The Emotion Journalは日々の出来事から、ユーザーの感情をリアルタイムで分析する

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サンフランシスコに住むアプリ開発者のAndrew Greensteinは、数カ月前から日記をつけ始めていた。毎日5分間、日記をつけることを習慣づけようとしたが、そのための時間を割くのは難しかった。それでも彼は日記をつけることがストレスを発散することにつながり、目標を達成する手助けとなると書かれた本を信じ、これを習慣づけようと努力している。

Greensteinは彼のチームメイトと共に、Disrupt London HackathonでThe Emotion Journalを開発した。ユーザーの感情をリアルタイムで分析し、その分析結果を時系列で表示するボイス日記だ。(ここで、ちょっとした注意事項:The Emotion JournalのWebサイトを訪れてみると、セキュリティ警告が表示されるだろう。その理由は、このWebサイトはhttpsコネクションを利用しているが、彼らはまだhttps証明書の支払いを終えていないからだ)

Greensteinは日中の間、デジタル広告代理店のSF AppWorksのCEOとして働いている。しかし、彼と共同創業者のDarius Zagareanは最近になって人工知能に夢中になり、その技術をメンタルヘルスの分野に応用できないかと考えていた。

「今後もこの分野に取り組んでいきたいと思います。なぜなら、人間とコンピューターをつなげるこの分野は、私にとって非常に魅力的なものだからです」とGreensteinは話す。

AIをメンタルヘルス分野に応用するというアイデアが最初に生まれたのは、AppWorks内部で開催したハッカソンでのことだ。そのハッカソンに出場したあるチームが、不安を生じさせる状況を人工的につくりだすアプリを開発し、そのような状況に対するユーザーの反応を向上させるという試みをしたことがきっかけだ。「できるだけAIの技術を身につけておきたいと思っていました。この世界が向かう方向が、AIに向いていることは明らかだからです。感情というファクターをもつこのアプリは、私の心を鷲掴みにしました」とGreensteinは説明する。

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人工知能と感情の交わりを探求していこうと決心した彼は、リアルタイムの感情分析のためにIBM Watsonを利用したThe Emotion JournalをLondon Hackathonの舞台で創りあげた。ユーザーが1日の出来事をThe Emotion Journalに話しかけると、ユーザーの感情に合わせて画面の色が変化する。

The Emotion Journalはその感情の色を時系列で記録する。そのため、ユーザーは自分の感情を分析したサマリーをひと目で確認することができる。「索引可能で、検索可能な日記の必要性について頻繁に話し合ってきました。私たちは過去の出来事から何かを学ぶことができるかもしれないのです」とGreensteinは話す。

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AIと日記を融合することにより、ユーザーに彼らのメンタルヘルスについて多くを教えるThe Emotion Journalだが、このアプリケーションが利用できる期間は限られているかもしれない — Greensteinは、このプロジェクトをデモ版のままにしておくことを望んでいる。だから、このプロジェクトを利用できる今のうちに、ぜひチェックしてもらいたい。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter