Unicodeコンソーシアムが「Unicode 14.0」を正式発表、溶ける顔や敬礼など37個の絵文字を追加

Unicodeコンソーシアムが「Unicode 14.0」を正式発表、溶ける顔や敬礼など37個の絵文字を追加

Emojipedia

Unicodeコンソーシアムは9月14日(現地時間)、Unicode 14.0を発表しました。テキスト規格に838文字が新たに追加されており、このうち37個は新しい絵文字となっています。

例年、Unicodeの新バージョンは3月頃に発表があるのですが、今年はコロナの影響によりリリースが遅れていました。なお、絵文字の内容としては7月に公開されたドラフトから変更はありません。

Unicode 14.0の新しい絵文字候補が公開。肌色違いの握手や妊娠中、低バッテリーなど

新しい絵文字としては、溶ける顔や敬礼顔などのほか、豆、ミラーボール、残りの少ないバッテリーなどが目立つところ。また、技術的にこれまで難しかったという2つの肌色を使った握手なども追加されています。

Unicodeコンソーシアムが「Unicode 14.0」を正式発表、溶ける顔や敬礼など37個の絵文字を追加

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中でも目を引くのは、妊娠中の男性の絵文字。なかなか使いどころが難しそうですが、文脈によっては、「食べ過ぎてお腹がいっぱい」などの表現に使えるかもしれません。

これらの新しい絵文字(Unicode 14.0)は、Googleは年内にサポート予定ですが、AppleやTwitter、Facebookなどの企業は、例年通りならリリースから半年ほどしてからサポートされることが多くなっています。このため、これらの企業のサービスでは、2022年前半まで待つ必要があるかもしれません。

Unicodeコンソーシアムが「Unicode 14.0」を正式発表、溶ける顔や敬礼など37個の絵文字を追加

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(Source:UnicodeemojipediaEngadget日本版より転載)

アップルがiOS 14.2で男女兼用のMxクロースやタキシードを着た女性などの新絵文字を追加、忍者もあり

iOSの現在のバージョンはiOS 14.0.1だが、アップルはすでにiOS 14.2をテストしており、米国時間9月29日に初期ベータ版をリリースした。そのベータ版からEmojpediaが新しい絵文字を発見した(Emojpedia記事)。

同社すでに7月に新しい絵文字の初期の外観を公開している(Emojpedia記事)。全体としては、今年は数十種類の新しい絵文字が追加される。また、既存の絵文字の新しいバリエーションも加わり、これまで以上に多様で包括的なものになる。

今年初め、新しい絵文字の承認を担当する管理機関であるUnicodeコンソーシアムは、Unicode 13.0の一部として117種類の新しい絵文字を承認した。アップル、グーグル、マイクロソフト、Twitter、Facebook、Mozillaなどのオペレーティングシステム開発者やソーシャルネットワーク企業は、新しい絵文字の独自バージョンを作成し、それぞれのプラットフォームで公開している。

今回のリリースでは、トランスジェンダーの旗、涙を浮かべた笑顔、つままれた指、二人が抱き合っている姿、虫や動物、変装した顔などが収録されている

私のお気に入りは、間違いなく変装した顔だ。

Emojipediaは、これらの新しい絵文字を1つの画像にまとめている。

新しいバリエーションになると、サンタクロースやクロース夫人の代わりとなる男女兼用の 「Mxクロース」が登場する。タキシードはもはや男性に限定されず、ベールももはや女性に限定されない。タキシードを着た女性とベールをかぶった男性の絵文字を送ること可能になる。

これらの絵文字が利用可能になる、iOS 14.2、iPadOS 14.2、macOS Big Surの正式リリースは1~2カ月後になる見込みだ。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

