるが、樋口氏によるとWindowsストアの充実という点も考慮したという。

Windowsストアのアプリ数は公開されていないものの、AndroidのGoogle Play、iOSのApp Storeに比べるとまだまだアプリの数が少ない。そのため、パートナーのメーカーがデバイスを販売し、Windowsストアを利用するユーザーの拡大と同時にデベロッパーの数をある程度増やしてからSurfaceを販売したかったようだ。

その他、商用利用が可能なOffice 2013 RTをプリインストールしておくことも重要なポイントだったようだ。

3月15日の発売に向け、Surface RTとWIndows 8のテレビCM、屋外などで過去最大級のマーケティングを行うという。

なお、Surface Proの発売はまだアナウンスされていない。

MicrosoftはWindows 8タブレットのアプリのエコシステムの確立を急げ

Screenshot (4)

私はWindowsユーザーだが、外出するときにはMacBook ProかiPadを使っている。Windows環境にもこれらに匹敵する優秀なモバイル・デバイスがぜひとも欲しいと考えている。しかし発表からかれこれ3ヶ月になるが、いまだWindows 8タブレットは買いたくなる理由に乏しい。

満足なキーボードもついていない11インチのデバイスでOfficeを動かしたいユーザーはどれくらいいるだろう?

Microsoftの代弁者はOfficeが作動することをWindows 8タブレットの最大のセールスポイントとして挙げる。それは事実だ。そしてたぶん唯一の〔Windows 8タブレットを買うべき〕理由だろう。 しかし問題は本当にOfficeが必要なのかどうかだ。

考えつくかぎりのありとあらゆる機能を満載したワープロや表計算ソフトを満足なキーボードもついていない11インチのデバイスで動かしたいユーザーはどれくらいいるだろう? なるほど、そういうユーザーもいるかもしれないが、それならSurfaceタブレットよりウルトラブックの方がずっと目的にかなっている。

何度も繰り返されてきた注意だが、Surface RTにはWindoes RTが搭載されている。Windows RTはARMプロセッサ向けに書きなおされたOSで、標準の〔Intelプロセッサ向け〕WindowsソフトはSurface RTでは動作しない。ChromeもSpotifyもその他あらゆる標準Windowsプログラムがインストールできないのだ。さらに悪いことに、Microsoftのストアに並んでいるアプリはiOS/Androidのストアに較べてガラクタばかりだ(TechCrunchアプリもあるが、これもひどい)。Surfaceの信者でさえRedditでアプリに不満を漏らしているほどだ。

Screenshot (3)

一言でいえば、MicrosoftはSurface RTにエコシステムを与えず、立ち腐れさせようとしている。

「ウェブにアクセスできるだけでは十分ではない。どんなサイトもアプリ化してホームページに追加できなくてはならない」とMicrosoftは主張した。

2011年にRIM(現BlackBerry)がPlaybookをアプリなしでリリースして失敗したことをみてもわかるとおり、それは事実だ。1年後にBlackBerryがAndroidアプリが簡単に移殖できるようにしたことでやっとPlaybookに勢いがついてきた。BlackBerry 10 OSのリリースに際してはアプリの充実を図るために最大の努力が払われた。先週のローンチ時点ですでに7万のアプリが用意されている。Windows RTはリリース以来3月もたっているのに、依然アプリの数で負けている

BlackBerryがBB10のアプリを揃えるために力を入れてきたことはよく知られている。BBは人気アプリをBB10のためにポーティングしてもらうためデベロッパーに金を払ったと聞いている(その点ではMicrosoftも似たようなことをしているが)。またBBは社内で大量のリソースを振り向けてアプリの移殖を行ったようだ。BB10のエコシステムを成立させるためにBlackBerryはなりふりかまわずあらゆる努力をしているが、現代のモバイル・システムの価値はそのアプリの質と量によって決まるのだから当然のことだ。

私はSurface RTを好きになろうと務めてきた。しかしSurface RTのオーナーは今後も相当期間、劣悪なエコシステムに苦しめられることになりそうだ。Microsoftには自分の脚を撃つような真似を止めて早くRTオーナーの苦痛を軽減してもらいたい。

Surface RTのオーナーは今後も相当期間、劣悪なエコシステムに苦しめられることになりそうだ。

Surface RTのユーザーは本来のアプリの不足からジェイルブレーク(脱獄)を余儀なくされている。現在オープンソースのアプリをWindows RTにポーティングするためのコミュニティーもできている。しかし言うまでもなくそうしたアプリは公式のWindows Storeには登載されない。それにポーティングされるアプリはWindows 7以前の伝統的なアプリでタッチ・アプリではない。大部分のユーザーはそんな手間をかけるのに飽きてしまうだろう。

