位置測定精度数センチの正確なGPSチップを低コストで作るSwift Navigationが$2.6Mを調達

今やGPSは至るところにある。携帯電話にも、車にも、そしてますます多くの工業製品にも。でも、これまでのGPSは、あまり正確ではない。従来のGPSモジュールの精度は約15フィートで、ナビなどには十分でも、たとえば無人機の航行制御システムにとっては不満だ。

Swift Navigationは、GPSの精度をセンチメートル級にまで高めて、アプリケーションの幅を広げようとしている。しかも同社が開発したGPSモジュールは、従来の同じ精度の競合製品より相当安いので、農業機械、無人機(ドローン)、建設機械などさまざまな応用機器のコストを目立って高くすることがない。

同社はこのほど、260万ドルを調達して、その低価格GPSモジュールが組み込まれる機器の種類をなお一層広げようとしている。この投資を仕切ったのはFirst Round Capitalで、Fall Line CapitalとFelicis Ventures、Kal Vepuri、Lemnos Labs、Qualcomm Ventures、それにVegasTechFundが参加した。

Swift NavigationのCEO Tim Harrisによると、同社のPiksiモジュールは使用部品が安い一般市販品なので、競合製品よりも相当に安くできた。同製品がとくに優れているのはその内部のソフトウェアで、リアルタイムの運動力学技術(real-time kinematic technology)を利用してGPSの測定精度を上げている。

そのGPSチップのサイズは1.5″ x 1.5″で既存のモジュールと変わらないが、精度は相当に高い。そしてこれまでの高精度GPSチップが1万ドルぐらいしたのに対して、Swift Navigationのチップの売価は約500ドルだ。携帯電話など一般消費者製品に使えるほど安いとは言えないが、農業の自動化やドローンの航行などでは新しいアプリケーションの可能性が一挙に広がる安さだ。

同社はそのチップを昨年Kickstarterの資金募集で公開し、その後、数ロットの生産を行った。初期の支援者の多くがUAV(無人機)のファンたちで、彼らはドローンの航行をより正確にしたい、と望んでいた。

しかし今では、顧客は多岐にわたり、中にはFortune 100企業もいる。Harrisによると、そのチップは、これまでお金がかかりすぎてできないと思われていたさまざまな分野、たとえば自動化農業や鉱業でお役に立てる。

これまで約1000のモジュールが300あまりの顧客に売れ、これからは急激に増えることが想定される。得られた資金は新規の雇用と、製品の種類の拡大に充てられる。たとえば近く、そのチップのヘビーデューティー(高耐久性)バージョンを発売する予定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))