フェイスブック、YouTube上で使える体が不自由な人のためのTobiiの視標追跡アプリ

今日までのアプリやサービスには標準のアクセシビリティがなく、通常のスマートフォンやマウス、キーボードなどを使えない人たちのための良質な代替手段がないことが多い。視標追跡(eye-tracking)技術のリーダーであるTobiiは、一連の人気アプリを視線でコントロールできる方法を発明した。

アクセシビリティの専門家であるサードパーティのデベロッパーと協力して同社がこれまでに作り上げたアプリはFacebook(フェイスブック)、FB Messenger、WhatsApp、Instagram、Google(グーグル)、Google Calendar、Google Translate、Netflix(ネットフリックス)、Spotify、YouTube、MSN、そしてAndroid Messagesだ。

これらのカスタムアプリは、Tobiiの視標追跡タブレットであるI-Series、またはTobiiのハードウェアとソフトウェアを使用するWindows PC用だ。

しかしこれまでのユーザーは、これらのサービスのための一般的なウェブインターフェイスを使うか、ネイティブアプリになんらかのレイヤーを追加する必要があった。しかしボタンやメニューなどは視標追跡向けに設計されておらず、小さすぎて操作しづらかったりことも多かった。

ニューバージョンもウェブアプリがベースだが、視標追跡を念頭に置いて設計されているため、大きくわかりやすいコントロールが用意されており、アプリの通常のインターフェイスが右側にある。シンプルな方向を示すコントロールはもちろん、コンテキストやアプリ固有の指定ができるコントロールもある。例えばネットフリックスを閲覧するときは「ジャンル」を使うことができる。

同社は上記写真に写っている1人のユーザーであるDelaina Parrish(デライナ・パリッシュ )に紹介している。彼女はInstagramなどアプリを使ってFearless Independence(怖くない自立)というブランドを立ち上げているが、脳性小児麻痺のため十分にアプリを使いこなせないことがある。彼女はTobiiのプレスリリースで「これらのアプリにアクセスできるようになり、毎日の生産性とコミュニケーションのチャネルが、プライベートと仕事の両方で改善され、多くのことを自分でできるようになりました」と語っている。

障碍者が使える「十分に良い」ツールやインターフェイスと、アクセシビリティを最初から目標として作られたものとの違いを課題評価することは難しい。新しいアプリは、互換性のあるデバイスなら今すぐ利用できる。

画像クレジット: Tobii

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

見るだけで子供の弱視が治る特殊なディスプレイ

弱視は多くの人を苦しめている視覚障がいだが、早期に発見できれば完全に治すことができる。ただし、治療のために何か月も眼帯を着けなければならない。しかしNovaSightは「弊社製のディスプレイの前で1日に1時間過ごすだけで治る」と主張する。

弱視は、2つの目の動きがそろわないことによって起きる。通常は両目の網膜にある物の細部を見分ける凹部分が、今見ている対象に焦点を合わせる。しかし弱視の場合は、片方の目の凹部が対象に正しく焦点を合わせられず、その結果、両目が正しく収束しないので視覚障がいになる。治療を怠ると、次第に視力を失うこともある。

この障がいは子供のとき早期に見つけることができ、正しく機能している目をほぼ終日眼帯で覆うという簡単な方法で治すことができる。そうすると悪いほうの目が正しく見ることを強制され、次第に治るのだ。ただし言うまでもなく、子供にとって眼帯は不快だし面倒だ。しかも片目だと、校庭で十分に遊べないなど不自由なことも多い。

これを着けるとクールだ!

NovaSightのCureSightを使うと、眼帯なしでこの治療を進められる。その代わり、子供が見ているコンテンツの一部をぼかすことによって正しい方の目を休ませ、その間に問題がある方の目に頑張らせる。

このような二重視像方式は、昔の遊園地などによくあった立体映画でも使われていた。そのときは、片方の像は青のフィルター、もう片方の像を赤のフィルターを通して、右の目と左の目が本物の立体物を見た場合のように、互いにわずかに視差のある像を見ていた。今回の二重視像は、正常な像とぼかした像の2つを使う。

CureSightの場合はまず、円の画像を用いて二重の視像を作る。そのスクリーンはTobiiのアイトラッキング用センサーを使って、ユーザーの目線から円があるべき位置を知る。私自身も試してみたが、円の像は目が見ている方向にいつも正しくある。そうすると、ぼけてない正しい方の画像を悪い方の目がみて円の正しい位置を知ろうとする。

この方法がいいのは、特別の処置や検査がいらないことだ。NovaSightによると、円の像だけでなく、子供はYouTubeでもムービーでも、何でもこのスクリーンで見ているうちに、悪い方の目が矯正されてくる。しかも自宅で好きな時間にできる。

グラフ提供: NovaSight

同社が実施した小規模な治験によると、12週間で十分な改善効果が得られた。「今後は完治の結果を得ることと確立しているほかの処置方法との違いの検証に力を入れたい」と同社は語る。

でも3Dディスプレイの技術がお粗末な映画でなくて視覚障がいの治療に使われるのは素敵なことだ。NovaSightは、弱視の治療だけでなく目の検査や診断のための製品も、同じく3Dディスプレイの技術を使って開発している。詳しくは同社のウェブサイトを参照してほしい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Tobiiの新しいメガネは、視線追跡研究を進歩させる

視線追跡のプロであるTobiiが、最新の視線追跡分析のために作ったメガネとソフトウェア、Tobii Glasses 2を発表した。様々な状況、場所で「実世界の凝視データをリアルタイムで取得する」ために作られたTobii Glasses 2は、軽量(45グラム)で邪魔にならず、ユーザーの凝視データを1080pのHDで記録する。システムは、追跡用メガネ、撮影データをメモリーカードに保存できる小型記録ユニット、およびTobii Glasses Controllerソフトウェアからなる。

ウェアラブルデバイスの話題があふれる昨今、消費者ではなく研究者に焦点を合わせた新製品が発表されることは、ある意味で新鮮に感じる。

同社にとってこれが初めての視線追跡メガネではないが、前作と比べて新モデルは少しスリムになった。改訂されたソフトウェアには、使用者の視界をライブで見る機能が追加され、True Viewと呼ばれるHDシステムでは視線の移動を再現することができる。

一度でも製品開発か広告(デジタルでもそうでなくても)業界で働いたことのある人なら、この道具が調査の至宝であることがわかるだろう。視線追跡は、様々な種類のソフトウェアおよびハードウェアシステムのデザイン方針を決定する際、極めて重要な価値を持っている。

これと同じような製品による、実に説得力のあるユースケースを以前本誌で紹介したことがあるが、Tobiiの構想も非常に魅力的だ。小売店のショッピング体験はもちろんのこと、アスリートが標的を見る方法を追跡したり、運転者が案内に従って走る時など応用は無限だ。

同社は、サイネージ、シミュレーター、コントロールパネル、モバイル機器、社会調査、グループダイナミックス等における利用の可能性も挙げている。

これは、企業向け製品である消費者向けではない。Tobii Glass 2の価格は1万5000~3万ドルで分析パッケージは別売り。注文は今日から受け付け、出荷は2014年10月からの予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook