いよいよTwitterがストーリー機能を搭載? テンプレートメーカーChroma Labsを買収

Twitterにストーリー機能が搭載される日が近いのだろうか? それとも、ちょっときれいなツイートを送信するためのツールを入手するだけなのだろうか? Chroma Labsを買収したばかりのTwitterには、いまやどちらに向かう力も備わっている。Instagram Boomerangの発明者であるJohn Barnett(ジョン・バーネット)氏が共同創業したChroma LabsのChroma Storiesアプリを使うと、Instagram StoriesやSnapchatなどに投稿するための、スタイリッシュなレイアウトテンプレートやフレームを使ったコラージュを作ることができる。

TwitterはChroma Storiesをそのまま維持するのではなく、Chroma Labsのチームを製品、デザイン、エンジニアリングのチームへと吸収する。iPhoneのChroma Storiesアプリ はなくなるわけではないが、これ以上更新されることはなく、iOSの次の非互換アップデートまでの動作が期待されるだけだ。

「2018年にChroma Labsを設立したときに、創造性を刺激し、ユーザーが視覚的なストーリーを伝えることを手助けする企業を作り上げようとしました。おかげさまで過去1年間で、世界中のクリエイターたちや企業にChroma Storiesアプリを使って、たくさんのストーリーを作成していただけました」とChroma Labsチームはそのサイトに書いている。「私たちはこの成果を誇りに思っています、そして世界で最も重要なサービスの1つの中で、より大きな規模で私たちのミッションを継続できることを楽しみにしています」

TechCrunchは取引の詳細と買収金額について、Twitterに問い合わせた。Twitterはこれは単なる開発チームの獲得(acquihire)ではなく、(Chroma Storiesは終了するものの)企業そのものの買収であるということを認めた。買収条件の開示は拒否したが、Chroma Labsの7人の従業員全員が移籍すると語っている。チームはTwitterの Conversations部門で作業する予定だ。この取引は公開ディスカッションに役立つ才能、リーダーシップ、専門知識を高めることも目的としているのだ。Twitterの広報担当者は、Chromaが事業を停止しアプリの次のバージョンが制作されないことも認めた。

2018年後半に設立されたChroma Labsは、2019年初頭にシードラウンドを行い、Sweet Capital、Index Ventures、Combine VCを投資家として迎えた。バーネット氏の共同創業者には、Facebook PhotosおよびInstagram StoriesのエンジニアリングマネージャーだったCTOのAlex Li(アレックス・リー)氏や、Oculus RiftとFacebookの拡張現実フィルターのプロダクトデザインマネージャーだったJoshua Harris(ジョシュア・ハリス)氏らが名を連ねている。

Chroma Storiesを使用することで、レトロフィルター、休日をテーマにしたフレーム、おしゃれなコラージュテンプレートから選択を行い、毎日投稿される膨大なストーリーの中で、自分の投稿を特別なものに見せることができる。Sensor Towerは、Chroma Storiesのこれまでのダウンロード数を3万7000回と推定している。高い品質を持つアプリにもかかわらず、それほど熱心に市場に受け入れられていなかったことも、今回のチームのTwitter入りを説明してくれるのかもしれない。

Twitterは、ビジュアルストーリーテリングの最も優れた才能を取り込むことで、テキスト中心のアプリにスパイスを加えることができる。今やTwitterは、ストーリー機能を持たない数少ないソーシャルアプリの1つであり、そのクリエイティブツールは非常に限られている。ツイートに写真をレイアウトするより良い方法の提供は、Twitterをより美しくし取捨選択を楽にしてくれる。これによってTwitterは10代の若者にとってより魅力的なものになり、Snapchatに遅れをとっているユーザー数の増加にも役立つことだろう。

Twitterは、世界の公的発言記録の場となっている。Chroma Labsがもたらす才能によって、Twitterはアートやデザインのリアルタイムギャラリーにもなるかもしれない。

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(翻訳:sako)

上院議員4名がTwitterにイラン指導者の利用禁止を強要

共和党でテキサス州選出のTed Cruz(テッド・クルーズ)氏をはじめとする上院議員4名は、イランに対する制裁の一環として、Twitterはハーメネイー師を始めとする同国指導者へのサービス提供を中止すべきであると強く主張した。「ハーメネイー師は米国権利章典による言論の自由を謳歌している」と同議員はTwitter宛てのレターに書いた。

この動きはイランと米国の間で起きた一連の暴力的事件に続くかつてない緊張状態に関連しているものだが、同時に連邦規制の束縛に抵抗してきた各IT企業に対して行政権を執行しようとする試みでもある。

Twitterおよびカリフォルニア州北地区司法長官らに送ったレター(PDFで、上院議員らはこの要求の正当性を説明した。オバマ政権は2014年に輸出規則の例外として、無料メッセージングおよびソーシャルメデア的サービスをイラン国民に提供することを認めるための規則を制定した。その背景には、Twitterを始めとする多くの同種のサービスがイランではほとんど禁止されていたが、表現の自由とコミュニケーションのためのツールを同国民に提供することに問題はなかろうという考えがあった。

関連記事:Telegram and Instagram being restricted in Iran

しかし、例外は例外に対してすら存在し、今回それがTwitterに適用されるとクルーズ議員らは主張している。具体的には、イランへの追加制裁を課した6月の大統領命令の後、ハーメネイー師およびジャヴァード・ザリーフ外相は、それまであった法による保護を失った。

「あなた自身やTwitterも含めてすべての米国人は『彼らに対していかなる便益も与えてはならない』」とレターにかかれている。「憲法修正第一項は米国人の言論の自由を保護しているが、ハーメネイー師および彼に支援を提供するあらゆる米国企業は、全面的に米国法の刑罰の対象になる」。

輸出入法の専門家ではない私には、この主張の効果を判断することはできないが、表面上は理にかなっていると思う。しかしこれは、連邦政府がブラックリストに載せた人物にTwitterが「サービスを提供」できる、できないの問題ではなかかもしれない。

Twitterが同社のプラットフォームの利用を他者に提供するかどうかの選択は、それ自体が言論の自由で保障されているという議論もある。

つまるところホワイトハウスは、渡航禁止対象の国々の指導者をブラックリストに載せる大統領命令を、ごく簡単に発行してきた。それはあってもよいことなのか?それは政府から見た法的身分によらず世界中の誰に対してでも、米国企業が言論の自由のための自社プラットフォームを拡大できる権利なのか?

クルーズ氏と共和党でテネシー州選出のMarsha Blackburn(マーシャ・ブラックバーン)氏、共和党でアリゾナ州選出のTom Cotton(トム・コットン)氏、共和党でニュージャージー州選出の(マルコ・ルビオ)氏の各上院議員の考えはそうではないようだ。

Twitterはコメントを拒んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookのTwitterアカウントが乗っ取られてハッカー集団が犯行声明

金曜日になって、書くべきものはすべて書いたという気分になれたら、レポーターという仕事も快適だ。月曜日のための準備を始めてもよいし、仕事のリストを整理するのもよい。やっとメールを読める時間があるかもしれない。

しかし、今日のような金曜日(米国時間2月7日)は人目を引くようなことが起きてしまい、コンテンツの神様が犠牲者を要求する。では、その犠牲者になってやろうじゃないか。

FacebookのTwitterやそのメッセンジャーは、ときどきOurMineと名乗るハッカー集団に攻撃される。この1月にスポーツ関連のTwitterアカウントを大量にハックした連中だから、おなじみと言えるかもしれない。

TechCrunchのバックナンバーを漁ってみると、OurMineという名前は意外に多い。たとえば2016年には、OurMineはNiantic(ナイアンティック)のCEOのTwitterアカウントをハックした。その年の終わりごろには、OurMindは複数のメディア関連のTwitterアカウントもハックしている。なんと、OurMineはTechCrunchをハックしたこともある。今、それを思い出した。

TechCrunchはFacebookに、同社Twitterへの侵害についてコメントを求めた。中身のあるコメントが得られるとは思わないが、何かあったらこの記事をアップデートしよう。Twitterは、このハックに関してごく一般的なコメントをくれた。この事変に気づいてから以降、「侵害されたアカウントをロックし、Facebookのパートナーと緊密に協力して復旧に努めている」そうだ。

では、何がポストされていたのか? TechCrunchのセキュリティの鉄人Zack Whittaker(ザック・ウィテカー)が、スクリーンショットを残していた。

上のスクリーンショットを見ると、ツイートはKhorosからポストされたようだ。Khorosは、企業がソーシャルメディアを使って顧客やユーザーと対話するためのソフトを販売している。だからおそらくKhorosも、このヒマ人たちにやられたのだ。投稿はすぐに削除された。Crunchbaseによると、Khorosはオースチンにあるが、資金調達の履歴は載ってない。

というわけで、すてきな金曜日でした。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterが偽アカウントの「大規模ネットワーク」を停止

米国時間2月3日、Twitterは「偽アカウントの大規模ネットワーク」および「さまざまな国に存在する」数多くの偽アカウントを、この週末に削除したことを発表した。彼らは電話番号とユーザーアカウントをマッチングする機能を悪用していた。

TechCrunchはこの問題を昨年12月24日に取り上げたが、その日はTwitterが悪用の存在に気づいた日でもあった。セキュリティー研究者のIbrahim Balic「イブラハム・バリック)氏は、TwitterのAndroidアプリにバグがあり、同氏が公式APIを通じて数百万件の電話番号を送ったところ、関連するユーザーアカウントを取得できたことを報告した。

この機能の意図していた用途は、自分の番号を知っている友達にTwitterアカウントを見つけてもらうためだった。しかし、数百万件の番号を送るのは明らかに想定された利用方法を超えていた。

この機能をオフにしておけば、このバグの影響を受けることはない。EU圏のユーザーにとっては幸いなことに、この機能がオプトインになっている。しかし、それ以外の国々ではオプトアウトが必要だ。つまり、電話番号をアカウントに結びつけている人は(オフにしない限り)影響を受ける。

しかも、電話番号の中には2要素認証に使われているものもあるため、EU圏外のユーザーは知らない間にこの被害にあう脆弱性がある。

関連記事:Twitter admits it used two-factor phone numbers and emails for serving targeted ads

Twitterが警告を受け、ベリック氏のものされる問題のネットワークを閉鎖したあと、同社の調査チームはこの欠陥を悪用しているアカウントを大量に発見したが、その数については明らかにしていない。

「当社は、イラン、イスラエル、マレーシアの特定IPアドレスから、特に大量のリクエストが送られていることを発見した」と同社はセキュリティー文書に書いた。「これらのIPアドレスの中には、国家が支援する組織とつながりのあるものが存在する可能性がある」。

この疑念は、イランのIPアドレスからTwitterに対して制限されていないアクセスが見られたことでも裏付けられる。イランではTwitterのアクセスは制限を受けていることから、この事実は政府の関与を示唆している。ベリック氏はTechCrunchの質問に対して、自分の行為はいかなる国家の支援も受けていないと答えた。

同機能を乱用していることが疑われるアカウントはすべて停止されており、API自体もこの種の悪用を防ぐための修正が施されている。TechCrunchはTwitterに、停止されたアカウント数を尋ねている。

昨年Twitterは、ユーザーデータの露出と漏洩の事象がいくつもあった。さらにTwitterは、広告パートナーにユーザーデータを渡しすぎたことに加えて、2要素認証のための電話番号をターゲット広告に利用した事実も認めた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterがヘイト・暴言を理由に英国の右派コメンテーターのアカウントを凍結

Twitter(ツイッター)は、物議を醸している右派コメンテーターであるKatie Hopkins(ケイティー・ホプキンズ)氏のアカウントを一時的に凍結したことを認めた。BBCによっていち早く報じられた。

MailOnlineの元コラムニストで、LBCラジオのプレゼンターであるホプキンズ氏はソーシャルメディアを使いこなしており、10年近く前からTwitterを利用している。同氏は極右傾倒の、自由主義を追いやるような考えを広めるためにTwitterを使っている。定期的に反移民や反イスラム感情をツイートし、いまや白人の英国人が少数派として差別されていると主張してきた。

ホプキンズ氏のどのツイートによってTwitterが最終的に凍結の決断を下すことにつながったのかは不明だが、同氏は最近、黒人で英国人ラッパーのStormzy(ストームジー)氏をターゲットにした一連の口汚い言葉をツイートしていた。

アカウント一時凍結を認めるTechCrunchへの声明で、Twitterは以下のように述べている。

Twitterの安全性を維持することは我々にとって最優先事項であり、Twitterでは暴言やハラスメントは許されません。我々のルールに反したアカウントに対しては強制措置を取ります。この対象には、ヘイト行為ポリシー違反や暴言行為ポリシー違反が含まれます。これらポリシーはサービスを利用する全員に適用されます。

この記事執筆時点で、ホプキンズ氏のアカウントはまだ閲覧できるが、彼女のツイートは1つを残してすべて削除された。

ホプキンズ氏自身が、彼女のツイートの大半を削除したのかどうかは明らかではない。Twitterは、全ツイート削除の選択肢を提供するサードパーティーのサービスを含め、ユーザーが自身のツイートをいつでも削除できるとしている。

ホプキンズ氏のフィードにある閲覧できない2つのツイートには、Twitter’s rules(ツイッターのルール)違反により「閲覧できません」とある。

残る閲覧可能なツイートは、人種的ヘイトをあおるとしてホプキンズ氏を非難する他のユーザーのリツイートだ。そこには、ホプキンズ氏がストームジー氏に対して発した一連の暴言が含まれるツイートのスクリーンショットが載っている。

ツイッターでのホプキンズ氏の自己紹介では、自身を「Milo’s Mum(Miloのママ)」と称し、Milo Yiannopoulos(ミロ・イアノポウロス)氏に言及している。彼は議論を巻き起こしてきたもう1人の右派人物だ。Ghostbusters出演女優Leslie Jones(レスリー・ジョーンズ)氏に嫌がらせをするようフォロワーを煽動し、2016年にTwitterから永久追放された。

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(翻訳:Mizoguchi

ハイテク業界の醜悪な真実を明らかにしたTechCrunch2019年調査レポートトップ10

Facebookがティーンエージャーをスパイしていたこと、Twitterアカウントがテロリストに乗っ取られたこと、そして児童性的虐待の画像がBingとGiphyで発見されたことなどが、2019年のTechCrunchの調査レポートで明らかになったもののなかでも、とりわけ醜悪な真実たちだ。安全性の欠陥や力の濫用が及ぼす影響が、ますます大きくなる中で、ハイテク業界はこれまで以上に多くの監視の目を必要としている。原因が悪意、無知、あるいは貪欲のいずれであろうとも、そこには嗅ぎつけられた数多くの不正行為があった。

TechCrunchは、セキュリティエキスパートであるZack Whittaker(ザック・ウィテカー)記者に率いられて、増大する問題に対処するために、より長期にわたる調査を実施してきた。実際、資金調達、製品発売、そしてすばらしいエグジットなどに関する私たちの記事は、物語の半分しか語っていないのだ。おそらくスタートアップ(と彼らのその後)に特化した、最大かつ最も長期間にわたって運営されているニュースソースである私たちは、そうした企業たちが誠実であり続けることや、技術に対するより倫理的で透明なアプローチを推進していくことに対して責任を負っている。

調査に値する潜在的なヒントがある場合は、TechCrunch(tips@techcrunch.com)に連絡するか、匿名のフォームから教えて欲しい。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

2019年に行われた調査レポートの上位10件と、その影響を紹介しよう。

1. Facebookはティーンエージャーたちのデータを覗き見するために、金を渡している。

Josh Constine(ジョシュ・コンスティン)記者の画期的な調査によって明らかになったことは、Facebookがティーンエージャーや成人に対して月額20ドル(約2200円)のギフトカードを支払い、VPNをインストールさせて、市場調査の名目ですべての機密モバイルデータをFacebookに送信させていたことだ。Facebook Researchが抱えていた問題として挙げられたのは、たとえば18万7000人のユーザーに「Project Atlas」に登録するまでデータがFacebookに送られることを通知しなかったこと、4300人以上の未成年者から適切な保護者の同意を受け取っていなかったこと、同プログラムに関して公言した場合、ユーザーに対して法的措置をとると圧力をかけたことなどだ。また、このプログラムは、App Storeのレビュープロセスを回避するために、企業内で従業員だけを対象にアプリを配布するためにデザインされた、Appleのエンタープライズ証明書プログラムを悪用していた。

影響は甚大だった。議員たちはFacebookに対して怒りの書簡 を送った。ほどなくTechCrunchは、同様の市場調査を行うScreenwise Meterと呼ばれるGoogle製のプログラムを発見した。Googleは直ちに同プログラムを中止した。Appleは、すべての従業員専用アプリを丸1日シャットダウンすることでGoogleとFacebookの双方を罰した。このことで、Facebookの従業員はシャトルスケジュールやランチメニューにアクセスできず、オフィスが混乱した。Facebookは、このプログラムが公明正大なものだと主張しようとしたが、最終的には反発に屈し、Facebook Researchと18歳未満のユーザー向けのすべての有料データ収集プログラムを中止した。最も重要なことは、この調査レポートによって、FacebookがそのOnavoアプリをシャットダウンしたことだ。このアプリはVPNを提供するという触れ込みだったのだが、実際はどのライバルを模倣すればよいかを知るために、大量のモバイル利用データを吸い上げるものだったのだ。Onavoは、FacebookがメッセージングのライバルであるWhatsAppを190億ドル(約2兆1000億円)で買収する必要があることをFacebookに認識させたものであったが、いまや同社に対する反トラスト調査の中心となっている。TechCrunchのレポートは、Facebookの搾取的な市場監視を弱め、技術の巨人同士を競わせ、データ収集に対する透明性と倫理の水準を引き上げた。

2. WannaCryキルスイッチの擁護

急速に広がるWannaCryランサムウェアから、インターネットを保護したヒーローたちのプロフィールを描いたザック・ウィテカー記者の記事は、サイバーセキュリティの不安定な性質を明らかにしている。WannaCryのキルスイッチ(停止スイッチ)を確立したMarcus Hutchins(マーカス・ハッチンズ)氏の善意の仕事を描いた魅力的な記事は、別件のティーンエイジャーでマルウェアを作成したという罪で彼を10年の刑務所送りにするのではなく、わずか1年の保護観察付きで釈放となった判決に、影響を与えた可能性がある。

3. イーロン・マスク氏のトンネルの危険性

TechCrunchの寄稿者であるMark Harris(マーク・ハリス)記者の調査レポートは、ワシントンDCからボルチモアへのトンネルを掘るという Elon Musk(イーロン・マスク)氏のBoring Companyの計画の中に、不適切な非常口やその他の問題があることを明らかにした。火災安全およびトンネルエンジニアリングの専門家たちに相談し、ハリス記者は、州および地方政府に対して、公共インフラに近道を導入しようとする破壊的テクノロジーに対して懐疑的であるべきだという強い証拠を提示した。

4. Bingの画像検索は児童虐待で溢れている

ジョシュ・コンスティン記者の調査は、Bingの画像検索結果が、子供の性的虐待画像がどのように表示されているかを示すと同時に、何も意識していないユーザーが、そうした違法コンテンツを呼び出しかねない検索ワードも示唆した。コンスティン記者の示したヒントは、反児童虐待スタートアップAntiToxin(現在はL1ght)によるレポートへと繋がり、Microsoftは英国の規制当局に対してこれを防ぐための大幅な変更の約束を強いられた。だが、TechCrunchのレポートを引用したNew York Timesによる追跡レポートによれば、Bingがほとんど改善されていないことが明らかになった。

ザック・ウィテカー記者の調査が、その追放に疑問があったタフツ大学の学生、Tiffany Filler(ティファニー・フィラー)氏による、成績改ざん疑惑の中にある矛盾した証拠を明らかにした。記事は告発そのものに大きな疑念を投げかけ、学生自身が将来の学術的または専門的努力を狙う際の、助けになる可能性がある。

6. 教育用ノートPCの発火

Natasha Lomas(ナターシャ・ロマス)記者は教育用コンピューターハードウェアスタートアップであるpi-topのトラブル報告を行った。記事には米国のある生徒を負傷させたデバイスの誤動作が含まれていた。分解できるように設計されたpi-top 3ノートPCによって、その生徒が「非常に厄介な指の火傷」を負っていたことを内部電子メールは明らかにした。信頼性が大きく問われ、レイオフが続いた。このレポートは、生徒のような特に傷つきやすい者たちを中心に置き物理的な世界で事業を展開するスタートアップたちは、いかに安全を最優先にしなければならないかということを強調している。

7.Giphyは児童虐待画像をブロックできない

Sarah Perez(サラ・ペレス)記者とザック・ウィテカー記者は、児童保護のスタートアップL1ghtと協力して、性的虐待画像のブロックに対するGiphyの怠慢を暴露した。このレポートは、犯罪者たちが違法な画像を共有するためにサイトをどのように使用し、それが検索エンジンによって、誤ってインデックスされたかを明らかにした。TechCrunchの調査が明らかにしたのは、自らのコンテンツに対してもっと警戒する必要があるのは、公的な技術の巨人たちだけではないということだ。

8.Airbnbの反差別に対する弱み

Megan Rose Dickey(ミーガン・ローズ・ディッキー)記者は、盲目で耳が不自由な旅行者の予約が盲導犬を連れていたためにキャンセルされた際の、Airbnbによる差別的ポリシーが現れたケースを調査した。ディッキー記者のレポートが1カ月の営業停止のきっかけになるまで、Airbnb は差別行為によって告発されたホストを単に「教育」しようとしただけだった。調査は、Airbnbが収益を生み出すホストを保護するためにどんなこと、そしてポリシーの問題によりIPOを損なう可能性があることを明らかにした。

9.期限切れのメールがテロリストたちにプロパガンダをツイートさせる

ザック・ウィテカー記者は、乗っ取られたTwitterアカウントを通じて過激派組織IS(イスラミック・ステート)のプロパガンダが拡散されていることを発見した。彼の調査により、Twitterアカウントに関連付けられたメールアドレスの有効期限が切れると、攻撃者はそれを再登録してアクセスし、Twitterから送信されたパスワードリセットを受信できることが明らかになった。記事は、ビッグテクノロジーのセキュリティ上の欠点を悪用する、巧妙だが決して高度ではないテロリストグループの手段を明らかにしただけでなく、すべてのサイトがふさぐべき危険な抜け穴を特定した。

10.ポルノとギャンブルのアプリがAppleを出し抜く

ジョシュ・コンスティン記者は、数十におよぶポルノおよびリアルマネーのギャンブルアプリが、Appleのルールを破りながらエンタープライズ証明書プログラムを悪用することでApp Storeのレビューを回避していることを発見した。それらのアプリの多くが中国を拠点にしたものだ。このレポートは、企業証明書が脆弱で簡単に詐取される要件を明らかにした。7カ月後、Apple は中国からのポルノおよびギャンブルアプリの削除リクエストが急増していることを明らかにした。この調査は、Appleが企業証明書ポリシーを厳しくする後押しをすることになり、さらにCEOのティム・クック氏が日頃他の技術大手のポリシーに対して頻繁にジャブを繰り出しているにもかかわらず、同社自身にも対処すべき問題がたくさんあることを証明した。

ボーナス:HQ Triviaの従業員たちがCEOを解任しようとして解雇された

『ゲーム・オブ・スローンズ』にも負けない物語は、その影響がすべてのスタートアップエグゼクティブへの警告であるにしても、除外するには興味深いものだった。ジョシュ・コンスティン記者は、ゲームスタートアップ、HQ Triviaの業績が急降下した際に、CEOの無能さと不作為に対して従業員たちが起こした反乱の物語を明らかにした。CEOを解任するために、取締役会への請願を組織した従業員は解雇され、さらなる人材の離職と停滞につながった。調査レポートは、スタートアップの幹部たちに、(団結したり離職することで力を発揮する)従業員たちに対する責任があることを思い出させるのに役立った。

ジョシュ・コンスティン記者へのタレコミ情報がある場合には、暗号化されたSignalアプリ、米国(585)750-5674へのSMS、joshc at TechCrunch dot com、あるいはTwitter DMを介して連絡することができる。

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(翻訳:sako)

Twitterは研究者をより丁重にサポートする戦略

Twitter(ツイッター)は新年に当たって、学術的な研究者が情報にアクセスしたり、APIについてのサポートを得るのが簡単になるよう、専用の新しいハブを用意した。この動きは、研究者コミュニティからのフィードバックに応えるものだと言う。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

新しいページは、「Twitter data for academic research」(学術的研究のためのTwitterデータ)と呼ばれ、ここからアクセスできる。

そこには、開発者アカウントを申請するページへのリンクが含まれている。開発者アカウントからは、TwitterのAPIへのアクセス、提供されるさまざまなAPIの詳細情報、さらに研究者向けのツールが利用可能となる。ツールには、データの統合とアクセス機能、分析、視覚化、インフラストラクチャとホスティング機能などが含まれる。

「この1年間、私たちは学術的な研究コミュニティの多くの人々と協力してきました。それにより、研究者が直面している課題について学ぶことができました。そして、どうしたらTwitterが研究者をもっとサポートして、この公の場での会話について深く理解することを手助けできるのか、についても学びました」と、Twitterは記している。また、「公の会話からさらに簡単に学べるようにしたい」とも考えているのだという。

さらにTwitterは、今年も、研究者に対して「さらなる機能強化とリソースの提供」を約束している。

2020年は、米国にとって重要な選挙の年であり、新たに選挙に干渉してしまうリスクに対する懸念が高まっていることを考えると、このタイミングでTwitterが学者向けに提供する機能を化粧直ししてきたのもうなずける。

Twitterでの会話の流れを追跡する際には、どうしても「ボットか、そうではないか」という判断を迫られることになる。これは、民主主義の健全性に大きな影響を与えるもの。またヨーロッパでは、Twitterは、他のいくつかの大手プラットフォームと並んで、偽情報に対する自発的な行動規範に2018年に署名した。それにより、偽アカウントやオンラインボットに対処することにコミットしたことになる。さらに、研究コミュニティによるプラットフォームデータへの「プライバシー準拠」アクセスを可能にし、オンラインの偽情報を監視する権限を与えることにもなった。

「Twitterでは、学術的な研究者の貢献を高く評価しています。私たちのプラットフォームをよりよく理解し、何がどうなっているのかを把握し、発見と革新によって新たな課題に取り組むのを助けてくれるだけの潜在能力あると見ています」と、研究者向けの新たなランディングページに記している。また、自らのプラットフォームの価値を持ち上げることも忘れずに、「この世に存在するものは、たいていTwitter上で話題になるものです」とも書いている。

もしTwitterが、研究者と、そのニーズに積極的に関与するという約束を守ることができれば、学術的な利用をサポートすることに失敗しているライバルのFacebookを、うまく出し抜くことができるかもしれない。

昨年Facebookは、自らのAPIにおいて、研究者に対する「透明性の洗浄」を行ったとして非難された。そして60人の学者グループは、広告アーカイブAPIを、役立つどころか害になると非難した。

それから数カ月経つが、FacebookはAPIを改善するために、ほとんど何もしていないと報告されている

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Twitterの新しい返信制限機能でトランプは批判を隠してしまわないか

もし政治家が、Twitterに支持者からの返信だけを表示して、その他の人たちが会話を論評できないようにしてしまえるとしたらどうだろう?これは、Twitterが追加を予定している「Conversation Participants」(会話参加者)機能に潜むリスクだ。間もなくテストが開始されるが、それを使えば、自分のツイートに返信できる人を、すべての人、フォローまたはメンションした人、すべて禁止のいずれかに限定できる。

たいていの人にとって、この返信制限機能は、荒らしや嫌がらせを排除する役に立つだろう。しかし残念なことに、これは加害者ではなく、被害者に責任を押しつける対策だ。悪い人間を突き止める代わりにTwitterはツイートを壁で囲んで、知らない人たちから逃げるように私たちに求めている。Twitterをここまで力強く成長させた、自然発生的ながら礼儀正しい不特定多数の人たち同士の返信の連鎖を縮小してしまう恐れがある。

しかし、人々の監視から逃れたい政治家にとってこれは、そのツイートや政策が万人に支持されているかのように見せるための道具になり得る。自分にへつらう者の返信だけを自分のツイートの下に表示させるようになれば、それを通して読む人は、全員の意見が一致しているように感じられる。それでは、意見のマーケットプレイスというTwitterの価値が台なしになってしまう。

この問題について、そして政治家など特定の人物の返信制限機能の使用を禁止するつもりはあるのか、TechCrunchはTwitterにコメントを求めた。Twitterは、第1四半期にこの機能のテストを行い、利用状況をモニターし、実際の運用開始前までに必要な改善を行うことにしている。同社からは以下の声明が送られてきた。

「私たちは、自分で始めた会話を自分で管理する手段を増やすことで、人々がTwitterで安心して会話に参加できるよう手助けしたいと思っています。2020年の早期のうちに、ツイートへの返信に関するさまざまなオプションを実験する所存です」。

1月8日、TwitterのSuzanne Xie(スザンヌ・シェ)氏がCESで発表した内容によれば、新しい「会話参加者」機能の仕組みは以下のようなものだ。ただし、この仕様はテスト期間中に変更される可能性がある。ツイートをすると、それに返信できる人を限定するオプションが示される。そこは、誰でも返信できるが、ツイートを書いた本人が特定の返信を隠したり、見る人が非表示の返信を表示に切り替えられる現行の方式とは異なる。会話参加者機能には、次の4つの選択肢がある。

  • Global(全体):あらゆる人を許可する
  • Group(グループ):このツイートであなたがフォローまたはメンションした人のみを許可する
  • Panel(パネル):このツイートであなたがメンションした人だけ許可する
  • Statement(発言):返信を禁止する

想像してほしい。トランプ大統領が自分のツイートを「グループ」のみに設定したとしたら。自分を支持してくれて、それを理由に大統領がフォローした人、たとえば大統領の息子や、FOX NewsのSean Hannity(ショーン・ハニティー)氏や、選挙キャンペーンの仲間だけに返信を許すとしたら、大統領の話をファクトチェックする批評家や彼の政策に反論する人たちをまとめて排除できる。彼のツイートは非難から保護され、信奉者のためのエコーチャンバーのフィルターバブルが確立される。

知らない人から返信が嫌がらせになることがあるのは事実だ。しかし、それは強力なポリシーと、規約の違反者には的確な罰則を与えるという一貫した姿勢で個別に対処するのが筋だ。それをせず、幅広い人たちからの返信を止めてしまうという考え方は、政治家の絶え間ない嘘と偽情報の垂れ流しを助長してしまいかねない。

また現実問題として、それでは嫌がらせを止めることはできず、単に移動させるだけだ。善良な一般の人たちの開かれた討論の場は狭まるが、嫌がらせをしようという人間は、それでも目標を攻撃できてしまう。特定のツイートで返信を禁じられた人でも、それを書いた人に直接ツイートするのは自由だ。ツイートした人のことを別のツイートで書き立てたり、ツイートのスクリーンショットを撮って話題にすることもできる。

米国の法律では、政治家が意見が異なるという理由から公開討論会での政治家の意見を聞けないように市民に不公平に処遇することを禁止できる。この裁判所の決定に従えば、トランプ大統領がソーシャルメディアで特定の人をブロックすれば違法となる。しかし、このTwitterの新しいツールなら、ツイートを読むのも、別の場所でそれを書いた人に反論するのも、書いた人が相手をフォローしないことも自由なので、ブロックとは異なり、不公平な処遇には当たらない。「会話参加者」機能の使用は許される。この問題を法廷に訴えることもできるかも知れないが、賢明なる判事たちは、その訴えを憲法違反と見なすだろう。

関連記事:「言論の自由」による口封じ(未訳)

繰り返しになるが、だからこそ、嫌がらせから逃げるための小さな臨時のシェルターをユーザーに作らせるのではなく、Twitterは自身のコミュニティーを再び洗濯する必要性を検討すべきなのだ。私が2017年に提案したように、十分なエンゲージメントや電話番号とのリンクがない新規アカウントからの返信やメンションのブロックを考えるべきだ。アカウント停止の基準を少し下回る程度(これも疑問が残るが)の嫌がらせの返信を送った者には、中間的な「一時停止」の罰則を新設するという方法もある。

過去10年間に荒らしに翻弄されてきたTwitterの弱点と、偽情報が常態化することで脅かされる新しい政治情勢が組み合わさり、安全性を確保しようとするTwitterの試みを台なしにしている。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

Mac版TwitterがTouch Bar対応、投稿の画面呼び出しやトップツイート切り替えがタッチ操作で

Twitterは1月9日、TwitterのmacOS向けクライアントアプリをアップデートし、MacBook Proシリーズのキーボード上部に備わっているTouch Barへの対応を果たした。

新規投稿画面の呼び出し、トップツイートへの表示切り替え、ダイレクトメッセージの新規作成画面の呼び出し、リストの設定画面、フィルターの設定画面、各種環境設定などを呼び出せる。この機能が便利だと思うかどうかは人によると思われるが、ソースコードやプロジェクトファイルの修正を最小限に抑えつつ、iPadアプリをMacアプリに移植するアップルの「Mac Catalyst」を使って開発されたMac用Twitterクライアントが、iPadにはない独自機能を搭載した点には注目だ。

  1. Touch Barショット 2020-01-09 17.04.05 2

    左が新規投稿画面の呼び出し、右がトップツイート表示への切り替え
  2. Touch Barショット 2020-01-09 17.10.40

    右がリスト作成
  3. Touch Barショット 2020-01-09 17.10.55

    右がブックマークを削除
  4. Touch Barショット 2020-01-09 17.11.12

    右が新規ダイレクトメッセージ画面の呼び出し
  5. Touch Barショット 2020-01-09 17.11.16

    右が環境設定画面の呼び出し

Twitterがリプライ方法の制限をテスト、「@メンションやめてね」は不要に

Twitterはサービス全体のオーバーホールに長期的に取り組んでいる。ユーザーがこのプラットフォーム上で快適に会話を続けていくためにぜひとも必要な作業だろう。特にフォローをしやすくしながらユーザー間の関係の険悪化を防ぐ仕組みが重要だ。

今年の第1四半期にはユーザーがソーシャルな会話をより良くコントロールできるようにするために4つの新たなオプションを提供していく計画が発表された。従来は公開ツイートには誰もが@メンションでリプライできたが、リプライをコントロールする新たなオプションでは「フォローしていてメンションしている相手だけがリプライできる」「メンションしている相手だけがリプライできる」「リプライが一切できない」という分類が付与できるようになるという。例の「don’t @me.」(@メンションしないでね)というお断りは不要になるわけだ。

このオプションは米国時間1月8日朝に、米国ラスベガスで開催中のCES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)で発表された。Twitterは特別のプレスイベントを開催し、同社のプロダクト担当バイスプレジデントであるKayvon Beykpour(ケイヴォン・ベイパー)氏は以下のように説明した。

「(新たなオプション設置の)主要な目的はコントロールの改善だ。我々はツイート主が会話に対して有効なコントロールを与えられるようにしたいと考えている。現実の世界でも(新しいオプションに)対応するさまざまな会話の仕組みがある。もちろん現実の会話なら直接顔を合わせていれば相手を黙らせることはできないが、それはまた別の話だ」。

新しい仕組みはTwitterの会話プラットフォームの責任者であるSuzanne Xie(スザンヌ・シェ)氏がさらに詳しく説明した。新機能は同社が2019年にスタートさせたユーザーがリプライを非表示にできる機能に基づいているのだという。

「私たちは、ツイート主にもっとコントロールを与えたらどうなるだろう、と考えた。ツイートするときに(従来とは異なる)、ツイート主が会話をコントロールできる空間があったらいいのではないか?そこでコレをテストするためのプロジェクトが始まった」とシェ氏は述べた。

現在のTwitterはひとたび公開でツイートすれば誰であろうと直接リプライを返すことができる。それが嫌なら特定の相手だけに宛てたDM(ダイレクトメッセージ)にするしかない。「そこで(その中間に)さまざまな濃淡の空間があってもいいと考えた」とXie氏は説明した。

今朝のプレスイベントでTwitterは、トピックの拡張についても触れた。サポートを拡大するだけでなく、ユーザーが会話の方向をよりよくコントロールできるようにしていくという。

NBA isocamでは、今年もユーザーがどの選手のファンか投票したりできる。また同様に動画ストリーミングとしてstancamが導入され、各種のエンタテインメントイベントで利用できるようになるという。

マーケティング面ではTwitterはアナリティクス機能を強化し、Twitterの利用者調査を世界的に拡大する一方、サードパーティのマーケテイング部門がプロダクトやサービスのアンケート調査に利用できるLaunchという同種のプラットフォームを立ち上げる。

TechCrunchではこの後さらにTwitterに取材して詳しい情報が得らればフォロー記事をアップする予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

インド政府が異論噴出の法案への支持を求める偽キャンペーンで炎上

インドの政権与党であるインド人民党(BJP)は、異論噴出の法案への支持を求める虚偽の疑いが濃厚なTwitterキャンペーンで非難されている。

まずは話の背景を解説しておこう。インド政府は、先月、イスラム教徒が多数を占める隣国のアフガニスタン、バングラデッシュ、パキスタンからの非イスラム教徒少数派移民がインドの市民権を取得しやすくする市民権法改正法案(CAA)を可決した。

しかし批評家たちはこれを、国民登録制度の法案と結びつけ、インドに住むイスラム少数派を差別し、宗教にとらわれないインドの伝統をなし崩しにするものだと警告している。

この数週間、インド各地では、少なくとも数万人の市民が法案に反対する平和的な抗議活動に参加した。インド政府は抗議を鎮めようと、多くの地域で一時的にインターネットモバイル通信を遮断するなど、これまでのところ法案撤回の意志は示していない。

それどころか、1月4日にインド政府は法案への支持を求めて新しい手に出たようだ。インドのAmit Shah(アミット・シャー)内務大臣は1月2日、「CAA法支持」の意志表明を行う番号に電話をかけるよう国民にツイートした。

すると1月4日になって、数千人のBJP党員たちがTwitterでその電話番号を拡散し始めた。その番号に電話をかければ、就職機会や無料モバイルデータ通信、Netflixの無料アカウント、果ては「寂しい女性」との出会いが得られるといったご褒美が約束されている。

CAA支持を求める4つの写真にわたる物語……
・不在着信でCAAへの支持を示してください
・パーティーの電話番号です。気軽に不在着信を。よろしく……
・今日はすごく退屈なのでフォロワーのみなさんに私の電話番号をシェアします。電話してね
・携帯をなくしました。誰か、この番号に電話して
・電話してね

非常事態の非常手段……

Netflixを6カ月間無料で視たくないですか?8866288662に電話をしてユーザー名とパスワードを取得してください。先着1000名様限りのご優待です

Netflix Indiaこれは完全なフェイクです。タダでNetflixを見たい方は、普通の人がやるように他人のアカウントを使ってください

ハフィントンポストのインド版は、異論の多い法案への支持を集めるためのこの動きを、最新の「BJP策略」と呼んでいる。インドのファクトチェックのための団体BoomLive(ブームライブ)は、これを行っている人の多くは与党に所属していると伝えている

私たちは、BJPとTwitterの広報担当者にコメントを求めている。

議会で法案を通すために、大勢の人間を動員して、セックスや仕事やNetflixのアカウントを餌にして支持を集めるなんてことは、70年の歴史の中で初めて

主張が真実であればの話だが、BJPがTwitterを使って積極的にそのビジョンを宣伝したのはこれが初めてではない。2017年、BuzzFeedは、インドでのTwitterのトレンド、トップ10の中に政治的なハッシュタグが数多く見られ、組織的なキャンペーンの結果であったと報じている

ファクトチェックのウェブサイトであるAlt News(オルト・ニューズ)の共同創設者であるPratik Sinha(プラティック・シンハ)氏は、昨年、Googleドキュメントに保存された声明文にアクセスして内容に手を加えれば、いとも簡単に大勢の政治家を操って特定の内容のツイートをさせることができことを実証して見せた。

先月、カシミールに雪が降った。大変な緊張状態にあり、4カ月以上もインターネットが遮断されている地域なのだだが、米国のTwitterでトレンドになっていた。それが不可解なことに、カシミールがトレンドのリストに載るようになった理由を多くのジャーナリストから質問された途端に、そのトレンドは消えてしまった。

カシミールに関する「トレンド」のことがすごく不思議。8月からインターネットが使えなくなっているのに。広告でもない。@Jack、どうなってるの?

我々が話を聞こうとすると、インドのTwitterの広報担当者は、トレンド・トピックの仕組みを説明しているFAQページを見るようTechCrunchに伝えてきた。だが、私たちが求める答はFAQの中にはなかった。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Android版Twitterアプリのバグで1700万件もの電話番号とユーザーアカウントがマッチされる

セキュリティ専門家が、TwitterのAndroidアプリに存在していたバグを利用して1700万人のユーザーアカウントと電話番号をマッチさせることに成功した。

Ibrahim Balic(イブラヒム・バリック)氏は電話番号の巨大リストを生成し、Twitterの「アドレス帳の連絡先を同期」する機能を利用して一挙にアップロードした。TechCrunchの取材に対してバリック氏は「リストにある電話番号がヒットすれば、Twitterは相当するユーザーアカウントを返してきた」と確認した。

実はTwitterの連絡先アップロード機能には、シーケンシャルな(連続した)番号を受け付けない仕組みがある。これは「マッチング攻撃」を防ぐためのものだったが、バリック氏は20億件の電話番号を生成した後ランダム化して、AndroidアプリからTwitterにアップロードした。バリック氏によれば、こうした巨大なサイズのファイルを受け付けてしまうバグはウェブ版のTwitterには存在していなかったという。

バリック氏はこの方法で、2カ月にわたって電話番号つきユーザーアカウント情報を入手した。ユーザーはイスラエル、トルコ、イラン、ギリシャ、アルメニア、フランス、ドイツの人々だったという。Twitterは12月20日にこの方法による情報入手をブロックした。

電話番号にマッチしたアカウントの一部をサンプルとして、バリック氏はTechCrunchに示してくれた。我々はランダムにユーザー名を生成し、パスワードのリセット機能を利用して電話番号とマッチングさせてその情報が正しいことを確認した。イスラエルの有力政治家のユーザーアカウントがマッチしたこともあった。

またバリック氏は、この脆弱性をTwitterに伝えなかったが、政治家や官僚を含む有力なTwitterユーザーに対してはWhatsAppのグループに投稿して直接問題を伝えたという。

バリック氏の調査は、今週に投稿されたTwitterのブログ記事とは直接の関係はないもののようだ。Twitterは「非公開の情報を入手し、あるいはアカウントを乗っ取ることが可能になる脆弱性を修正した」という。

Twitterの広報担当者はTechCrunchに対し「今後、このようなバグが悪用されないよう修正作業を進めている」と確認した。【略】

今年、Twitterでは重大なセキュリティー問題が何回か発見されている。5月にはTwitterはロケーション情報記録機能からオプトアウトしているユーザーのロケーション情報を提携企業に渡していたことが発覚した。8月には広告主企業に必要以上の情報を引き渡していた。さらに先月、Twitterはユーザーが2段階認証のために登録した電話番号を広告ターゲティングに使っていたことを認めている。

バリック氏は2013年にAppleのデベロッパーセンターがハッカーに侵入されていたことを発見したことで知られている。

画像: Josh Edelson / Getty Images

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滑川海彦@Facebook

ウェブ版TwitterにアップロードしたJPEG画像は今後それ以上劣化しなくなる

Twitter(ツイッター)はアップロードされる画像の処理方法を変更し、この新しいシステムは写真を共有するフォトグファラーにもに大いに歓迎されるだろう。TwitterエンジニアのNolan O’Brien(ノーラン・オブライエン)氏によると、ウェブ版のTwitterに写真をアップロードする際に、JPEGの圧縮が変更されずに保存するようになる。この問題はフォトグラファーや愛好家を大いに悩ませてきた。

ただし、画像のサムネールは再圧縮される。しかし、ユーザーがそれをクリックすれば、アップロードした画像がJPEGである限り、圧縮されていない(少なくとも再圧縮でない)画像が表示される。

Twitterは、一部のアプリケーションで読み取れるEXIFデータ(いつ、どのようにして、どこで撮影され、あるいは編集されたかなどの詳細情報)も引き続き削除する。Twitterでは以前からこのデータの削除をしており、それが継続されるのはよいことだ。なぜなら、フォトグラファーはこのから写真の絞り値やISO設定などをチェックしたり、著作権情報を埋め込んだりできるが、一方では位置情報などを読み取りたい悪意ある人に使われる可能性もあるからだ。

オブライエン氏が投稿した上の例は、TwitterがJPEG写真を再圧縮しなかった場合に、どのようにその品質が維持されるかを示している。これは小さな改良だが、Twitterプラットフォームにとっては素晴らしい機能であり、将来的にはTwitterがより写真にフレンドリーなプラットフォームになることを期待したい。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

まさに手首にTwitter、Apple Watch用の高速高機能Twitterアプリ「Chirp 2.0」

Chirpは、数十万人のApple Watchユーザーに愛用されるTwitter(ツィッター)クライアントアプリだ。昨年に登場して以来の最大のアップグレードが施された。この新バージョンのChirpは、watchOS 6用に設計し直され、以前よりもずっと高速に、しかも無限にスクロールできるタイムライン機能を装備した。また、iOS 13のダークモードのサポートやTwitterーのユーザー名に色を付ける機能なども追加されている。

当初このアプリは、2017年にTwitterが独自のApple Watchアプリの開発を中断し、代わりにApple Watchの通知機能を利用するようにしたことで生じた空白を、ちょうど埋めるように登場した。

Chirpは、Apple Watchの小さな画面から、本物のTwitterクライアントにアクセスすることも可能にしている。それにより、ホームタイムライン、トレンド、メンション、ダイレクトメッセージなども表示できるようになる。ただし、Apple Watchからダイレクトメッセージを送信したり、ツイートを記述したりするものなど、一部の機能は有料のChirp Proでのみ有効となる。

Chirp Proは、ユーザーにとって便利な「欲しい機能だけを買う」機能によって、4.99ドル、5.99ドル、7.99ドルのいずれかの金額を寄付することでアプリをアップグレードできる。サブスクリプションは不要だ。Sensor Towerのデータによると、Chirpはこれまでに、約20万件のインストールを獲得している。有料版ユーザーは、それよりずっと少ない。

新しいバージョンのChirp 2.0では、「手首にTwitter」というユーザー体験を強化して、より多くのユーザーがアップグレードしてくれることを期待している。そのために、以前よりも高速かつ安定して無限にスクロールが可能なタイムライン、強化されたビデオプレーヤー、画像のグリッド表示などを装備している。

「タイムラインを書き直すためのインスピレーションは、私が幸運にもスカラシップを獲得してWWDC 2019に参加したときに得たものです」と、Chirpの開発者であるWill Bishop(ウィル・ビショップ)氏は説明する。「基調講演で、Apple(アップル)はSwiftUIを発表しました。これまでよりずっと速く、デベロッパーがユーザーインターフェースを開発できるようにする新たなフレームワークです。しかも、動作も速くなるのです。それによって、Apple Watch用のアプリを開発する、まったく新しい方法が切り開かれたのです」と彼は続けた。

「SwiftUI以前は、Apple Watchのユーザーインターフェイスは、すべてドラッグ&ドロップで設計していました。これは便利ですが、いくつかの大きな欠点もあります。基調講演での発表からインスピレーションを得たので、私は会場を抜け出して、すぐにSwiftUIを使ってタイムラインの再実装に取り掛かりました」とビショップ氏は述べた。

  1. Compose

  2. Timeline-Colored-Username

  3. Timeline

  4. Messages

  5. Menu-Chinese

ダイレクトメッセージ機能も更新され、プライベートメッセージング機能で共有された画像やツイートを含めることができるようになった。

Chirp 2.0では、Apple Watch上で、ライブなコンプリケーションもサポートする。つまり、最近のツイートを文字盤上で直接見ることができ、それらをタップすることでChirpアプリに戻って返信したり、いいねを付けたり、リツイートすることができる。この機能は、Pro版のユーザーのみが使用可能だ。

他にも、Twitterのユーザー名をカラフルにすることで、ちょっとシャレた感じを醸し出す機能もある。これは、ユーザーからのリクエストに応えて実装したもの。アプリ内課金で購入できる。このオプションを有効にするための料金は、Proユーザーの場合は1ドル、そうでなければ2ドルだ。ビショップ氏の場合、そうした機能を実装するための自身の作業の負荷に応じて価格を決定している。そうしたオプションへの課金によって、Pro版の購入にお金を払いたくないという人からも、それなりの収入を得ることができるのだ。

ただしビショップ氏によれば、このオプションは6月のPride(プライド)月間には無料で利用できるため、誰でもユーザー名を虹色にすることができるという。

さらにChirp 2.0は、英語以外にも、中国語(簡体字)、デンマーク語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語(ラテンアメリカ)といった言語でも利用できるようになった。アプリ自体は、iOSやApple WatchのApp Storeから無料でダウンロード可能だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Twitterは新しい会話機能を2020年に公開予定

Twitterが今年3月に公開したプロトタイプのtwttrアプリでは、返信をスレッドにしたり、目印を付けたりするなど、会話の新しい表示方法がテストされてきた。こうした機能がTwitter.comで発見され、メッセージボード風のサービスが提供されている。返信が元のツイートをした人に連結され、スレッド内のその他の人々は薄いグレーの線でつながっている。

twttrの目的は、Twitterのユーザーインターフェイスの大幅な変更を大規模なユーザーベースに公開する前に、Twitterのメインのアプリとは別のところで広く実験し、フィードバックを得て、必要に応じて反復することだったと思い出す人もいるかもしれない。プロトタイプのtwttrアプリでは3月の公開以降、主に会話のスレッド化がどのように機能するかが試されてきた。スレッド内で投稿者をラベル付けする方法もいくつかあった。

例えば現時点では、twttrでは元の投稿者、つまり会話を始めた人に小さなマイクのアイコンが付く。Redditと似た感じだ。タップするとカードのようなレイアウトでツイートの詳細が表示されるという方法もテストされている。

しかしメインの実験テーマは、今もスレッドそのものの表示だ。twttrが公開された後、限定された招待者のみが体験できた興奮が冷めて動きは遅くなった。twttは新しいアイデアを次々にテストするプラットフォームではなくなり、スレッドに関する細かな調整が主に導入されるようになった。会話の再デザインを超えたまったく新しい機能、例えば最近Twitterが導入した「トピック」のようなものがテストされることはなかった。

8月に、Twitterの会話デザインの責任者でtwttrの運営も担当していたSara Haider(サラ・ハイダー)氏が社内の新しいチームに異動すると発表された。代わって、Lightwellの買収でTwitterに加わったSuzanne Xie(スザンヌ・シャ)氏が会話デザインの責任者になった。シャ氏はその時点で、自分の役割のひとつはtwttrチームと協力してメインのTwitterアプリにtwttrの最も良い部分を取り入れることだと認めた。この取り組みは進行中のようだ。

有名リバースエンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏は、twttrとまったく同じ会話のツリーレイアウトがTwitter.comで開発されているのを見つけた。

そして今週、この機能が調整され、パーマリンクからでも特定のツイートに注目できる機能が追加された。スレッド内でツイートをタップすると表示される、twttrにあったカード型のレイアウトも発見された。

ウォン氏はこの機能を表示するTwitter.comのA/Bテストには参加していない。調査能力を発揮して見つけたようだ。

Twitterは、ウォン氏の発見はtwttrの機能をTwitterに取り入れる幅広い計画の一部であることを認め、これは来年公開される予定だと広報担当者は述べた。ただし、ウォン氏の発見がすべて公開されるわけではなく、twttrの「最も良い部分」だけが取り入れられるのだろう(つまり、会話のスレッドは取り入れられるだろうが、ほかの変更についてはわからない)。Twitterは、twttrアプリを使ってさらに別の機能をどう実験するかを検討中だとも述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Twitterが死亡したユーザーのアカウントを削除せずに「追悼する」方法を開発中

Twitter(ツイッター)は、ユーザーからの数多くのフィードバックを受けて、アクティブでないアカウントに関する方針を変更した。同社は今後、今週発表されていたアクティブでないアカウントを非アクティブにして「より正確で信頼できる情報を提供」する計画の前に、亡くなったユーザーのアカウントを「追悼する」方法を開発している。Twitterの名誉のためにいっておくと、同社はこの計画に対してかなりの量の否定的なフィードバックを受け取った後、迅速に反応しており、休眠アカウントの終了を進める決定においてユーザーが死亡しているケースは考慮されていなかったようだ。

米国時間11月26日にTwitterが非アクティブアカウント(6カ月以上ツイートしていないもの)の非アクティブ化を発表した後、所有者が亡くなったアカウントのコンテンツも削除されることを多くのユーザーが指摘した。TechCrunchに過去に在籍していたDrew Olanoff(ドリュー・オラノフ)氏は、この影響について個人的な観点から記事を書いており、Twitterに対して人的影響と潜在的な感情的コストを考慮して、この動きを再考するよう求めている。

Twitterは11月27日のスレッドで、アクティブでないアカウントに関する新しい考え方を詳しく説明し、現在のアクティブでないアカウントに対するポリシーは実際には常に適用されているが、その実施が徹底されていなかったと説明した。EUではGDPRを参照し、地域のプライバシー法に部分的に従っている。しかし同社は、死亡したユーザーのアクティブでないアカウントを「追悼する」方法を実装する前に、それを削除することはないとも伝えている。

Twitterはこれまで、同社のアクティブでないアカウントに関するポリシーを拡大または改善して、世界的なプライバシー規制に確実に対応すると述べてきたが、その変更が実施される前に広く周知する予定だ。

Twitterによる「追悼」で何が提供されるのかはまだ明らかになっていないが、一方ではFacebookにも同様の理由で導入した 「追悼アカウント」 機能がある。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

親父のツイートを消したければ、まずは俺を倒してからにしろ!

Twitterにはいくつかのの使い方がある。最も多いのは、このソーシャルプラットフォームの名前を全国的な一般名称に押し上げた、普通の人たちが大好きな互いにコミュニケーションを取るという使い方だ。彼らはTwitterを大いに利用している。彼らがTwitterを大きくした。

中でも私は、極端なケースだと言える。私は何でもシェアしてしまう。ガンの診断結果をシェアしたし、幹細胞治療についても、新しい仕事のことも、結婚式のこともシェアした。父ベイリーを失ったこともだ。

米国時間11月27日にTwitterは、使われていないアカウントを回収すると発表した。つまり、長期間ログインしていないアカウントは休眠状態と断定し、回収プロセスに送るということだ。

当初、私はいいことだと思った。不当に居座っているアカウントが山ほどあるため、ユーザーはAOLみたいなダサいユーザー名が押し付けられるからだ。Joe583822みたいな。まったく面白くない。しかもそうしたアカウトは使われてなかったりする。非アクティブというやつだ。

騒ぐほどのことではない。しかし、私はこのツイートに出会った。

デイブ・リー:Twitterによるユーザーの間引きに関する追加情報。アカウントを持つ人が死んでから6カ月以上経過すると、アカウントがサイトから削除されることになった。だだし、そのログイン情報を誰か別の人が持っている場合は除く。

私の心は沈んだ。そして泣いた。こんなこと思ってもみなかった。大問題じゃないか。

親父のTwitterアカウントは非アクティブだ。4年前にこの世を去っている。親父は、どう考えてもTwitterのライトユーザーだった。親父が使っていたのは、正直言って私が使いすぎていたのがだいたいの原因だ。それが憎めなかった。親父はよく気の利いたツイートで話に割って入ってきた。私はそれを、私をフォローしてくれている心温かいみなさんに、つつましくシェアしたものだ。

バリー:カウボーイズってば

親父は本当に楽しんでいた。私もそうだった。今でもだ。今でも私は親父のツイートを読んでる。そして今でも、ときどきみんなにシェアしている。変に思われるかも知れないが、そうして私は親父を忘れないようにしてる。親父のスピリットを生かし続けてるんだ。親父のツイートには、世界にシェアしたときのタイムスタンプが入っている。

それをツイッターは一掃して、紙屑のようにくしゃくちゃと丸めてゴミ箱に入れようとしている。

バリー:これをツイートしろ

死んでアカウントを放置している、つまりTwitterが言うところの「非アクティブ」にしているのは、言うまでもなくうちの親父だけじゃない。知ってるだけでも何人かいる。だが私が一番不安に感じているのは、彼らの心ない考え方だ。失った知人全員は思い出せないかもしれない。しかし、彼らが過去に言ったりシェアしたことを思い出せなくするなんて、やめてほしい。

なぜそんなにTwitterを使うのかと人に聞かれたときは、そのプラットフォームを生きた有機体だと感じているからだと私は答えている。完璧ではない。実際ひどいときもある。最近ではしょっちゅうだ。

イベントや休日の間など、私のスマートフォンの中のその小さな小さなアプリは脈動する。そして心を持つ。なぜなら、本当にそうだからだ。それは、感情や本当の心の内を持つ人間性であふれかえる。それが、TwitterをTwitterたらしめているのだ。

バリー:Twitterとは、オープンなインスタントメッセージなんだな。わかったぞ

心臓の脈が止まったからって、その人の考えの意味が失われるなんてことはない。Twitterが、こんなことは初めから考えていたわけではなく、すぐに方向転換してくれることを切に願う。たぶん、彼らはアカウントを記念に残す方法を提供してくれるだろう。私は親父のアカウント情報を知らない。だから親父のアカウントを「目覚めさせて」温存させることができないのだ。親父のあのおかしくてナードなツイートが失われるかと思うと悲しくなる。特にこれだ。

バリー:病院の携帯に電話してくれ

親父は、私がTwitterの中の唯一の人間だと思い込んでいた。私は、Twitter上ではそれを正したり、教えたりはしなかった。親父は、自分が使いたいように使っていたのだ。そのことが、そういう人だったなと思い出させてくれる。それが奪われてしまうのなら、Twitterとはいったい何なのだ?

バリー:お前の父親でいられることを私は誇りに思う。そしてお前の中には、これから始まる、まだ成し遂げていない物事が見える。それが誇らしい

Facebookは、他の人のページを記念に残すことを許している。それは素晴らしいことだ。残念ながら、親父のページは私に何の断りもなく非アクティブ化され削除されてしまったが。気がついたときには、もう消えていた。Facebookは、もう手の施しようがないと話していた。そのことは、私の、そして家族の他の者たちのトラウマになっている。そこには数多くの交流、考え、微笑みがあった。タイムライン。いや、タイムカプセルだ。消えてしまった。親父と同じように。

バリー:お前がときどきツイッターをやるのに、歳を取りすぎたなんてことは絶対にない

ドリュー:親父の場合はツイッターにはぜんぜん遅くないよ!

