EpicとMozillaが共同でUnreal Engine 4をWebにポート, Webゲームの高速化いよいよ本番

EpicとMozillaが今日(米国時間3/12)、Unreal Engine 4をWebにポートすると発表した

昨年のGame Developers ConferenceでMozillaは、Unreal Engine 3のポートを発表し、多くのトリプルAゲームの基盤になっているグラフィクスエンジンがブラウザ上でも動くことを見せつけた。それは多くのデベロッパにとって目覚まし時計が鳴る音になり、数年前までにはWebとブラウザには不可能だった高度なゲーム体験を、今やプラグインなしで提供できることを自覚させた。

それを可能にするMozilla側のツールが、JavaScriptを高速化したasm.jsと、C/C++のコードをasm.jsのコードにコンパイルする(==どのブラウザでも動くようにする)コンパイラEmscriptenだ。いずれももちろん、WebGLが必要である。Firefoxの今の安定バージョンはasm.jsをサポートしているので、コンパイル後のC++のコードをネイティブで動かす場合の1.5倍のスピードをブラウザ上で実現できる。

Mozillaの技術部長でWebGLを作ったVladimir Vukicevicによると、1年前のUnreal Engine 3のデモはまさに単なるデモだったが、今回のUnreal Engine 4でEpicは、Webをゲーム開発のためのメインのプラットホームにしてしまうエンジンとしてデベロッパたちに紹介するつもりだ。今のところは文字通りのデモがあるだけだが、もうすぐデベロッパが実際に利用できるようになる。

MozillaのCTOで技術担当SVPでもあるBrendan Eichは今日の声明の中で、“これからはWebのリンクをクリックしてすぐに遊べるゲームと、時間をかけてダウンロードしインストールしなければならないゲームが、見分けがつかないほどのほぼ同じ体験になる。Emscriptenを使ってCやC++をasm.jsへコンパイルすると、ブラウザ上にネイティブに近いスピードが実現するので、Webをそのほかのプラットホームと同格に遇することができる”。

以下は、EpicがGame Developers Conferenceで見せたデモのビデオだ(SoulとSwing Ninja):

【中略】

asm.jsで実際に商用開発を行っている企業の一つがTrendy Entertainmentで、そのゲーム事業部の名前はNomNom。NomNomが初めてデモしたWebベースのゲームMonster Madnessは、昨年12月にリリースされた。今では同ゲームのユーザの半数がWebバージョンをプレイしている。

Googleは、ハイエンドの3Dグラフィクスをブラウザに持ち込むための技術として、Native Clientを押している。Mozillaのasm.jsがJavaScriptであるのに対し、Googleはネイティブコードをブラウザ内で動かそうとする。でもこの技術は、ほかのブラウザがサポートしていないだけでなく、Chromeでもデフォルトではoffだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))