データ分析SaaSで農業経営を助けるVitalFieldsが€500Kを調達

クラウドからWebアプリケーションやモバイルアプリ経由で農業の経営管理サービスを提供しているエストニアのVitalFieldsが、二度目の資金調達として50万ユーロを獲得した。

このラウンドを仕切った同社の最初からの投資家SmartCapは、Estonian Development FundのVC部門で、新たな投資家としてはTMT Investmentsが参加した。以前からの投資者であるWiser Financial AdvisorsとArvi Tavastも参加した。そのほか、Skypeの最初の技術者の一人であるAhti HeinlaとAndres Kullもこの投資に加わった。VitalFieldsは2012年後半に25万ユーロを調達したので、これで資金調達総額は75万ユーロになる。

同社は2011年のGarage48のハッカソンでローンチし、アクセラレータStartup Wise Guysの“卒業生”でもある。本誌が最初にVitalFieldsを取り上げたときは、農業のための早期警戒システムと紹介した。たとえば同社のサービスが提供する情報により農家は、作物の病虫害や生育異状、気候変動などについて早めに知ることができ、また年間の作付け計画や備蓄管理、費用/利益計画などのための参考情報を得ることもできる。

同社は、従来の紙(印刷物、帳簿など)や高価で往々にして硬直的な専用ソフトウェアに代わるITのSaaS革命を、農業に持ち込んだサービスだ。そのためVitalFieldsは、データの取得や処理加工、分析などの過程の多くを自動化しており、とくに小地域ピンポイント的な天候や病虫害に関する予報には力を入れている。これをすべて人手でやったら、安価なSaaSサービスは成り立たない。

VitalFieldsの現在の顧客数は、全世界で1500の農家/農場だ。今回新たに得た資金により、ヨーロッパのいくつかの未開拓国にサービスを展開していく。またデータ分析の範囲を拡大し精度を高めるための投資も行う。それはたとえば、機械学習のアルゴリズムによる、類似農家同士の比較などだ。同社のサービスは、前にも書いたように、これまでは非科学的な勘や地域社会の伝統的な言い伝え、などに頼っていた小規模農家の経営近代化に大きく貢献するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))