データのクラウドへの引っ越しを助けるAloomaをGoogleが買収

Googleが今日(米国時間2/19)、企業のすべてのデータソースをGoogleのBigQueryやAmazonのRedshift、Snowflake、あるいはMicrosoftのAzureなどのクラウドサービスに向けて整えるサービスAloomaを買収する、と発表した。Aloomaの仕事は、企業のデータパイプラインをユーザーに代わって管理することだ。また、このデータ統合化サービスに加えてAloomaは、クラウドへの移行を助け、データを掃除して、それらをAIや機械学習で使えるようにする。

Googleのエンジニアリング担当VP Amit GaneshとGoogle Cloud Platformのプロダクト管理ディレクターDominic Preussは、次のように述べている: “Google Cloudでわれわれは、エンタープライズの顧客が容易かつ安全に彼らのデータを弊社のプラットホームへ移行できるよう、お手伝いをしている。もうすぐ買収を完了するAloomaが加わることによって顧客に、Google Cloudへの円滑で自動化されたマイグレーション体験を提供でき、弊社のデータベースサービス全域へのアクセスをご提供できる。それらには、完全な管理を伴うオープンソースのデータベースもあれば、Cloud SpannerやCloud Bigtableのようなソリューションもある”。

この買収の前までにAloomaは、約1500万ドルを調達している。内1120万ドルのシリーズAは、2016年の初めにLightspeed Venture PartnersとSequoia Capitalがリードした。今回の買収は価額等が公表されていないが、Aloomaのこれまでの調達額から考えると、ほどほどの額だろう。

GoogleもAloomaも、既存のプロダクトや顧客の扱いを明示していないし、Googleのコンペティターへの移行もサポートを続けるのか、それも明らかでない。

本誌TechCrunchの問い合わせに対してGoogleは、こんな返事をくれた:

規制当局から買収の承認が得られるまでは、AloomaとGoogle Cloud通常どおりの事業を行なう。しかし完了後にはチームはGoogleのテルアビブとサニーベールのオフィスに加わり、今後われわれは、Aloomaの技術とチームを利用してGoogle Cloudの顧客に最高のデータマイグレーションサービスを提供していく。

コンペティターのサポートに関しては、既存のAloomaのプロダクトは他のクラウドプロバイダーのサポートを継続する。今後受け入れる新しい顧客は、Google Cloud Platformへのデータ移行のみとするが、既存の顧客は他のクラウドプロバイダーへのアクセスを継続できる。

というわけでAloomaは今後、Google Cloudのコンペティターへのデータ移行を求める新規の顧客は受け入れない。Aloomaの既存のユーザーもGoogle Cloudが引き継いで面倒見る、と考えれば、この方針は意外ではない。しかしAloomaでAWSやAzureを使っていたユーザーは、Googleが今後その部分のお世話も引き継ぐとは考えられないので、ほかのソリューションを探すべきだろう。

しかしAloomaの協同ファウンダーたちはこう強調する: “旅路は終わっていない。Aloomaはつねに、あらゆるソースからのエンタープライズデータを標準化して、それをアクションに結びついたインテリジェンスに変えていくための、もっともシンプルでもっとも効率的なマイグレーションパスを提供してきた。Google Cloudに参加したことによって、彼らのクラウド技術が支える、完全なセルフサービスのデータベースマイグレーション体験の提供へ、われわれはさらに一歩近づいた。そこには、アナリティクスやセキュリティ、AI、機械学習などの機能やサービスも含まれている”。

関連記事: Alooma scores $11.2 million Series A to solve data science pain points…データサイエンスの難問を解決するAloooma(未訳)

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LogitechとPlantronicsの交渉は決裂

Logitech Internationalは本日付の声明で、Plantronicsと買収に関する話し合いを行っていたが、交渉を打ち切ったと発表した。

この週末、本誌は両社が22億ドルの買収交渉をしているというReutersの報道を取り上げた。

同社は正式発表以外のコメントを出していない。

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CasioのオールメタルG-Shockが設定やアラームをBluetooth化してややスマート化

Casioが最初のG-Shockウォッチをリリースしたのは1983年だ。その初代は、クォーツモジュールを保護するすばらしい耐衝撃性によって、タフなウォッチのバーを上げた。今やクラシックウォッチだが、2018年の今でもさまざまな機種が売られている。

最近Casioは、このウォッチのオールメタルバージョンを発売した。それはその独特のデザインを維持しつつ、Bluetoothなどのモダンなテクノロジーをフィーチャーしている。スマートウォッチではないが、ちょっとばかしスマートだ。

Bluetoothの機能はシンプルだが一見の価値がある。それを使ってオーナーは、ウォッチの設定にアクセスできる。ウォッチの上のメニューをたどる代わりにスマートフォンのアプリを使って時間を(スマートフォンの時間へ)シンクし、いろんな設定を調整し、アラームやリマインダーをセットする。ウォッチの上のボタンをひとつ押すだけで、アプリが立ち上がる。Bluetoothの接続や設定はスマホ側が全部やるので、ウォッチ側は何もしないでよい。

実際にやってみると、とても新鮮な感じだ。スマートフォンが常時必要なのではなく、必要に応じて接続する。これが時間管理の未来の形なら、大歓迎だ。ぼくは複雑なメカが大好きな方だが、それでも時間帯とかアラームの設定は面倒くさい。アプリがそれをやってくれるのなら、大いにけっこうだ。

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Palette 2はどんな3Dプリンターもカラー化する

Mosaic ManufacturingのPalette 2——オリジナルのPaletteの改訂版——は自己完結のフルカラー3Dプリンティングシステムだ。複数の色のフィラメントを切ったりつないだりして、作品のプリントに合わせてプリンターに送り込む。Splice Coreと呼ばれる独特の内部カッターがフィラメントを適切な長さに切ってプリントに使うフィラメントの色を迅速に切り替える。

プリンターは4色を出力可能になり、好きな色も好きな量だけプリントできる。余分な色はタワーと呼ばれる小さな塊に射出するので、必要に応じて各色をわずかな量でも多くの量でも利用できる。フィラメント切れ検出もあるので長時間かけて大きな作品を作ることもできる。

Paletteは既存の多くの3Dプリンターで使うことが可能で、Paletteや上位機種のPalette Proを使うためにプリンターを改定する必要はない。Canvasという新しいソフトウェアを使うとユーザーはカラープリントの計画を立てて、命令をPaletteとプリンターの両方に送り込める。

Palette 2の価格は449ドル、Proは699ドル。ProはPalette 2よりも高速にプリントできる。

これは実に賢い工夫だ。プリンターに全部の仕事をやらせる代わりに、フィラメントに働かせる。ほぼあらゆるプリンターでPaletteを使うことが可能だが、現在同社は多くの人気プリンターにネイティブサポートをするよう交渉している。スマートフォンのケースや伸縮可能な素材を使ったラバー風ウォッチバンドや教材なども3Dプリントできる。いちばん印象深いのは何か? このシステムを使うと脳の断面図をプリントして腫瘍の部分を黄色で表すことができる。(まだ)完全なフルカラーではないものの、Paletteは低予算でカラー3Dプリントを考えている人にとってはすばらしいソリューションだ。

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あらゆる物のインターネット化を可能にする貼れる/剥がせる薄膜状電子回路

パーデュー大学とバージニア大学が開発した、“小さな薄膜状の電子回路は、物の表面に貼ったり剥がしたりできる”。それは、目立たない(unobtrusive)物のインターネット(IoT)を作るための第一歩だ。そのはがせるステッカーは物の表面の全面に貼ることができ、センサーやワイヤレス通信システムとして利用できる。

これらのステッカーと従来のソリューション〔薄膜トランジスタなど〕との最大の違いは、シリコンウェハーを使わずに製造できることだ。回路全体をステッカーに転写できるので、かさばるパッケージは要らないし、回路は必要に応じて剥がしたりまた貼ったりできる。

パーデューのChi Hwan Lee助教授は語る: “たとえばセンサーを作ってドローンに貼り、事故現場などの危険なガス漏れを検出させることができる”。プレスリリースは、こう言っている:

ニッケルのような延性のある金属を電子回路薄膜とシリコンウェハーの間に挿入すると、水中でも剥がすことができる。これらの薄膜状電子回路は、切って整形し、どんな表面にも貼れるので、物に電子的機能を持たせられる。

たとえばステッカーを植木鉢に貼れば、植物の生長を左右する温度変化をセンスできる。

回路の“プリント”は、回路をまずウエファ上にエッチングし、そしてその上に薄膜を置く。すると、少量の水を使って薄膜をはがすことができ、それをステッカーとして利用できる。彼らはこれらの知見を、Proceedings of the National Academy of Sciences(全米科学アカデミー会報)に発表した。

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iPhoneの速度低下問題で、司法省と証券取引委員会がAppleを共同捜査

米司法省(DOJ)および証券取引委員会(SEC)は、AppleのiPhone旧モデルを意図的に速度低下させたソフトウェアアップデートについての情報開示について共同捜査をしているとBloombergが報じた

本件に詳しい情報源によると、政府は同社のソフトウェアアップデートに関する情報提供の詳細を要求しているという。

現在両当局は捜査のごく初期段階にあるとBllombergは報じている。

本誌はApple、SEC、および司法省にコメントを求めており、情報が入り次第続報の予定だ。

背景を説明すると、AppleはiPhone旧モデルの性能が時間とともに低下していることに気づいた顧客と数多くトラブルを起こした。Appleは、バッテリーが劣化した旧機種で消費電力管理を性能に優先させるソフトウェアアップデートを提供したことを公表させられた。

当然ながら様々な反発がありAppleはアップデートの対応方法について謝罪せざるを得なかった

Appleが追加情報を要求されているのは米国だけではない。ヨーロッパからアジアまで世界の消費者擁護団体が速度低下問題の捜査を強く求めている。

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Apple、自動運転車のテスト車両を27台に増強

Appleが自動運転のテスト車両を拡大している。Bloombergによると、カリフォルニア州DMV(運輸局)に登録された台数は昨年わずか3台だったが、現在は計27台となっている。

車種はすべてLexus RX450h SUV。自動運転システムの開発者に人気の車で、テストのために市販のセンサー類を追加するのが比較的容易であることが理由だ。Appleは昨年7月以来、テスト車両群に新たな車を追加していると記事は伝えている。

以前の記事や機械学習学会誌などから判断すると、Appleが自動運転関連で取り組んでいるのは主にソフトウェアと機械学習だ。Appleがカリフォルニア州クパチーノ本社近くの公道でテストしていた車を目撃した人たちによると、車両の屋根にはセンサーだけでなくコンピューターハードウェアも載っていたらしい。

これが、将来Appleが市販の車に付加するハードウェアを販売することを示唆しているのかどうかは不明だが、同社の取組み規模の縮小や、Tim Cook自身の発言からみても、主な焦点は自動車そのものではなくシステムであることが推測される。

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スマホ中毒の十代は、スポーツやリアルな遊びをする子供たちほど幸せではない(研究結果)

これを聞いて驚く親はいないだろうが、スマートフォンの使いすぎは十代を不幸にする。

そう言っているのはサンディエゴ州立大学の最新研究で、米国の中2、高1、高3生100万人以上のデータを分析し、スマートフォンでソーシャルメディアやゲーム、テキストメッセージ、ビデオチャットなどに時間を費やしている十代は、スポーツをしたりやアウトドアで本物の人間と交流する人たちよりも幸せではないことを示した。

だがこれは、画面を長く見ていると不幸になるのか、それとも悲しい十代ほど自分をバーチャル世界に隔離するのかどちらだろうか? 論文の筆頭著者で心理学教授のJean M. Twengeは、スマートフォンが彼らを不幸にする原因であり、逆ではないと確信している。

「この研究で因果関係を示すことはできないが、複数の研究結果によると、ソーシャルメディアの利用は不幸の原因になるが、不幸がソーシャルメディアの利用を誘発することはない」とTwengeは言っている。

スマートフォンを禁止することで問題が解決するとは思えないが、Twengeの理論にはうなづける面がある。同じくTwengeが指揮した米国疾病対策センターの最近の研究によると、十代少女のうつ病と自殺の増加現象はスマートフォンの利用時間が長いほど多く発生している。

これは見過ごせない。スマートフォンを与えられる年齢が下がり続けていることを踏まえるとなおさらだ —— 2012年の12歳から、2016年には10.3歳へと低下している。

Twengeは90年代始めから十代の行動を研究しており、十代の行動と情動状態がスマートフォンの利用によって急変することを示唆する研究を中心になって進めている。同氏によると、2012年に劇的な変化があり、それはますます低年齢の子供たちがスマートフォンを長時間使うようになった時だという。

今回の研究でも同様の傾向が見られると研究者らは言っている。

この研究結果を裏付けているのが、4時間から5時間以上スマートフォンを使っている子供は自殺のリスク要因が71%も増加すると示唆したTwengeの過去の研究だ。見ているものが猫のビデオでもなんでも関係ない。コンテンツではなく端末を見て過ごす時間が最も重要な要素だという。

「2012年と2016年に生きる十代の違いで何よりも大きいのは、デジタルメディアに費やす時間の長さと、その結果減少した対人活動と睡眠の時間だ」とTwengeは言う。「デジタルメディア利用と幸福の関係を解決する鍵は、利用を制限することだ」。

十代はデジタルメディアに1日2時間以上費やすのをやめて、リアル世界で友達と行動する時間を増やすことで幸福度を高めるべきだと同氏は言う —— おそらくこれは大人にもすべて当てはまることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple発インテリジェントスピーカーのHomePod、2月9日に発売開始

AppleのHomePodが、いよいよ売り出されることになった。発売開始は2月9日で、2017年のWWDCでアナウンスして7ヵ月後の出荷となる。価格は349ドルで、販売開始時はアメリカ、イギリス、そしてオーストラリアでの限定展開となるようだ。

情報元はAppleで、HomePodではSiriも主要な役割を担う。「メッセージの送信、タイマーの設定、ポッドキャストの再生、ニュースやスポーツ、ないし交通情報や天気などの確認を行うことができ、スマートホームを構成する各種HomeKitデバイスのコントロールも行うことができます」とのこと。ちなみにSiriを通じた音楽再生は、当初の情報通りApple Musicに限定されるとのこと。SpotifyやPandoraなどを音声コマンドで操作することはできないそうだ。

外見はWWDCでのアナウンス時点と同様にみえる。高さ7インチで、デバイス上部にウーファーを配置し、低部には7つのトゥイーターが並ぶ。デモ時はなかなかの高音質であったが、スペック的に変更のないことを望みたいところだ。

Appleによれば、リリース後に提供する無償アップグレードにより、複数の部屋で連携してHomePodを使えるようになる予定だとのこと。すなわち、複数のHomePodを家の中のあちこちに配置して、同じ曲を鳴らすことができるようになるわけだ。1部屋に2台を配置して、ステレオスピーカーとして用いることもできるようになるらしい。

HomePodの狙う市場は、AmazonおよびGoogleによって急速に成長しつつあるところだ。Appleは、高音質を武器に殴りこみをかけることになる。ただし価格もかなりの高額となる。AmazonおよびGoogleのデバイスは50ドル以下で手に入る「日用品」としての立場をとっているわけだが、349ドルの値をつけたAppleは「高級品」としての市場展開を狙っているわけだ。ただし機能的にみた場合、少なくとも当初はAmazonないしGoogleのデバイスに劣るものともなっている。

すなわちAmazonおよびGoogleは、プラットフォームをサードパーティーにも提供しており、機能の拡張を許している。Amazonデバイス上であっても、Amazon MusicのみならずSpotifyの機能を利用できるようになっているのだ。Appleも開発者向けにSiriKitなるプラットフォームを用意しているが、サードパーティーのサービスが使えるようにはなっていない。基本的なサービスはAppleによるものを利用するように設計されているのだ。こうした方針が、どのように受け取られるのかはまだわからない部分がある。プロダクトが世に出てから、デバイスをとりまく状況について改めてレポートしていきたいと思っている。

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(翻訳:Maeda, H

任天堂SwitchのプロジェクタードックYesojoは誰もが夢に見たアクセサリーだ

Nintendo Switch用プロジェクタードックYesojoは、同社の昨年のクラウドファンディング努力を本誌TechCrunchが取り上げたときすでに、大きな関心を集めていた。そしてCESでは完動製品が展示され、初期の支援者に発送できるまでに成熟していた。会場で実際に試してみたそのポータブルプロジェクターは、Switchの高解像度のスクリーンをどこにでも映し出すことができ、ブースを立ち去るときでも感動の余韻が心に残った。

YesojoはSwitchの公式のドックとそれほど変わらぬ大きさで、ドックとしての機能もほぼ同じだから、学習曲線はない。200ルーメンのデジタルプロジェクターを内蔵していて、その明るさは電球方式2000ルーメンの家庭用プロジェクターとほぼ同じだ。CESの会場の照明ギラギラの中でも十分にゲームをプレイでき、暗ければもっとすばらしいだろうなと思わせる。

このプロジェクターはバッテリーを内蔵し、約4時間のプレイができる。しかもそのバッテリーは、使用中のSwitchを常時充電しているから、Switch本体だけでもさらに数時間プレイできる。

スピーカーも内蔵しているが、意外と強力で音も良い。CESの会場の騒音だらけの環境で聴いても、はっきり聞こえる。

さらに、HDMIの入力端子があるから、Switch以外の目的にも使える。旅行のときの、必携品になるかもしれない。公私のどちらでも。

小売価格369ドルで近く発売される。Switchのアクセサリとして優れているだけでなく、ポータブルな汎用プロジェクターと考えても安い。USB-Cのアダプターもある。充電はSwitchのアダプターでできるから、コードは増えない。

最初に発表されたときは、良すぎて嘘みたい、と思ったけど、こうして実物のデモを見ると、約束どおり+αだ、ということが分かる。近い内に本格的なレビューを書きたいが、CESでざっと見ただけでも、Switchのファンにはほとんど必須のアドオンだ。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

LGが地図技術のHEREとパートナーして自動運転技術向けテレマティクスに活路を求める

LGは、自動運転技術の勃興を自らの機会として、同社のエレクトロニクス事業を拡張しようとしている。そのために同社は今、ドイツの自動車メーカー連合傘下の地図サービス企業HEREと共同で、自動運転アプリケーションのためのテレマティクス製品を開発している。この共同開発体制により、LGのテレマティクス技術とHEREの位置サービスおよび高解像度地図技術を組み合わせて、自動車メーカーが全自動/半自動車のコミュニケーションハブとして利用できるものを作っていく。

LGはテレマティクス分野の異邦人ではなく、自動車の安全技術やエンターテインメント技術において2013年ごろから業界のリーダーだ。しかし同社は今、さらに高度な先進運転支援システム(ADAS)と次世代型自動運転技術を目指して、HEREと提携した。HEREは今年、Audi, BMW, Daimlerなどから成る自動車メーカーのコンソーシアムに買収され、もっぱらこの分野の技術に奉仕していくことになった。

LGが提供するものはGPS, Bluetooth, Wi-Fi, 今後の5Gも含むモバイルネットワークなどの通信コミュニケーション技術が主体で、自動運転車とほかの自動運転車や、さまざまな情報システム、社内ナビゲーションシステム、そして技術センターなどとの通信を支える。多くのセンサーからの融合データや、クラウドソーシングされる情報、そして既存のテレマティクス情報などが、自動運転システムの主要な構成成分となる。

自動車の分野で自動運転技術の重要性が増すにともなって、今回のLGの例のように、既存技術のサプライヤーや、自動車産業の専門企業ともパートナーすることが、機会を前向きに活かすために必要になってくる。

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Amazonがインターネットに接続されたWi-FiホームセキュリティカメラのBlinkを買収

Amazonが、2014年に創業されて、インターネットに接続されたWi-Fiのホームセキュリティカメラや、今週発表されたテレビドアホンを作っているBlinkを買収した(Slashgearの記事より)。Blinkは最初、その完全にワイヤレスのホームモニタリングシステムのために、クラウドファンディングで資金を集めた。

Amazonはすでにインターネットに接続されたホームビデオカメラや、あるいは鍵製品までも、Cloud CamやAmazon Keyのような形で提供しており、それらは遠隔地から自分ちの門や玄関の様子を見たり、配達の人にドアを開けてやり、また閉めるといったことが可能だ。

ではBlinkがAmazonに何をもたらすかというと、それは、インターネットに接続されたホームモニタリングとセキュリティの専門技術であり、完全に配線不要なので複雑な据え付け工事もなく、日常の利用も電池交換も簡単な製品仕様だ。

たとえばBlinkのDoorbellは、単三電池2本で、通常の使用なら2年は使える。電池寿命に関しては競合製品Ringのワイヤレスドアホンよりも長く、価格も99ドルと安い。モーションキャプチャーや、双方向オーディオ、防水、暗視などの機能は、両社ほぼ共通だ。

このところAmazonは明らかに、‘コネクテッドホーム’(インターネットに接続された家)の分野に関心があり、それはまるで、自社製品Alexa/Echoの大成功に鼓舞されたような形だ。今回のBlinkの買収でAmazonは、Ringや、Alphabet保有のNestなどに動揺を与えると思われる。なぜなら今後ますますAmazonはこの分野で、安くて利便性に富む製品を市場に投じて行くだろうから。

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Amazon Prime VideoがようやくApple TVにやってきた

6カ月前Tim Cookは、Amazon Prime Videoが今年中にはApple TVにやってくると言った。そして今、待ちに待ったアプリがようやくApple TVで使えるようになった。iOSバージョンもアップデートでiPhone Xに対応した。

このtvOSバージョンのネイティブアプリはApple TV第3世代以降で動作する。アプリが見えていないときは、Apple TVでAmazon Prime Videoを検索すれば出てくるはずだ。

このアプリが出てきたことは、Apple TVがAmazonに戻ってくるかもしれない兆候でもある。以前Amazon CEO Jeff Bezosは、Primeサービスに対応していないストリーミングデバイスは販売しないと言った。

「このデバイスにはわれわれのプレーヤー、Prime Videoプレーヤーが載ってほしいし、相応のビジネス条件で実現できることを願っている」とCode Conference 2016でBezosは言った。「もしできなければ、われわれの顧客にはそのデバイスを販売しない。なぜなら、客はPrime Videoを見られると思って買うので、あとで失望するからだ。そして返品する」。

Amazon Prime Videoアプリは、長年Apple TVに欠けていたストリーミングサービスで、Netflix、Huluなどはすでに搭載されている。

あとはAppleがあのひどいApple TVリモコンさえを直しくれれば。

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Amazon AWSがIoTデバイスのセキュリティモニタリングをサービスとして提供

新しいツールや機能がぎっしり詰まった一日〔AWS re:Inventカンファレンス三日目〕の終わりに、Amazonは物のインターネット(internet of things, IoT)のための新しいセキュリティサービスをプレビューした。

IOT Device Defenderと呼ばれるそのサービスは、IoTデバイスのポリシーをモニタし、デバイスの異常動作を見つけ、顧客がそのデバイスに盛りたいと願っている独自のルールや監査のポリシーをサポートする。

顧客がルールを定義しておくと、正常値に対する変動がルールが定める大きさを超えた場合にそれをリアルタイムで検出してアラートする。

またこのサービスは顧客にコンテキスト情報を提供できるので、ダメージが起きた場所や状況を知ることもできる。

デバイスの情報やログ統計などは、それらの異状をアラートで知ることができる。そしてユーザーは、Amazonのこのサービスを通じて、リモートでデバイスをリブートしたり、そのパーミッションを取り消し〜リセットしたり、セキュリティフィックス(応急措置)を行ったりできる。

Featured Image: NicoElNino/Getty Images


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MITとハーバード大学が、安価で超強力な人工筋肉を開発

MITのコンピュータ化学・人工知能研究所は、ハーバード大学のワイス研究所と協力して超強力で低価格の人工筋肉を開発した。この技術を使って自重の1000倍の重量を持ち上げる「スーパーパワー」を持つソフトロボットを作ることもできる。

新しいソフトロボティック人工筋肉は、折り紙からヒントを得たもので、1ドル以下で一般に入手できる材料を使って最低10分で組み立てることができる。「スケルトン」と呼ばれる基本構造を密閉されたバッグで包み、バッグの中を真空にすることによって動作を変えることができる。

内部のスケルトンの部品は様々な材料で作ることが可能で、どう組み立てるか(どう折るか)によって動作が決まる。つまり、内部構造を包む皮膜が収縮したときの折れ方を変えることで、簡単かつ自分の手で「プログラム」できる。

こうしたシンプルさと材料選びの柔軟さによって、この人工筋肉は数ミリから1メートル大まで、全体性能をほとんど変えることなく、様々な大きさのものを作ることができる。筋肉が大きいほど持ちあげる力が増す。プロジェクトのメンバーたちは、いずれ象型ロボットを作って本物の象と同じように働く鼻をつけることを思い描いている。

このソリューションはソフトロボティクスが抱えている課題にエレガントな方法で取り組んでいる。現在ソフトロボティクスの応用分野で使われている他の方法で作られた人工筋肉は、柔軟性、強度などに制約がある。

このテクノロジーの実用的応用例として、医療補助機器、工業用ロボット、宇宙探査、様々なウェアラブル外骨格などが考えられると研究者らは話している。

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このツイートについて何人の人が語って(取り上げて)いるかが分かる測度をTwitterが実験中

Twitterが、個々のツイートの人気を示す、“何人がこれについて語っているか”(talking about)という機能を実験している。この測度は、上図のように、何らかの埋め込みツイートがWeb上のどこかに現れるときに表示され、これまでのリツイートとリプライの合計数をリプレースする。

上図のような埋め込みのスタイルは、TwitterのスポークスパーソンDan Jacksonによると、ささやかな実験にすぎないが、ツイートにもっと多くのソーシャルなコンテキストを付けようとする最近のTwitterの試みの一環だ。

リツイートとリプライの合計数は、Twitterに毎日入り浸っているようなマニア的な人にしか興味がなかったのではないか、もっとふつーの人には分かりにくかったのではないか、という気がする。それに比べれば、何人の人がこの素材に深く関心を持っているか、という単純で直接的な測度の方が一般受けするだろう。

とくに埋め込みツイートは、Twitterにあまり出入りしないユーザーやアドバタイザーズでも目にする機会があるから、関心の拡大努力という点でうまいやり方だ。内部的数値にすぎないものが、客観的評価みたいになるのだ。実験だから、これが本番採用されるかは未定だが、エンゲージメントの測度としてはおもしろい着想と言えるだろう。

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自動運転車のLiDARの能力限界を機械学習で補う方法をAppleが開発

コーネル大学の研究文献目録arXivに最近上程されたAppleのペーパーは、LiDARの配列が集めた原始点群データを、機械学習を利用して、そのほかのセンサーデータを必要とせずに自転車や歩行者などの3Dオブジェクトの検出に翻訳する方法を記述している。

Appleの自動運転技術の開発努力に関して、これほど明快な文献を目にする機会は数少ない。Appleがそれをやってることが分かるのは、カリフォルニア州自動車局に自動運転のテストの許可を申請したことによって同社がそれを認めたからであり、そしてまた、そのテストカーがときどき目撃されたからだ。

しかし同時にまたAppleはこれまで、同社の機械学習の取り組みについては、ややオープンだった。自社のブログに研究を紹介するペーパーが載ったこともあるし、そして今ではより広い研究コミュニティとの共有も行っている。こうやってペーパーなどを公刊する行為は、その分野のトップタレントにとって重要であることが多く、彼らは会社を超えた広いコミュニティと協働して、全般的な機械学習技術を前進させたいのだ。

上の画像に写っているものは、Appleの研究者、とくにペーパーの著者Yin ZhouとOncel Tuzelが作ったVoxelNetと呼ばれる装置で、LiDARの配列が捉えた点の集合からオブジェクトを外挿し推断する。基本的にLiDARはその周囲にレーザーを放射して個々の点の高解像度のマップを作り、オブジェクトに当たって反射された結果を記録する。

しかしこの研究がおもしろいのは、これによってLiDARが、自分が属する自動運転システムの中でより効果的に働けることだ。通常は、LiDARのデータは、光学カメラやレーダー、そのほかのセンサーなどのデータと対照融合されて完全な像を作り、オブジェクトの検出を実行する。しかし、Appleのこの方法のように、信頼性の高いLiDARだけを使えば、路上で実用化される〔量産量販の〕自動運転車の、今後の製造とコンピューティングの効率が上がるだろう。

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YouTubeがAmazon Echo Showに復帰、VimeoとDailymotionも視聴可能に

‘画面つきのEcho’、Amazon Echo Showがデビューしたときは、画面があってビデオを見れてインターネットに接続するデバイスとしては当然ながら、YouTubeアプリも含まれていた。しかしEcho ShowのYouTubeプレーヤーには、YouTubeの規約に違反しているところがあったため、Googleが早速抗議して取り下げさせた。

しかし今日(米国時間11/21)の Voicebotの記事によると、YouTubeがEcho Showに戻ってきた。それは前とはかなり変わって、Webやタブレットなどの上で見るおなじみのYouTubeとほぼ同じだ。つまりEcho ShowのYouTubeアプリは、YouTubeの利用に関してGoogleとYouTubeが定めている要求を受け入れたのだ。

Echo Show上の最初のYouTubeは、あくまでも音声コマンドを重視していたと思うが、今度のはみんながすでによく知ってるYouTubeだ。ちょっと、複雑な心境だね。でもなにしろ、YouTubeが戻ってきたことは良い。Echo ShowはYouTubeのために生まれたようなものだから。キッチンのカウンターに置いて、煮物が煮えるのを待ちながら、YouTubeビデオを見て暇つぶしするんだよ、みんな。

でも今度のAmazon Echo Showは、VimeoやDailymotionのビデオも見られる。Amazonのスポークスパーソンは、こう言ってる:

Vimeo, YouTube, それにDailymotionなど、これまでよりも多くのビデオをEcho Showでお客様にご提供できることは、わたくしどもの喜びであります。これからは、さらに多くのビデオソースをご提供してまいります。

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AppleがiOS 11.1.2をリリース、iPhone Xの寒さ対策を迅速に完了

AppleがiOS 11.1.2の提供を開始した。数週間で二度目のマイナーアップデートだ。今度のアップデートの目的はただ一つ、iPhone Xを温かい場所から急に寒い場所に移動すると、タッチ入力が一時的に無反応になる、という問題への対処だ。たとえば冬のカナダに住んでる人が、急に家の外へ出たような場合。

ほかにもこのアップデートは、iPhone Xで撮ったLive Photosやビデオで像が歪む、という問題にも対処しているらしい。アップデートは、Settingsアプリから今すぐにでもできる。

iPhone Xでタッチが無反応という報告を寄せたユーザーたちは、外気温が華氏50度(摂氏10度)以下だった場合、と言っている。一部のタッチが不感症になるから、連続タイピングなどが困難になる。またアプリを開いたり、何かのインタフェイス成分をタップしたときも、症状は出る。

iPhone XのOLEDディスプレイは、タッチ入力システムの完全な新規設計が必要だった。それに関して、温度の変動に対する試験もやるべきだったのではないか、との声もある。原因が何であれ、Appleが約束したとおり、問題はソフトウェアの簡単な手直しだけで素早く解決した。アップデートが完了したら、そのことをご自分で確認してみよう。

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Twilioなどと競合する専用通信サービスの古顔BandwidthがNasdaqに上場して好調

Bandwidthは、卸売企業やエンタープライズ企業に音声とテキストによる専用の通信サービスを提供するとともに、デベロッパー向けのAPIも公開している。同社は今日(米国時間11/10)Nasdaq に上場し、その初日の商いで6%上げた。IPO価格(一株あたり)は予想値の底値20ドルだったが、終値は21ドル19セントとなった。すなわち、6%高である。

ノースカロライナ州ローリーの同社は、上場により8000万ドルを調達した。これまで自己資本だけでやってきたBandwidthは、その資金を新規雇用と研究開発に充てる予定だ。

協同ファウンダーでCEOのDavid Morkenによると、Bandwidthは“キャッシュフローがプラスでずっと前から黒字”だ。彼が同社を創業したのは1999年で、その後作ったワイヤレス部門は別会社Republic Wirelessとして独立させた。

BandwidthはTwilioやNexmoと競合するが、同社によると彼らは、“APIのカバー範囲が狭い、カスタマーサポートが弱い、そのほかの機能が少ない、そしてサードパーティのネットワークや物理的インフラストラクチャに依存している”、という〔Bandwidthは主に自前のネットワーク〕。

通信企業としてはAT&TやLevel 3、Verizonなどと競合するが、こちらは同社に言わせると、“ネットワークサービスのプロバイダーだが、彼ら自身のネットワークや物理的インフラストラクチャはデベロッパー向けの機能が貧しい”そうだ。

Bandwidthによると、同社は865社の大企業が利用しており、その中にはGoDaddyやZipRecruiterなどもいる。音声ネットワークが自前なので、APIの統合のクオリティが良い。

同社の昨年の売上は1億5210万ドル、2015年には1億3780万ドルだった。

2016年の利益は2240万ドル、2015年は670万ドルの損失だった。

TechCrunchのオーナー企業はVerizonである。同社の事業はBandwidthと同じ分野である。

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