運転中の携帯端末操作、年齢を問わずに増加(悪化)中

運転中にテキストメッセージを送受信するのは、若者に特有の傾向だと思っている人が多いのではないだろうか。ティーンエイジャーたちは運転中にどのようなことに気をつけるべきかを知らず、無謀な行動をしそうに思える。また携帯端末を常にいじり続けているという印象もある。

しかし、AT&Tが資金を出した最近の調査によると、実のところ「大人」でもかなりの人がテキストメッセージのやり取りを行なっているそうだ。本調査は1,011名の「大人」を対象に行われた。

この調査によれば、成人の半数近くが運転中にテキストメッセージのやり取りを行なっていることがわかった。ティーンエイジャーについての調査では43%であったので、むしろ「大人」の方が多い率を示していることになる。さらに、運転中にメッセージのやり取りをしている「大人」の98%以上が、悪いことと知りつつ行なっているそうなのだ。

この調査はAT&TのIt Can Waitキャンペーンの一環として行われたものだ。昨年中にAT&Tの販売店や、CMなどでよく宣伝されているキャンペーンなのでご存知の方も多いだろう。キャンペーンでは、運転中にメッセージ送受信を行なって注意力散漫となってしまったせいで、障害を負ってしまったり、あるいは大事な人を失ってしまったりした経験を持つヤングアダルトやティーンの悲惨な話を紹介している。

全米安全評議会(NSC)によると、ティーンも運転中に携帯端末をいじっているが、数にすると「大人」のドライバーの方がはるかに多く(1千万人程度対1億8千万程度)、成人による不注意運転にも大いに気をつけるべきであるとしている。ちなみに疾病予防管理センター(CDC)によれば、毎日平均して9名ほどが、テキストメッセージの送受信に関わる事故で命を失っている。関連事故により、日々1,060人もの人が負傷してしまっているのだそうだ。

メッセージのやり取りを行うには端末を見ながら操作する必要があり、当然ながら気持ちも運転から離れてしまう。路上で最も危険な行為のひとつだと言えるだろう。集中しているときと比べて23倍も事故を起こしやすくなるというデータもある。

尚、現在のところ大きく問題となっているのはテキストメッセージのやり取りについてではあるが、運転中の注意力を散漫にする仕掛けはますます多く生まれつつあるのが現状であると言えよう。Googleグラスのことを思い起こす人もいるだろう。関連事故を防ぐための動きなども現実化しつつあるところでもある。「It Can Wait」をもう一度よく考えてみるべきだろう。

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(翻訳:Maeda, H)