2020年版絵文字はトランスジェンダー旗や性差別のないバリエーションが満載

今年は100種類以上の絵文字(emoji)が新たに加わる。公式に絵文字を統治する団体であるUnicode Consortiumは、2020年に117種類の新しい絵文字Emoji 13.0の一部として追加することを発表した。今回追加されるのは、まったく新しい絵文字62種類と、新しいジェンダーや肌の色のバリエーション55種類からなり、その多くが性差別に配慮したものだ。ほかに今年の追加で注目すべきなのがGoogleとMicrosoftの共同スポンサーによるトランスジェンダー旗で、ほかにも涙のスマイルフェイス、ハグし合う2人、つまんだ指、変装した顔、そのほか大量の動物や食品などが含まれている。

今年は5種類の絵文字(ジェンダーに配慮した派生物を含む)をGoogleがスポンサードしている。

同社が提案したのがベールをつけた人タキシードを着た人のバリエーションで、これで男性、女性、ノンバイナリーのさまざまな肌の色の絵文字が揃った。性別に中立なサンタクロースも追加された。

Googleの新しい絵文字(Android版)

Googleは「哺乳瓶で赤ちゃんにミルクを飲ませている人」の絵文字も提案した。

「これまで、育児を表す絵文字は「母乳を飲ませている」ものだけだった」とGoogleのAndroid絵文字プログラム担当デザインディレクターのJennifer Daniel氏は語る。「母乳を与えられないことは子供の保育ができないことを意味していないので、誰もが使える絵文字を導入したいと考えた」

最近、絵文字はますます差別に配慮し表現性が高くなりつつある。2019年の追加では補聴器、車椅子、義肢、盲導犬などのほか、性的に中立なカップルや、さまざまな肌の色が加えられた。

Googleは2020年、感情に重点を置いた新しい絵文字として、ハグし合う2涙を流す笑顔も提案した。後者は、感謝と安堵を同時に表現するために多くの人々が欲しかったものだ。ダニエル氏はこの絵文字について、喜びと小さな悲しみの入り混じった感情を表すためにも使えると語った。過去の記憶をたどるとき、例えば#tbt(Throwback Thursday、木曜日の振り返り)や、子供の頃の楽しい時間を思うときなど。

Googleの新しい絵文字(Android版)

忍者も人間の絵文字に加わった。

動物のラインアップには、黒猫、バイソン、マンモス、ビーバー、ホッキョクグマ、ドードー、甲虫類、ゴキブリ、ハエ、 ミミズが入った。

食べ物関係では、タピオカティー、ブルーベリー、オリーブ、ピーマン、フラットブレッド、タマーレ、フォンデュー、ティーポットが加わった。

ほかには、羽根、鉢植え、岩石、丸太、小屋、ピックアップトラック、ローラースケート、マジックワンド、ピニャータ、マトリョーシカ、縫い針、結び目、ビーチサンダル、軍用ヘルメット、フック、はしご、エレベーター、鏡、ラバーカップ、ネズミ捕り、バケツ、歯ブラシ、墓石、プラカード、トランスジェンダー旗、(リアルな)心臓、肺などが追加された。

新しい絵文字がこれだけ増えたことで、必要なものを見つけるためのシステムが必要になるだろう。絵文字の予測表示はそこそこ役に立つ。しかし、普段使わない絵文字を探すためには、iOSの絵文字キーボードでは何度もスクロールする必要がある。GoogleのGboardはよく出来ていて、絵文字を見つけるための検索ボックスがついている。サードパーティー製キーボードを使う方法もある。

画像クレジット:Google、およびEmojipedia

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

世界絵文字デーでUNICODEがサイトを改良、デベロッパーならemojipediaがオススメ

すでにお伝えしたように、7月17日の世界絵文字デーを記念してAppleとGoogleが たくさんの新しい絵文字を発表した。これに加え、ユニコードコンソーシアムもウェブサイトをリニューアルした。この団体は絵文字のコードを含め文字コード全般を管理する国際的NPOで、今回のアップデートにより絵文字を含め、文字の検索が以前より容易になった。