Screenshot (2)

iPadはハードウェアの能力だけであのような偉大なデバイスになったのではない。iPadを通じて新しいコンテンツにアクセスする道が大きく開かれたことが大きい。他のプレイヤーも自らの保有するコンテンツのポータルとして独自のデバイスを開発することのメリットに気づいた。最初の例はB&NのNook Colorだろう。その後、Amazon、 Google、BlackBerryが続いた。しかしMicrosoftは頑なにそれに続こうとしない。

Surface RTは、いやそれを言うならSurface Proも、ハードウェアとしては画期的だ。フルサイズのUSBポート、microSDスロットを備え、Proの場合にはWacomのファンタスティックなアクティブ・デジタイザー・スクリーンを装備している。未来からのマシンだ。しかしハードウェアの先へ進むと一挙に事情が変わる。特にWindowsRTの場合ARM専用マシンという制限からあらゆる魅力が失せてしまう。

Microsoftは消費者向けエレクトロニクス市場が新しいルールで動いていることをいまだに理解できていない。ウェブにアクセスできるだけではない十分でないのと同時に、ハードウェアだけでも十分ではないのだ。優秀なアプリを待って始めて消費者を満足させる体験を完結できる。それがiPadを始めAppleのすべてのモバイルデバイスがあのような成功を収めた理由だ。Androidがモバイル戦争の多くの局面で勝利しつつあるのも同じ理由だ。Microsoftがアプリのエコシステムを確立できないかぎりARMベースのSurface RTの行く手は明るくない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Windows 8フルバージョン搭載のMicrosoft Surface Proが2月に北米市場に登場へ―64GB版が899ドルから

SurfaceProRight

いくらなんでもそろそろ出てもいい頃だった。

MicrosoftはSurfaceシリーズを去年の6月18日に発表した。8ヶ月も待たせた後、Microsoftはフル機能のWindows 8を搭載したIntel版のSurfaceProをアメリカ、カナダ市場で2月9日から発売すると発表した。

Surface ProはSurfaceシリーズのトップ・オブ・ザ・ライン・モデルだ。499ドルでWindows RTを搭載した従来のモデルとは異なり、899ドルの Surface Proは標準のWindows 8が走る。ウルトラブックに搭載されていてもおかしくないハイパワーのCPUだ。簡単にいえば、Surface Proは「まとも」なマシンである。

MicrosoftはSurface ProをWindows 8タブレットの標準機として開発した。Microsoftとしては止むを得ない選択だったといえるだろう。HP、Dellなどの昔ながらのパートナーにすべてを委ねるのがイヤならデバイスを内製する他ない。ライバルのWin8タブレットの出来栄えを見ると、内製は正しい選択だったと分かる。

Microsftが昨年夏にロサンゼルスでSurfaceを発表したとき一番ショックを受けたのはWindowsマシンのOEMメーカーだっただろう。Microsoftが一夜にしてパートナーから深刻なライバルに変貌してしまったからだ。

もっともSurfaceがWindows 8タブレット市場を支配していると言ってはいいすぎだろう。HPとSamsungもまだ死んだわけではない。爆発的な売れ行きではないにせよ、SurfaceはWindows 8タブレットの存在に注意を集めるには役だった。Surface Proのローンチでいよいよパーティーが始まりそうだ。

しかし私自身はSurface RTのファンではない。3ヶ月前にレビューしたが、アプリの数が少なすぎ、タッチカバーのデザインが貧弱であることにすぐに気づかかざるを得なかった。数週間前からさらに長時間テストした結果は一層いらだたしいものだった。まずハードウェアのパフォーマンスが悪すぎる。Windows8の能力は驚異的だが、ARM CPUのSurface RTはこのOSを作動させるだけで手一杯だ。Surface Proなら今私が列挙した欠点のほとんどが解消されているだろう。私はWindowsユーザーなのでSurface Proには多いに期待している。私はLogitechがiPad用に作っている超薄型キーボード兼用カバーをSurface用に作ってくれればいいと思っている。

2月9日の北米発売が楽しみだ。Microsoftストア、microsoftstore.com、Staples、アメリカのBest Buy、カナダのFuture Shopで発売となる。64GB版が899、128GB版が999ドル。どちらもSurface Pen Touchカバーがついて くる。Typeカバーはそれぞれ119ドル、129ドル増し。

それからSurfaceには新しいアクセサリがついてくる。 3種類の限定版のTouchカバーと―なんとマウスだ。タブレットにはマウスがつきもの―なのだろうか? ともあれ、初めてSurfaceにわくわくさせるような製品が登場した。Windows 8ユーザーには朗報だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+