ねこIoTトイレ「toletta」のトレッタキャッツが動物病院向け連携プログラムを開始

トレッタキャッツ スマートねこトイレ toletta 動物病院

スマートねこトイレ「toletta」(トレッタ)を手掛けるトレッタキャッツは7月17日、全国の動物病院向け連携プログラム「トレッタVets」の開始を発表した。

同プログラムにより、全国に1万件以上ある動物病院からねこ患者へのトレッタ利用を促進し、トレッタのユーザー数拡大を目指す。また、全国の動物病院のカルテデータ(病名・治療内容・検査結果)と、tolettaが測定する尿量・尿回数・体重などのデータを結合し、腎泌尿器疾患に関する大規模なデータプラットフォームを構築する。さらに、腎泌尿器疾患の治療評価アルゴリズムを確立し、ねこがもっと健康で長生きできる社会作りを推進するという。

全国の動物病院向けには、tolettaを利用しているねこの全体データレポートの提供、tolettaのユーザー向けページ・公式サイトなどで各動物病院の紹介、患者にtolettaを紹介した場合紹介料を支払う、ねこの腎泌尿器疾患に関する共同研究への参画などを行う。

申し込みは、動物病院専用ページから行う。参加料は無料。

tolettaは2019年3月のローンチ後、4500頭を超えるねこが利用。トイレデータは400万件に及び、国内最大規模のデータベースとなっているという。

トレッタキャッツ スマートねこトイレ toletta 動物病院

トレッタキャッツによると、tolettaアプリをかかりつけ獣医師に見せながら治療を受けるという事例もあり、動物病院とデータ連携をすることで治療に対する理解が深まり、飼い主の安心感と家庭での正しいケアをうながせるとしている。

獣医師からは、家庭内のねこの様子を知る術がなく、飼い主がねこの体調変化に気づいて来院する頃には、疾患がかなり進行しているケースが多いという声があるという。家庭内データを飼い主と共有することで、早期治療、治療後の経過のモニタリング、飼い主からの信頼を高めることにつなげるとしている。

トレッタキャッツは今後、動物病院や獣医師、他のねこ関連企業とデータを連携し、ねこの幸せに還元されるデータ活用を推し進めるとしている。

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ネコ用IoTトイレ「toletta」に新モデル、尿の量や回数、AI健康状態判定が可能に

ハチたまは、ネコ用IoTトイレの新モデル「toletta2」の先行販売を開始(注:Amazonへのリンク)した。旧モデルに比べて6つの新機能が加わっている。現在、最大9000円オフとなる2万8800円の先行販売を実施中で、製品は12月より順次発送となる。同社は2015年3月設立のスタートアップ。

旧モデルのtolettaは、昨年の「世界ねこの日」にあたる2018年8月8日に発表。当初は同年11月下旬の発送を予定していたが、体重と尿量の正しい測定に重大な影響を及ぼす構造的な欠陥が判明したことで出荷を中止。12月以降は週1回のペースで開発状況を知らせつつ改良を進めていたものの、予想よりも開発に時間がかかることから、AI顔判定、体重測定、トイレの回数・滞在時間・結果時間に機能を絞り込んで状態で2019年2月下旬に出荷を再開した。

なお、旧モデルのtolettaを利用しているユーザーは新モデルのtoletta2への無償アップグレードが可能で、10月下旬ごろから発送が開始される予定。具体的には、センサープレートと尿トレイが新パーツと交換となる。旧センサープレートは同社への返却が必要だ。旧尿トレイの返却は必要ないが、新モデルではサイズが異なる尿シートを利用できるよう改良されている。
toletta2では、tolettaに実装できなかった、尿量・尿回数の測定機能を搭載したほか、専用スマートフォンアプリとの連動により、動画撮影、AI状態判定、獣医師相談、カレンダー・メモ、フードレコメンドなども機能も加わっている。動画撮影機能が加わったことで、旧モデルでは静止画だったネコのトイレの状態を、動画で確認可能になる。

さらに従来機能の体重測定と新機能の尿量の計測機能を組み合わせることで、AI解析よってねこの健康状態を把握できる。各データはグラフ表示されるので、日々の健康状態チェックにも役立つ。

同社は、toletta2によるネコの体調管理のほか、フードのレコメンドやペット保険、獣医師への相談など、ネコを中心したエコシステム(NECOシステム)の構築を目指す。

自動給餌器やペット用監視カメラ、スマートリモコンによるエアコン調整などを駆使すれば、猛暑が続く今年の夏も留守を預かるネコに快適な環境を構築することは可能だ。しかし、警戒心が強いネコの場合、監視カメラに映る頻度は少なく、留守中に実際の健康状態を把握するのはなかなか難しい。toletta2によって、飼い主の悩みのタネである留守中のネコの行動が少しでも明らかになれば、高齢ネコの体調不良などにも早めに対応できるようになるだろう。

【編集部注】筆者は自宅でアメリカンショートヘアをオス5歳を飼っており、tolettaの所有者でもある。