以前はコンソーシアムのウェブサイトのデザインは素っ気ないものだった。コンソーシアムの各ページへのリンクのリスト、FAQ、進行中のプロジェクト紹介、Aboutといったベーシックなものに過ぎなかった。つまりは標準化団体の技術資料で、デザイン自体長年アップデートされておらず、下にスクリーンを貼ったが、あまりに古臭くて大昔の政府機関のサイトを思わせた。

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旧サイト

これが一新されたのはめでたい。デザインが今のメインストリームに近づいただけでなく、公衆と対話しようとする姿勢が見られるようになった。UNICODE理事会のメンバー、Greg
Welch(グレッグ・ウェルチ)氏はサイトのアップデートの告知の中で次のように書いている。

さてUNICODEは国際的な技術標準であり、インターネットを支える重要な礎石の一つだ。UNICODEは1990以来、世界の言語のコードを標準化することによってデベロッパー、ユーザーを助けてきた。しかしモバイル化にともなうデジテル・コミュニケーション一般化するにつれ、絵文字の利用が大きく進展した。そこでわれわれはサイトのデザインを一新し、誰にも情報を検索しやすいもにした。ことによって利用と開発が促進されることを期待する。

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新サイトの絵文字部分

もちろんコンソーシアムの本来の業務は絵文字に限られず世界の言語によるテキスト処理の標準化全般に関わるものだ。しかしコンソーシアム自身も「絵文字は現在の世界のオンライン人口の92%に利用されている」と認めている。つまりUNICODEにとっても非常に重要な一部をなしているわけだ。

新サイトをデザインしたのはAdobeのチームだという。トップページにも絵文字がフィーチャーされており、絵文字セクションへのナビゲーションもユーザーフレンドリーになっている。絵文字に関する提案をする方法もわかりやすく解説されている(とはいえ、このプロセス自体はまだあまりユーザー・フレンドリーではない)。またコンソーシアムに対し、絵文字開発のために「課税控除できる寄付」を行う方法も紹介されている。

現在UNICODEには13万6000文字が登録されており、そのうちの2800が絵文字だという。新サイトが以前より検索しやすいものになっているのは間違いない。しかしこちらのリンクから入れば昔ながらのサイトが表示される。

リニューアルでUNICODE全般の検索が容易になったのはうれしい変化だが、絵文字の意味、実際にブラウザでどう表示されるのかなどを調べたい場合は、Emojipediaを訪問してみることをお勧めする。

【 Japan編集部追記】Emojipediaの検索ボックスにLOLと入力すると「涙を流して大笑い」している絵文字が表示される。解説には「ROFL(床を転げ回って笑う)絵文字によく似ているが異なる」など詳しい解説が示される。

 またCamelを表示すると、Apple、Google、Microsoft、Samsungその他代表的な企業によるデザイン実装が表示され、それぞれのプラットフォームでどのように表示されるかをあらかじめ知ることができる。またスマイリー、ハート、動物、OKサインなどのカテゴリーが設けられ、クリックすると一覧できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

日本の新しい元号がインターネットをほんの少し混乱させた理由

日本の明仁天皇はまもなく退位し、息子の徳仁親王に皇位を譲る。移行手続きの一環として、新元号、すなわち、新しい時代の名称が “Reiwa” に決まった。そこには数々の意味と隠された意味合いがあるが、インターネット経由でテキストが送信、表示される方式のために、ある種の公式な方法では名前がうまく表示されない。このためUnicodeは、それを可能にするためのアップデートを発行したが、現時点でReiwaのための文字は存在しない。これはすぐに修正されるちょっとおかしな問題だが、われわれが依存しているシステムが完璧ではないことを如実に表している。

誤解のないように言っておくが、漢字で “令和” と表示することはもちろん可能であり、なんの問題もない(多少の技術的な支障はあるが)。しかし元号はある種の状況や文脈においては1文字に合成される。たとえば、現行の(まもなく終わる)時代である Heisei は”平成”と書けるだけでなく、合成文字として”㍻” と書くことができる。これは2つの部品を詰め込んだだけだが、ある重要かつ公式な方法によって詰め込まれている。

日本の天皇制の歴史や政治にあまり深く関わらずに説明すると、この国には時代を時の天皇の(ほぼ象徴的な)統治に対応させた一種の独自カレンダーがある。これは重要であり、公式文書に使用されるほか、ある時代を指す省略表現としても使われる。「ああ、あれは平成10年のことだった」という具合に、われわれが「クリントン大統領時代の最後の年」と言うように使う。私の説明は間違っているかもしれないが、感覚は伝わると思う。

この慣習で最も興味深い部分は(実際、興味深い部分はたくさんあるが、今日のテーマに関してはこれが最も興味深い)、元号は事実上一から考案されることだ。そして日本語記法の特性ゆえに、そのことは、新しい名前をオンラインで正しく表示する方法が事実上ないことを意味する。

Unicodeは基本的に膨大な(約12万種類)なコードの集まりであり、われわれがタイプしたり送ったりしたい文字と図形に対応している。つまり、私が “Hey! ” と書けば、あなたの側でも私の側と同じものが見える。しかし、公式発表まで秘密が守られていて、他の日本語の単語の一部を全く新しい文字に組み合わせたシンボルをいったいどうやって作るのか? それはまるで、アルファベットに新しい文字を追加すると発表するかのようだ。

これは近代コンピューター時代に起きた初めての時代変更なので前例がまったくない、と昨年Unicodeはこの出来事を予測して発表した。Unicodeにできる唯一の方策は、やってくる文字のために場所を予約しておき、コードを表示するためのプレースホルダー図形を割り当てることだけだった( ㋿:左に見えているのは、文字が追加される前に見ているという前提で、 “32FF” コードのプレースホルダー)。

ある意味で、それがUnicodeがやるべき仕事のすべてだ。あとは、それぞれのフォントで表示される実際の文字を作るデザイナー次第だ。そして、こうしたアップデートはサーバーとデバイスのそれぞれに送り込まれる必要がある。そして、もちろん、それはすぐできることではない。一方、新しい名前を伝えるオンラインニュースのヘッドラインは、本質的にそれを表示できない! なんとも興味をそそる苦悩ではないだろうか。

名前そのものに関して、言語学上、文学上の意味合いについて議論する人びとによる多少の騒動もをった。日本語表記の複雑さと、音節の歴史、その表現方法が、さまざまな政治的、哲学的な含意と相まって数多くの解釈が可能になる。Nick Kapurによる、これまで私が見た中で最高の解説を読むと、Reiwaが極めて翻訳困難でありながら、その意味を明確に述べている理由を深く理解できるだろう。

これは様々意味でユニークなチャレンジであり、インターネットとは特に相性が悪い。まもなくその文字はわれわれの手に届き、発表から正しく表示できるまでの遅れが生んだわずかな不便さは忘れられていくだろう。しかし、世界はわれわれが当たり前だと思っているシステムにいつも変化球を投げてくる、というのは実に興味深いことだ。

5月1日にReiwaが公式に始まるまでには、すべてが整理されていることを期待しよう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

公式 emoji に障害者、介助犬、ワッフルなどが追加

新しい emoji(絵文字)のセットがUnicodeコンソーシアムで承認された。emojiをサポートしているプラットフォームならどのアプリにも共通の標準になる。今回のセットには、さまざまな障害をもつ人たちや介助犬、アシカなどの新しい動物、食べ物などが入っている。

障害をもつ人々のための新しい emoji がいろいろと加わったが、もちろん完全ではない(学習障害や精神障害を表現するのは難しい)。それでも、新しい emoji へのAppleの提案は、車椅子も電動と手動の両方が必要であることを指摘している。

個々の人たちが利用している支援技術はまちまちで障害のニーズによって異なる。自分で車を動かせないために電動車椅子を使っている人たちにとって、手動車椅子しかないことは現実性に欠ける。手動車椅子を使える人たちにとっては、本来よりも移動能力がないことを暗示することは現実的ではない。このため、2つはまったく別種の支援機器であることが示されるべきである。

例によって、上記の画像はサンプルにすぎない。最終的に使われるデザインは利用するデバイスやサービスに依存する。しかし、これらを提案したのはAppleであり、Appleは emojiの利用が非常に普及しているプラットフォームなので、最終的にもこれとよく似たものを見ることになる可能性が高い。

ほかにも便利そうなものがたくさん追加された。盲導犬と介助犬、アシカとフラミンゴ、ワッフルやバターなどの魅力的な食べ物(これでようやく私の朝食を正確に表現できる)など。サリー、ディヤ(ランプ)、トゥクトゥクなどアジアのユーザーに特に関係の深いものもある。

さまざまな肌の色や性別の人々への対応は、性差を意識させないデザインを含め、数年来検討が進められてきた。性差のない2人が手をつないでいる emoji やさまざまな色のバリエーションが新たに追加された。ほかにもまだ確定していない提案がいくつかあるので、今後もこの種の追加があるはずだ。

新しい emoji の全リストはこちら。コードが確定してお気にいりのメッセージングアプリに追加されるまでには数ヶ月かかるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleよ私の絵文字を返してくれ

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Appleよ、なんてことをしてくれたんだ!?

お前は何百万人もの人びとが日々使っているビジュアル語彙を取り上げて、それを変えてしまった。アイコンの表す象徴的なイメージを破壊して、なんの欠点もなかったものを不必要に調整した。何故だ?なぜこんなことをするのだ?私は桃尻の絵文字が使いたいんだ。漫画の月も、キャンディーのハートも、私の絵文字を返してくれ。しかし、お前は決してそれを返しはしないだろう。

実際私は、最初の頃はAppleの絵文字のファンではなかったということを告白しなければならない。私にとって、そいつらは私に騒々しいクリップアートを、グラデーションと似非の深みと共に叫んでくるものだった。私はGoogleのグミキャンディーのような質感、マイクロソフトの太線、サムスンの強いキャラクター化が好きだった。

絵文字しかし、実際には、大部分の人びとはAppleの絵文字を利用した、なぜならそれらはゲームに早くから使われていたし、iPhoneは最も強力な一大ブランドだったからだ。私の友人たちのほとんどは、iPhoneを持っているが、私はAndroidを使っている。なので、相手がどんなものを見るのか想像する代わりに絵文字セットを切り替えたのだ。絵文字を誤った解釈されたときの脅威は、それはそれは怖ろしいものだ!

というわけで、決してスタイルを好きではなかったが、私はそれを利用してきた。皆がそうするように。限定された韻律で書くときや、モノクロで撮影をするときのように、制限はそれ自身が表現のプロセスを興味深いものにしてくれる。それは私の中で育ち、そして数え切れない他者の中でも育っていることを知り、私たちは共有されたビジュアル語彙を皆で作り上げたのだ。

そして、最近はあまりにも頻繁にそれらを使ってきたために、まるで通常の単語のようにそれらを知るようになったのだ。皆それぞれ独自の、言外の意味、ニュアンス、当てこすりなどを作り出していた – あるものは偶然に、そして他のあるものは茶目っ気たっぷりに意図的なものとして。

絵文字は私にとって、モバイルネイティブ言語という意味で興味深いものだった ‐ 意図的に視覚化され、区別しやすく、ひと目で認識できる ‐ そのデザイナーの意図を包含しそして同時に崩すような存在だ。ときどき素っ気なく見える、絵文字言語は、実のところコンテキストとそれを生み出した人間のメタデータの塊であり、深いビジュアルコミュニケーション、豊かな表現力を備えたようなものなのだ。

そしてその全ての基盤がイメージそのもので与えられている。この信じられないほど広く行き渡ったコミュニケーション形式の基礎を再設計することは、破壊的な文化的修正主義の行為だ。

OK、まあ、ちょっと大袈裟に言い過ぎた。でもなにしろ人びとがチャットで使っていた沢山のアイコンたちだったんだ、デザインを変えて大規模なコンテキストと歴史を台無しにしたんだ、そして得るものと行ったらほとんどないと来てる。Appleが絵文字に対して施した変更は(とりあえずここでは、Unicodeの取り込みや随分対応が遅れたジェンダーや肌の色のバリエーションについて話したいわけではない)良くて的外れで、多くは破壊的な代物だ。

おお、古(いにしえ)のAppleの絵文字 — 32×32以上の大きさで表示されることを全く意図していなかった — が、iOS 10.2では素敵に書き直された! Good job!

例えば、果物のシェーディングを変えた理論的根拠は何だろう?カレーの量を調整した件はどうだ?ワイングラスの視点を変えたのは?あるアイテムは光沢を得ているのに、他のものがそれをそれを失っているのは何故だ?なぜブリトーを反転させたのか?なぜ桃が検閲にかかったのか?なぜ魚肉団子を暗くしたのか?

こういったすべてのものには何の理由もないのだ。まるでAppleがそのデザイナーたちに「全部の絵文字を眺めてちょっとずつ変えて。やり方は任せる」と命じたようだ。

目的のないデザインは、本当はデザインではない。交換したものが、オリジナルより優れていないなら、どうしてそれを置き換える必要があっただろうか?そして、もし彼らが何がオリジナルを価値あるものにしていたのかを理解していないのならば ‐ 使われていたイメージそのものの馴染み深さと共有された象徴性ということだが ‐ それは彼らが文化資産の守り手として、まるで力不足だということにならないのか?

Appleはもちろん、これらの変更をもとに戻したりはしない。私はこの文章が基本的に「雲に向かって吠えるブロガー」の振舞だと知っている。しかし、私は本当にがっかりしているのだ。なぜなら私は絵文字利用現象の勃興を純粋に楽しんでいたので、これは正しい判断のできないユーザーに優しくない(最近のAppleがやらかすことの多い)動きに思えるのだ。

もし相手のデバイスでどのように絵文字が見えるのかをコントロールできるようなオープンメッセージングフレームワークがあれば素晴らしいと思うが、私には待っていられない。しかし、おそらくこの新しい絵文字は、また別のビジュアル語彙を作り上げるための、無地の石版を提供することになるのだろう。そうせざるを得まい ‐ 私たちに選択肢はないのだから。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Unicode 9.0が来月スタート―セルフィー、爆笑、フェイスパームなど絵文字72種類がやってくる

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新しい絵文字がやってくる! 絵文字の管理組織は72種類の新しい絵文字を承認したことを発表した。新しい絵文字は今月中に発表される新しいUnicode(Unicode 9.0)に含まれることになる。

これにはインターネットのスラングに語源がある絵文字、たとえばROFLの語源は「床を転げまわって笑う(Rolling on the Floor Laughing)」だ。その絵文字版は少し頭の傾げ、目をつぶって大きな口を開けて笑っている顔だ。もうひとつ広く使われそうなのは「肩をすくめる」で現在はこんな具合に〔原文のママ〕¯_(ツ)_/¯キーボードから入力されている

追加されたセットには道化師、ウソをついて鼻が伸びているピノキオ、 カウボーイ、緑色の顔やくしゃみをしている顔など「病気ないし気分が悪い」状態を表す絵文字も含まれる(鼻水を垂らしている顔はよだれを垂らしている顔に似ているが、ずっと気味が悪い)。

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人間を表すセットでは上で紹介した「肩をすくめる」に加えて、「子供と母親」、「踊る男」(これは『サタデーナイトフィーバー』のトラボルタだろう)、タキシード姿に加えて「フェイスパーム」〔掌で顔を隠す=嫌悪、不信などを表す動作〕も含まれていた

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手のジェスチャーでは、握手に加えて「中指と人差し指を指を交差」〔幸運、成功を祈るしぐさ〕、挨拶として「拳を打ち合わせる」様子なども含まれている。伸ばした腕の先にスマートフォンを構えている「セルフィー撮影」の絵文字も目立った。

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動物や料理を表す絵文字も承認された。動物にはゴリラ、シカ、キツネ、トカゲ、サメ、チョウチョが含まれる。料理ではおいしそうなベーコン、バゲット、パンケーキ、サラダ(しっかり食べなきゃ)などが追加されている。

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おっと、それから飲み物ではウィスキー・グラスが新顔だ。カクテルグラスやビールジョッキでは現状をうまく表わせない晩(毎日のようにあるかもしれない)には好適だろう。

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スポーツ、旅行関係ではモノポッド、スクーター、カラテ、フェンシング、ボクシング、レスリング、ジャグリング、体操、おお、それに水球まである。水球の選手には便利だろう。そういえば夏のオリンピックが近づいているのだった。

金、銀、銅のメダルの絵文字が追加されたのはこれが原因だったようだ。

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以上紹介したのはもちろん、リストの一部にすぎない。追加される絵文字すべてのリストはUnicode.orgのウェブサイトで見ることができる。

Unicodeはすでに肌の色を多様化しているが、絵文字はさらにダイバーシティーを取り入れていく必要がある。たとえば職業を表す絵文字にはほとんどの場合、男性だけが使われているが、これはいささか性差別的だ。女性版、男性版を選べるようにすべきだろう。

たとえば今週、肌の色やジェンダーに関して多様性を広げるような絵文字がFacebookに導入された。Facebookの絵文字には警察官、陸上選手、水泳選手、サーファー、歩行者などに女性版が登場している。Googleの社員グループは 「女性のキャリヤをより良く表現するため」に13種類の絵文字を追加するようUnicode コンソーシアムに提案書を送っている。これには女性の医師、科学者、プログラマーなどの絵文字が含まれる。

しかし新しい絵文字が広く利用できるようになるのは時間がかかるプロセスだ。今回の絵文字はUnicodeコンソーシアムが7月21日付けで正式にUnicode 9.0として承認する文字セットに含まれる。しかし読者のスマートフォンの絵文字キーボードにこれが反映されるのにはさらに時間を要するだろう。

Unicode 9.0の登場を期に、Apple、 Google、Microsoftでは新しい絵文字を含めて文字セットをアップデートするだろう。モバイルで新しい絵文字が使えるようになるのは、このアップデートが読者のデバイスにインストールされてからとなる。

メイン画像: Emojipedia; remaiing from Unicode.org

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、さらに多数の絵文字をサポート、ガジェットのアイコンもアップデートへ

iOSOS Xの新しいデベロッパー向けプレビュー版で、Appleがさらに多様な絵文字をサポートすることが判明した。新たに追加される絵文字には多様な肌色の人の顔や国旗などが含まれる。これまでも一部の国の国旗はサポートされていたがあまり数は多くなかった。

新たな肌色オプションを起動するには、顔や手などの絵文字の長押しすればよい。すると6色の肌色が選択できる。当然だが、幽霊、ドクロ、仮面などは「人間」のセクションの絵文字であっても肌色オプションがサポートされない。「旅行と場所」のセクションに新たに32ヵ国分の国旗が追加された。

Appleが絵文字のサポートを拡大することは昨年3月にMTV ActがAppleのCEO、ティム・クックに送った要請のメールにAppleの広報責任者、Katie Cottonが「われわれはUnicodeコンソーシアムに働きかけている」と回答したときから予期されてていた。その後Unicodeは絵文字の多様性を高めるための修飾オプションのサポートに関するテクニカル・ドラフトを公開した。このレポートの筆者はGoogleのMark DavisとAppleのPeter Edbergだった。どうやら絵文字の修飾オプションは正式に導入されるようだ。

AppleはまたiPhone 6を含むガジェットのアイコンのデザインをアップデートしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+