Spotifyは依然としてトップの音楽サービスだが、市場シェアは減少中

音楽ストリーミングは、世界中で成長を続けている。エンターテインメント調査会社MIDiAの新しいレポートによると、2021年第2四半期時点で5億2390万人が音楽ストリーミングサービスに加入している。前年から1億950万人(26.4%)の増加だ。

Spotify(スポティファイ)は依然として最も加入者数の多いストリーミングサービスで、マーケットの31%を占めているものの、そのシェアは非常にゆっくりと減少している。2020年は33%、2019年には34%だった。2021年第2四半期までの1年間で、Spotifyは競合他社よりも総加入者数を増やしたが、Spotifyの成長が20%だったのに対し、Amazon Musicは25%だった。一方、Google(グーグル)のYouTube Musicは2021年第2四半期までの1年間で50%以上成長し、欧米のストリーマーで唯一、世界マーケットにおけるシェアを伸ばした。Tencent Musicを運営する中国のゲーム大手Tencent(テンセント)は、Amazon Musicと同じシェアを有している。

画像クレジット:MIDiA

Amazon MusicとApple Musicのシェアは今後も伸びるかもしれない。というのも、同レポートは2021年第2四半期までしかカバーしていないため、5月にAmazonAppleにロスレスオーディオが導入された影響は表れていない。Spotifyは1年近く前に「CD品質のロスレスオーディオ形式」で音楽を提供するSpotify Hi-Fiというハイエンドのサブスクリプションを立ち上げる、と予告していた。しかし、同社はこのプロダクトがいつ利用できるようになるのか、まだ明らかにしていない。

それから、より高品質なオーディオ体験を求める消費者をターゲットにしてきたTidalがある。Tidalのロスレスオーディオの料金は月額9.99ドル(約1100円)で、Apple Musicと同額、Amazon Musicより月額2ドル(約230円)高いだけだが、MIDiAのレポートによると、Tidalの世界マーケットシェアは2%未満だ。Jay-Zが設立し、後にBlockが買収したTidalは「アーティストが意図したとおりに」(つまり、極めて優れた音質で)アーティストが音楽を共有できるようにするサービスとして売り込んでいる。

画像クレジット:Tidal

しかし、Blockの下では、アーティストに優しいストリーミングサービスという考え方は音についてだけではない。現在、同社は音楽ストリーミングをアーティストにとってより収益性の高いものにする方法を試行中だ。2022年に入り、TidalはHiFi Plus(月額19.99ドル[約2300円])という最も高いプロダクトにファン中心型のロイヤリティを導入した。このプロダクトでは、ユーザーの購読料の10%が、最もよく聴いているアーティストに直接支払われる。

この動きは、マスター品質のオーディオよりもアーティストへの支払いを重視する新規加入者の獲得につながるのだろうか。試してみる価値はあるだろう。なにしろ、(ユーザー中心型の支払いを実現しようと取り組んでいる)Deezerは丸々2%というTidalよりも多いシェアを手にしている。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

テンセントが中国人留学生の授業料支払いに特化したクロスボーダー送金スタートアップに出資

Easy Transferのチーム(画像クレジット:Easy Transfer)

Tencent(テンセント)は、国外にいる何十万人もの中国人学生の学費支払いのストレスを軽減することを目的としているスタートアップEasy Transfer(イージートランスファー)に出資した。

Tencentはこの件についてのコメントを却下したが、Easy Transferの創業者でCEOのTony Gao(トニー・ガオ)氏はTechCrunchに、Tencentは現在Easy Transferの株式約5%を所有していると語った。この投資は2021年12月にクローズし、Easy Transferが現在行っているシリーズCラウンドの第1弾となった。IDGキャピタルとZhenFundがEasy Transferの初期投資家だ。

Easy Transferは取引を直接扱うのではなく、中国でのクロスボーダー決済ライセンスを持つ金融機関と連携している。ガオ氏は以前のインタビューで、同社の付加価値は、送金の手間を省くことだと語っている。従来のやり方では、親や学生は銀行を訪れ、たくさんの書類に記入し、送金先情報が正しいかどうかダブルチェックし、大学の口座に授業料が振り込まれるまで気を揉みながら待たなければならなかった。

Easy Transferでは、ユーザーはオンラインで簡単なフォームに記入するだけで、あとは同社が最大200元(約3600円)の手数料ですべてを処理する。

Tencentの戦略的投資により、Easy Transferはユーザー体験をさらに合理化するつもりだ。両社はWeChatベースの学費送金サービス「WeRemit」を共同開発した。WeChatのエコシステム内にある何百万ものサードパーティのライトアプリとは異なり、WeRemitはWeChatからの手厚いサポートを受け、WeChatが一部運営を行っている。

「マネーロンダリング防止、本人確認、情報のセキュリティなど、WeChatはクロスボーダー決済取引をより安全なものにします」とガオ氏はいう。「WeChatは膨大な量のユーザーデータを保有しているため、銀行でも対応できないような強固なリスク管理システムを構築することができるのです」。

お金を動かす前に、WeRemitはユーザーの顔をスキャンして本人確認を行い、WeChatにすでに保存されている個人情報を収集する。中国のインターネットプラットフォームは、モバイル決済やコンテンツ投稿などのコアな機能を有効にする前に、人々の真の身元を確認することが義務づけられている。

WeChatのAIを使った金融コンプライアンスシステムも活躍している。授業料の請求書、内定通知書、ビザ情報など、WeRemitに提出された書類を特定し、理解するために機械学習が使用されている。また、このシステムではリスクの高い取引にフラグを立ててマニュアルで確認したり、請求額と支払額の数字を比較して過払いを回避したりすることもできる。

WeRemitのサービスを支えているのは、Tencentのオンライン決済部門であり、WeChatのデジタルウォレットであるWeChat Payも運営しているTenpayだ。ユーザーから依頼を受けると、クロスボーダー取引ライセンスを持つTenpayが、Easy Transferを受け入れている大学2000校のいずれかに送金する。

中国で広く普及しているWeChatと提携することで、Easy Transferのリーチが大幅に拡大する可能性がある。ガオ氏によると、Easy Transferは2021年に学生12万人にサービスを提供し、20億ドル(約2280億円)以上の取引を処理したという。現在は、WeChatが「海外留学生」と呼ぶ50万人のユーザーをターゲットにしている。教育省によると、2019年には全体で約70万人の中国人学生が海外に留学していた。

Tencentにとって、Easy Transferとの提携は、海外に旅行する観光客をターゲットにしたクロスボーダーフィンテックサービスの幅を広げることにつながるかもしれない。ガオ氏は、Easy Transferのモデルをアジアの他の地域、特に南アジアや東南アジアで再現したいと考えている。インド、ネパール、ベトナムといった国々で増加している海外留学生を取り込む計画だ。これらの国々の家庭は、学費の送金に関して同じような悩みを抱えており、さらに手数料に敏感だと、ガオ氏はいう。

Tencentにとって海外展開は困難で、海外での影響力を拡大するために主に戦略的投資に頼ってきた。例えば、ビデオゲーム会社の膨大なポートフォリオがその例だ。Tencentは、Grab(グラブ)を含むアジア全域の複数のフィンテックサービスプロバイダーを支援してきた。Tencentは、海外送金に必要なライセンスを持つ適切な現地パートナーとEasy Transferを結びつけることができるとガオ氏は述べ、Easy Transferは現地チームの構築とWeRemitのような使いやすいプロダクトに注力するとしている。

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

Robloxが中国でのサービスを一時停止、「重要な一時的措置」を実施

Roblox China’s developer day(画像クレジット:Roblox China)

2021年12月8日、Tencent(テンセント)が公開・運営しているRobloxの中国版「罗布乐思(Luobulesi)」が、iOSとAndroidでサービスを開始してから5カ月で突然サーバーを閉鎖した。

驚きを隠せない多くのユーザーは、中国のソーシャルメディアで、この急な告知に不満を漏らしている。ユーザーがプレイしていたのは、実は「アーカイブ削除テスト版」だったと、罗布乐思は告知で述べている。中には「自分のアカウントに課金できるテストゲームなんてあるだろうか」とキレたユーザーもいる。

Robloxの広報担当者はTechCrunchへの声明で「2021年、私たちは罗布乐思としても知られているRoblox Chinaをローンチし、中国で3D体験の没入型仮想世界を構築するというビジョンを掲げ、それをテストし、繰り返してきました」と述べている。「私たちは、中国で魅力的なプラットフォームを構築することは反復的なプロセスであると常に認識しており、罗布乐思ユーザーとグローバルな開発者コミュニティのサポートに感謝しています」。

Tencentは、TechCrunchからのコメント要求に応じていない。

2019年5月、RobloxとTencentは、前者が51%、Tencentが49%の株式を保有するジョイントベンチャーを発表したが、これは中国のジョイントベンチャーで外国企業が過半数の株式を保有する珍しいケースだ。2020年7月、罗布乐思はAndroidテスト版を公開し、期間終了時にユーザーアーカイブをクリアすることを明言している。

データインフラ

Robloxのユニークなサービスは、規制当局の認可を得るのに時間がかかったかもしれない。罗布乐思は、当初、教育志向であることを謳っていた。しかし、2021年、中国は民間教育セクターに対する徹底的な取り締まりを開始した。また、中国では子どものゲーム時間を厳しく制限しているため、罗布乐思に若いプレイヤーが触れる機会への制限も予想されていた。

また、中国の新しいデータ規制が、同国にある外国のインターネットサービス事業者にどのような影響を及ぼしているのかも気になるところだ。中国の国境を越えたデータ転送規制の強化を受けて、YahooLinkedInは、この巨大市場からサービスを撤退する最後の外国企業ではないはずだ。

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Robloxの声明には、ちょっとしたヒントある。

「罗布乐思の長期的なビジョンを実現するためには、データアーキテクチャへの投資を含む、必要な投資を今、行うことが重要です。次のバージョンの罗布乐思のを構築するために、いくつかの重要な一時的なアクションが必要だと判断しました」。

海外のゲームは、中国で公開するに通常、マーケティング、流通、そしておそらく最も重要な規制遵守とゲーミングライセンスの申請を支援してもらうための、現地パートナーを求めている。

Tencentのような味方がいれば、罗布乐思のユーザー生成型プレーが中国当局の方針に反することはないだろう。罗布乐思はRobloxのグローバルプラットフォームから切り離されており、同じゲームやプレイヤーのプールを保有しているわけではない。そのため、多くの中国人ユーザーはVPN経由でグローバル版に移行しており、世界的に人気のあるタイトルの中国語版が検閲の対象となるのという現象が起こっている。

それでも罗布乐思は、国内外の多くのデベロッパーにとって、中国のカジュアルゲーム市場を開拓するための登竜門的な存在となっている。「公式」ローンチの時期が未定であることも、多くのクリエイターをいらいらさせているのは間違いない。アプリ分析会社のSensor Towerによると、同プラットフォームは12月8日に削除されるまでに、中国のApp Storeで170万回インストールされたという。

Robloxの広報担当者は「2021年、私たちが罗布乐思をローンチしたとき、私たちは中国で、魅力的なメタバース体験を提供するプラットフォームを構築したいと長期的な視野を持っていました。その目標は変わっていない」と述べた。

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(文:Rita Liao、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Tencentは投資を続けつつも緊密な提携企業の株式を売却、中国政府のご機嫌とりか

Tencent Holdings Ltd.のマーティン・ラウ社長と、ポニー・マー会長兼CEO(画像クレジット:Brent Lewin/Bloomberg via Getty Images)

中国のインターネット界の巨人Tencent(テンセント)は、その膨大なポートフォリオを売却している。現地時間1月4日、同社はシンガポールのインターネット複合企業であるSeaの30億ドル(約3480億円)以上の株式を売却する計画を発表し、Seaの株式を21.3%から18.7%に切り下げ、議決権を10%以下にすることを発表した。

この動きは、TencentがJD.comの株式1600万ドル(約18億6000万円)を株主に渡すことを決定してから1カ月も経たないうちに行われた。この移行により、JD.comにおけるTencentのポジションは2.3%程度に低下することになる。この取引の一環として、Tencentの社長兼CEOであるPony Ma(馬化騰、ポニー・マー)氏の最側近Martin Lau(マーティン・ラウ)氏はJD.comの取締役を退任することになる。

中国のeコマース事業者JD.comとシンガポールのエンターテインメントとeコマースグループのSeaは、Tencentの最も重要な戦略の一部だ。同じくTencentが支援するPinduoduoが台頭する以前、JD.comは拡大するAlibabaのeコマース帝国に対するTencentの主要な防衛策だった。Seaのゲーム運営会社Garenaを通じて、Tencentが所有するタイトルは東南アジア全域で展開されている。

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Tencentは、中国の独占禁止法違反の取り締まりと「共同富裕」キャンペーンを背景にこれらの売却を行った。そのため、Tencentは政府のご機嫌を取るために、自ら強固な同盟関係を解消したのではないかという憶測が飛び交っている。この主張は、Tencentが株主へのクリスマスプレゼントとして、JD.comの株式分配を行ったことの説明にもなりそうだ。ビッグテックの影響力を抑制しようとする中国政府の取り組みに対する同様の回答として、AlibabaはTwitterに似たWeiboの株式の約30%を国営コングロマリットに売却することを検討していると、Bloombergは2021年12月に報じている。

TencentによるSea株売却の根拠は、あまり明確ではないようだ。一部の投資家は、中国からの投資に対するインドの厳しい姿勢と関連している可能性を指摘している。Seaのeコマース部門Shopeeは、インド市場に参入するための準備を進めてきた

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Tencentは、他のハイテク大手に対する影響力を減らそうとしているにもかかわらず、Tencentは全体的な投資ペースは落としていない。中国のスタートアップデータアグリゲータであるIT Juziによると、創業23年となる同社はこれまでに1200社以上に投資している。2021年だけでも278社に1300億元(約2兆3732億円)以上を投入し、過去最高を記録している。フードデリバリープラットフォームのMeituan、動画共有サイトのBilibili、Pinduoduoなど、他の主要な盟友に対するTencentの影響力を削いでいくのかはわかっていない。

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(文:Rita Liao、翻訳:Katsuyuki Yasui)

中国当局が2021年7月から新作ゲームを1本も承認せず―約1万4000もの関連企業が登記抹消

中国当局が2021年7月から新作ゲームを1本も承認せず、約1万4000もの関連企業が登記抹消

Andrea Verdelli/Getty Images

中国ではビデオゲームの新規ライセンス発行が2021年7月から凍結されており、現在(2022年1月3日時点)までに約1万4000もの小規模なゲーム関連会社が登記を抹消されたと報じられています。

香港メディアThe South China Morning Post(SCMP)によると、中国でゲームのライセンスを担当している国家新聞出版署(NPPA)は7月末以降、新規タイトルの承認リストを発表していないとのこと。これは2018年3月~12月にかけての休止以来(当時も中国ゲーム市場の成長が大幅に鈍化)、中国内で最も長い新規ゲームライセンスの停止となります。

すでに昨年(2021年)9月、中国当局がテンセントやネットイースといった大手ゲーム開発企業を呼び出し、新作ゲームのライセンス発行を停止すると申し渡したことが報じられていました。さらに言えば、中国で18才未満が週に3時間以上ゲームをプレイするのを禁じられた直後のことでもあります。

そのため小規模なゲーム関連企業の多くが事業を閉鎖し、ゲーム業界最大手のパブリッシャーらは海外展開を進めているとのこと。その結果マーチャンダイジングや広告・出版に関わる企業を含む何千ものゲーム関連企業がこの数カ月で廃業し、約1万4000社が登記を抹消される事態となっています。この数字は2020年中に閉鎖された1万8000社から、かなりの加速を示しています。

かたやTikTokを運営するByteDance、オンライン検索大手のBaidu、Tanwan Gamesなどの大手企業は、ゲーム事業に関わる多くの従業員を解雇して損失を縮小。その一方、業界トップのテンセント・ホールディングスとネットイースは海外市場に経営資源を投入していると伝えられています。

たとえばテンセントは子会社のTiMi Studio Groupのもと、シンガポールに新たなビデオゲーム開発スタジオを開設する予定とのことです。TiMi社はモバイルゲームの大ヒット作「王者栄耀」(「Honour of Kings」)や「Call of Duty: Mobile」、「ポケモンユナイト」などの開発元として知られています。

NPPAは今回の停止についての公式な説明も、新規ゲーム承認のプロセスがいつ再開されるかの手がかりも提供していません。

もともと中国でのゲーム規制強化は、習近平主席がゲームを問題視したことから始まっており、さらに最近の国営メディアがオンラインゲームを「精神的アヘンが数十億ドル規模の産業に成長した」と非難したことで加速した経緯があります。中国の国策であり、最高指導者の意向である以上、ゲームへの締め付けを撤回することは困難かもしれません。

(Source:SCMPEngadget日本版より転載)

ドローンで中国におけるフードデリバリーを再定義するMeituan、自転車や自動車で行きづらい場所へ配達

深圳にあるピックアップキオスクの最上部に着陸するMeituanのフード配達ドローン(画像クレジット:TechCrunch)

深圳の繁華街に隣接する混雑した歩道で、20代の女性がスマートフォンのアプリから、フードデリバリー大手のMeituan(美団)でミルクティーを注文している。10分もしないうちに、真珠のように白い飲み物が、どこでも見かける宅配バイクの荷台ではなく、ドローンの荷台の段ボール箱に載せられて曇天から降臨し、道端の小さなキオスクに届けられる。このシーンに欠けているのは、天使の聖歌隊だけだ。

中国最大級のインターネット企業であるMeituanは、過去2年間で人口2000万人近い深圳市全域の8000人の顧客に1万9000食を空輸してきた。この試験プログラムはわずか7つの地区で展開され、厳選された加盟店からのみ利用することができる。それぞれの地区の長さは3kmだ。SF作家が描くように窓の外を飛ぶのではなく、街角にある指定のキオスクに配達される。しかしこの試験はMeituanの野望の概念実証だ。同社は今、空中配送の野望を拡げる準備を整えた。

Tencent(テンセント)傘下のMeituanだけが、都市の空を小さな飛行機で埋め尽くしたいと考える中国のテック大手ではない。MeituanのライバルであるEle.meを運営するAlibaba(アリババ)、そしてeコマース大手のJD.comも近年同様のドローン配送サービスに投資している。

試験的なプログラムを経て、Meituanは深圳全域での商業的なドローン配送サービス運営を申請したと、同社のドローン配送部門の責任者であるMao Yinian(マオ・イーニエン)氏は2021年12月のプレスイベントで語った。9月に提出されたこの申請は現在、深圳の航空当局の審査を受けている。実際のスケジュールは政府の決定次第だが、認可は2022年の予定だ。

「当社は郊外での実験から中心部へ向かいます。これは当社のオペレーション能力が新たなレベルに達したことを意味します」と、Meituanのドローン事業の技術専門家であるChen Tianjian(チェン・ティエンチエン)氏は同イベントで話した。

空飛ぶ食事

現時点では、Meituanの配達用ドローンはまだそれなりの人手を必要とする。例えば、ミルクティーの注文。ミルクティーができあがると、Meituanのバックエンドの配送システムが人間の運搬担当を割り当てる。その人間がモール内の加盟店からミルクティーを取ってきて、複合商業施設の屋上まで運ぶ。そこには、同社が設置したドローン離着陸パッドがある。

深圳のショッピングモールの屋上に設置されたMeituanのドローン離着陸パッド(画像クレジット:TechCrunch)

離陸前に検査員が飲み物を入れた箱が安全かどうか確認する。その後、Meituanのナビゲーションシステムが、集荷キオスクまでの最短かつ安全なルートを算出し、離陸する。

もちろん、ドローンを使って食品を配達することの経済面での実行可能性は、まだ証明されていない。カーボンファイバー製のMeituanの小型飛行機の重量は約4kgで、約2.5kgの食品を運ぶことができる。これは、チェン氏によれば、2人分の食品の重さに相当する。もし、誰かがミルクティーを1杯だけ注文したら、残りのスペースは無駄になってしまう。各キオスクが受けることができる注文は約28件だ。ピーク時には、顧客が速やかに料理を取りに来ることに賭けることになる。

また、新しい宅配ボックスでは、発生するゴミの問題もある。Meituanは、キオスクの横にリサイクルボックスを設置したが、顧客が容器を持ち去ることは自由だという。ゴミ箱に捨てる人がいてもおかしくはない。

米国から得た教訓

2017年から2018年にかけて、中国の民間航空局は、米連邦航空局が行った低高度空中移動に関する研究を参考にして、米国の「後を追い」始めたとチェン氏はいう。それから間もなく、中国の規制当局は、新進のこの分野のガイドとルールの策定を開始した。Meituanも同様に、米国のドローンのルールなどを研究したが、両国は人口密度や消費者行動が著しく異なるため、画一的な解決策があるわけではないことは認識している。

深圳にあるMeituanのドローン着陸キオスクで注文品を受け取る客(画像クレジット:TechCrunch)

米国人の多くは郊外のゆったりとしたところに住んでいるが、中国やその他多くのアジア諸国では、人々は都市部に密集している。そのため、米国のドローンは「耐久性に重点を置いている」とチェン氏はいう。例えばGoogle(グーグル)やAmazon(アマゾン)が開発したドローンは傾向として「垂直離着陸が可能な固定翼型」だが、Meituanのソリューションは小型ヘリコプターのカテゴリーに入り、複雑な都市環境により適している。

米国で生まれた技術は、しばしば中国で、類似した開発にヒントを与えてくれる。Amazon Prime Air(アマゾン・プライム・エア)の場合は、将来がバラ色というわけでもない。Amazonのドローン配送事業は目標としていた時期に間に合わず、従業員を解雇していると報道されているが、同社はドローン配送部門が「大きな前進を続けている」と話す。

チェン氏は、Prime Airが「明確な戦略を持っていないようだ」とし、Alphabet(アルファベット)のWing(ウィング)が注力する近隣配送と、UPSが得意とする長距離輸送の間で「揺れ動いている」と主張する。さらに、こう続けた。

低高度航空物流における中国と米国の競争からわかるのは、自身の戦略的位置を把握することが重要だということです。無人航空機の設計は誰でもできます。問題は、どのような顧客に、どのような無人航空機を使うかです。

規制について

ドローン配送の安全性について尋ねると、チェン氏は、Meituanのソリューションは「民間航空局」が定めたルールに「厳密に従う」と答えた。北京に本社を置く同社が深圳を試験の場に選んだのは、ドローン大手DJIの本拠地であること、無人航空機のサプライチェーンが成熟していることだけが理由ではない。経済的な実験で知られるこの南部の大都市は、中国で最もドローンに友好的な政策を掲げていると同氏は話す。

Meituanの各ドローンは、深圳の無人航空機交通管理情報サービスシステム(UATMISS)に登録される。飛行中は、5秒ごとに正確な位置をUATMISSに通知することが義務付けられている。さらに重要なのは、迂回の手間をかけてでも、人混みや市街地を避けられるよう、ナビゲーションシステムが作動していることだ。

Meituanのドローン宅配ボックスから受け取ったミルクティー(画像クレジット:TechCrunch)

今回テストしたドローンは、このモデルでは3回目の試験機だ。15m離れたところで聞こえる騒音は約50dBで、これは「昼間の街頭レベル」に相当するとチェン氏はいう。次世代機では、さらに静粛性を高め「夜間の街頭レベル」まで騒音を低減させる予定だ。だが、小型航空機にとって、静かすぎるということはない。規制当局は、騒音を許容できるレベルにすることが「より安全である」との見解を示している。

人の手を借りる

Meituanは、中国における数百万の宅配便をすべて無人航空機に置き換えるつもりはない。だが、自動化により、過負荷気味になっている同社の配送プラットフォームの負荷を軽減できる。同社の配車アルゴリズムは、乗員の安全よりも事業の効率性を優先しているとされ、国民と政府の両方から批判を浴びている。労働者の確保が困難なため、労働集約型の産業はすでにロボットの助けを求めている

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Meituanの目標は、人間とロボットのコラボレーションの最適点を見つけることだ。深圳の道路インフラはスクーターのドライバーやサイクリストに優しくないことで有名だが、空中移動はそうした地上の障害物によって制限されることはない。ドローンは大きなインターチェンジの上空を飛び、宅配業者がピックアップしやすく、顧客の最終目的地まで配達しやすい場所まで食事を運ぶことができる。

Meituanは、すでにさらなる自動化を視野に入れている。例えば、消耗したドローンのバッテリーをスタッフが手作業で交換することに代わる、自動バッテリー交換ステーションに関する研究と開発を行っている。また、レストランから近くのドローン離陸場まで、ベルトコンベアのようなシステムで商品を移動させることも検討している。これらのソリューションの大規模展開にはまだ何年もかかるが、明らかにフードデリバリーの巨人は自動化された未来へと滑り出している。

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

Riot Gamesの新eスポーツ社長がNBAとのコラボ、Netflixヒットシリーズ、NFTについて語る

米国時間11月21日、NBAゴールデンステート・ウォリアーズ対トロント・ラプターズの試合中に演出されたイベントで、Riot Games(ライアットゲームズ)の新eスポーツ社長であるJohn Needham(ジョン・ニーダム)氏が、スポーツファンで埋め尽くされたスタジアムに「League of Legends(LoL)」のTシャツをパラシュートで落下させ、シネマティックトレーラーとともに、世界最大級のeスポーツトーナメントが北米で復活することを発表した。

これは、2022年11月に開催される「2022 League of Legends World Championship」の決勝戦が行われるサンフランシスコの最新施設、Chase Centerを、世界中から数十名のプレス関係者が集まって見学した1日のクライマックスだった。

ニーダム氏はTechCrunchの取材に対しこう語った。「2016年以来、メジャーな国際イベントを北米では開催しておらず、さらにここ数年は新型コロナにともなう渡航制限のため、カムバックが果たせませんでした。ライブイベントを再開できることに非常に興奮しており、ファンのみなさまには、スーパーボウルのハーフタイムショーのようなスリリングな演出を期待していただきたいと思っています」とも。

2011年にRiotが「Worlds」と呼ばれるワールドチャンピオンシップを初めて開催して以来、10年以上になる。マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲームであるLeague of Legendsは、月間1億8千万人以上のアクティブプレイヤーを誇る。LoLには10のフランチャイズチームがあり、それぞれNBA関係のオーナーと繋がりがある。Steph Curry(ステフィン・カリー)氏Michael Jordan(マイケル・ジョーダン)氏、Magic Johnson(マジック・ジョンソン)氏といったNBAのオールスター選手をはじめ、ゴールデンステート・ウォリアーズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ヒューストン・ロケッツ、クリーブランド・キャバリアーズ、ミルウォーキー・バックス、メンフィス・グリズリーズ、ニューヨーク・ニックス、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ワシントン・ウィザーズ、シャーロット・ホーネッツなどの関係者がLoLチームに出資している。

ニーダム氏によると、2020年の4600万人から2021年には7380万人のファンがWorldsの決勝戦を観戦するようになり、League of Legends eスポーツトーナメントは、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)、AXE by Unilever(ユニリーバ・アックス)、Spotify(スポティファイ)、Bose(ボーズ)、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、Red Bull(レッドブル)、Coca-Cola(コカ・コーラ)、Fenty by Rihanna(リアーナ・フェンティ)などの大手ブランドを引き寄せるビッグビジネスとなっている。

「当社はファンにバリューを提供するためにブランドと提携していますが、そうした際に、両方のブランドが引き上げられることがよくあると発見しました。ブランド各社は、我々の貴重でリーチしにくいZ世代へのアクセスを得られる一方で、当社はブランドと提携することで信頼を得ることができるのです」とニーダム氏は語る。「ルイ・ヴィトンが当社のために初のデジタルファッションラインを作ってくれたことで、ファンのゲーム体験がさらに充実しました。この種のスキンは非常に人気があるため、当社のビジネスモデルの基盤となっており、圧倒的に多くの収益を生み出しています」。

Riotの巨大なファン層は、グローバルなエンターテインメント企業になることを目指す同社の資産であることも証明されている。

米国時間11月6日には、Riot初のNetflix(ネットフリックス)シリーズ「Arcane(アーケイン)」の予告編がWorlds決勝戦で流され、約7400万人のファンが視聴した。また、Riotの親会社であるTencent(テンセント)が一部所有する、3億5千万人以上の登録プレイヤーがいるゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の中でも「Arcane」のプロモーションを行った。数日のうちに「Arcane」はNetflixのチャートのトップに躍り出て、11月8日の週には3400万人以上の視聴者を獲得して第2位となった

北米よりも欧州とアジアで大きなプレゼンスを持つ同社についてニーダム氏は、2022 Worldsツアーを、同ゲームへの新たな関心を生み出す手段と考えている。

「創設以来、世界中で6億人以上のプレイヤーがLeague of Legendsの世界を楽しんでくださっています。チャーンして現在ゲームをプレイしていない方も、プレイインのメキシコシティ、準々決勝のニューヨーク、準決勝のトロント、決勝のサンフランシスコと、我々が北米エリアをカバーしていく中で、再開していただきたいと思っています」。

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  4. Riot-rings-the-game-bell-_-photo-credit-Martine-Paris

  5. Warriors-Steph-Curry-investor-in-League-of-Legends-esports-team-TSM-_-Photo-by-Martine-Paris

Riotは新しいプラットフォームへの進出に興味を持っているが、ニーダム氏によると、メタバースに飛び込む計画はないとのこと。

「当社と提携してNFTをやりたいというパートナーはたくさんあり、分析しているところですが、今はまだ語れるようなNFTやブロックチェーンの戦略はありません。コレクターズアイテムは、伝統的なスポーツとは異なり、eスポーツでは大きな役割を果たしていないのです」と彼はいう。「eスポーツの観点から飛び込む前に、NFT市場がもう少し成熟するのを見たいと考えています」。

また、RiotはNetflix Gaming(ネットフリックス・ゲーム)やRoblox(ロブロックス)との提携も予定していないと同氏は付け加えた。

画像クレジット:Netflix

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(文:Martine Paris、翻訳:Dragonfly)

Tencentが初めてメタバース実現に向けたビジョンを語る

Tencent Holdings Ltd.のマーティン・ラウ社長(左)と、馬化騰会長兼CEO(右)(画像クレジット:Brent Lewin/Bloomberg via Getty Images)

Facebook(フェイスブック)がメタバースという新しいバズワードに未来を託そうとしているときに、Tencent(テンセント)がその時流に乗らないわけがない。

現段階では、Tencentのアプローチは、Facebookのメタバース部門への100億ドル(約1兆1400億円)の投資に比べてより慎重であるように見える。しかし、中国のソーシャルメディアとゲームの巨人から少しでも早期のヒントが得られれば、投資家の憶測の材料にはなるだろう。

中国時間11月10日に行われた決算説明会で、TencentのPony Ma(ポニー・マー、馬化騰)CEOは、メタバースに関する同社の考えを初めて明らかにした。

仮想世界をよりリアルに、そして現実世界を仮想体験でより豊かにするものは、すべてメタバースの一部となり得ます。

その後、同社の幹部が順番にこのタグラインに肉付けをしていった。彼らの定義がよく分からなくなる場面もあったが、Tencentのボスたちは「メタバース」に到達するための3つの一般的な「道筋」については意見が一致していた。

現在、中国のインターネット業界では全体的に取り締まりが強化されており、開発中のメタバースにもそれが影を落としかねない。Tencentは、ユーザーエクスペリエンスが「規制の枠組みの下で提供される」限り、中国政府の規制は「メタバースの発展を根本的に妨げるものにはならない」と考えている。

しかし、中国国内のメタバースがまだ初期段階にある今、その規制がどのようなものになるかを知ることは困難だ。

メタバースへの階段

メタバースへの最も明白な道のりは、同社の最大の収益源であるビデオゲームだ。それは、高度にインタラクティブなゲームであったり、1つの共通IPのもとに存在する複数のゲームであったり、ユーザーがゲームを作れるようなインフラなどもあり得ると、マー氏は語った。

これらのアイデアのいくつかは、Epic Games(エピックゲームズ)、Roblox(ロブロックス)、Discord(ディスコード)など、Tencentのポートフォリオ企業ですでに具体化し始めている。そう、Tencentはすべてを自前でやろうとしているわけではなく、戦略的価値を見出すことができる何百もの企業を支援しているのだ。

Tencentのチーフストラテジーオフィサー(CSO)であるJames Mitchell(ジェームズ・ミッチェル)氏は「Epicの例では『Fortnite(フォートナイト)』と『Rocket League(ロケットリーグ)』を一緒に見ることができ、Roblox(ロブロックス)の例では、複数の異なるいわゆるゲーム体験があります」と説明した。

マー氏によると、2つ目の道筋は「ゲーム化され、より多くのプログラム可能な体験をサポートする」ソーシャルネットワークである可能性がある。

そのようなソーシャルネットワークには、一連のツールが必要だ。ミッチェル氏は「3Dグラフィックス機能を提供するもので……サーバーベースのコミュニティを持つもの」そして「ゲーム会社が必要とするUGCやPGCのツールを提供するもの」の両方が必要だと説明している。

「そのため、Meta(メタ)自体やSnap(スナップ)などのソーシャルネットワークは、最も多くの資本を持っていますが、やるべきこともそれなりに多くあります」とも同氏は付け加えた。

さらにもう1つの道として「現実世界での体験を、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)で拡張する」という方法もあるとマー氏は指摘する。

ミッチェル氏は、Discordのような「すでに高度な機能を持つテクノロジーボットが存在する」ユーザー運営のコミュニティは「テキストと画像をベースにしたものから、より没入感のあるビデオをベースにしたものへ」移行する可能性があると考えている。

これら3つの計画を実行するために、Tencentはどれだけの能力を持っているのだろうか?同社は、適切な人材と技術を備えていると考えている。

TencentのMartin Lau(マーティン・ラウ)社長はこう述べた。「(メタバースの)原動力となるのは、やはりソフトウェアであり、ユーザーエクスペリエンスを提供するのに本当に役立つ技術であり、それはエンジンテクノロジーであったり、多数の同時ユーザーに対してより良いリアルな体験や忠実度の高い体験を提供する能力であったり、AI技術であったりします。それらが揃うことで、人によって異なる体験をカスタマイズすることができます」。

同社はメタバースの実現時期については明らかにしなかったが、ラウ氏は「おそらく人々が予想していたよりも時間がかかり、多くのイテレーションを必要とするでしょう」と認めている。

Tencentの将来に、Oculus(オキュラス)に相当するものはあるのだろうか?ラウ氏は、メタバースの実現に向けて「ハードウェアは必要条件ではなく、おそらく補助的な条件になるだろう」と考えている。

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(文:Rita Liao、翻訳:Dragonfly)

Tencentとの提携でApple Musicに中国の音楽が増える

世界中のApple Musicユーザーはこれまで以上に多くの中国ミュージシャンの音楽を聴けることになりそうだ。Tencent傘下でオンラインミュージックのTencent Music Entertainment(TME)が現地時間11月8日、同社の「Music Cloud」プログラムに参加する「レコードレーベルとアーティスト」の作品が今後Apple Musicで配信されると発表した

Tencentが欧米大手のオンラインミュージックと手を組むのは、これが初めてではない。2017年に同社はSpotifyと株式交換について合意した。この合意にはコンテンツの共有は含まれていなかった。

TMEの発表は具体的ではなく、TMEもAppleも今回の計画について詳しく述べていない。この計画のポイントはTMWの「Music Cloud」とは何かということだ。これについてTMEは以下のように説明している。

TMEが公開する新しいグローバル音楽配信プラットフォームのTME Music Cloudには、コンテンツのセルフマネジメント、オンライン配信とプロモーション、利用料金の処理、音楽データのインサイトの機能もあり、幅広いパートナーレーベルやクリエイターに世界レベルでの多チャンネル配信を提供します。同時にTMEが持つ業界のリソースとTencentのソーシャルエコロジーにより、コンテンツクリエイターに対してコンテンツ制作やプロモーション、商業化に関して総合的に支援します。

この説明からすると、Music Cloudは大手レコードレーベルからの配信やマーケティングの支援がない、あまり売れていないアーティストに提供されるようだ。

この4年間、TMEはインディーズのミュージシャンを対象とするプラットフォームを構築し、作品の配信、ファンへのアピール、バーチャルコンサートの開催、そして最終的には収益化ができるようにしてきた。その代わり、TMEは作品に対してライセンスの権利を取得する。

しかしTMEにとっての本当の収入源は、台湾のJay Chou(ジェイ・チョウ)のようなトップミュージシャンの権利だ。ジェイ・チョウはユーザー確保の上で極めて価値が高い存在で、TMEは2017年にチョウの権利を侵害したとしてNetEase Musicを提訴した

TMEは長年にわたり、レコードレーベルの「ビッグ3」と呼ばれるユニバーサルミュージック、ワーナーミュージック、ソニー・ミュージックエンタテインメントから独占ライセンスを確保するために多額の資金を投じてきた。しかし中国がテック業界に対して独占的活動を取り締まり、TMEの厚い壁が壊れ始めている。2021年7月に中国の市場規制当局はTMEの「不公平な」市場活動に対して制裁を課し、オンラインミュージックの独占権を放棄するように通告した。

TMEが高額なライセンスの音楽をApple Musicと共有するとは考えにくい。もし共有すれば、この提携は代償をともなうだろう。TMEとAppleが詳細を明らかにすれば、さらに多くのことがわかるはずだ。今のところ、世界中のオーディエンスに聴いてもらえる可能性に中国の新人ミュージシャンが大きな魅力を感じることは確かだ。

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Kaori Koyama)

Tencentのチップ開発進出はまったく驚くべきことではない

Tencentは今週初めて、チップ開発の進捗を公開し、その結果、同社の株価はわずかながら上昇している。ゲームやソーシャルネットワークで稼ぐ大企業であるTencentの主要分野からシリコンは遠い存在のように思えるが、観測筋によると、Tencentのこの動きは、半導体を自主開発するという中国の長期的目標に同社も一枚噛んでいることを示すものだ。しかもちょうど現在、ゲーム部門は規制当局から一連の攻撃を受けている。AlibabaやBaidu、Huaweiなどのテクノロジー大手も北京のシリコン推進に自社製チップで応えている。

その一方で、Tencentのようにデータの処理量が極めて多い企業は、もっと早く半導体の自社生産に取り組んでいてもおかしくなかった。

米国時間11月5日にTencentが発表した3つのチップはすべて自社製で、1つはAIの推論用、1つはビデオのコード変換用、そしてもう1つはネットワークインターフェース用だ。

巨大インターネット企業が自らの事業を強化するために専用のハードウェアを開発し始める例は、数え切れないほどある。2018年に、FacebookはAIチップの設計者を雇って、その途方もない量のユーザーデータを処理し、偽情報の問題を解決しようとしていた。

Tencentも、稼ぎ頭のアプリであるWeChatメッセンジャーの毎月のユーザー数は10億を超えており、処理すべきデジタルの足跡は大量だ。

しかしWeChatの管理者であるAllen Zhang(アレン・チャン)氏は、個人データを企業の私的目標に資することに消極的なことで有名だ。これまで、WeChatのユーザーフィードはただ時間順に並んでいるだけで、たまに自社広告が出るぐらいのものだ。

2020年のWeChatの年次大会でチャン氏は「ユーザーのチャットの履歴を分析すれば、巨額の広告収入が得られるだろう。しかし私たちはそれを行わず、WeChatはユーザーのプライバシーを非常に重視している」と述べている。彼が望んでいるのはWeChatが便利な使い捨てのツールであることであり、ユーザーの時間をアルゴリズムが生成する中毒性のあるリコメンデーション漬けにすることではない。

しかしチャン氏は、譲歩したようにも見える。最近のWeChatには、TikTokの最小限の機能を搭載したような短編動画もある。TikTokと同じくWeChatのビデオ機能も、ユーザーの好みを予測してコンテンツを提供している。

Tencentには、機械学習の高性能化が有利に働き、収益が増えそうな事業もたくさんある。たとえばニュースアグリゲーターのTencent Newsや、Netflixに似たTencent Videoなどだ。中国は検閲が厳しいため、コンテンツプロバイダーは、引っかかりそうなテキストやオーディオやビデオを事前に排除するためにより強力なコンピューターの力を必要としているだろう。

Tencentの上級副社長であるDowson Tong(ダウソン・トン)氏によると、同社のAI推論チップは主に、画像と動画の処理、自然言語処理、検索などに使われる。動画のコード変換用チップは、その名のとおりの仕事をしてTencentの膨大な量の動画処理に滑らかさと低レイテンシーを確保する。そしてスマートネットワークのインターフェースカード(SmartNIC)は、CPUサーバーのオフロードに利用される。

Tencentは、チップの開発だけに取り組んでいるのではない。トン氏によると、同社は今後、国内と海外のチップ企業が「深い戦略的なコラボレーション」を維持できるようなエコシステムを作っていく。たとえばTencentは4回の投資ラウンドで上海のEnflameを支援したが、同社はAIの訓練用チップを開発しており、Tencentもすでにそれを自らの事業に利用している

画像クレジット: Visual China Group / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

インドのローカル向けソーシャルメディア「Lokal」が中国Tencentから約13.6億円を調達

インドのハイパーローカルソーシャルメディアプラットフォーム「Lokal(ローカル)」が、中国のインターネットコングロマリット「Tencent(テンセント)」が主導する新たな資金調達ラウンドで1200万ドル(約13億6800万円)を調達したことが、この件に詳しい関係者を通して明らかになった。

ベンガルールを拠点とするこのスタートアップ企業のシリーズAには、既存の投資家である3one4 Capital(3one4キャピタル)、Y Combinator(Yコンビネーター)、India Quotient(インディア・クオシェント)も参加しているとのことだが、関係者はこの件が非公開であることから匿名を希望している。

TencentとLokalは、コメントの要請に応じていない。

推計によると、現在オンラインに接続している非英語圏のインド人は4億人以上いると言われている。彼らにとって、インターネットで提供されるサービスは非常に限られたものであり、そのようなユーザー向けに構築されたサービスはあまり存在しない。

Lokalは、このようなユーザーにリーチし、幅広いサービスを提供しようとしている。その名を冠したハイパーローカルソーシャルメディアアプリは、英語を話さないユーザーがお互いにつながり、交流することを可能にする。

また、このアプリは、ユーザーが近くの仕事を見つける手助けをしたり、商品価格や不動産価格、地元の新聞に掲載されているような婚活広告などの最新情報を提供したりもする。また、スキルアップのためのサービスも提供している。

同社のウェブサイトによると、ダウンロード数は1000万を超え、南インドの複数の州で人気を博しているという。

インド企業が中国の投資家から資金を調達する際に、インド政府の承認を得ることを義務付ける規則をニューデリーが導入してから1年半以上が経過した中で、今回の投資が行われた。この動きは、中国企業のインドへの投資ペースを著しく低下させていた。しかし、ここ数カ月の間に、いくつかの企業がTencentから資金を調達している。

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中国TencentがインドのPocket FMの投資ラウンドをリードへ、最大27億円規模か

TechCrunchは8月、インドのPocket FM(ポケットエフエム)がTencentなどからの資金調達に向けて交渉を進めていると報じた。2016年以降、インドのスタートアップに20億ドル(約2280億円)以上を投資している中国の巨人は、2021年初めにもインドのソーシャルメディアプラットフォームShareChat(シェアチャット)に2億ドル(約228億円)以上を投資したが、同スタートアップは発表時にTencentの関与を明らかにしなかった。

インドの音楽ストリーミングサービスのGaana(ガーナ)にもさらに資金を投入した同社は、最近のインド企業への投資を、当事者間の承認の時間稼ぎと、将来的に負債を株式投資に転換する選択肢を得るために、転換社債として行っている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

クラウド市場の成長を脅かす中国によるテック巨人への弾圧、BATHの中での位置づけは

中国のテック企業が国内の規制当局の監視下に置かれる中、投資家や中国の4大クラウド企業であるBATH(Baidu AI、Alibaba Cloud[アリババクラウド、阿里雲]、Tencent Cloud[テンセントクラウド]、Huawei Cloud[ファーウェイ・クラウド])を含む国内のハイテク企業の間で、懸念やプレッシャーが高まっているとアナリストが報告している。

一連の独占禁止法やインターネット関連規制の取り締まりにもかかわらず、大手クラウド企業4社は着実に成長している。現在の精査は特にクラウド分野に集中しているわけではなく、デジタルトランスフォーメーション、人工知能、スマートインダストリーへの需要が堅調に推移していることから、中国のクラウドインフラ市場規模は、2021年第2四半期に前年比54%増の66億ドル(約7261億円)となった。

それでもなお、Baidu(バイドゥ、百度)、Alibaba(アリババ)、Tencent(テンセント)の3社の株価はこの半年間で18%から30%下落しており、投資家は中国のテック企業に賭けることに慎重になる可能性がある。

「中国のテック企業は、有利な欧米市場へのアクセスが妨げられていたときには特に、常に国内市場に頼ることができました。しかし、過去9カ月間に国内の規制圧力が高まったことで、過去数年間にクラウド事業を大きく成長させてきた企業にとっては、苛立たしい逆風となっています」とCanalysのバイスプレジデント、Alex Smith(アレックス・スミス)氏は語る。

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中国のクラウド市場では、4大クラウド企業がクラウド支出総額の80%を占め、圧倒的な強さを誇っている。Alibaba Cloudは、2021年の第2四半期に33.8%の市場シェアを獲得し、トップランナーの地位を維持している。同じ第2四半期に中国の市場規模の19.3%を占めていたHuaweiは、これまで規制措置を回避してきた存在だ。

CanalysのチーフアナリストであるMatthew Ball(マシュー・ボール)氏はこう語る。「Huaweiはたまたま強力なクラウドビジネスも展開している、インフラとデバイスの会社です。クラウドインフラに関しては、BATだけでなく、BATH企業に注目しています。Huaweiは、特に同社が政府との良好で長期的な関係を持つ公共セクターにおいて、成長を促進するのに強い立場にあります」。

中国の規制当局が自国のテック企業への監視を強化する一方で、弾圧は中国の市場や同国に拠点を置く企業の株式に大打撃を与えている。

中国では、国家安全保障に関わる重要データの保護を目的としたデータセキュリティ法が6月に成立し、9月上旬から施行されている。また、8月下旬には、ByteDance(バイトダンス)、Alibaba Group(アリババグループ)、Tencent、DiDi(ディディ、滴滴出行)などを対象としたアルゴリズム企業の規制に関するガイドライン案が発表された。

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【中国】Tencentが年齢制限を回避するサイトに対抗策

画像クレジット:Alex Tai / SOPA Images / LightRocket / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

【中国】Tencentが年齢制限を回避するサイトに対抗策

TechCrunchチャイナ・ラウンドアップへようこそ&おかえりなさい。今週も中国テック業界の近況と世界の人々に与える影響ついてお送りする。

中国政府による新たなゲーム規制の執行はイタチごっこの様相を見せている。同国のインターネット巨人と若きプレイヤーたちは常に相手を出し抜こうと伺っている。Didi(ディディ、滴滴出行)アプリが禁止された後、中小ライドシェアリング・アプリ各社は市場の真空地帯を狙っている。

Tencentと若きゲーマーたち

中国のことわざ「ポリシーのあるところに対抗策あり」は、この国のビデオゲーム環境の規制強化で今起きていることをうまく言い表している。2021年9月、中国は低年齢ユーザーのゲーム時間に関して過去に類を見ない最も厳格なルールを制定した。18歳未満のプレイヤーたちは騒然となり、週3時間の割当てを打開する方法を必死に探し始めた。

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数日のうちに、ゲーミングの巨人、Tencent(テンセント、騰訊)は、一連の回避策を一掃する行動を起こした。同社は未成年プレイヤーへの成人アカウントの販売あるいは取引を行う20以上のオンライン・サービスに対して訴訟あるいは声明を発行したことを、今週同社のゲーミング部門がWeibo(微博)に関する発表の中で語った

子どもたちはそのアカウントを2時間当たり数ドルで借りることで通常の年齢確認を行わずにゲームをプレイできる。この手のサービスは「実名ゲーミング・システムと未成年保護の仕組みにとって深刻な脅威」であるとTencentは語り、一連の慣行を中止するよう要請した。

教育的ゲーム

中国政府は中毒を誘発するゲームや、未成年者にとって「身体的および精神的に有害」と考えられるゲームを主な標的としている。しかし「子どもたちにとって良い」ゲームはどうなのか?

TencentとRoblox(ロブロックス)が2019年に中国でジョイントベンチャーを設立した時世間は、クリエイターに焦点を絞ったゲーミングプラットフォームがTencentが教育ゲームを制作して創造性をかきたてたり、テクノロジーをもっと社会を良くするために使うように、という政府の要請との整合性を高める後押しになるだろうと推測した。TechCrunchは以下のように報じている。

Robloxの「創造性」の奨励に焦点を当てたマーケティングは、テック企業は「良いことを行うべし」というTencentが応じた中国政府の要請と調和していると考えられる。Robloxの中国語ウェブサイトは、同社のビジネスには学習とSTEMツールがあり、地域の学校と教育者との協調も計画していると謳っている。

もしRobloxが、若き中国人たちに世界的な人気ゲームをデザインするよう喚起することができるなら、中国当局は同社を中国文化とソフトパワーの輸出ルートとみなすようになるかもしれない。ゲーミング業界は、政府の関心と一致することが国の支援を受けるために必要であることを十分認識している。実際、ゲーム業界を始めとする非政治的団体による政治的、社会的な重要問題に関する提案を支援をするための組織である中国人民政治協商会議のあるメンバーは、ビデオゲームは中国文化輸出の有効な手段であると6月に語った。

Robloxのこの事例は、ゲームの教育および輸出目的利用に対する中国政府の姿勢の変化を見る興味深い題材だ。

Didiへの挑戦

Didiには数年来多くのライバルがいるが、中国ライドシェアリング業界における同社の支配を脅かすものは現れていない。しかし最近、一部のライバルたちは、当局がサイバーセキュリティの懸念からDidiアプリの新規ダウンロードを禁止した後、新たなチャンスを見出そうとしている。Cao Cao Mobility(曹操出行)はその1つだ。

Cao Caoは中国の自動車メーカー、Geely(吉利汽車)傘下の高級ライドシェアリングサービスで、今週5億8900万ドル(約647億6000万円)のシリーズB調達ラウンドを発表した。このラウンドは、Cao Caoがドライバーと乗客の支持を得るための武器を与えるはずだ。しかし、政府による反競争取締りが強化される中、昨今のインターネットプラットフォームは、2015年頃のDidiほど資本注入による成長フェーズに熱心ではないかもしれない。

アプリの禁止がDidiに与えた影響は今のところ限定的だ。むしろアプリによる注文は7月に13%増加したことを運輸局のデータが示している。新たにスマートフォンを手に入れた人はDidiをダウンロードできないが、それでもWeChatで動くミニアプリを使うことができる。WeChatは中国で広く普及しておりサードパーティーアプリのエコシステムを広げている。Didiがアクティブユーザーを何人失ったのかはわかっていないが、同社のライバルが巨人のドライバーと乗客を誘う多額のインセンティブを払うわなくてはならないことは間違いない。

DTCファストファッション

ベンチャーキャピタリストたちは中国のDTC(消費者直接販売)ブランドに資金を注入しており、この国のサプライチェーンの優位性と抜け目ないマーケター集団が欧米消費者を取り込むことに期待している。7月に、ベビー服ブランドのPatPat(パットパット)は5億1000万ドル(約560億7000万円)の大型調達を完了した。2021年9月、Z世代ファストファッションを中国で生産して米国で販売している新進気鋭のDTCブランド、Cider(サイダー)が、シリーズBラウンドで1億3000万ドル(約142億9000万円)を調達し、企業価値は10億ドル(約1099億5000万円)以上だったというニュースがやってきた。中国のテックニュースサイトである36Krが最初に報じ、TechCrunchも独自に確認した。

DST GlobalがCiderの最新ラウンドをリードし、既存の出資者であるA16Z(アンドリーセン・ホロウィッツ)とGreenoaks Capital(グリーンオークス・キャピタル)も参加した。投資家たちはShein(シェイン)の世界中での勢いにはっきり勇気づけられている。同社の新規ダウンロード数は数十の国々でAmazonを超え、業界の巨人Zara(ザラ)と比較されることも多い。純粋なインターネット企業と異なり、輸出志向のEコマースには、デザインから、製造、マーケティング、出荷からアフターサービスまで長くて複雑なバリューチェーン(価値連鎖)があることで知られている。Sheinの物語は多くのフォロワーを元気づけるだろうが、簡単には真似できない。

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画像クレジット:Visual China Group / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国政府が新作オンラインゲームの認可を8月から一切停止中、未成年ゲーマー関連規制の成功のため

中国政府が新作オンラインゲームへの認可を8月から一切停止中、未成年ゲーマー関連規制の成功のため

Reuters/Kim Kyung-Hoon

中国では18才未満が週に3時間以上ゲームをプレイするのを禁じられたばかりですが、それに続いてApp Storeを含むオンラインゲームの新作リリースが1本も許可されなくなっていると報じられています。

香港メディアThe South China Morning Post(SCMP)によると、中国規制当局はテンセントやネットイースといった大手ゲーム開発企業との会議を行い、そこで新作ゲームのライセンス発行を停止する決定を下したとのことです。その会議には出席していないが説明を受けた関係者が「すべてが保留になっている」と述べています。

別の関係者によると、この発行停止は「しばらくの間」続くとのこと。規制当局は、2021年前半にライセンス発行を「少し積極的に行いすぎた」と考えているそうです。その目的は「新作ゲームの本数を削減する」ことにあり、それにより中国政府の「ゲームの追加を減らす」意図を助けるつもりだと伝えられています。

この会議に参加していた別の関係者は、「発行を凍結する」と具体的に決められたわけではないとも語っています。むしろ、ゲーム依存症を減らす計画を「円滑かつ成功裏に展開する」ために、認可プロセスを遅らせると議論されたとのこと。つまり、今後は新作のリリースを一切認めないわけではなく、ペースに歯止めを掛けることが狙いと示唆されている模様です。

この会議は水曜日(9月8日)に行われたと報じられてはいますが、SCMPは今年8月にはライセンスが承認されなかったとも伝えています。新作ゲームに対する締め付けは、もっと早くから始まっていた可能性があるわけです。

中国が新作ゲームのライセンス発行を停止したことは、今回が初めてではありません。まず2018年3月~12月にかけて停止され、中国ゲーム市場の成長が大幅に鈍化したこともありました。

もともと中国では2016年以降、有料またはアプリ内購入を提供しているゲームはすべて事前に規制当局に提出し、公開前にライセンスの取得が義務づけられています。それがアップルのApp Storeでは数年にわたってお目こぼしされていましたが、2020年には厳密に実施されるようになりました

中国でのライセンス取得の義務化は、これまでもApp Storeの収益に大きな影響を与えてきました。ティム・クックCEOとルカ・マエストリCFO(最高財務責任者)は、2018年のライセンス発行停止の際に、App Storeにとって財務上の逆風の原因になっていると述べていたことがあります。

すでに中国は世界最大のゲーム市場となっており、App Storeにおいてもゲームの収益は66%を占め、iOS用ゲームで最も稼いでいるのは中国企業テンセントの『王者栄耀』という調査結果もあります。今回のライセンス発行“保留”は、アップルにとって大きな痛手となるのかもしれません。

(Source:The South China Morning Post。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

【中国】政府はテック巨人にもっと社会的責任を負わせたい

TechCrunchチャイナ・ラウンドアップへようこそ&おかえりなさい。中国テック業界の近況と、それが世界の人々に与える影響ついてまとめてみた。

先週、中国ゲーム業界は再び政府の標的となり、未成年プレイヤーに対する世界で最も厳格と思われるルールが施行された。また、中国のテック巨人たちは、社会的責任を取り、束縛のない拡大にブレーキをかけるようにという政府の要請に急いで答えている。

ゲーム制限令

中国政府はこの国の若きゲーマーたちに爆弾を落とした。現地時間9月1日以降、18歳未満のユーザーはゲーム時間が1日当たりのわずか1時間、金曜、土曜、日曜日の午後8時~9時のみに制限される。

この厳格なルールは、未成年に対するすでに締め付けの強いゲームポリシーに輪をかけるもので、政府はビデオゲームが近視の原因であり、精神と肉体両方の健康を害していると信じている。中国が最近、一連の校外学習の制限を発表したことを思い出して欲しい。働く親たちは子どもたちを忙しくさせるのがますます難しくなるというジョークが出回っている。

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新たな規制のいくつかは分析する価値がある。まず、新しいルールを策定したのは国家新聞出版署(NPPA)。同署は中国国内のゲームを承認する規制機関であり、2019年には9カ月間認可を凍結してTencent(テンセント、騰訊)などでゲームの在庫が底をつくことにつながった。

プレイタイムの指針が、ゲームコンテンツの審査と出版ライセンスを発行しているNPPAから出てきたことは興味深い。中国の他の業界と同じく、ビデオゲームは複数の規制機関による承認の対象となっている。NPPAの他、国の最高のインターネット監視機関であるサイバースペース管理局(CAC)、業界標準と通信インフラを司る中華人民共和国工業情報化部がある。

アナリストらは、習近平主席が長を務める中央サイバースペース管理局配下で強大な力を持つCACが、権利を手放したくない他の省庁との官僚的闘争に直面しているところを長年見てきた。これは、裕福なゲーム業界の規制にも当てはまる可能性が高い。

Tencentをはじめとする主要ゲーム会社にとって、新ルールが会社のバランスシートに与える影響は取るに足らない。ニュースが報じられた直後、NetEase(ネットイース)や 37 Games(サーティーセブン・ゲームズ)をはじめとする中国上場ゲーム会社は、未成年プレイヤーは会社売上の1%以下しか寄与していないことをすかさず発表した。

Tencentはこの変更を見越して「中国におけるゲーム売上において16歳未満の占める割合はわずか2.6%、12歳未満はわずか0.3%」であると第2四半期決算で公表している。

こうした数字が現実を反映しているかどうかはわからない。なぜなら子どもたちは、ユーザー登録に大人のIDを使うなどしてゲーム制限を回避する方法を以前から知っているからだ(前の世代が成人の友人からIDを借りてインターネットカフェに潜り込んだのと同様だ)。Tencentや他のゲーム会社は、これらの回避方法を遮断することを約束して、子どもたちにVPNを使って海外版のゲームタイトルを利用するなど高度な技の追求を強いようとしている。いたちごっこは終わらない。

ともに繁栄を

中国はテック巨人の力を削ぎ落とすだけでなく、社会的責任を果たすよう圧力をかけている。ギグワーカーの権利尊重もその1つだ。

先週、中国最高人民法院は「996」と呼ばれる午前9時から午後9時まで週6日働く長時間労働を違法と判断した。この決定は、テック業界のバーンアウト・カルチャーに対する労働者の数年にわたる抗議活動を受けたもので、「996」を実行している企業を列挙するGitHub(ギットハブ)プロジェクトなどが行われてきた。

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一方、勤勉で従順な従業員は、中国テック業界の競争優位性であると言われることも多い。それは、シリコンバレー企業、特に中国をよく知る人々が経営する企業が、この国に支社を設置してテック人材を活用している理由の一部だ。

残業が称賛、許容されていた日々は終わろうとしている。ByteDance(バイトダンス、字節跳動)と同社のショートビデオのライバルであるKuaishou(クアイショウ、快手)は、最近それぞれの週末残業ポリシーを廃止した

同様に、Meituan(メイトゥアン、美団)はフードデリバリー配達員のために強制休憩時間を導入することを発表した。オンデマンドサービスの巨人は、ライダーに過酷な労働時間や危険運転を強要する「非人間的」アルゴリズムで非難を浴びていた。

画期的な試みとして、ライドシェアリングの巨人、Didi(ディディ、滴滴出行)とAlibaba(阿里巴巴集団)のeコマースのライバル、JD.com(ジェイディードットコム、京東集団)は、社員のために労働組合を設置した。ただし、新たな組織が従業員の権利を守るために意味のある影響を持つかどうかは不明だ。

TencentとAlibabaも動いた。8月17日、習近平主席は「共同繁栄」を求める演説を行い、この国の大富豪たちから大きな注目を集めた。

「中国が2度目の100年目標に向かって進むにあたり、人民の幸福は、共同繁栄を促進して党の長期支配の基盤を強化することによって実現すべきです」。

今週TencentとAlibabaの両社は「共同繁栄」を支援するために1000億人民元(155億ドル)を拠出することを宣言した。資金の目的は、地方経済の成長から医療システムの改善まで、中国政府の国家開発目標とよく似ていてうまく連携している。

画像クレジット:Photo by Lintao Zhang/Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国政府が子どものオンラインゲームを週末3時間のみに制限、健康懸念で

中国の国家新聞出版広電総局は子どものオンラインゲームに制限を設ける通知を出した。現地時間9月1日からビデオゲーム会社はゲーム時間を金曜、土曜、日曜日の午後8〜9時、週3時間に制限しなければならない。

この新たな規制で中国当局はオンラインゲーム中毒に取り組もうとしている。国家新聞出版広電総局によると、オンラインゲーミングは子どもの肉体的、精神的健康に影響を及ぼしている。

ゲーム時間制限を実施するために、ゲーム会社は実名ベースの登録システムを活用しなければならない。2018年にTencent(テンセント)は人気を博したモバイルゲーム「Honor of Kings」のプレイタイムを制限するためにこのシステムを使い始めた

当時、12歳までの子どものゲームは1日に1時間、13〜18歳は1日に2時間となっていたが、規制はそれほど厳しくなかった。当局は子どもの近視が悪化することを懸念していた。

登録手続きではユーザーはID認証システムを経なければならない。つまり、実名でのアカウント1つだけしか持てない。規制当局はゲーム会社が地方の条例に則っているか定期的にチェックする。

新規制がビデオゲーム全体に今後どのように影響するのか、興味深いところだ。オンラインゲーミングが具体的に言及されていて、これは各ゲームが制限されることはないことを意味するかもしれない。同様に、コンソールゲームと外国のゲームが実名に基づく登録システムを導入しなければならないのかも不明だ。

一部の若いゲーマーは外国のサーバーに申し込むことで規制を回避したいだろう。大人のゲーマーはこれまで通り好きなだけプレイできる点も注目に値する。

今回のニュースを受け、Tencentは声明文を出した。「Tencentは強く賛同し、可能な限り早期に通知の関連要件を満たすようあらゆる努力をします」としている。

Bloomberg(ブルームバーグ)が報じたように、NetEase(ネットイーズ)の株価は8月29日の終値に比べて現在8%下げている。NetEaseも中国の人気のゲーム開発会社で、Tencentほど事業は多角化していない。

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画像クレジット:VCG / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

中国政府が推奨アルゴリズムの厳格な管理を提案、アリババとテンセントの株価わずかに下落

中国は、世界最大の人口を擁する市場である同国において、地元のインターネットサービスが持つ影響力にさらに歯止めをかけようとしている。ここ数カ月の間に拡大した一連の規制強化に続き、同国は中国時間8月27日、企業がユーザーにレコメンデーションを提示するために実行するアルゴリズムを規制するガイドライン案を発表した。

中国サイバースペース管理局(CAC)は、27日に発表した30項目のガイドライン案の中で、企業が「中毒や大量消費を助長する」アルゴリズムを展開し、国家安全保障を危険にさらしたり、公共秩序を乱したりすることを禁止することを提案している。

習近平国家主席が議長を務める中央指導部に直属するインターネット監視当局のガイドラインによると、サービス各社はビジネス倫理と公平性の原則を遵守しなければならず、そのアルゴリズムが偽のユーザーアカウントの作成やその他の誤った印象を与えるために使用されてはならないとある。同監視局は、新ガイドラインに対する一般からのフィードバックを1カ月間(9月26日まで)受け付けるとしている。

また、このガイドラインでは、アルゴリズムのレコメンデーションを簡単にオフにできる機能をユーザーに提供することを提案している。世論に影響を与えたり、市民を動員する力を持つアルゴリズム提供者は、CACの承認を得る必要がある。

27日の提案は、同国政府が消費者データの扱い方や国内での独占的な立場を理由に、企業を標的とする傾向がますます強まっている中で行われた。

2021年初め、政府が支援する中国消費者協会は、現地のインターネット企業がユーザーを購入やプロモーションに「追い込み」、プライバシー権を蝕んでいると指摘した。

中国政府による最近のデータセキュリティの取り締まりや家庭教師サービスに対する規制強化は、投資家を不安に陥れ、数千億ドル(数十兆円)の損失につながった。

今回のガイドラインは、ByteDance(バイトダンス)、Alibaba Group(アリババグループ)、Tencent(テンセント)、Didi(ディディ、滴滴出行)など、独自アルゴリズムを基盤としてサービスを構築している企業を対象としているようだ。このニュースを受けて、AlibabaとTencentの株価はわずかに下落した。

近年、米国やインドをはじめとする数カ国の政府が、これらの大手テック企業のアルゴリズムがどのように機能しているかをより明確にし、悪用を防ぐためのチェック体制を整えようと試みてきたが、成果はほとんど上がっていない

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画像クレジット:George / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

中国TencentがインドのPocket FMの投資ラウンドをリードへ、最大27億円規模か

Tencent(テンセント)が、インド・グルグラムに本社を置くPocket FM(ポケットエフエム)の投資ラウンドをリードする交渉が進んでいる。中国の大企業がインドマーケットで消費者インターネットのポートフォリオを拡大する最新の動きだ。

この件を把握している情報筋3人によると、すでにPocket FMに出資しているTencentはPocket FMの2000万〜2500万ドル(約22億〜27億円)のラウンドをリードすることで協議を進めている。提案された創業3年になるPocket FMの評価額は7500万〜1億ドル(約82億〜110億円)だと情報筋2人は述べた。既存投資家であるTimes InternetのBrand CapitalとLightspeedもラウンドに加わる。

ラウンドはまだクローズしていないため、条件は変わり得る。TencentとPocket FMはコメントを却下した。

Pocket FMは、ユーザーにポッドキャストとオーディオブックを英語やいくつかのインドの言語で提供する社名を冠したアプリを展開している。カタログは1万時間超にのぼると同社のウェブサイトにはある。オーディオブックを制作するのに同社は数人のクリエイターと協業している。

アプリはフリーミアムモデルで利用でき、有料のサブスクと広告が入る無料バージョンが用意されている。

今回の投資協議は、幅広いインドのスタートアップがオーディオ部門で事業を開始したり拡大したりしている中でのものだ。たとえばインドのソーシャルネットワークShareChatは2021年初めにClubhouseのような機能を立ち上げた。

Pocket FMはTencentがインドの消費者インターネット分野に賭ける最新の案件だ。Tencentはまた、音楽ストリーミングサービスのGaana、オンデマンドビデオストリーミングプレイヤーMX Playerの主要投資家でもある。

インド政府が中国企業によるインド企業への投資を許可制にする規則を導入したことを受け、Tencentは2020年にインドでの投資のペースを抑制した。ここ数四半期は活発になり、コンバーチブルノート付きの株式の代わりに社債を通じて投資している。

関連記事:インドが中国からの投資に政府承認を義務付け、新型コロナ渦中での敵対的買収を予防
画像クレジット:Arijit Sen / Hindustan Times / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

中国で企業の個人情報の扱い定める「個人情報保護法」が可決、EUのGDPR相当・個人情報の国外持ち出しを規制

中国で企業の個人情報の扱い定める「個人情報保護法」が可決、EUのGDPR相当・個人情報の国外持ち出しを規制

AerialPerspective Works via Getty Images

中国が、ユーザーデータ保護法(PIPL)案を可決したと新華社が伝えています。PIPLは、企業がユーザーデータをどのように収集、処理、保護するかについての包括的なルールを定めるもので、欧州のGDPR(一般データ保護規則)に相当する法律です。

この法律では、データの最小化(データ収集を特定の目的に必要な情報のみに限定すること)が規定されています。また、個人情報の使用方法をユーザーがコントロールできるようにすることも義務付けられており、例えばユーザーにはターゲティング広告を拒否する選択肢などが得られるとのこと。Reutersによると、PIPLでは「企業は明確かつ合理的な目的のもとで個人情報を取り扱わなければならず、取得する情報は目的のために必要最小限な範囲に限定される」とのこと。

また、この法律には第三国へのデータ転送に関しても規定があり、GDPRに定められるデータ保護責任者 (DPO) 的ポストを設置して、プライバシー保護の堅牢性について定期的な監査が行われるとされます。

中国ではPIPLの他にもデータセキュリティ関連の法律(DSL)が可決され9月1日から施行されることになっており、これらは企業が持つ経済的価値と「国家安全保障との関連性」に応じてデータを管理するための明確な枠組みを定めようという動きで、この点においてPIPLは欧州市民の情報を扱うあらゆる企業に適用されるGDPRとは異なっているようです。

中国がこうした法律を用意するのは、巨大化してきた国内テクノロジー企業への規制を強めるためと考えられます。中国最大のEC企業アリババは今年4月に、その支配的立場を乱用した廉で、182億2,800万元(2916億4800万円:当時)の行政処罰を科せられました。またネット配車サービスのDiDiも7月、ニューヨーク証券取引所への新規株式公開(IPO)をおこなった直後に、中国サイバースペース管理局(CAC)がユーザーのプライバシーを侵害した疑いがあるとして調査に入ったことが伝えられ、その出足を大きくくじかれています。また8月7日にはWeChatの”Youth Mode”が児童保護法に違反しているとして、テンセントが提訴されています。

PIPLは2021年11月1日に発効するため、企業がこの法律に対応するための猶予は2か月ほどしか余裕がありません。

(Source:Xinhua。Via CNBCEngadget日本版より転載)

ソフトバンクG孫社長が中国への投資は「しばらく様子見」、IT大手締め付けに「いずれバランスを取り戻すと信じている」

ソフトバンクG孫社長が中国への投資は「しばらく様子見」、IT大手締め付けに「いずれバランスを取り戻すと信じている」

AI革命を掲げ、多くの中国ハイテク企業に投資しているソフトバンクグループの孫正義社長は8月10日の決算会見で、中国当局のIT大手締め付けについて『長い目でみれば、どこかでもう一度バランスを取り直すと私は信じている』とコメントしました。

孫社長は『6月末を過ぎたあたりで、中国の問題が出てきました。DiDiが上場した直後や、フルトラックアライアンスも上場直後でしたね。その後、アリババもテンセントもバイドゥもメイトゥアンも、中国のハイテク株は今受難のときであります。しかし、長い目で見ればですね、業績は伸び続けているわけですから、もう一度バランスを取り直して、株価も持ち直すと私は信じております』とコメント。

また『世界のAI技術の革新の中心は2つあって、米国と中国であると思っています。ですから、今後とも中国におけるAI技術そしてビジネスモデルの革新はどんどんと続いていくんだろうと強く信じております』と述べました。

一方で投資活動については『新たなさまざまな規制等がはじまっておりますので、どのような規制がどのような範囲で行われるのか、そしてそれが株式市場にどのような影響を与えるのかを、もう少し様子を見てみたい』とし、中国企業への投資は当面見合わせる方針を示しました。

加えて『我々が中国政府の動きに反対しているとか、そういうことは全く考えてませんし、中国の将来性について疑念を抱いているかというと、それも全く違います。ただ、新たな規制、新たなルールが今はじまろうとしているばかりですから、もう少し様子が固まるまで、我々としては様子を見てみたいと。おそらく1年2年すれば、新たなルールのもと、新たな秩序がもう一度しっかり構築されると私は信じておりますので、その状況がはっきりしてくれば、中国での投資活動を活発に行うということは十分に可能性としてはありますが、ここしばらくは様子を見てみたいということです』とも付け加えました。

また、ソフトバンクグループの時価純資産(NAV)の多くを占めるアリババについては『依然として売上1.3倍増くらいが続いていますし、直近もそれが衰えずに伸びておりますので、アリババの株価もいずれ回復すると私は信じております』と述べた一方、「直近ではNAVに占めるアリババ株の割合はソフトバンク・ビジョンファンドを下回っている」とも述べ、アリババ一本足打法とみなされる状況を脱却しつつあるとも強調しました。

時価純資産におけるアリババの割合はビジョンファンドの伸長で低下していると説明

時価純資産におけるアリババの割合はビジョンファンドの伸長で低下していると説明

また、ビジョンファンドにおける中国企業への依存度については、ビジョンファンド1・2のトータルでは『2021年7月末の時価ベースで23%』としたものの、2021年4月以降の新規投資では11%に留まっていることも明かしました。

Engadget日本版より転載)

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