巨大ハイテク企業はいろいろな点で優れているが、彼らには、共同体としての共感力と人の心が欠けているようだ。人が自分で作ったものを使い、それを人と同じように扱わなくなって、ただのビットやバイトや金儲けの手段としか思えなくなるのは、魂を売り渡すのと同じことだ。ただ歳を取ったせいかも知れないが、私はイヤと言うほどそれを味わってきた。偉大なるバリー・オラノフの言葉を引用しよう。

バリー:馬鹿言うな

Twitterには、このことを考えてほしい。うまくやってほしい。なぜなら、あなたがたの人間性を私が疑うたびごとに、私は、そもそもTwitterをここまで大きく育てた素晴らしきユーザーである自分から遠ざかってゆくからだ。

【編集部注】Drew Olanoff(ドリュー・オラノフ)は16歳でAOLに入社して仕事を始めたギーク。後にTechCrunchのシニアライターとなる。現在はベンチャー株式ファンドであるScaleworks(スケールワークス)のコミュニケーション部門副社長を務める。

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(翻訳:金井哲夫)

使われていないTwitterアカウントを削除してユーザー名の再利用を可能に

Twitterで気に入ったユーザー名をつけようとしたことのある人なら、どれだけ大変な作業かを知っている。一方、何年もの間まったく活動しないままユーザー名を占有し続けているユーザーが数多くいる。Twitterはこの状況を打破しようと動きだしていることをBBCのある記者が伝えた。

そしてTechCrunchの質問に対して、Twitterもその計画を認めた。

利用者の利便性を追求する一環として、使われていないアカウントを一掃し、より正確で信頼できる情報をTwitter全体に提供すべく取り組んでいる。その1つが、アカウントを登録した人たちに積極的にログインしてTwitterを使ってもらうことで、これは本サービスのInactive Accounts Policy(運営の痕跡がないアカウントに関するポリシー)にも記載されている。このたび当社は6カ月以上Twitterにログインしていない数多くのアカウントに対して積極的に連絡をとり、長期間利用がないアカウントは削除される場合があることを通知している」。

書かれているように、Twitterには運営の痕跡がないアカウントに関するポリシーなるものがあるが、長年の間ほとんど強制されることがなかった。同ポリシーはユーザーに少なくとも6カ月に一度ログインしてツイートすることを推奨している。今回は新たな取組みとして、動きのないユーザーに連絡をとり12月11日までのログインしなければアカウントを削除するという方策を講じる。

ユーザー名が開放される時期についてTwitterは何も言っていない。また、非アクティブアカウントポリシーの注記には「商標侵害の場合を除き、使われていないと思われるユーザー名のリクエストは一般に受け付けていない」旨が書かれている。広報担当者はTechCrunch宛てのメールで、非アクティブユーザー名が利用できる「可能性」はあるが、アカウント削除には数カ月かかるだろうと言っていた」。

【更新】Twitterはその後のメールで、ユーザー名の開放は「より正確で信用できる情報を提供する」取組みの「副産物」であり、主要な目的ではないことを強調した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterの2段階認証で電話番号が不要になる

2段階認証は必要だが、携帯電話のSMSを使うのはベストの方法ではない。SIMスワップ詐欺で電話番号やSMSを乗っ取られた話がとても多いので、SMSが第2のログインコードを送る正しい方法でないことは明らかだ。

でも長年Twitterでは、それが強制されていた。その後Google AuthenticatorやYubikeyのハードウェアなども使えるようになったが、そのためにはTwitterに電話番号を登録してSMSを使わなければならない。

しかしついにTwitterも、それを改めるようだ。Twitter Safetyチームの発表によると、本日からは電話番号を必要とせずに2段階認証を有効にできる。

このニュースの数カ月前には、Twitterの創業者であるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のアカウントがハックされた。これもSIMスワップによるもののようだ。しかも数週間前には、2段階認証で提供される電話番号を広告のターゲティングに利用していると、Twitter自身が認めた

一部のユーザーが、セットアップにはやはり電話番号を求められる、と報告している。だからこの変更は一挙に全ユーザーにローンチするのではなく段階的な展開のようだ。

画像クレジット: Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterが「返信を非表示」をグローバル公開、ブロックも選択可能に

Twitterの「返信(リプライ)を非表示」はリツイートという仕組みが導入されて以來の抜本的な変更だ。これまで米国、日本、カナダのユーザーを対象にテストを続けてきた「返信を非表示」が、いよいよ米国時間11月21日から世界のユーザーに公開される。

Twitterの発表によれば、この機能は若干変更が加えられているがテスト版とほぼ同様で、今日中に世界のユーザーがこの機能を利用できるようになるという。

「返信を非表示」はツイートに対する返信のうちどれを見てどれを見ないかを選択できる機能で、会話の主導権をオリジナルの投稿者側に傾けるものだ。 この機能はTwitterユーザーの間に大きな賛否の議論を引き起こしている。選択しても返信が削除されるわけではないし、もう一度クリックすれば表示される。ともあれこれで無関係な話題、侮辱的、その他不快な表現、さらには意図的な荒らしの返信がタイムラインを占領するのを防げる。

Twitterでは「ヘイトスピーチを含むなどの不適切な返信は表示されないことがあると知れれば、そういった返信を抑制して会話を適切なものにする効果があるはずだ」と考えている。

ただしその裏側では「返信を非表示」は批判者、反対者を黙らせるために使われる可能性がある。この場合、捏造と思われるツイートに対してファクトチェックを要求する返信であっても表示されない。

この機能は7月からカナダでテストが始まり、9月には米国と日本が加えられた。ウェブとモバイルの双方で利用可能だ。

テスト開始以後、Twitterではほとんどの投稿者が非難、無関係、その他不快と感じられるようなツイートについてブロックやミュートといったより強い手段ではなく「返信を非表示」を選択してことがわかった。カナダでは調査対象のユーザーの27%が返信を非表示にされた経験があり、将来ソーシャルネットワークで相手とどのようにやり取りすべきか考え直すと答えている。これはある程度期待を抱かせる結果だ。

ただしグローバル展開にあたってオリジナルの機能には変更が加えられている。Twitterによれば一部のユーザーは「非表示」を選択した後、さらに強い対策を取りたいと希望していた。そこで新機能には返信者をブロックできる機能が追加された。またTechchCrunchではユーザーから「自分のアイコンが見えてしまうので嫌がらせその他の報復行為の対象にならないか不安を感じている」という声を聞いた。今回のアップデートではこの点についての変更はなかったが、Twitterではこの問題には留意しており、解決法を探っているという。

もうひとつTwitter上で頻繁に論じられている問題は、「返信を非表示」にした場合に表示されるポップアップが大きすぎてむしろ注意を引きつける結果になっているいるのではないかという点だ。以下のツイートは「非表示の返信があることを示すこういう巨大なポップアップを表示するのはナンセンス」という批判だ。

Twitterによればこういうポップアップが表示されるのは「非表示の返信」が存在するツイートを最初に見たときだけだという。その後非表示の返信があることを示すアイコンはもっと小さくなり、ツイートの直下ではなく別のページに移される。

そうではあってもこれほど大きなポップアップは非表示の効果を大幅に削ぐものではないだろうか?クリックすればツイートを見ることができるのだから、探す場所を教えているようなものだともいえる。トロルの側からいえば、誰かかこの機能を使っていると知ればますますいきり立ってトロル行為をエスカレートしかねない。

今回のグローバル公開に伴い、Twitterでは「返信を非表示」を利用するためのAPIを公開し、サードパーティのデベロッパーがアプリケーションにこれを組み込めるようにするという。

Twitterでは今後、返信ができるユーザーを制限するなどのオプションを加えることを検討しており、ユーザーが会話をより良くコントロールできるようにしてプラットフォームの健全化を図っていくという。

Lightwellの買収.によってTwitterに加わったプロダクトマネジメントの責任者であるSuzanne Xie(スザンヌ・シャ)氏は「すべてのユーザーが安心して快適にTwitterを利用できるようにしなければならない。そのためにはTwitterにおける会話の仕組みそのものを変えていく必要がある」と述べている。

Twitterが「返信を非表示」の導入に踏み切ったのは興味ある現象だ。Twitterはもともと皮肉、非難、罵倒、激怒など、強い言葉が頻繁に使われる場所として知られていたが、プラットフォームの運営者はついにユーザーに礼節を要求する方向に動いた。今後もさまざまな実験が導入され、効果があるものは残り、効果がないと分かれば廃止されことが繰り返されるだろう。

Twitterでは通常のサービスと平行して新しいアイデアを試すためにベータ版(twttr)を運営している。もしTwitterが新機能によりソーシャル・ネットワークとしての性格を変えることができたらプロダクト・マネージメントとして驚くべき成功といっていい。

Twitterの「返信を非表示」はiOS、Androidのアプリ(Twitter Liteを含む)、ウェブのtwitter.comで本日から全ユーザーが利用できる。

【Japan編集部追記】日本サイトでの「返信を非表示」オプションの使い方の説明(11月22日朝現在はベータ版)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook