TimeTreeがオンライン会議の日程調整SaaS「Tocaly」の提供を開始

TimeTreeがオンライン会議の日程調整SaaS「Tocaly」の提供を開始

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」(タイムツリー)を運営するTimeTreeは7月28日、オンライン会議の日程調整課題を解決するSaaS「Tocaly」(トカリー)の提供開始を発表した。ビジネスシーンでの日程調整にまつわる煩わしさや摩擦をなくし、空き時間の適切な消費を促すという。利用料は無料。推奨ブラウザーはGoogle Chrome、Edge(Safari、Firefoxでも利用可能)となっている。

テレワークでは、ひとつの会議を設定するのに、「候補日の選定と確保」「候補日の送付」「候補日の確認」「確定美の調整と確保」「確定日の送付」「確定日の確認」「会議日程の確認」と、最低でも7つのステップが必要になり、日程調整を依頼する側・される側双方にコミュニケーションコストがかかる。TimeTreeが社内で調べたところによれば、1日にこの作業を2回行うと、月に約8時間を費やすことになる。

Tocalyは、その繁雑さをなくし、「空き時間の最適な活用を実現する」というサービス。カレンダーを基本としたシンプルなデザインで、直感的に日程調整ができる。大きな特徴は次の3つ。

日程調整は3ステップ

  1. 日程調整ページを作成
  2. 日程調整の依頼相手に対して、日程調整ページのURLを送付
  3. 日程調整の依頼を受けた側は、候補日時から日程を選ぶ

ZoomやGoogle Meetと連携させると、ミーティングURLが自動で発行され、予定やメールに添付されて送られるので、会議がスムーズに始められる。

シンプルな操作画面

Excelと似た感覚で操作ができ、Googleカレンダーとの連携も可能。

自動更新でダブルブッキングを防止

複数のページにわたり同じ候補日時を設定した場合、確定した予定と重複する部分は自動更新されるので、ダブルブッキングが防げる。

当面は個人同士の日程調整機能のみが提供されるが、今後、チーム、部署、複数人との日程調整を想定した機能を実装してゆくという。

関連記事
「推し活」もはかどるソーシャルカレンダーアプリ「Skele」運営のpowが総額5100万円調達
「現役の僧侶が望む」機能を採用、檀家・門徒の情報や寺務を管理するクラウドサービス・アプリ「OTERAplus」が公開
Zoomなどウェブ会議含め日程調整をワンストップで行うカレンダープラットフォーム「Spir」が2億円調達
悪夢のようなビデオ会議の日程調整を評価額約3165億円のスタートアップCalendlyに変えた方法
日程調整自動化のwaaq LinkがWebhookやSlackとの通知・連携機能を公開、Teams対応予定
日程調整自動化ツールTimeRexがZoomと連携、ビデオ会議の日程調整・実施準備を完全自動化
家族や恋人とURLでカレンダー共有――登録ユーザー500万人の「TimeTree」が5.3億円を調達

カテゴリー:ネットサービス
タグ:カレンダー(用語)TimeTreeビデオ通話 / ビデオチャット/ビデオ会議(用語)リモートワーク / テレワーク(用語)日本(国・地域)

家族や恋人とURLでカレンダー共有――登録ユーザー500万人の「TimeTree」が5.3億円を調達

URL1つで簡単に予定が共有できるカレンダーアプリの「TimeTree(タイムツリー)」。その提供元であるJUBILEE WORKSは8月1日、既存投資家のK CUBE VENTURES西武しんきんキャピタル東映アニメーションのほか、Cognitive Investmentなど国内外の投資家から総額5億3000万円を調達したと発表した。

なお、同社は2016年11月に総額2億1000万円の資金調達を実施しており、それを加えた累計調達金額は7億4000万円となる。

TimeTreeの最大の特徴は、URLをLINEやメールで送るだけで他のメンバーと予定の共有ができる点だ。1つのアプリで複数のカレンダーを持つことができるため、家族用や同僚用などとカレンダーを分けて運用することができる。また、TimeTreeにはコメントや写真を投稿できる機能が備わっている。だから、アプリ上で「この日の集合場所はどうする?」などのコミュニケーションを完結することも可能だ。

ターゲットは若い主婦層

JUBILEE WORKS代表取締役の深川泰斗氏によれば、TimeTreeは家族や恋人との予定共有のために利用されることが多いという。属性別にユーザーを見ると、20〜30代の女性が最も多い。

「TimeTreeのユーザーで多いのが、夫から『言うの忘れてたけど、飲み会があるから今日はご飯いらない』などと言われて困っている若い主婦層。そういった経験をきっかけに、家族の共有カレンダーとして使われる。そして、その後にアプリを使い始めたお父さんユーザーが、今度は同僚との予定共有に利用する例もある」(深川氏)

聞けば、女性をターゲットにしたのは当初からの戦略であり、そのために開発当初から「女性から『カワイイ』と感じてもらいながら、男性が使っても恥ずかしくないデザインを心がけていた」という。

2015年3月にサービスリリースのTimeTree。同アプリの登録ユーザー数は現在500万人だ。約1年前の2016年8月時点では200万人ということだったから、そこからユーザー数を2倍以上に伸ばしたことになる。

また、TimeTreeは韓国語やロシア語など13ヶ国語に対応しており、特にドイツやオーストリアなどのヨーロッパ圏でユーザー数の伸びが大きいと深川氏は話す。

年内にも新機能を追加予定

JUBILEE WORKSは今回調達した資金を利用して開発体制の強化を図り、Rubyエンジニアなどの採用を行っていく。また、これまでの“グループ内での予定共有”の枠を超えた新機能の追加も予定しているという。

これはSMBによる利用を想定したもので、例えば外部向けイベントに参加する不特定多数の人々に、イベントの詳細や日程を共有したり、アップデートをリアルタイムで伝えたりといったユースケースが想定される。この詳細はまだ明らかにされていないが、深川氏は「年内には詳しい内容をお伝えできるようにしたい」と語った。

URL1つで簡単カレンダー共有、「TimeTree」のJUBILEE WORKSが2.1億円を調達

jw

カレンダー共有アプリ「TimeTree」を提供するJUBILEE WORKSは、韓国Kakao Corp.の子会社であるK CUBE VENTURES Co.,Ltd.、西武しんきんキャピタル株式会社、東映アニメーション株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社ほか、国内外の投資家から総額2.1億円を調達したと本日発表した。これが同社にとって初の外部調達となる。

家族、恋人、同僚とかんたんにカレンダーを共有

JUBILEE WORKSが提供するカレンダーアプリのTimeTreeでは、家族や恋人、サークルの仲間などと簡単にスケジュールを共有することができる。アカウントの登録は不要で、チャットやメールを通してURLを送るだけでスケジュールの共有ができるのが特徴だ。また、1つのアプリで複数のカレンダーを持つことができるため、家族と共有するプライベート用カレンダー、同僚と共有する仕事用のカレンダーという形で使い分けることができる。アプリにはコメントや写真の投稿機能もあり、チャットアプリやメールを使わずに「この日はどこに行こうか?」などの予定の相談をすることも可能だ。

timetree_concept3-1

JUBILEE WORKSの代表取締役である深川 泰斗氏に、Googleカレンダーなど他の予定管理アプリと比べたTimeTreeの独自性は何かと聞いたところ、「TimeTreeは開発段階から「共有すること」を前提に考えており、共有メンバーが予定を作成するとPUSH通知が届いたり、誰がいつ、そしてどの予定を更新したのかという履歴が残るなど、共有することに適した機能が整っています。また、Googleカレンダーではブラウザで複雑な設定をしないと共有ができないが、TimeTreeではURLをLINEやメールで送るだけで共有ができるという点も違いの一つ」だと話している。

海外メディアからも注目を集める

TimeTreeは2015年3月24日にサービスを公開後、2016年2月に100万ユーザーを獲得、同年8月には200万ユーザーを獲得するなど順調に成長を続けている。また、日本語や英語だけではなく、韓国語やロシア語など計13ヵ国語に対応しており、海外でもユーザー数を順調に伸ばしている。深川氏によれば、各国のアクティブユーザー数の割合は、日本が65%、台湾が10%、アメリカと韓国がそれぞれ5%、ドイツが4%、残りが中国、カナダ、香港、イギリス、フランスなどの国々だ。(「日本では家族や同僚とスゲジュール共有が多く、台湾やドイツでは恋人と共有する例が多い」と深川氏は話す)。

prof_fukagawa

「Fred」こと、代表取締役の深川氏

TimeTreeは海外のメディアからも注目を集めている。アメリカのスタートアップ系メディア、Product Hunt、LifeHackerロシア版などで同サービスが取り上げられ、フロリダ州の州議会議員から「便利に使っている」とメッセージを受け取ることもあったようだ。このような海外からの高い評価により、国内だけでなく、韓国やアメリカなど海外の投資家からの資金調達が可能になった。「我々が選んだ「時間」というテーマは、ある程度文化を問わず普遍性のあるものだと思っています」と深川氏は語る。

国際豊かなメンバーとユニークな企業文化

2014年に創業のJUBILEE WORKSのチームは現在18名で、韓国やシンガポール出身のメンバーもいる国際性豊なメンバーだ。また、同社では「ニックネーム制」を採用しており、代表取締役の深川氏は「Fred」、共同創業メンバーも「Frod」、「Stud」などと呼ばれ、社内では「社長」や「Fredさん」のように役職や敬称つきで呼ばれることはないという。このような企業カルチャーもJUBILEE WORKSの特徴の1つだろう。

team

深川氏には保育園に通う子どもがおり、家族のあいだで「お迎えの交代を聞いてない」などのトラブルがあった。また、家族で週末どこに出かけるか考えているうちに、結局無駄に時間を過ごしてしまうこともあった。「必要な相手とあいだで必要な予定情報が見えるようになれば、このようなトラブルを解決できるのではないか」というアイデアから生まれたのがTimeTreeだ。

「Fred」率いるJUBILEE WORKSでは、今回調達した資金によってサービス強化のための人材確保とサービス拡大のための組織的実験を続けていくとしている。