【レビュー】オフロードも走れるeバイクUBCO 2×2 Adventure Bike、キレのあるユーティリティ

最近ニュージーランドのオークランドに引っ越してきたことで、筆者はeバイク(電動アシスト自転車)に興味を持つようになった。公共交通機関があまり発達しておらず、自転車でちょっと店に出かけるだけで汗を流すワークアウトになりそうな丘陵地帯がある都市だ。

だが旺盛な需要と高騰する価格により、ここ長く白い雲のたなびく国、アオテアロア(ニュージーランドを表すマオリ語)では切望されるeバイクへのアクセスは厳しくなっている。ニュージーランドに拠点を置く電動バイクスタートアップのUBCOが最近、投資家から1000万ドル(約11億円)の資金を調達したことで、この状況に変化が訪れた。

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同社は筆者にUBCO 2×2 Adventure Bikeを1カ月近く提供してくれたので、試してみる時間は十分にあった。

筆者自身はUBCOのターゲットユーザーとは言えないかもしれないが、設計が示唆する通りにバイクを最大限に活用しようと、配送されるガーリックブレッドや郵便その他の荷物の重さを模した、本などの重いものをバッグに詰めて荷造りした。UBCO 2×2 Adventure Bikeは都市部の公共交通機関向けに作られており、オフロード走行も可能だ。

同社のフラッグシップは、もともと農家を助けるために設計された電動ダートバイク、UBCO 2×2 Work Bikeである。同社が6月に調達した新たな資金は、食品配送、郵便サービス、ラストマイル物流などの既存の垂直市場への拡大、商業サブスクリプション事業の拡張、そして米国での売上増の目標達成に充てられる。

ここオークランドでは、また聞くところによると英国でも、ドミノ・ピザのドライバーたちがUBCOのバイクでホットピザを配達する光景が見られる。同社はNew Zealand Post、国防軍、自然保護局、Pāmu、Landcorp Farming Limited、その他地元のレストランや店舗など、さまざまな国内クライアントを擁している。

画像クレジット:Rebecca Bellan

ハンドオフ

CEO兼共同創業者のTimothy Allan(ティモシー・アラン)氏は、個人的にバイクをハンドオフするため、本社のあるタウランガから車でやってきた。筆者の家の近所は晴れていて、同氏が各種のこまごまとしたもの、マシンの使い方や充電方法を説明する様子に、筆者は辛抱強く耳を傾けた。

アラン氏の助けを借りて、携帯電話と自転車をペアリングするためのUBCOアプリをダウンロード。いくつかの機能の中から、時速約20マイル(約32km)で走行できるビギナーモードを選ぶことになった。ここに書こうと心に留めておいたのだが、すぐに最高速度の時速30マイル(約48km)に到達しようと心に決めた。

そうしたところ……やばい、最高。大げさにさわぎたてるつもりはないんだけど!実に心地いいバイク。その理由を紹介しよう。

外観

Adventure Bikeの標準カラーはホワイトで、17×2.75インチの多用途タイヤとアルミニウム製リムが装着されている。筆者のバージョンでは、ニュージーランドの先住民に敬意を表して、フレームにマオリのステッカーが貼られていた。

自転車の高さは約41インチ(約104cm)で、シートの高さは32インチ(約81cm)だ。ホイールからホイールに至る距離は約72インチ(約183cm)となっている。ライダーを含めた積載量は約330ポンド(約149.7kg)で、パートナー(188cmの男性)と筆者(170cmの女性)は、ハンドルから突き出た大きなバックミラーを調整するだけで簡単にこの自転車に乗ることができた。もちろん一緒に乗ったわけではない。このバイクはワンシーターとして設計されている。

画像クレジット:Rebecca Bellan

とはいえ、バックホイールの上には小さなカーゴラックがあり、そこにはナンバープレート(多くの場所で登録が必要なモペッドに分類されているようである)が取り付けられている。他のカーゴラックも携行できそうだ。実際には試していないが、少なくとも5つのピザの箱をバンジーコードで縛ることはできると思う。バイクラックにはサドルバッグを取り付けることも可能。UBCOは、耐候性のロールトップカーゴバッグPannier Back Packを189ドル(約2万1000円)で提供している。

アクセサリー以外のところでは、アロイフレームは軽量でステップスルー式で、これは筆者がバイクで気に入っているものだ。完全に駐車する前にシフトを開始することができ、極めて機敏で速いと感じる。駐車に関していうと、場所によってルールが違うと思うが、ここでは歩道ではなく路上や駐車場に駐車する。それを固定するためのキックスタンドがついていて、フロントホイールをロックすることができるので、誰もホイールを回して離すことはできない。ただ、わずか145ポンド(約65.8kg)なので、望むならピックアップトラックの後ろに載せることもできるだろう

バイクの外観は、筆者に対してだけでなく際立っていた。数週間にわたる試乗の間に、まさしくUBCOが目指しているターゲット層であろう、多くの商売人や自転車愛好家たちが、そのデザインを称賛しにきてくれた。

乗車性

バイクの軽さは、簡単にバランスを取ることができることを意味する。バッテリーはフレームの中央の足元近くにあり、バイクをしっかり固定して安定した重心を与えてくれる。

軽量であることは祝福であり、災いのもとでもある。道を曲がるのは簡単だが、風の強い日や道が開けているときには、ひっくり返されるのではないかと心配する瞬間があった。ただ、それは道路で10輪車の隣を走ることと関係があるかもしれない。とても軽いので、自転車専用レーンではなく、他の大きくて意地の悪い車と一緒に車道にいるのは、少し違和感があった。

高トルクのギヤードドライブトレインにより、急な坂道でもフルエレクトロニックスロットル制御ですばやく加速する。ドライブトレインには、密閉ベアリング、アクティブな熱管理、残留水分のためのアクティブベント(この湿気の多い都市では欠かせない機能だ)を備えた2つの1kWのFlux2モーターが搭載されている。

加速音は、ガソリンを動力とするダートバイクの音に似ているが、電子音はよりソフトで、意外な長所だった。UBCOに乗るまで、自分がどれだけ速く走っているかを知るのに、自分の音感にどれだけ依存しているかに気づいていなかった。

ブレーキシステムは少し敏感だ。油圧ブレーキと回生ブレーキが連動しているのか、とても繊細な感覚を覚えた。また、受動的な回生ブレーキシステムもあり、これはあの巨大な丘の1つを惰性で走ろうとしていたときにブレーキをかけたものだと思う。

画像クレジット:Rebecca Bellan

130mmのフロントサスペンションと120mmのリアサスペンションの両方に、油圧緩衝器付きのコイルスプリングと、プリロードとリバウンドの調整がある。つまり、この衝撃はすばらしい。積極的に歩道を走り、速度が上がっても、ほとんど何も感じなかった。

オフロードでの性能をテストするためにコーンウォール公園にバイクを持ち込んだ。芝生の上で全速力で走り、木々の間を横切り、木の根や岩の上を飛び、フィールドでドーナツ走行をした。それはとても楽しく、完全に車をコントロールできていると感じた。なぜ農家がワークバイクに目を向けたのか想像がつく。

配達用バイクとしての用途をテストするときには、2つのサドルバッグに本や食料品を詰め込んで一走りした。それもまたすばらしい乗り心地だったが、コツをつかむまでは少しふらついてしまった。

バリュー

UBCOのAdventure Bikeは、特定の自転車カテゴリーにうまく収まらないため、単純な価格比較とはならないだろう。Lexmoto YadeaやVespa Elettricaのような電動モペットなら、それぞれ2400ドル(約26万円)と7000ドル(約88万円)から購入できる。電動ダートバイクの価格は、KTMやAlta Motorsなどで6000ドル(約66万円)から11000ドル(約121万円)程度になる可能性がある。とはいえ、スウェーデンの電動モーターバイクスタートアップCakeは、3500ドル(約38万円)の都市専用最新モデルMakkaを発売したばかりだ。

関連記事:スウェーデンのCakeが都市部向け電動モペッド「Makka」を発表

UBCOのAdventure Bikeの価格は、2.1kWの電源で6999ドル(約77万円)、3.1kWで7499ドル(約82万円)となっている。用途にもよるが、この種の自転車にしてはミッドレンジあたりだろう。仕事関連の活動に使用する可能性が高い場合は、税金の控除を受けることができる。さらに、重いものにも対応するためダウンしたバイクの品質を求めるなら、UBCOはそれを十分に備えている。これは便利なユーティリティバイクであるだけでなく、後述するような秀逸なテクノロジーも備えている。

UBCOの推定寿命は10〜15年で、用途によって異なる。無線ソフトウェアのアップデート、部品の交換、全面的な改修によって、自転車を長持ちさせることができるだろう。同社は完全なプロダクトスチュワードシップを約束しているので、使用済みバイクを返却するようライダーに勧めている。

ただし、今バイクを購入したい場合には、予約注文となることもある(地元のUBCOディーラーに在庫がない場合)。今注文すれば、米国在住であれば9月までにUBCOを入手可能だ。同社は、需要が高く、サプライチェーンが引き延ばされて遅れが生じていることから、新型コロナの影響をまだ感じていると話す。予約には1000ドル(約11万円)の前払い金が必要だ。

UBCOにはサブスクリプションモデルもあり、現時点では主にエンタープライズ顧客向けに提供されており、ケースバイケースで価格が設定されている。一方で、このプログラムを全世界に展開する前に、オークランドとタウランガで個人向けのサブスクリプションを試行している。サブスクリプションは36カ月間、月額300ニュージーランドドル(約2万3600円)前後から開始される予定である。

航続距離

Adventure Bikeのバッテリーパックは、航続距離約40~54マイル(約64.4~86.9km)の2.1kWhと航続距離60~80マイル(約96.6~128.7km)の3.1kWhが用意されている。

バッテリーは「Scotty」と呼ばれる管理システムで稼働し、リアルタイムのパフォーマンスと安全性を監視する。バッテリーはアロイで密閉され、使用中は排気されるが、1万8650個のリチウムイオンセルで作られており、最大500回の充電サイクルに対応できる強力なバッテリーである。UBCOによると、同社のバッテリーは寿命がきたら分解できるように設計されているという。

画像クレジット:Rebecca Bellan

10アンペアのアロイ製高速充電器は、4時間から6時間でバッテリーを完全に充電できる。車両内にある状態で電源コンセントに接続するだけで充電することも、バッテリーのロックを解除してバッテリーを引き出し(少し重い)、室内で充電することも可能だ(注記:充電の音は大きい。これが標準かどうかは定かではないが、おそらくそうなのだろう)。

筆者は2〜3日ごとに充電したが、それは使用状況と場所によることになるだろう。オークランドは今冬なので少し寒く、バッテリーの寿命に影響を与えているし、丘陵地帯は過酷だからバッテリー寿命を大量に消費する。

毎日のようにダウンタウンや近所を走り回っていたが、配達ドライバーなら夜間に充電が必要になることもあるだろう。先に述べたように、バッテリーは充電のために取り外すことができるので、仕事で使う場合は、オフィスなどに持ち込んで、他の作業をしながら充電することも可能である。

テクノロジーの特徴

車両管理システム

この車両は、UBCOがCerebro vehicle management systemと呼ぶシステムで動作する。このシステムは、車両のすべての電子的および電気的機能を統合し、Bluetooth経由で制御とアップデートを提供する。UBCOは寿命を考慮して構築されているため、CANバスは隔離されており、将来のCANデバイスを簡単に統合できるようになっている。

さて、筆者が最初に疑問に思ったことの1つは、このバイクの重量と、都会の生活の中で仕事をするためにそれに乗るギグエコノミーの労働者の可能性を考えると、次のようなことだった。路上に置かれたときに、誰もこれを盗まないようにするにはどうすればいいのだろうか。5階まで引き上げることはできないだろうから。

前にも述べたように、ホイールを所定の位置に固定することができるので、ホイールを外すのはかなり難しくなる。また仮に誰かがこの扱いにくい車両を丸ごと捕獲した場合でも、UBCOが追跡してくれる。UBCOの各バイクにはテレメトリ(SIMカード)が内蔵されており、位置情報、サービス、盗難、安全性、経路計画などに利用できるデータを提供する。

このVMSアーキテクチャは、UBCOのエンタープライズサブスクリプション車両経由でフリートを処理するために作られているが、明らかに他の用途もあり、例えば心の安らぎを与えてくれる(個人的にはまだチェーンでロックしているが、筆者はニューヨーカーで誰も信用していない)。もちろん、このテレメトリが不気味だと思う人はオプトアウトすることができるが、サブスクリプションには標準装備されており、ユーザーはアプリ上で自分のバイクの位置を追跡できる。

ディスプレイ

画像クレジット:Rebecca Bellan

ハンドルバーには、速度、電力レベルなどを表示するLCDディスプレイが搭載されている。また、ハイビーム、ロービーム、インジケータ、ホーンのスイッチコントロールもハンドルバーにある。インジケータが少し厄介で、時々スリップしてクラクションを鳴らしてしまった。ハンドルバーにもスマートフォン用のマウントがあればいいのにと思った。そうすれば指示に従うことができる。ヘッドホンをつけてGoogleマップで道順を教えてもらうのを聞いたりしたが、あまり安全で効率的ではないと感じた。

電源オン

キーレスフォブで電源を入れるには、フォブのボタンかハンドルバーのボタンをクリックする。キーレスフォブボタンは奇妙に敏感だということに注目したい。何度か携帯電話やポケットに入れていたのだが、乗車中にボタンにぶつかって電源を落としていたに違いない。ありがたいことに、それは混雑したところでは起こらなかったが、注意すべきことである。

アプリ

前述の通り、アプリを使って自分のスマートフォンや他のユーザーのスマートフォンをバイクにペアリングすることができる。このアプリでは、学習者モードか制限モードを選択して、乗車設定を制御することができる。バイクとライトのオンオフの切り替えをする。メトリクスを変更する。バッテリーの寿命、速度、モーターの温度などの状態を確認する。基本的にはダッシュボード上のすべての情報だが、アプリ上にあるので、使う必要性を感じなかった。

ライト

LEDヘッドライトは、車両の電源が入っているときは常に点灯しているが、ハイビーム、ロービーム、そして周辺パーキングライトも装備されており、これらはすべて寿命後に分解するように設計されている。LEDバックライト、ブレーキライト、ナンバープレートライト、DOT認定の表示灯もある。

その他のこと

他のカテゴリーにうまく当てはまらない機能の中には、フィールドキットが挙げられる。このキットはリフトアップシートに固定されており、ユーザーマニュアルと、2×2のセットアップとメンテナンスのためのツールが含まれていて、とても使い勝手が良い。通常、UBCOのバイクを購入すると箱に入ってきて「乗る準備をするための簡単なステップがいくつかある」。UBCO Universityのコースでも設定方法の説明がある。UBCOのディーラーから購入した場合には、集荷時に開梱して設置してくれる。

メンテナンス

メンテナンスは月額サブスクリプションで提供される。UBCOでは、修理が必要な場合に備えて、同社がバイクを販売するすべての場所に技術者のネットワークを設置している。近くに正規の整備士がいない場合は、UBCOの本社が顧客と連携してバイクの修理を支援する。UBCOは、同社のネットワーク内に承認された整備士が何人いるかについては回答しなかった。

繰り返しになるが、ニューヨーク出身の筆者はこれまで、何千人もの配達人がバイクやモペッドに乗る姿を目にしてきた。彼らはプラスチックの袋に入れられたオーブン用のミットをハンドルバーに貼り、寒さの中でも手を暖かく保てるようにしていた。このバイクは荷物を運ぶための重い荷物を扱うことができ、交通の流れにすばやく機敏に対応し、乗りやすくて使いやすい。

特にエンタープライズ向けのサブスクリプションサービスは、さまざまな気象条件に対応できる優れたシティバイクに仕上がっている。雨や泥を扱えることはすでに明らかで、あらゆる兆候が、北部の都市の冬の、雪解けでぬかるむ凍てつく地獄での成功を示している。そしてこれはまた、冒険家、つまり路上やオフロードで、街を出て荒野に向かっていく、何かいいものに乗りたいと思っている人に向けた、かなり長持ちする優れた消費者向けバイクでもあるだろう。

画像クレジット:Rebecca Bellan

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Dragonfly)

電動ユーティリティバイクUBCOは持続可能性に優れるサブスクモデルで世界展開と循環型経済分野のリードを目指す

電動ユーティリティーバイクのスタートアップ企業でニュージーランドを拠点とするUBCO(ウブコ)は、米国市場を中心としたグローバル展開と商用サブスクリプションサービス事業の規模拡大のために、1000万ドル(約11億円)の資金調達を行った。

UBCOの主力製品である「UBCO 2×2」は、ダートバイクのような外観でありながら、モペッドのように乗ることができる全輪駆動の電動バイクだ。農家が牧草地や農場を簡単に、安全に、すばやく移動するためのソリューションとして始まったUbco製品は、今では配達業務用途の法人顧客や、ギグエコノミーワーカー、シティライダーに使用される都市部向けバージョンを含むラインナップにまで拡大している。

2015年に創業してから、同社は2つのバージョンの電動ユーティリティバイクを製造してきた。オリジナルのオフロード車である「Work Bike(ワーク・バイク)」と、街乗り用に作られているがオフロードにも十分に対応できる新バージョンの「Adventure Bike(アドベンチャー・バイク)」だ。

UBCOは、Seven Peak Ventures(セブン・ピーク・ベンチャーズ)、Nuance Capital(ニュアンス・キャピタル)、TPK Holdings(TPKホールディングス)が主導するラウンドで新たな資金を獲得したことで、フードデリバリー、郵便サービス、ラストマイル物流など、既存の垂直市場の分野を拡大していきたいと考えている。同社はすでに、ニュージーランドとイギリスのDomino’s(ドミノ・ピザ)と提携している他、ニュージーランド・ポスト、国防軍、自然保護局、Pāmuなどの国内企業や、地元のレストランや店舗などを顧客としている。

同社共同設立者でCEOのTimothy Allan(ティモシー・アラン)氏は「当社はニュージーランドで強力なエンタープライズ市場を有しており、国際的にも強力な販売パイプラインを構築しています」と、TechCrunchに語っている。

現在、UBCOの収益の大半は一般消費者向けの直販が占めているが、同社は企業向け、特にサブスクリプションサービスを積極的に推進している。2×2は、車両と電源システム、クラウド接続、データ分析などを含むインテリジェントなプラットフォームとして構築されているため、サブスクリプションモデルは車両マネジメントシステムとの連携が可能だ。

同社はサブスクリプションによる年間経常収益の増加を推し進めることで、2020年に210万ドル(約2億3000万円)だった収益が、2021年末には840万ドル(約9億3000万円)にまで上昇すると見込んでいる。UBCOのサブスクリプションモデルは、配達用途などで複数台の車両を使用する企業向けに、1台1週間あたり75~85ニュージーランドドル(約5800〜6600円)で提供するというもので、2021年から2022年にかけて、ニュージーランド、オーストラリア、英国、欧州、米国で展開を予定している。同社の広報担当者によると、一般消費者も今後2、3カ月以内にサブスクリプションを利用できるようになるという。

アラン氏は、EV業界の未来はサブスクリプションにあると考えている。それは、収益性が高いだけでなく、環境面でも持続可能性に優れるからだ。このビジネスモデルを拡大することで、同社は循環型経済の分野をリードしていきたいと考えている。

UBCOでは、サブスクリプションモデルで運用される車両の寿命は、販売される車両の4倍になると予測しており、内燃エンジン車と比較すると二酸化炭素の排出量を80%削減できるとしている。

「サブスクリプションとは、当社で車両を所有し、そのライフサイクルを管理することを意味します」と、アラン氏はいう。「例えば、製造されてから最初は、ピザの配達で6万キロメートル、あるいは農地で3万キロメートルといった過酷な状況に使用します。そしてその後、車両をもっと低強度の用途に転用させます。さらにその後は、バッテリーを取り出して、太陽光発電の蓄電池などの用途に利用することができます」。

耐用寿命後の問題を解決することは、個人としても職業上でも困難であり、誰も正しい方法を完全には理解していないため、創造の余地があるとアラン氏は考えている。彼はリサイクルを容易にするために、車両のエンジニアリングにはボトムアップのアプローチを取っていると語る。

「例えば、バッテリーを設計するときに、難燃性の発泡体を入れるのはやめた方がいい。寿命が尽きたときに元に戻せないからです」と、アラン氏はいう。「つまり、正しいラベルを貼ることから始まり、意図を持ってエンジニアリングを行い、そのような製造上のことも想定して設計し、さらに会社の事業や商業システムが、そのコンセプトをサポートする必要があります。現在、私たちは経済性と動機が一致しており、ニュージーランドのプロダクトスチュワードシップ法にも適合しているので、優位な立場にあります」。

実務で使用される車両を使って循環型経済を実現しようとするのは、単に環境のために正しいことをするというだけではない。アラン氏はこれが最終的にはビジネス上の賢明な決断であり、それが顧客を惹きつけ、法人顧客に競争力を与えるものになると考えている。

「当社の顧客はその一翼を担うことになります」と、アラン氏は語る。「私達がそれを可能にするためには、顧客が快適に利用できるようにサブスクリプションと車両の寿命を設計しなければなりません。ほとんどの人は正しいことをしたいと思っています。私たちは、論理的に経済に適合し、大規模に行うことができ、全体的に管理できるシステムを提供することができるのです」。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:UBCOサブスクリプション電動バイク循環型経済ニュージーランド持続可能性

画像クレジット:UBCO

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)