Dell、2画面のSmart DeskコンセプトでSurface Studioに対抗 ― ダイヤルもある

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アップデート:なんと、このコンセプトは2014年のものだった。しかしDellは、今はこれが実在していて1月のCESでは見られるだろうと私に言った。乞うご期待。

先週Microsoftは、Surface Studioの発表で多くの人々を魅了した。デスクトップとタブレットのハイブリッドで、賢くてスマートなダイヤルインターフェースを備えている。Dellも同じ路線を考えているようだ。なぜなら非常によく似た製品コンセプトを紹介したからだ ― ダイヤルまでも。

Adobe Maxカンファレンスのキーノートに先立って上映されたビデオは、DellのSmart Deskが、Surface Studioと同じような状況で使用されている様子を映し出していた。イラスト、写真、ビデオ編集、両手を使ったメディア操作等だ。

「人の考えは自然なかたちで紙に移せる。しかし、自然に浮かんでくることと、デジタルに作ることの間にはギャップがある」とビデオは説明する。

これを言うのは少々時期尚早だ。Dellのデバイスがまだコンセプトなのに対して、Microsoftは既に早期テスターに触らせているのだから。恐らくナレーションをやり直す時間がなかったのだろうから、言い分は認めておこう。

もちろん全く同じではない。Microsoftのソリューションが、高解像度タッチ&ペン入力タブレットに変形させているのに対して、Dellは2つを分離した。ビデオには2画面構成の配置しか出てこないことから、このタッチスクリーンはアクセサリーであって、スタンドアロンのパソコンではないと思われる。

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上のビデオでSmart Deskが使っているモニターと、別のビデオでに出てくるモニターは違うので、一体化したシステムではなくアクセサリーとして作られていることは明らかだ。Adobeがパートナーであることは間違いなく、このマシンの特徴を生かしたワークフローやレイアウトを両社で協力して考えたのだろう。

来年公開予定のWindows 10 Creators Updateの新機能を利用していることは明らかで、Dellならリリースのずっと前から情報を知っていただろうが、Microsoft Surface Studioとダイヤルインターフェースについて、Dellがどこまで知っていたのかは不明だ。

Dellのプレスリリースによると、Smart Deskは「未来の作業場所のコンセプト」だと説明しているので、仕様、価格等の詳細は残念ながらわからない。おそらくMicrosoftの撒いた餌に誰かが食いつくのを待っているのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

これがSurface Studioだ―MicrosoftがWindowsイベントでオール・イン・ワンPCと新入力ツールを発表

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今日(米国時間10/26)、開催されたWindowsイベントでMicrosoftは新しいオール・イン・ワンPC、Surface Studioを発表した。28インチ、3対2のPixelSenseディスプレイはMicrosoftによればこのサイズで史上最薄だという。CPUはIntel Core、NVIDIA GPU、 2TBのハイブリッドHDD、2.1スピーカーを内蔵する他、ハプティック・フィードバックを内蔵したホッケーパック型のツール、Dialが発表された。

MicrosoftのSurface責任者、Panoss Panayは「ディスプレイのヒンジには独自のメカニズムが採用されており、自由に角度を調節できる。これはコンピューター上でクリエーティブな処理を必要とするユーザーを満足させるはず」と述べた。Panayによればコンピューター操作上の「根本的な変革」だという。

Studioは11点タッチスクリーン、32GB RAM、メカニカルなハードディスクとSSDを組み合わせた2TBのハイブリッドHDDを備え、入出力としては4基のUSB 3.0ポート、イーサーネット、オーディオ、SDスロット、Mini DisplayPortが利用できる(Thunderboltポートはない)。同時に発表されたホッケーパック型の入力デバイス、Surface Dialにはユーザーの手に振動を伝えるハプティック・フィードバックが組み込まれている。クローム製のパンタグラフ状の支持部でディスプレイと連結された長方形の箱型の本体にはスピーカーやHDDが内蔵される。

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Surface Studioのディスプレイは「可能な限りの没入感を与える」とPanayは述べた。画素数は1350万ピクセル、解像度は192 PPIでどの位置から見ても個々のピクセルが判別できることはないという。MicrosoftはこのディスプレイをTrueColorと名付けており、Panayによれば「(クリエーターが)世界を見るとおりに…レンダリングできる」ということだ。

このディスプレイは作業中にカラースペースを切り替えることができる。たとえばDCI-P3カラースペースで作業している映画の製作者はその場でsRGBカラースペースに切り替えてP3をサポートしていない一般ユーザーのテレビで作品がどう見えるか確認することができる。

またこのディスプレイはTrue Scaleという実物大表示を備えている。「このディスプレイは現実世界で1インチのものを1インチに表示できる」とPanayは述べた。つまりA4サイズの紙の印刷物が同サイズでスクリーンに表示される。

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ディスプレイと下部の本体を接続するのは2本のクロームのパンタグラフ式アームで、ヒンジのメカニズムは独特だ。クリエーターはディスプレイを水平近くまで倒すことができる。Panayは「背景に溶け込ませることもできる」と述べたが、kこのディスプレイの大きささを考えるとむしろマーケティングのレトリックに近いだろう。

Studioには「リニア・マイク・アレイ」(linear mic array)が組み込まれており、ユーザーが部屋の反対側にいても音声を拾う。Windows 10のCortanaアシスタントのおかげでStudioはAmazonの人工知能スピーカー、 Echoのような便利さを備えた。

Surface StudioはSurface Penをサポートする。ディスプレイをほぼ水平に倒せるヒンジと組み合わせればグラフィックスのプロには極めて大きな効果が期待できるだろう。後述する円筒形のSurface Dialデバイスも巧妙なツールで、多くのアプリで利用できる。

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ヒンジのユニークなデザインはディスプレイを垂直から水平まで抵抗なく動かすことができる。Surface Pen、実物大表示のTrue Scale機能を組み合わせるとデザイナーなどのクリエーターには理想的なツールとなるという。レイテンシーはほぼゼロでペンはフルスピード動かせる。つまり実物大のバーチャル・ペーパーに自由に絵や文字を描けるわけだ。

ステージ上でPanayはSurface Dialを披露し、使い方をデモした。このホッケーパック式の新しいデバイスは要するにマイクやキーボード同様、入力ツールだが機能はまったく新しい。Dialはキーボードやマウスと同様、グローバル・コントロールだ。つまりWindowsのシステム・レベルで作動する。Dialはマウスと同じようにデスク上に置いて使うこともできるし、上の写真のようにディスプレイにタッチさせて使うこともできる。Dialはそれぞれのシチュエーションに応じて異なる機能を発揮する。スクリーンに載せた場合、周囲にカラースケールをダイアル状に表示し、ユーザーに描画色を選択させる能力もある。オフスクリーンで使う場合Surface DiaはSurface Book、Surface Pro 3、Surface Pro 4で利用できる。

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電子コミックのプラットフォーム、Madefireのファウンダー、Ben Wolstenholmeが壇上でSurface Studioのクリエーティブな能力をデモした。WolstenholmeはStudioを使ってその場でコミックの動くサムネールを描いてみせた。Wolstenholmeによれば「これまでこの作業を紙でやっており多くのステップが必要だった。今は同じワークフローを完全にデジタル化し、すべてSurface
Studioに移行した」ということだ。イラストの細部に細部に微妙な彩色をするためにズームアップする操作をDialのショートカットに設定できるという。

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デベロッパーは自由にSurface Dialの機能を設定できる。イベントではオンスクリーンのユースケースがデモされた。これには画面で絵を描きながら、Dialでリアルタイムで描画色を変えたり、表示倍率やツールをその場で変更するところが含まれていた。

Surface Studioは今日から予約を受け付けが開始された。Microsoft Storesに実機が登場して実際に触れてみることができるのは明日(米国時間10/27)からだという。クリスマス商戦には台数限定で出荷される予定だ。価格は2999からとなっている。

〔日本版〕 Surface Studioの日本での取扱計画に関してはまだ情報がない。Surface Dialの価格は99.99ドル。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+