ジョッシュ・クシュナーのThrive Capitalが10億ドル調達

ベンチャーキャピタリストJosh Kushnerにとってよい1週間だった。彼は、ユニコーンの医療保険会社Oscarの創業者であり、ドナルド・トランプ大統領の上級顧問Jared Kushnerの弟であり、そして不動産王Charles Kushnerの息子である。

スーパーモデルのKarlie Klossと結婚した数日後、彼のVC会社Thrive Capitalは新たな資本でもって6回目となるフラッグシップベンチャーファンドを10億ドルにてクローズした。レイトステージで6億ドルを、それより以前のステージで4億ドルを調達している。

ThriveはOscarやKushner兄弟によって共同設立された不動産ソフトウェア企業のCadre、Glossier、Warby Parker、Slack、Robinhood、そしてStripeと、ステージや業界に関係なく投資している。イグジットした案件としては、Spotify、Twitch、GitHubがあり、GitHubは今年初めにマイクロソフトが75億ドル相当の9%自社株で買収した。

Kushnerは、Instagramの前CEO、Kevin Systromの親友であり、FacebookがInstagramを買収する前にInstagramに投資し、わずか72時間で金を倍に増やしたのは有名な話だ。Kushnerは2009年にThriveを立ち上げ、創業者として、そして成功したベンチャーインベスターとして急速に存在感を高めた。

ニューヨーク拠点のThriveのファンドは順調に大きく成長してきた。5回目の資金調達は2016年に7億ドルでクローズしている。それ以前は、4回目として2014年10月に4億ドル、3回目として2012年に1億5000万ドル、2回目として2011年に4000万ドルで、デビューは2009年の1000万ドルだった。

10億ドルという規模は、これまでで最も大きい。

まだ33歳のKushnerは最も若い10億ドルファンドマネジャーの1人で、現在派手に資金調達している。Oscarは3月に1億6500万ドルの資金を確保した。これにより企業価値32億ドルとなり、累計の資金調達額は12億ドルだ。

最新の注入によりThriveが管理している総資産は25億ドルとなっている。

イメージクレジット: Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

職場のチャットサービスを大きく逸脱したSlackが$200Mの巨額を調達、調達総額は$500Mを超える

slack-hq

ロケット船Slackは減速しない。この、企業向けメッセージングサービスはこのほど、投資前評価額38億ドルで2億ドルを調達した。ラウンドをリードしたのはThrive Capital、これにGGV, Comcast Ventures、そしてSlackのこれまでの投資家Accel, Index Ventures, Social Capitalらが参加した。

これで同社は、創業3年にして5億4000万ドルの巨額を調達したことになる。この前は、昨年の4月に28億ドルの評価額だった。そして今年は、ユーザー数が前年比で3.5倍に増加した

SlackのCEOで協同ファウンダーのStewart Butterfieldは、声明文の中でこう言っている: “これまでもそうであったように、弊社はこの機会にトップ走者としての地位をさらに揺るぎないものにし、継続的に意欲的な成長プランを追求していきたい。この資本は弊社の資金力をさらに厚くすることによって、妥協の要のない長期的戦略的展望への注力を可能にする”。

Thrive Capitalの常勤役員パートナーJosh Kushnerは、こう述べている: “チームワークの形を変えつつあるSlackとパートナーできることは、喜びである。複数のプラットホームやチームやアプリケーションが複雑に関与していく未来のコミュニケーションを、Slackはシームレスに支えることができる、とわれわれは確信している”。

顧客企業には、NASA, LinkedIn, Spotifyなどがいる。本誌TechCrunchも、社内コミュニケーションにSlackを使っている。同社の社員数は430名、本社はサンフランシスコにある。

Slackは、社内コミュニケーションからメールを追放するかも、という点でシリコンバレーでも注目を集めている。今、毎日のユーザー数は270万、エンタープライズ系のスタートアップとしては相当多い。同社は最近の本誌主催Crunchie’s賞で、“最速成長賞”を獲得した。

Slack New Features

その異様な人気と、巨額な資金調達、膨大なユーザー数、周辺デベロッパーの活動量、どれをとっても、Slackはメッセージングというシンプルな業態を大きく逸脱している。その主要機能を他社が真似ることはできても、蓄積されたネットワーク効果と、統合されているさまざまなアプリケーションやチャットボットなどは、逆立ちしても真似できない。

この成長が今後も続くと信ずる者から見ると、評価額はやや低いと思えるかもしれないが、それはあくまでも現在のユーザー数をベースとする高値の生涯値だ。今度新たに得られた2億ドルは何をするための資金か、その計画はまだSlackの胸の中にある。買収か、より高度な人材の雇用か、強力なR&Dか、そのすべてがありえる。たとえば今同社は、音声チャットとビデオチャットの導入に取り組んでいる。

残る疑問は、果たして誰かがSlackの勢いを止められるだろうか?

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GitHub、シリーズBで2.5億ドルを調達。これからはリスクも冒す

4858486575_17a28e7b11_o

ソフトウェア開発の協同作業とバージョン管理サービスをオープンソースのGitツールで提供するGitHubが、Sequioa Captalのリードで2.5億ドルの資金を調達したと今日(米国時間7/29)発表した。Andreessen Horowitz、Thirive CapitalおよびInstitutional Venture Partnersも本ラウンドに参加した。

同社は2008年に設立され、これまでに計3.5億ドルを外部資金から調達した。会社は評価額について語っていないが、WSJの記事によると、現在20億ドル前後をさまよっているという。GitHubの2012年のシリーズAラウンドは、Andreessen Horowitzがリードした。当時同社の評価額は7.5億ドル前後だったとみられている。

GitHubのCEO・共同ファウンダー、Chris Wanstrathが新ラウンド発表の直後、同社はこの新規ラウンドを利用して成長を加速し、(殆どの会社がそうするように)営業および技術チームを拡大するつもりだと私に話した。「ラウンドは加速のためではなく、われわれが大きく考え、大きなリスクを負えるようになるため」とWanstrathは言った。

Chris Wanstrath

Chris Wanstrath

これはGitHubの買収が近いらしいことを意味しているが、彼は海外戦略を推進したいとも話した。最近同社は日本にオフィスを設立し(最初の会合も開いた)、他の地域でも進めていくに違いない。

「われわれにとって、GitHubはまさしくデベロッパーがすべて ― 本質は人だ」とWanstrathは言った。「これまでやろうとしてきたのは、コミュニティーを支える人々をもっと多く集めることだ」。

既にGitHubユーザーの約70%は米国外から来ているので、ユーザーのいる所に会社が出ていくのは自然の成り行きだ。

GitHubの企業向けサービスも、2011年に立ち上げて以来極めて順調に伸びており、これは多くの大企業が古いソフトウェア開発手順を改め、Gitのようなツールで改革しようとしていることも一因だ。同社は企業数については明らかにしていないが、Wanstrathは私に「驚くほど順調」であり、このところ「絶好調の四半期」が続いていると話した。

Gitが、多くのスタートアップでバージョン管理システムの事実上の標準となっており、現在GitHubが〈サービスとしてのGit〉を提供する各社をリードしていることは間違いない。Atlassian、Microsoft、GitLab等もクラウドあるいは社内用に同様のサービスを提供しているが、GitHubがここ数年多くの人々の心を把んでいることは明らかだ。

GitHubは、現在約1000万人のユーザーが2500万以上のプロジェクトで(2014年1月には1000万だった)協同作業を行っていると言っている。同社が無料アカウントを配布していることを踏まえると、それらユーザーの何人がこのサービスに料金(5ドル/月から)を払っているかはわからない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

プログラミングを職業技能として教えるFlatiron Schoolが早くもシリーズBで$9Mを調達、教師育成に重点投資

screenshot-2015-04-16-08-37-34

子ども、青少年、そして大人たちに、プログラミングの能力を読み書き算数なみのふつうの技能として身につけてもらうための教育プラットホームFlatiron Schoolが、シリーズBで900万ドルの資金を獲得した。ラウンドをリードしたのはThrive Capital、これにCRVとMatrixが参加した。

Flatiron Schoolは老若男女誰にでも、12週間のコースでプログラミングを教える。卒業したらすぐにプログラミングの職に就ける程度の、技能獲得を目指す。Flatiron Schoolによると、その大人課程では、終了者の99%がメジャーなテク企業(Google、Intelなどなど)で技術系の仕事に就いている。

“教育という仕事やビジネスには、量か質かというトレードオフがある。量と質を両立させるのはとても難しい”、と協同ファウンダのAdam Enbarは語る。“うちは、クラスのサイズを慎重な考慮に基づいて決めているし、生徒たちの良好な最終結果を保証するために、適性を判断したうえで入学を認めている”。

でも上で述べたように、Flatiron Schoolの対象は大人だけではない。2013年に同社は事業を拡大して高校生にも教えることになり、学校と提携して課外授業のカリキュラムに導入している。

ここ数十年における生徒たちのカリキュラムの最大の変化が、コンピュータ科学の導入だ。Flatiron Schoolは、コンピュータ科学がカリキュラムに正規にあるタイプの教育とそのためのインフラストラクチャを作り出す手伝いをしたい、と考えている。これまで多かったドラッグ&ドロップによる安易なプログラミング学習では、本当のプログラミング能力が身につかないし、一方、抽象的なコンピュータ科学の学科はプログラミング言語について現実性現実味のない教え方をする。両者のギャップをうめ、本当のプログラミング能力を身につけさせることが重要、とFlatiron Schoolは考えるのだ。

“教師をプログラマになるよう教育するのは比較的簡単だけど、ソフトウェア技術者に人に教える能力を身につけさせるのは、ものすごく難しい”、とEnbarは言う。“コンピュータ科学を教えられる教師がいないことが、最大のボトルネックだから、うちは教師を育てることに重点投資をしている”。

Flatiron Schoolは昨年の夏に、550万ドルを調達している。

Flatiron Schoolについて詳しく知りたい人はここへ

関連日本語記事(1)(2)。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa