イーロン・マスク氏とテスラにはティム・クック氏が必要だ

同じ物語が何十年も演じられている。

スタートアップは偉大な個性のリーダーの下で開花し繁栄する。すぐに停滞が訪れる。会社の焦点は、無限に続く新製品を販売することから、顧客の要求を満たすものを作っていることの確認へと移り変わっていく。幸福な期間は終わり、新しい時代は、一貫して高品質な製品を大規模に出荷するために必要な退屈な日々から始まる。

ある時点で、あらゆる会社にTim Cook(ティム・クック)が必要になる。今、その会社はTesla(テスラ)だ。

たった今、Teslaの階層に明確な後継者はいない。もし、CEO(兼テクノキング)のElon Musk(イーロン・マスク)氏が潮時と判断して彼の別の会社か音楽活動に焦点を移すと決めたら、引き継ぐ人間は誰もいない。Teslaはマスク。すべては彼の手に導かれている。

マスク氏は広報部門を解体し、会社のニュースとTwitter経由で発信している。ファルコン・ウイングドアをModel Xに採用したのは彼の土壇場のアイデアだった。彼はほぼ完全自動化された自動車工場を作れることを頑なに貫いた。Teslaの車とサービスの購入を暗号資産で支払うしくみも実装し、後に取りやめ、また再び導入した。

マスク氏は、会社のほとんどの新規事業を自身が推し進めているのは、「そうしたいからではなく、しなければならないから」だと公に認めている。こうした深いレベルの関わりは、会社の創成期には有効だ。しかし、会社の未来が良質な製品をつくることにかかっているのであれば、1人の人物がすべてを支配していることは破滅的と言える。

[デーブ、君がファンなのは知っている、でもそれは愚問だ。私がプログラムを進めているのは、そうしたいからではなく、しなければならないからだ]

たとえば、マシンを作るマシンを作るという決断は、Model 3の生産を何ヶ月も遅らせ、CEO言うところの「生産地獄(production hell)」をもたらした。マスク氏は、完全自動に近い工場を作るのは間違いだったことを最終的に認めた。Model 3の生産はあの決断のために遅延した。

今のTeslaが好調であり、四半期黒字を達成し、出荷台数の新記録を打ち立てていることは事実だ。吉報にはそれ相応の問題がついてくる。1人の人間が成長する組織をこと細かく管理していると、生産の拡大とともに発生する問題に対処しきれなくなる。ある時点で、信頼された人たちに自分たちが仕事を成し遂げ、かつ問題を制御し、報復を恐れることなくCEOの思い付きのアイデアを阻止できる機会が与えられる必要がある。

たった今、Teslaは過去数ヶ月に発行した複数のリコールの対応に追われており、製造問題に見舞われている車のレポートに今も悩まされている。加えて、新型車(サイバートラックを含む)の出荷は少なくとも来年まで延期された。これらは、CEOが、個々に動くことのできるチームの力を借りて取り組むべき問題だ。

そして、あの一連のツイート。あまりにも多くのツイートがある。

マスク氏のTwitterでの存在に対する評価は二分されている。ブランドに害をもたらしている恐れも大きい。Teslaに広報部門というものはない。あらゆる情報が、Tesla公式アカウントまたはマスク氏から流れ出す。それは悪くはない、もしCEOの個人アカウントが標的となってTeslaを所有していることによる多くの利益を引き出すのであれば。実際にはそうではなく、それはミームと悪い冗談と侮辱とおべっかへの返信と政治色の強い見解と、それにときたまTeslaのニュースが入り混じったものだ。

CEOとして、Twitterで誰かをヒトラーと比較し、それが会社に悪影響を与えないと考えることはありえない。

会社のために、TeslaはCEOの次の気まぐれより先の未来を見据える必要がある。マスク氏が舵をとっていない時期のことを。最良の状態が、Appleで起きたことだろう。

長年、AppleのビジネスはCEO、Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏と深く撚り合わされていた。彼は会社を倒産の瀬戸際から引き上げ、率いるチームと共に、スマートフォン革命の一端を担った長続きする会社を作り上げた。ジョブズ氏なくしてAppleはなかった、と言って間違いない。しかし、企業は永久に1人の人物ではありえない。

ティム・クック氏は、1998年にワールドワイド・オペレーションズ担当上級副社長としてAppleに入った。具体的には、会社全体の日常業務を取り仕切る役割だ。2011年、かれはスティーブ・ジョブズが亡くなる前にCEOに指名された。クック氏の指揮の下、会社は売上と利益を2倍以上に伸ばした。クック氏に、ジョブズ氏のような虚勢やビジョンはない。代わりにクック氏は、自分の仕事を全うする賢い人々を雇い、Appleが利益を上げ良質の製品を届け続けることに専念した。

Teslaにはティム・クックが必要だ。この自動車メーカーには、おならの音やビデオゲームなどの楽しい機能を作り続けながら、自動車を予定通り問題なく顧客に出荷できるリーダー(あるいは訓練中のリーダー)が必要だ。Teslaは、この先ずっと、顧客がサービスセンターをいつでも呼び出し、タイムリーに車を交換できるしくみを確実に維持していく必要がある。否が応でも、追いかけてくる他の自動車メーカーがよろこんでModel 3オーナーに求愛して自社のEVを売り込むだろう。

会社の売上は好調だが、適切な育成がなければ、Tesla EVの優位性はいつでもライバルに取って代わられる。マスク氏は実際、育てるタイプではない。彼のルールの下、新車出荷台数は史上最高を記録しているが、今も製造品質に関わる問題の報告を受け続けている。これは数年前に解決すべきだった問題だ。

最近の報告によると、Teslaは冗長なステアリング・コントローラーを付けずに車を出荷しており、そのことを顧客に伝えていない。このコントローラーは、車がFSD(フルセルフ・ドライビング)対応になった際に必要になる。この種の判断は顧客の忠誠心を損ない、購入を考えている人たちを遠ざける。

現在の顧客がTesla車の問題に遭遇した時、未だにサービスを受けるためには不十分な伝達や長い待ち時間とイライラがともなう。修理を終えた顧客は、自分たちの経験をTwitterでシェアしようとするが、マスク氏にへつらうフォロワーたちから攻撃を受けて終わる。マスク氏自身でさえ扱いきれていない連中だ。

そしてリコールがある。過去数年、Teslaは米国幹線道路交通安全局の強い要請を受けて、FSDのソフトウェア問題に関する数々のリコールを発行した。Model 3とModel Yの予告なくブレーキが作動する問題、シートベルト警告音の不具合サスペンション問題、Model SおよびModel Xのパワーステアリング・ボルト腐食等々だ。最近では、Teslaが追加した機能が後に削除された例もある。このリコールがいちばん厄介だ。

どの自動車メーカーにもリコールはつきものだが、安全ではないとされたために元に戻さなければならなかったメーカーはあまり聞かない。マスク氏の下でTeslaは、路上走行中、ドライバーが望んだ音を外部スピーカーで鳴らてる機能を推奨した。歩行者への警告音を邪魔する可能性のある機能だ。さらに同社は、自動運転中に一時停止標識を通過(停止ではない!)させるアップデートを配信した。そして、運転中にメイン情報スクリーンでビデオゲームをプレイできる機能を削除するよう言い渡されなくてはならなかった。

一連のリコールについてマスク氏は、NHTSAは「たのしみ警察」だとツイートした。もちろん実際には同機関は安全警察であり、Tesla、および市民の一番の関心事は、自動車メーカーがNHTSAと協力して、道路を全員にとって安全に保つことであり、近隣を走りながらハンプティ・ダンスを流したいTeslaドライバーを喜ばすことではない。

マスク氏、Tesla、そして顧客にとって最善のシナリオは、誰かがCEOと何年か一緒に働き、社内と取締役会の信頼、そして何よりも大切なのは顧客の信頼を築き上げていくことだ。マスク氏を取り巻く個人崇拝は、マスク氏がこの人物をリーダーとして心から受け入れることを必要としている。そうすればマスク氏が会社を去るかCEOを辞任した時も、崇拝者の気持ちも和らぐだろう。

マスク氏が、所有する会社を完全支配するのをやめた前例はある。彼はSpaceX(スペースエックス)のCEOではあるが、経営責任はプレジデント兼COOのGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏と分け合っている。SpaceXについてツイートするのはマスク氏でも、ショウを演出しているのはショットウェル氏だ。彼女は、カンファレンスやイベントでSpaceXを代表することの最も多い幹部でありStarlink(スターリンク)計画のビジョンと戦略を明確に述べる最適の人材であるが、会社の外向きの顔であるだけではない。プレジデント兼COOとして、ショットウェル氏は日々の実務をこなしている。もしマスク氏がCEOを降りると決めたなら、ショットウェル氏には後を引き継ぐ用意がある。

SpaceX、取締役会、米国政府、および提携企業にとって、それは救いの源だ。宇宙旅行を1人の人間に賭けるのは、恐ろしい博打だ、なぜならいずれその人はいなくなるのだから。

残念ながら、Teslaとマスク氏はひとつである。一般に知られている限り、現時点でプランBはなく、何かあった時、駆動装置とエネルギー工学担当上級副社長のAndrew Baglino(アンドリュー・バグリノ)氏がCEOを引き継ぐかもしれないことくらいだ。後継者育成計画が進められている可能性はある。しかし、透明性なくしてその計画を遂行することは混乱を呼ぶだけであり、株価に壊滅的打撃を与えかねない。

マスク氏は現在Teslaを動かしており、われわれの知る限り、今後も末永く続くだろう。しかし、彼は永遠には存在しない。仮に存在したとしても、蓄積された彼の不幸がついには会社に到達しない保証はない。社員のため、株主のため、そして顧客のためには何か計画が必要であり、即座に行動する必要がある。

画像クレジット:Britta Pedersen-Pool/Getty Images / Getty Images

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(文:Roberto Baldwin、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ウクライナ副首相がアップルのクックCEO宛て公開書簡、ロシアでの製品販売停止とApp Store遮断を要請

ウクライナ副首相がアップルのクックCEO宛て公開書簡、ロシアでの製品販売停止とApp Store遮断を要請

JIM WATSON via Getty Images

ロシア軍の侵攻が続くウクライナの副首相兼デジタル・トランスフォーメーション担当大臣ムィハーイロ・フョードロフ氏が、アップルのティム・クックCEOに対してロシア国内におけるアップル製品の販売停止とApp Storeへのアクセス遮断を要請しました。しかし記事執筆時点では、クックCEOはこの要請に対する反応を示していません。

フョードロフ氏は「私はあなたに要請します。あなたはこれを聴くだけでなく、ウクライナ、欧州さらには民主世界全体を血まみれの権威主義の侵略から守るべく、可能な限りのことをするものと確信しています。どうかApp Storeのアクセス遮断や、ロシア連邦へのアップルのサービスや製品の供給を停止してください」と記した書簡をTwitterで公開しました。ロシアからアップル製品の供給を引き揚げることで、ロシア国内、特に若者たちの間で反戦の機運が高まることが期待されるとの主張です。

アップルは現在、ロシアでオンラインストアを運営しており、iPhone、iPad、Mac、AirPodsといった各種製品をユーザーにダイレクト販売しています。またロシアのApp Storeは最近、ロシア国内産アプリのユーザーへの推奨を手厚くするよう変更が施されていました。

ロシアは昨年、アップル、Google、Metaなどのハイテク企業が国境内に物理的な拠点を持つことを義務付ける法律を施行しており、アップルもここ数か月の間にロシアに事業所を設置し、モスクワで求人情報を出していたとBloombergは伝えています。

ティム・クックCEOは木曜日にTwitterで「ウクライナの状況を深く懸念しています。我々は現地チームのためにできる限りのことをしており、現地の人道的支援活動にも協力していくつもりです。我々は今まさに危険にさらされている人々のことを思い、平和を求めるすべての人々とともに行動します」とコメントしてはいました。しかし今回のウクライナ副首相の要請に対する回答はまだ確認できません。

(Source:BloombergEngadget日本版より転載)

アップルは暗号資産を「検討中」とティム・クックCEOが語る

米国時間11月9日に開催されたNYT Dealbook Conference(ニューヨークタイムズ・ディールブック・カンファレンス)のインタビューで、Apple(アップル)のTim Cook(ティム・クック)CEOは、同社が暗号資産を検討していることを認めたものの、暗号関連の製品を「すぐに」扱う予定はないことを明らかにした。クック氏は、同社が可能性を探っている暗号資産の分野について詳細は言及しなかったが、アップルの事業には同氏が暗号資産の導入を検討しようと思わない分野がいくつかあると述べた。

インタビュアーのAndrew Ross Sorkin(アンドリュー・ロス・ソーキン)氏から、アップルはApple Pay(アップルペイ)や「それ以外で」暗号資産を受け入れることを検討しているかと訊かれたクック氏は、暗号資産について「私たちは何らかの検討はしている」と曖昧に答えた。クック氏は続けて、暗号資産製品について公に話す準備はできていないものの、アップルが暗号資産に投資する意味のない分野は決めていると説明した。

「私には自分がやらないだろうと考えていることはあります。例えば当社のキャッシュバランスです。これを暗号資産に投資することはないでしょう。私が自分の資産を暗号資産に投資しないからというわけではありません。人は暗号資産に触れるためにアップルの株を買うとは思わないからです。もしそうしたいのであれば、直接、暗号資産に投資することができます」と、クック氏は説明した。

クック氏はまた、アップルが自社製品の支払い手段として暗号資産を採用する計画はないとも述べた。

しかし、クック氏は、暗号資産がアップルのレーダーの中にあることを明言し、暗号資産関連で「我々が確実に検討していることは他にある」としながらも、この件に関してアップルに現時点で発表することはないと語った。

Apple Payの競合であるPayPal(ペイパル)、Venmo(ベンモ)、Square Inc.(スクエア)のCash(キャッシュ)アプリは、この数カ月の間にすべて暗号資産の分野に進出している。それなのに、アップルが同様の方針を取るという決断を、少なくとも検討さえしていないとしたら奇妙なことだ。また、クック氏個人は暗号資産への投資に反対しているわけではなく、インタビュアーのソーキン氏に、自身も暗号資産を所有していることを認めている。

「多角化したポートフォリオの一部として所有することは合理的だと思います」と、クック氏は語り、笑いながら「誰かに投資のアドバイスをしているわけではありませんよ」と付け加えた。

同CEOは続けて、暗号資産には以前から興味を持っていたと語った。

また、NFT(非代替性トークン)については興味深いと思っているが、一般の人々が興味を持つような形に展開するには、しばらく時間がかかると思うとも述べている。

このインタビューでは、セキュリティやプライバシーに関するアップルの見解や、Epic Games(エリック・ゲームズ)が現在控訴中の反トラスト法をめぐり法廷で争っているApp Storeのオープン化など、アップルをはじめとするテクノロジー業界の大企業にとって重要なタイムリーな話題についても触れている。

クック氏は、このユーザーの選択肢の問題について率直な意見を述べ、ユーザーは携帯電話を購入する際に、すでに選択権を持っていると指摘。ユーザーがアプリストア以外の環境でアプリをロードしたいのであれば、つまりサイドロードと呼ばれる行為をしたい場合は、それを可能にする別のプラットフォームを選ぶことができると述べた。

「人々はすでにそのような選択肢を持っていると、私は思います……なぜなら、もしサイドロードしたければ、Androidスマートフォンを購入することができるからです」と、クック氏は述べた。「すでに選択肢はあるのです。携帯電話ショップに行って、もしそれが重要であるのなら、Androidフォンを買えばいいのです」。

アップルの見解では、サイドロードはリスクが大きすぎると、クック氏はいう。もちろん、アップルにとっても、App Store(アップストア)やアプリ内課金で得られる数百万ドル(数億円)の収益を失うことになる。

クック氏は、AR技術に対しても一般的な期待を口にしたが、Facebook(フェイスブック)がMeta(メタ)として最近進めているVR計画や、自動車に関わるアップルのプロジェクトの可能性についてはコメントせず、アップルはあまり未来について語らないようにしていると述べた。

さらにクック氏は、アップルの政治に対するスタンスについても詳しく言及。アップルにPAC(政治活動委員会) はないと述べ、同社が中国市場へ参入していることを擁護した。

「我々には企業としてできる限り多くの場所で事業を行う責任があると、私は考えます。なぜなら、ビジネスというのは巨大な触媒だと思うからです」と、クック氏は語った。「私たちは可動橋を跳ね上げるのではなく、橋を架けるべきだと考えています。それがビジネスの鍵だと思います。発言という点では、個人的に発言することもあれば、公に発言することもあり、状況によってさまざまです」。

画像クレジット:David Paul Morris / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルの第3四半期決算はiPhoneと各種サービスが牽引し36%増、ただし翌四半期の鈍化予想も

Apple(アップル)にとってこの四半期もすばらしいものだった。売上高は814億ドル(約8兆9400億円)と、前年同期比で36%の増加であり、ウォール街が予想した733億ドル(約8兆500億円)を大幅に上回った。

「当社の4〜6月期の営業成績は、各地域セグメントで売上高の新記録を達成し、各製品カテゴリーで2桁の成長を遂げ、アクティブ端末数はインストールベースで過去最高を記録しました」と、Luca Maestri(ルカ・マエストリ)最高財務責任者(CFO)はリリースの中で述べている。「当四半期には、210億ドル(約2兆3000億円)の営業キャッシュフローを生み出し、290億ドル(約3兆2000億円)近くを株主に還元しました。そして長期的な成長計画を支えるために事業全体にわたって多額の投資を継続しました」。

すべてにおいて同社にとって好調な数字が並んでいるが、引き続きこれらを牽引したのはiPhoneの販売とサブスクリプションサービスだ。これまで同社の四半期決算を追ってきた人にとってはお馴染みの話だろう。

iPhoneの売上高は、260億ドル(約2兆8600億円)から395億ドル(約4兆3400億円)に増加した。これは、同社が待ち望んでいた5G回線の導入が、引き続き強みを発揮したことによるものだ。一方、サービスによる売上高は131億ドル(約1兆4400億円)から175億ドル(約1兆9200億円)に増加。アップルはサービスの拡大を続けており、現在はApple Music(アップル・ミュージック)、Apple TV+(アップルTVプラス)、iCloud(アイクラウド)、Apple Arcade(アップル・アーケード)、News+(アップル・ニュース・プラス)、Fitness+(アップル・フィットネス・プラス)などのサービスを提供している。同社は明らかに、サブスクリプションサービスの取り揃えを収益モデルの将来像と見なしている。

この第3四半期に中華圏はアップルにとって強力な市場であることが証明された。同地域の売上高は147億6000万ドル(約1兆6210億円)と、前年同期比50%以上の増加となった。一方、米州地域では270億ドル(約2兆9650億円)から358億9000万ドル(約3兆9410億円)に増加した。

Tim Cook(ティム・クック)最高経営責任者(CEO)は決算報告の中で、新型コロナウイルス関連の問題に言及し、同社のより広範な社会的関心を強調した。

「当四半期、私たちのチームは比類なき革新を続け、テクノロジーを使ってあらゆる場所の人々をつなぐことがかつてないほど重要になっている中、パワフルな新製品をユーザーのみなさまにお届けしました」と、アップルのティム・クックCEOは語った。「私たちは、新しい世代の開発者にコードを学ぼうとするやる気を奮起させ、2030年の環境目標に近づき、より公平な未来を築くための切迫した課題に取り組むことで、私たちを定義する価値観をすべての製品に吹き込むための取り組みを、引き続き推し進めていきます」。

同社は、新型コロナウイルス流行による不確実性を理由に、業績見通しの提示を今回も断った。しかしながら、引き続き行われた投資家たちとの電話会見で、マエストリCFOは「収益の成長は第3四半期よりも低くなると予想しています」と言及し、その理由として、米ドルとの為替レート、各サービスの成長率の鈍化、ハードウェア製品に影響を及ぼす半導体不足など、さまざまな問題を挙げた。

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カテゴリー:その他
タグ:Apple決算発表iPhoneTim Cook

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ティム・クック氏はEpic Games対アップルの反トラスト裁判でしらを切る

Apple(アップル)CEOのTim Cook(ティム・クック)氏は米国時間5月21日、初めて証言台に立った。おそらくEpic Games(エピックゲームス)対Appleの反トラスト訴訟で最も期待されていた証言だ。しかし、クック氏はEpicの偽りや申し立てを激しく非難するのではなく、重要な質問の多くに対して答えなかったり答えられないとして、注意深く準備された穏やかな無知を装った。

この期待はずれの結果は派手な報道にはならないものの、AppleのApp Store(アップ・ストア)が独占に当たるとする少々疑わしいが危険な主張を無力化する効果はあるかもしれない。

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Appleの弁護人に呼ばれクック氏は証言台に立った、と法定に入ることを許されたメディア関係者2名のうちの1名であるLaw360のDorothy Atkins(ドロシー・アトキンス)氏が自身の詳細な証言ライブツイートで言った。クック氏からの引用は報じられたものであり逐語的ではないことに注意されたい。裁判所の速記録は後にまとめられて公開される予定だ。ちなみに、アトキンス氏による舞台装置の描写は魅力的かつ人間味あふれるものだが、EpicのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は少々風変わりに見える。

スウィーニー氏はEpicの弁護人席に座り手元のペンを見つめている。弁護士のGary Bornsten(ゲリー・ボーンステン)氏が時折耳打ちしている。クック氏はリラックスした様子で脚を組んでいる。たった今隣に座っている人の方を向き、何かを言った後、笑った。

自社の弁護士によるクック氏に対する質問は穏やかで、AppleのApp Storeが優れていてiOSユーザーにとって十分である理由を繰り返す一方で、厳しい競争が存在していることも説明した。クック氏は少数のデベロッパーとの確執が存在していることを認め、優先度のち外や発見の改善が必要であることなどを挙げたが、デベロッパーとユーザーを維持するために会社は努力を続けていると語った。

うわべだけの無邪気な無知は、クック氏がAppleの研究開発費の数字(最近3年の年額が150~200億ドル[約1兆6330億〜2兆1770億円])を尋ねられたときに始まった。具体的には、Appleはその金額のうちどれだけがApp Storeに向けられたかを推定できない、なぜなら「当社はそういう割当て方をしていないから」だと同氏は言った。つまり、個々のプロダクトのための研究予算は、それ以外と区別されていない。

いやいやそれは納得できない、そうだろう?Appleのような会社は自社の製品や研究にいくら使っているかを1セント単位で把握している。仮に完全に分類できないとしても(MacOSコードの進展がApp Storeの一機能に取り入れられるなど)、会社は自社のリソースがどう割り振られ、どんな効果を得ているかをある程度知らないはずがない。App Storeの研究開発費の控えめな見積もりとリベラルな見積もりの違いは少なくない可能性がある。おそらく数億ドル(数百億円)単位で。しかも、そうした見積もりは間違いなく社内では行われている。そうでなければ企業として愚かである。

しかし、その数字は公表されず分類されていないため、そしてその数字はある程度曖昧であるに違いないため、クック氏は「App Storeの2019年の研究開発費は5億ドル(約540億円)である」というような具体的数字はない、と堂々と語ることができる。

確かな数字がないことはEpicの拠り所をなくす。数字はどちら向きにでも使うことができた。もし大きければ、会社は金の卵を生むガチョウを守っている(市場支配力を行使している)。もし小さければ、卵を集めている(市場支配力を通じて家賃を集めている)だけだ。Appleにとって唯一勝つ方法は何も演じないことなので、クック氏は沈黙を演じ、その結果Epicの主張は憶測のように見える(そして、Appleがいうように、作り話のように見える)。

次にクック氏は、利益に関する指摘の先手を打って、競争の激しさを訴える同様の戦略を展開した。彼は約2750億ドル(約29億9380億円)の純売上高と21%の利益率だけを挙げ、AppleはApp Storeの売上を独立事業として評価していないと語った。

たしかに、App Storeが大きなビジネス構造と非常に強固に結合された部門であるというのはわかる。しかし、独立事業として評価できないという考えはばかげている。Appleのあらゆる部門や製品ラインと同じく、App Storeの業績が社内で詳細に分析され報告されていることは間違いない。しかし、法的な目的においては「App Storeの売上と利益はこれこれである」と言えるほど単純でないこともまたたしかであり、結果的にEpicの前提はくずされる。

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しかし、これはEpicが独立した調査が必要だと考えたほど重要なことだった。そしてEpicの弁護士は、証人尋問の最初に、裁判の初期に専門家が証言したAppleのApp Storeの営業利益は約79%であるという供述を持ち出した。

こうした数字を認めることも否定することもAppleの利益にはならいので、クック氏はここでも無知を貫いた。ただし、わずかに本性が覗いたのは、Epicの弁護士がクック氏に対し、MacとiOS App Storeを合わせた機密の売上数値を分割するよう依頼した時だった。Appleがこれに反論し、それは部外秘であり非公開裁判でのみ公開できるとした一方で、クック氏はiOSの数字はMacの数字より「ずっと大きい」と発言した。

ここに見られるのは、もう1つの財務上の巧妙なごまかしだ。iOSとMacの売上を混ぜ合わせることで、Appleはそれぞれいくら金が使われいくら稼いだかを曖昧にしている。それらを分離しようとしたEpicの試みは成功しなかったが、裁判官の目は節穴ではない。彼女はEpicと同じものを見ている、ただしぼんやりと。Appleは曖昧で操作しているように思われるリスクを取ってでも、Epicの法的勝利を否定しようとしている。

これは、クック氏がAppleとGoogle(グーグル)と結んでいる検索エンジンをiOSのデフォルトにする契約について質問されたときにもあらわになった。クック氏は、具体的数字は覚えていないと語った。

世界最大のテック企業のCEOが、もう1つの世界最大級のテック企業との10年に渡る数十億ドルの契約の詳細を覚えていないと言ったら、あなたは信じるだろうか?

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それ以外の証言はほとんど何も明らかにしなかった。クック氏は、中国などの現地法が技術的、政治的な障害になる地域での経営の複雑さを述べ、Appleが30%の手数料をとっているアプリ内購入の範囲を拡大したことについての議論を最小化した。非公開法廷での証言がもう少し行われたが、機密情報に関わるため我々が知ることはないだろう。

裁判は終わりに近づき、そこに驚きはほとんどなかった。双方が最初に主張を展開し、そのほとんどは裁判長による事実の解釈に委ねられる。劇的な驚きも決定的な証拠もなかった。それは何が独占的行為を構成するかに関する新たな主張にすぎなかった。AppleはAndroidとの競争は存在し熾烈であり、ゲームの世界ではWindowsとゲーム専用機とも競争していると頑なに主張した。

判決がどちらに傾いたとしても、控訴されて上級裁判所に行くことはほぼ必然だが、判決は、Epicの主張(とAppleのぼやかし)がどこまで受け入れられたかを示す強力な指標になる。いずれにせよ、EpicやAppleのApp Store手数料(会社がどう隠そうとも莫大な利益を挙げている)を批判するその他の人々にとって、目的はすでに達成されている。Appleが最初の100万ドル(約1億1000万円)に対する手数料を15%に引き下げたことは、デベロッパーの騒動とマスコミの酷評に対する答えであることは明らかであり、今Appleはソーセージがどうやって作られているかを守る立場に立たされている。

Appleの陽極酸化アルミニウムの塔を曇らせることは、少なくとも目的の一部なので、勝っても負けてもEpicは、払った金に見合うものを手に入れた気分かもしれない。ヨーロッパでの再戦はまだこれからだ。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AppleEpic Games反トラスト法裁判ティム・クックApp StoreFortnite

画像クレジット:Josh Edelson/AFP

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook