Trsstは、ポスト・スノーデン時代の安全なTwitter(Kickstarter募集中)

ツイートがショートメール代わりとなっている世界では、自分の考えを広く放送したい人々がいる — しかしある程度のセキュリティーは欲しい。そこでTrsstの登場だ。これは一言でいえば、ショートメッセージをP2Pスタイルの協業システムへと変える暗号化メッセージング・プラットフォームだ。

これでは少々わかりにくいことは承知している(私自身まだ理解に苦しんでいる部分がある)が、突き詰めれば、署名付、暗号化、分散化されたTwitter機能を真似たシステムだ。つまり、個人対個人のメッセージは完全に安全であり、さらに重要なのは放送されたメッセージにはデジタル署名か付いていることだ。データベースは分散化され、管理している企業は存在しない。

「プロジェクトの始まりは、かなり前にDave Winerの記事、「RSSからTwitterを作る」を読んだことにさかのぼる。私は想像をかき立てられ、さらにBrent Simmonsのいくつかの記事、そしてJavaScriptクライアントサイド暗号化ライブラリーに出会い、Bitcoinプロジェクトのアイデアもいくつか取り入れた」と、作者のMichael Powersは語る。Powersは連続起業家で、これをクールな — かつ有用な — サイドプロジェクトだと思った。

「真の差別化要因はWinerの記事から得たもので、われわれはすべてを極力単純にしようとしている。ユーザーは舞台裏で起きていることをすべて知ることはできない。ウェブサイトへ行き、ユーザー登録し、ただツイートするだけだ」とPowersは言った。「このサービスは既存のhttpサーバーと共に動作することができるが、そのサーバーは未だにRSSを提供している。導入は容易で相互運用性も高いが、同時に本物のP2Pネットワークに匹敵する最適化と配信が可能だ。世界には本当に頭のいい人たちがかかわっているプロジェクトがたくさんあるので、われわれはそれらと協業し、入手できるオープンソースは何でも再利用していくつもりだ」

彼は開発費支援のために4万8000ドルの資金を募集している。12ドルでベータ版を利用できる — 全盛期のApp.netよりずっと安い。またプロジェクトはオープンであり、制御するのはユーザーであって中央サーバーではない。

なぜTrsstが必要なのか? Powersはこう書いている。

企業の役員や株主たちは、いつでもプライバシーに関する約束を反古にするかもしれず、時にはそれについて通知すらしない。これらの企業を管理する政府はいつでも、個人を特定する情報や保存されたやりとり等のデータを、利用したり国有化する法律を制定するかもしれない。これはもう起きているかもしれない。政府の管轄下にない企業は存在しない。安全な場所はどこにもない。

果たして実際に目標を達成するチャンスはあるのか? 私は懐疑的だ。しかし、これは知識ある人物によって作られた高潔な目標である。Twitterのような公表技術はすでに偏在化しており、平均的ユーザーは他に移ろうとしないだろう — App.netが証明している。しかし、われわれの誰もがソーシャルメディアに何らかのセキュリティーを必要としているのは明らかであり、これはそこへ向かう道の一つだ。

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