Ubuntu CoreのIoT用バージョンをCanonicalがローンチ

物のインターネット(Internet of Things, IoT)をLinuxで実装したい人は多いし、またその中には、裸のLinuxカーネルを自分でいじるのは面倒、と感じる人も多いだろう。そこでCanonicalは、同社のLinuxディストリビューションUbuntuのIoT用バージョンを出すことにした。それは前にもご紹介した、軽量快速バージョンUbuntu Coreがベースだ。これまでの数か月間同社は、そのUbuntu Coreの“さくっとした(snappy)”バージョンを、さまざまなクラウドコンピューティングサービス上でローンチしてきたが、Coreの基本概念は、要らないものをすべて削ぎ落としたぎりぎり痩身バージョンの、デベロッパが自分のニーズに合わせて自由にカスタマイズできるUbuntuだから、次の必然的なステップは、IoTやロボティクスに当然なる。

Ubuntu CoreではデベロッパがOSの基本部分をインストールし、その上に必要なアプリケーションやサービスを加える。それらのアプリケーションは自分専用のサンドボックス環境で動く。Ubuntu Coreは、アップデートの際のエラーリカバリを確実に行うトランザクション(的)アップデートをサポートしているから、ダウンロードエラー時のロールバックが確実に行われる。

Canonicalのファウンダで、ときどき宇宙カウボーイにもなるMark Shuttleworthが、今日の発表声明の中でこう言っている: “自律型ロボットという科学の大きな進歩により、防犯やエネルギーの効率的利用など、さまざまな分野で奇跡が実現した。世界はスマートマシンによって変わりつつあり、それらのマシンは過去にはありえなかった五感…視覚、聴覚、触覚等…を持ち、外部とコミュニケーションできる。Ubuntu Coreはそういう超スマートな連中のためのセキュアなプラットホームであり、また最新のソフトウェアをご自分のデバイスに簡単に実装してクラウドに容易に接続できるために、アプリストアもご用意している”。

このUbuntu Coreの初期の採用例の一つが、Ninja Blocksのホームオートメーション構築ブロックNinja Sphereだ。Ninja BlocksのCEO Daniel Friedmanは、“Ninja SphereのオープンなコントローラはUbuntu Coreをそのベースに使用しており、それは家庭内のデバイスやセンサと対話するアプリを構築するための、完璧な基盤だ”、と言っている。また教育用ドローンErle-Copter(上図)を作っている Erle Roboticsも、Ubuntu Coreの初期的ユーザの一つだ。そしてOpen Source Robotics Foundationの各種プロジェクトも、主にUbuntu Coreを使っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))