iOS 8がリリースされてからのApple App Storeの上位はキーボードアプリが占拠

iPhone 6と6 Plusが今日発売されることによって、Appleの新しいモバイルオペレーティングシステムiOS 8に多くの消費者が初めて触れることになる。そしてユーザは、そのiOS 8の上にApp Storeでどんなアプリをダウンロードするだろうか? 今の状況から見ると、それはキーボードアプリだ。これまで長年iOSのユーザインタフェイスを厳しく取り締まってきたAppleが、ついに門戸を開いた。これからは、ユーザはiOSのデフォルトのキーボードだけでなく、自分の好きなキーボードを選んで使うことができる。人気上位のアプリはSwiftKeyやSwypeで、特に前者はこれまでに100万回ダウンロードされたという。今やそれは、App Storeの無料アプリのトップだ。

そのほかのキーボードアプリも、App Storeの上位にひしめいている。有料アプリではトップファイブのうちの3つがキーボードアプリ(一位Swype; 二位Fleksy; 三位Color Keyboards)、無料アプリでも上位5つのうちの3つがキーボードだ(一位SwiftKey; 二位CoolKey; 三位Kiwi)。どちらのチャートも、20位までにそのほかのキーボードアプリ(複数)も入っている。

しかし、一つ問題がある。これらのキーボードアプリの中には、デフォルトのキーボードに置き換わらないものもある。そういうアプリは説明の中で‘スタンドアロンのアプリだ’と断わってはいるが、これら擬似的キーボードアプリのうちいくつかは、リビューで“泥棒”、“詐欺”と叩かれている。

これらのキーボード偽装アプリは、iOS 8でAppleがキーボードAPI/SDKを公式に公開する以前から、キーボードをカスタマイズしたいというユーザの要望に応える形で存在している。そういう、ちょっとハッキング臭のあるアプリは、ほかにも、ホーム画面を綺麗にしますとか、ロック画面を変えます、“ライブの壁紙”をインストールします、アイコンを変えますなどなど、いろいろあった。しかしその多くは、ユーザの期待を裏切るものだった。なぜなら、これまでのiOSは、カスタマイズのできないOSだったのだから。これらのアプリはせいぜい、カスタマイズの幻想を与えるだけで、iOSの振る舞いを本当に変えるものではなかった。

もちろんユーザはドキュメンテーションの細部を読まないから、そんなアプリを買い続け、それらをチャートの上位に押し上げていた。

iOS 8では正規に(キーボードの)カスタマイズがサポートされるが、しかしそれでも、一部の偽装キーボードアプリはチャートから消えない。たとえば無料アプリの九位”Pimp My Keyboard”は、説明にこう書かれている:“注意: このアプリを使ってキーボードをエディットできるのは、このアプリケーションの中だけです”。

つまり、iOSの正規のキーボードが置き換えられるわけではない。

ご注意: 最近の、色を変えて絵文字を入力/表示できるiOS用キーボードアプリをダウンロードするときは、説明をよく読むように。

新しいiOS 8用のキーボードで、本当にグレートなのを試してみたい人は、本誌TechCrunchのSwiftKey記事Fleksy記事、そしてThemeBoard記事などを、まず読んでみよう。私たちが気に入ったのを、一覧されるのもよろしかろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ギネス記録の高速入力を実現するSwype、日本語にも対応してついにPlayストアに登場

2010年3月に、Swypeはごく限定的なプライベートベータとしてスタートした。スワイプして文字を入力するという驚くべき(今では多くの入力システムで同じ仕組みを採用というか模倣している)仕組みを備えていた。以来、多くの端末にプレインストールされたり、一般公開ベータとして徐々に普及していった。そして1億ドルにて買収されることとなったのだった。いろいろな動きを見せてきたのだが、それでもこれまでβ版であると主張し続けてきた(まるでGoogleのようだ)。

そのSwypeがついに、Google Playストアにてデビューすることとなった。

公開されたのは2種類で、ひとつは無料のトライアルバージョンとなっており、30日間動作するようになっている。もうひとつの方は99セント(日本では99円)の有料版で、こちらはもちろんずっと動作するものだ。将来的には1本にまとめる予定だとのこと。とりあえずアプリケーション内購入の仕組みを実装することによる問題の発生を避けたかったということのようだ。また99セントというのは近々改定する可能性もあるらしい。

2010年6月からベータ版として提供されてきていて、多くの人がインストールしてきていた。しかしベータ版の導入にはいろいろ手間がかかっていた。当初はメールアドレスなどの登録も必要だった(しばらくの後には無用となった)し、予め外部サイトからのアプリケーションダウンロードを可能にしておく必要があった。申し込みからダウンロードまでが完了すると、ようやくダウンロードしたインストーラーを起動して、そして種々設定が行われるという仕組みになっていたのだった。もちろん難しくて手も足も出ないというほどではなかったが、Playストアかで「インストール」をタップするのに比べれば、遥かに困難な道程ではあった。

ようやくPlayストアデビューとなったわけだが、SwypeがOEMによって工場出荷時からインストールされるようにと動いている間に、SwiftKey、SlideIT、ないしShapeWayなどがコンシューマー向けの類似プロダクトをリリースする事態となっている。またAndroid自身も4.2で同様のスワイプ入力をサポートしている。

Playストアデビューが遅すぎたのではあるまいか? あるいはそうなのかもしれない。しかしSwype自身はあまり気にしていないようでもある。

「少し遅かったかもしれませんね。もう少し早く出せれば良かったかもしれません」とNuanceのMobile Product部門VPであるAaron Sheedyがインタビューで述べていた。「しかしスマートフォンはこれからますます普及していくことになりそうです。老若男女を問わずスマートフォンを使う時代が到来しつつあります。Swypeはサポート言語も数多く、世界中のマーケットで受け入れられてもいます。ちなみにサポート言語の数は62言語に及び、またいくつかの方言もサポート対象としています(訳注:日本語にも対応しています)」とのこと。

また、実のところは「遅すぎる」こともさほど問題視してはいないのかもしれない。SamsungやNokiaとのOEMによるSwypeのライセンス販売によって多くの売り上げを上げているのだ。そこから入る売り上げが、最も大きな収入源となっている。

(いったいAppleがこうしたSwype風入力システムを採用するのはいつになるのかと気を揉んでいる人も多いことだろう。Swypeによれば、実のところ毎月のようにAppleの担当者とは会っているのだとのこと。しかしAppleがどうするつもりなのかについては、まだ何も決まっていないようだ)。

ベータ段階からSwypeを使っていたのなら、今回の正式版もこれまで同様に使うことができるだろう。ベータテスト参加者に提供されてきていたさまざまな機能も、今回のリリースにて実装されている。

  • “Living Language”:自動的に新しいトレンドワードを追加してくれる(たとえばシンガポールで利用している場合、Singlishの単語も追加してくれる)。
  • Smart Touch:つい隣接したキーボードに触れてしまうことが多いようなケースでも、Swypeが自動的に適切なキー入力がどちらであったのかを判定する。
  • Smart Editor:入力する文字列によって、利用する単語の予測も行うが、句読点を入力した際には全文を通して入力した単語の確認を行うようになっている。もし文脈的におかしな単語が確定されていたら、その部分にアンダーラインが引かれ、タップにより修正できるようになる。

30日間無料版はこちらから、有料版はこちらからダウンロードできる。

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(翻訳:Maeda, H)