Airbnbが社内にデータサイエンス大学を開校、非技術系一般社員も対象

テクノロジー企業と、最近ではますます多くの一般企業が、データサイエンティストの不足にあえいでいる。どの企業にも独自の雇用と教育の戦略はあるが、Airbnbはさらに一歩進んで、独自のコース番号までつけた、大学みたいな社員教育事業を立ち上げた。

そのData UniversityでもってAirbnbは、全社員を“脱データ音痴”するつもりだ。CourseraやUdacityのような一般的なオンラインコースでは、データとツールに関するAirbnb独自のニーズが満たされない。そこで同社はコースの設計から自社で取り組み、社員のニーズに合わせてそれらを3段階のコース番号レベルに分類した(下右図)。

100のレベルは、人事や企画の人たちも含め、全員が受講できる「データに基づく意思決定」。

中級クラスはSQLやSuperset(Airbnb製オープンソースのデータ可視化ツール)を勉強して、一般社員でもプロジェクトマネージャーになれる。上級のPythonや機械学習のコースでは、技術系社員がスキルをブラッシュアップする。

2016Q3に立ち上げたこの事業により、同社のデータサイエンスツールの各週のアクティブユーザー数がそれまでより30〜45%増えた。同社の500名の社員がすでに、少なくとも1つのクラスを受講している。まだ、全世界22のオフィスに全展開してはいない。

Airbnbはこれまで4度、データサイエンスの教育事業をトライしている。分析実験チームのプロダクトマネージャJeff Fengによると、その経験から得られた重要な教訓が三つある:

  • 誰もがとっつきやすいカリキュラムを設計すること
  • 上級管理職が部下部員に対してデータ能力の重要性/必要性を喚起すること
  • 成功を測る方法を見つけること

ほかの企業が社内でデータサイエンスのコースを立ち上げるときも、これらが参考になるはず、とFengは言う。この事業は、かつてGoogleを他から大きく差別化することに貢献した社内クラスを参考にしているようだ。Googleの場合は技術系のコースと一般コースの両方があり、データの視覚化も教えるし、簿記も教える。

Airbnbは、その初級データサイエンスクラスの開設にあたって、それが技術者だけを対象とするものではない、と訴え、そして、より本格的に技術を学びたい者のために今後もっと上のレベルの上級クラスをひらく、と声明している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

人が集まるためのスペースのレンタルマーケットプレースPeerSpaceが早くもシリーズAで$5Mを調達しニューヨーク進出を目指す

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一時的な集会の会場を貸し借りするマーケットプレースPeerSpaceが創業1年ちょっとでシリーズAに到達、Foundation Capitalが率いるラウンドで500万ドルを調達した。これまでの投資家Structure Capitalも、このラウンドに参加した。

同社のやり方はAirbnbに似ているが、目的は個人のB&Bではなくて、複数の人が集まるスペースだ。古くからある貸し会議室やカンファレンス会場などでなく、そこらに適当に空いてる場所のクリエイティブな利用を目指す。

協同ファウンダのRony Chammasは曰く、“ユーザたちは、仕事を離れたお楽しみ会などをつまらない古めかしい施設でやるなんてうんざり、と言うね”。でもユニークな集会スペースのレンタルマーケットは、早くもコンペティタが出現している。

たとえばモントリオールのBreatherも、イベントや集会のためのクリエイティブなスペースを貸し借りするプラットホームだ。イスラエルのSplacerも、同様のマーケットプレースとして急成長している。この二社は今のところニューヨークに展開している。

PeerSpaceは1年あまり前に150万ドルのシード資金と80万ドルの借金で創業し、このプラットホームを開発してきた。するとすぐに、LinkedInやInstacart、General Assemblyなどなどの先輩スタートアップたちが集会スペースを予約するようになり、今では計700万ドルの資金を調達するまでになった。

PeerSpaceは創業地のサンフランシスコとロサンゼルスが主な市場で、同社によると、前四半期は70%の成長、3四半期の前年比では1000%近い成長を見た。

Chammasともう一人の協同ファウンダMatt Bendettは、今回の資金を、これまでの勢いを維持し、サービスをニューヨークにも展開するために使う、と言っている。ニューヨークと言えば、前述のSplacerやBreatherともろに競合することになる。

最終的には合衆国の主要都市すべてでPeerSpaceを利用できるようにしたい、と彼らは言っている。実質的にはすでにシアトルでは、やってるそうだ。PeerSpaceの社員はまだいないが、スペースのレンタルを提供している企業数社とは契約している。

同社はCOOとして、SquareからRusty von Waldburgをスカウトし、ロジスティクスという企業経営の重要な側面をやってもらうことにした。このほか取締役会には、元AirbnbのCFO Andrew Swainと、前述FoundationのPaul Hollandを招聘している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

ホテル予約の大手、ExpediaがAirbnbのライバル、HomeAwayを39億ドルで買収

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今日(米国時間11/4)、ホテル予約の大手、Expedia Incはバケーションの部屋貸し仲介サービスで上場企業のHomeAwayを39億ドルで買収することで同社と合意したと発表したHomeAwayの組織とブランドは(VRBO.comを含む)は従来どおり維持される。支払いはキャッシュとExpediaの普通株で行われる。

HomeAwayはテキサス州オースティンに本拠を置き、 2005年に創立された。同社は5回のベンチャー・ラウンドで5億500万ドル弱を調達した後、2011年に株式を上場している。

Expediaは発行済のHomeAwayの株式を1株あたり10.15ドルの現金ないしExpedia普通株の0.2065株と交換に購入する。この取引は2016年の第1四半期には完了するものとみらている。

HomeAwayでは、同サイトには有料で借りられる休暇用物件が190ヵ国にわたって100万部屋以上リストアップされているとしている。同社は他にVRBO.comやVacationRental.com(これはアメリカの物件のみ)などのリスティング・サイトを傘下に所有している。またイギリス、ドイツ、フランス、スペイン、プラジル、オーストラリアにHomeAwayの同種のサイトがある。HomeAwaydではBedandBreakfast.comも運営している。

今日の発表でExpediaはHotels.com、Hotwire.com、Travelocity、Orbitz、VeneraなどAirbnbの直接のライバルとなる企業群を所有していることが明らかにされた。Airbnbは急成長を続けているが、Expediaは自前でサービスを拡大するよりHomeAwayのような大型サイトを買収することでAirbnbに対抗できる巨大組織を築いていくつもりのようだ。

ExpediaのCEO、Dara Khosrowshahiは今日、次のようなコメントを発表した。

われわれは以前からバケーションや出張などで利用できる部屋を仲介する1000億ドル規模の非伝統的ビジネスに注目しており、この分野で独自のサービスを作ろうとしてきた。今回、世界的なバケーション・レンタルのトップ企業であるHomeAwayの協力を得られたことで、われわれがこの分野において2年以内に世界のリーダー企業となる道が開けた。HomeAwayがExpedia Incグループに参加したことは世界的に認知され信頼されるExpediaのブランドをわれわれも利用できるようになったことを意味する。これはわれわれの次の段階への発展のために絶好の礎石となるだろう。.

Expediaの主要なライバルであるPriceline Groupは現在まだ「シェアリング・エコノミー」を代表するようなバケーションと旅行のブランドを持っていない。ただし傘下のBooking.com brandはゆっくりとだが、共有経済を実践する方向に動いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+