電子商取引の記帳を自動化する会計プラットフォームのSynderが2.2億円調達

Synderのマイケル・アストレイコ氏とイリヤ・カイゼル氏(画像クレジット:Synder)

Synder(シンダー)の共同創業者であるMichael Astreiko(マイケル・アストレイコ)氏とIlya Kisel(イリヤ・カイゼル)氏は、Y Combinatorでの活動を終えると同時に、シードラウンドでTMT Investmentsから200万ドル(約2億2000万円)を調達すると発表した。

このラウンドは、アクセラレータープログラムに参加する前に獲得したものだが、ベラルーシを拠点とする2人は、このマイルストーンを公にするのを待ちたいと考えていた。今回の資金調達は、次の成長と拡大に向け、より多くの顧客を獲得し、知名度を上げ、販売につなげることを目的としている。

同社は、電子商取引ビジネスのための簡易な会計プラットフォームを自称している。もともとは2016年にCloudBusinessとして創業し、中小企業向けの会計の自動化と企業財務の管理のために開発を行っていた。

アストレイコ氏とカイゼル氏は2018年にSynderを立ち上げた。その1年後には、会社の時間をすべて、企業がオムニチャネル販売に移行する簡単な方法の開発に費やした。アストレイコ氏がTechCrunchに語ったように、オムニチャネル販売は、異なる決済システムの高い手数料や複雑さのせいで「大きな苦痛」となり得る。

「市場には多くのソリューションがありますが、会計や商取引に対応しながら経営するには、やはり特別な知識が必要です」とカイゼル氏は話す。「私たちにとって、シンプルであるということは、数回のクリックで連結された在庫、利益、負債にアクセスできるのであれば、それだけの価値があるということです。小規模な企業では、競争のためにそうした情報を共有していないことがありますが、機能的で簡単なものであれば、間違いなく共有するでしょう」。

Synderは、Amazon(アマゾン)、Shopify(ショッピファイ)、eBay(イーベイ)、Etsy(エッツィ)などの販売チャネルを1つのプラットフォームに接続し、ユーザーがワンクリック操作で管理できるようにして企業の重い負担を軽減する。また、さまざまな決済方法をそのまま利用できるように、会計処理の流れを支援する方法も生み出した、とカイゼル氏は語る。

同社はすでに4000社の顧客と取引をしており、今後は事業拡大を急ぐが、会社の成長には適切な人材が必要だとアストレイコ氏はいう。

TMT InvestmentsのパートナーであるIgor Shoifot(イゴール・ショイフォット)氏は、SynderがYCを卒業した後、Synderの役員に加わる予定だという。同氏は、この会社がやっていることのシンプルさを気に入っている。

「最良のソリューションは、経済的で簡潔かつエレガントなものであることが多く、10分で使い始めることができます」ショイフォット氏は付け加えた。「こんなに簡単で、何かをダウンロードしたりインストールしたりする必要のない、似たようなソリューションを提供しているところは本当にありませんでした。また、成長に力を入れている点や、キャッシュバーンがなく、収益を上げている点も気に入っています」。

Synderのビジネスモデルは、サブスクリプション型のSaaSモデルで、無料トライアルから始まり、ユーザーは企業の規模に合わせてプラットフォーム内の追加サービスを購入することができる。

15人以上の従業員が欧州に散らばっており、米国ではマーケティングとセールスの分野で採用を始めたばかりだ。

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi