LGが地図技術のHEREとパートナーして自動運転技術向けテレマティクスに活路を求める

LGは、自動運転技術の勃興を自らの機会として、同社のエレクトロニクス事業を拡張しようとしている。そのために同社は今、ドイツの自動車メーカー連合傘下の地図サービス企業HEREと共同で、自動運転アプリケーションのためのテレマティクス製品を開発している。この共同開発体制により、LGのテレマティクス技術とHEREの位置サービスおよび高解像度地図技術を組み合わせて、自動車メーカーが全自動/半自動車のコミュニケーションハブとして利用できるものを作っていく。

LGはテレマティクス分野の異邦人ではなく、自動車の安全技術やエンターテインメント技術において2013年ごろから業界のリーダーだ。しかし同社は今、さらに高度な先進運転支援システム(ADAS)と次世代型自動運転技術を目指して、HEREと提携した。HEREは今年、Audi, BMW, Daimlerなどから成る自動車メーカーのコンソーシアムに買収され、もっぱらこの分野の技術に奉仕していくことになった。

LGが提供するものはGPS, Bluetooth, Wi-Fi, 今後の5Gも含むモバイルネットワークなどの通信コミュニケーション技術が主体で、自動運転車とほかの自動運転車や、さまざまな情報システム、社内ナビゲーションシステム、そして技術センターなどとの通信を支える。多くのセンサーからの融合データや、クラウドソーシングされる情報、そして既存のテレマティクス情報などが、自動運転システムの主要な構成成分となる。

自動車の分野で自動運転技術の重要性が増すにともなって、今回のLGの例のように、既存技術のサプライヤーや、自動車産業の専門企業ともパートナーすることが、機会を前向きに活かすために必要になってくる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

自動車のビッグデータ解析行うスマートドライブが産革から最大6.6億円の資金調達、アクサ損保と新商品の開発も

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車速やエンジン回転数など150種類にも及ぶ情報を取得するために自動車に用意されている「OBD-IIコネクタ」。ここに専用のデバイスを接続してリアルタイムに運転情報を取得。この”自動車のビッグデータ”を解析し、保険や車輌動態管理、CRMツールなど、さまざまなサービスに利用できるテレマティクス(自動車や輸送車両などに対して、移動体通信を通じてサービスを提供すること)情報のプラットフォームを構築しようとしているのが、北川烈氏率いるスマートドライブだ。同社は8月5日、産業革新機構から最大6億6000万円の資金調達を実施することを明らかにした。

開発中のデバイス

開発中のデバイス

スマートドライブは2013年10月の設立、ベンチャーキャピタルのANRIからシードマネーを調達して自動車向けのデバイスや連携アプリなどを開発していた。2014年8月からは千葉県・柏の葉にて実証実験を実施していた。また総務省主催の新事業創出支援プログラム「I-Challenge!:ICTイノベーション創出チャレンジプログラム」の1号案件にも採択された。

またスマートドライブでは、アクサ損害保険との業務提携契約を締結。資本参加も決定しているという。両社は任意保険のアクサダイレクト向けに新商品および新サービスの開発を進めているという。

新商品・サービスの具体的な内容については明らかにされていないが、リアルタイムに取得する情報をもとに、ドライバーの運転特性に応じて保険料が割引される「テレマティクス保険」を提供することになるのだろう。

米国などではこの動きが先行しているが、国内でもすでにソニー損害保険の「やさしい運転キャッシュバック型」、あいおいニッセイ同和損害保険「つながる自動車保険」といったテレマティクス保険が今春以降登場している。

従量制自動車保険のMetromile、カリフォルニアに進出

Metromileの無料ガジェットを差し込めば、もう自動車保険の料金を払いすぎる心配はない ― もしあなたが、年間1万マイル以下しか運転しない70%の人々の一人なら。今日(米国時間7/16)Metromileは、従量制(per mile)自動車保険の対象地域を拡大し、カリフォルニア州でも使えるようになった。オレゴン、ワシントン、およびイリノイの各州では、すでに伝統的保険を破壊して成功を収めている。さらに同社は、専用の無料アプリ改訂し、車に不具合があれば報告し、駐車した場所を教え、通勤時間を最短にするルートと時間帯を知らせて燃費を最適化できるようになった。

もしあなたが、都会に住んでいてあまり運転しないなら、Metromileは車の所有をずっと経済的にしてくれる。ふだんはUberやLyftなどの乗り合いサービスを利用し、自家用車で遠出したい時だけ保険料を払えばよい。

Metromileの詳しいしくみについては、去年11月のサービス開始時に私が書いた記事を参照されたい。歴史的に、誰がどれだけ乗ったかわからないまま、自動車保険会社は殆どの人たちに過大な料金を課すことによって、長距離運転者たちを賄ってきた。

しかし、モバイル技術の進化のおかげで、Metromileは、ダッシュボード下の診断ポートに差し込み、ユーザーが何マイル走ったかを報告する携帯無線付GPSテレマティック装置を発明した。このスタートアップは、First Round Ventures、SV Angel、NEA、およびIndex Venturesから調達した計1400万ドルを使って、テレマティック装置を無料で配り、大手保険会社をホワイトラベル化して従量制システムを販売している。

Metromile CEOのDan Prestonがこう説明する。「保険にかかわる費用の70%は、加入者の車が道路を高速で走っている時に発生する。ガレージや路上に止めてある車は殆どかかわらない」。つまり、あまり運転しなければ、保険会社が支払わなくてはならない事故に遭う可能性が低いので、Metromileは料金を安くできる。

Prestonはこう私に言った。「年間5000マイル以下しか走らない人は、Metromileに切り換えれば40%から50%節約できる」。

一方、他の保険会社は時代遅れのビジネスモデルに縛り付けられている。もし彼らが従量制保険を提供すれば、ドル箱の低マイレージドライバーは皆そちらに切り換えてしまい、高マイレージドライバーから、より高額、より公平な料金を取らなくてはならなくなる。つまりはシステム全体が崩壊する。

それはいずれにせよ起きる ― 裕福な低マイレージ顧客が従量制保険に移行してしまえば。同社曰く「現在Metromileの保険を使っている人は100万人以下だが、これは申し込み可能な人が全部で約2400万人しかいない中からだ」。

それでも販売は容易ではない。Metromileには信頼あるブランド認知がない ― たとえ背後では安定した80億ドルの保険会社が取扱っていても。消費者にとっては決断に勇気のいる大きな買い物だ。装置をタダで配るのも安くはない。殆どの人々は実際に装置を付けるまで、自分の走行距離を過大に見積っている。

それでも私はMetromileに乗換えるつもりだ。サンフランシスコに住んでいて、冒険したり遠出する時にはマイカーを使う。しかし、町中ではスケートボードに乗ったり、UberLyftを使うことが多い。車がガレージで眠っている間にも保険料を払って、ノンストップで走る赤の他人を助けている。それももう終りだ。

カリフォルニア、オレゴン、ワシントン、およびイリノイ各州のドライバーは、2分間の見積りで、もし安くなるならMetromileの従量制保険を申し込める。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook