Amazonじゃダメ? ギフト特化キュレーション参入のトレンダーズに勝算を聞く

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ジャンルに特化したキュレーションメディアが、ECに参入する動きが広がりそうだ。例えば、ディー・エヌ・エー(DeNA)。同社傘下のインテリアメディア「iemo」や女性ファッションメディア「MERY」は、どちらもECでの収益を見込んでいる。そして明日15日、トレンダーズが“記念日”に特化したキュレーションメディア「Anny magazine」をスタートする。記事で気になった商品を、すぐに贈れるのが特徴だ。

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誕生日や結婚祝い、出産祝い、クリスマスといった記念日にまつわる情報を配信する。単なるギフト情報にとどまらず、どのように記念日を楽しむか、あの有名人が愛用する商品……といったコラム的な記事も盛り込む。当面は社内で記事を執筆するが、外部からの投稿も受け付ける。

Anny magazineで気になったギフトは、7月に公開予定のiPhoneアプリ「Anny Now」で贈れる。贈り手はアプリ上でギフトを3点選んで、メッセージを作成。LINEもしくはメールで送信する。貰い手は専用サイトでギフトを1点選び、送り先を入力すればギフトが届く。

ここでポイントなのは、贈り手が3点のギフトを選ぶ点。1点であれば、「相手が持ってるかも」「好みじゃなかったらどうしよう」と心配になり、結局無難なモノを贈ってしまうかもしれない。カタログギフトのように複数の中から選んでもらえれば、そうした心配はなくなるというわけだ。

商品はいずれも、提携予定の大手百貨店が扱うもので、約200点の中から、8000円/5000円/3000円の商品を選べる。店頭同様のラッピングも施される。

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「きちんとしたものを手軽に贈りたいニーズはある」

最近ではAmazonや楽天でギフトを買う人も少なくない。わざわざAnny Nowを使う必要があるのだろうか? この点について、サービスを運営するトレンダーズ執行役員の中村武士氏は「手軽にきちんと贈れる」ことが差別化ポイントだと語る。

「ECサイトは贈り手が実物を見られないし、ラッピングや配送も不安。ギフトはどこから届くのかが重要だったりするんです。本来であれば、百貨店に足を運んで買いたいけど、時間がない……。そういった人が、きちんとしたものを手軽に贈りたいニーズはある。」

トレンダーズの調査によれば、Anny magazineがターゲットとする20〜30代の女性の70%は、ギフトを贈り忘れた経験があるのだという。その理由としては「時間がない」や「相手が欲しいものがわからない」という答えが多かったことも、ギフトのキュレーション事業に参入した背景にあるようだ。

キュレーションメディアはSEOやソーシャル経由の流入を見込んでいて、初年度で月間アクティブユーザー数で45万人を目標に掲げる。