企業がより効果的なビジネス英文を書けるように指導するTextioが$20Mを調達

企業の文書の文章を直してくれるTextioは急速に成長して、今ではCiscoやJohnson & JohnsonのようなFortune 500社の大企業が、人材の獲得業務を改善するために利用している。同社が行う、文章のちょっとした直しによって、求人への応募者の数や応募者の質が、がらりと変わるのだ。

今同社は、求人求職以外の分野への進出を志向しており、その業容拡大のために、Scale Venture Partnersが率いるラウンドにより、2000万ドルを調達した。参加した投資家は、Bloomberg Beta, Cowboy Ventures, Emergence Capital, そしてUpside Partnershipだ。

Textioを創業したKieran SnyderとJensen Harrisは二人ともMicrosoft出身で、あるとき企業の言語能力を良くするためのサービスをやろう、と発想した。前にMicrosoftの生産性スイート部門(Microsoft Office)にいたSnyderは、企業のコミュニケーション能力の面で、そのスタートアップに貢献したい、と思った。

彼らは自分のサービスを“augmented writing”〔仮訳: 拡張ライティング〕のためのプラットホーム、と呼んでいる。ユーザーは自分のテキストに対するフィードバックをもらうのだが、それは必ずデータに裏打ちされている。しかも、その文章を読むターゲットの層〔例: ハイティーン女性〕が、意識されている。そのため、ユーザーは自分のコミュニケーションを改良でき、より好意的な反応や返事をもらえるようになる。

(原著者注記: 生活のために言葉を並べている者の一人として、それを自分よりも上手にできるコンピューターがあると知れば、ものすごく不安になり、そんなくそったれのための記事なんか書きたくない、と思ってしまう。それを採用する人が増えれば、ぼくなんかすぐに要らなくなってしまうだろう。)

Textioの技術の最初のアプリケーションは求人だった。顧客は求人票の草案を同社に提出し、その問題点を指摘される。それは市場が大きいだけでなく、応募者が多かったか少なかったか、応募者の質が良かった(高かった)か良く(高く)なかったか、という具体的な評価がすぐ出る。

でもTextioは、自分たちの技術が企業の求人以外の分野にも応用できる、と信じている。そこで、今回の資金調達となった。企業が顧客やパートナーや、将来社員になるかもしれない人びととコミュニケーションするときにも、良い言葉、良い文章を求めるニーズがあるはずだ。

今回の投資で、Scale Venture PartnersのパートナーStacey Bishopが同社の取締役会に加わる。ScaleとBishopはマーケティング自動化企業Hubspotにも投資しているので、投資家としての一般的な助言のほかに、営業やマーケティングにおける企業のコミュニケーション能力について、専門的な知見をTextioのもたらすことができるだろう。

“このプラットホームをそのほかのタイプのビジネス文書にも拡張していきたい”、とSnyderは語る。“どの分野でも、より効果的な文書を書きたいというニーズはとても大きいはず”、と。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

テキストの目的効果パフォーマンスを分析するTextioが$8Mを調達、TwitterやMicrosoftもユーザだ

textioscreenshot

TextioのCEO Kieran Snyderは大学で、定量的言語学研究を専攻した。だから彼女と協同ファウンダのJensen HarrisがMicrosoftを去って新しい会社を始めたとき、それが言語を軸とする企業になったのも、当然の成り行きだった。

かくして、一定の状況における、テキスト中の語句のパフォーマンスを分析するスタートアップTextioが誕生した。同社は今日(米国時間12/16)、Emergence Capitalが率いるラウンドで800万ドルを調達したことを発表した。Cowboy VenturesとBloomberg Beta、およびUpside Partnershipがこのラウンドに参加した。

Snyderは語る: “テキスト中の語句の処理は相当長らくディスラプトされていない、と前から感じていた。コンピュータ処理のユーザインタフェイスはコマンドラインからGUIに変わったけれども、処理の中身が変わっていない。インターネットがやってきて、ソーシャルとか共有の時代になった。そのことをベースに、AIとその関連技術が、テキストに対する次の大きなディスラプターになるだろう。ドキュメントのパフォーマンスが発表前に分かれば、それを直してから発表できるようになる”。

Textioの最初のツールは、人材獲得、たとえばジョブポスティング(job postings, 求人票, 求人広告)のためのドキュメントが対象だ。それらのドキュメントのパフォーマンスとは、良い人材がたくさん集まるかどうかだ。言葉を適切に選び、良いレイアウトをすれば、多くの求職者の関心を集めることができる。そこで同社のサービスは、ドキュメントに対する予測的分析を行う。たとえばそのツールでは、要点が箇条書きになっているジョブポスティングは、文章だけのよりもパフォーマンスが良い、という結果が出ている。

もちろん、テキストのパフォーマンスは、メールや履歴書など、そのほかのドキュメントでも重要だし、Textioのツールが十分に使える分野だ。いろんな文書に対して、テキストの効果を採点する技術を応用できることが、投資家にとって、同社の魅力だ。

そして、もうひとつ、投資家にとって価値があるのは、同社の顧客だ。Textioはすでに、Twitter, Atlassian, Starbucks, Square, それにMicrosoftなどが利用している。自然言語処理(Natural Language Processing, NLP)の技術は…出来の良いものであれば…応用範囲がきわめて広いから、投資家という蜂たちにとっては、蜜の豊富な花なのだ。

Textioの予測的分析技術は、6万あまりの語句(語とフレーズ)を認識する。Snyderによれば、そのデータ集合は継続的な運用を通じてコンスタントに変化している。この技術はたとえば、語の並びを分析する(“このフレーズは動詞が重い(難解である)”とか)。ドキュメントの構文関連の特性も分析する。それらの分析結果を合わせて、現状のドキュメントを採点し、そのドキュメントが目的をどれぐらい達成しそうか、を評価する。

Textioは言語学の専門家が使うわけではないから、使いやすさが重要だ。だからドキュメントの評価を文章ではなく高輝度表示やドロップダウンボックスを利用して行う。ユーザはNLPの専門家でもないから、このツールの舞台裏で統計学が活躍していることも、ユーザはあまり感じていないようだ、とSnyderは言っている。

もちろん、NLPは昔も今もコンペティタが多い分野だ。大物ではIBMのWatsonがテキストの分析もやるし、そのAPIを上手に使えばTextioと同じようなことができるだろう。しかしSnyderがTextioの強みとして挙げるのは、技術の、コンテンツタイプ別のチューンナップだ。たとえば上述の、人材獲得用ドキュメントの場合のように。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。