SteamVRのサポート対象からmacOSが外れる、利用者はわずか4%

Valveは、同社の仮想現実プラットフォームのmacOSサポートを廃止する。Valveの社員が、同社が運営するSteamVRフォーラムに情報を投稿した。それによると「SteamVRはmacOSのサポートを終了し、WindowsとLinuxに専念することにした」という。

Apple(アップル)は、2017年6月に「Metal for VR」を導入し、Valveとのパートナーシップを強調した。当時ValveはVRを1つのプラットフォームとして推進しており、ViveシステムについてHTCと協力関係にあった。それが2020年になると、Valveはハイエンドのヘッドセットを独自に用意し、待望のゲームタイトル「Half Life:Alyx」(ハーフライフ・アリックス)もリリースした。

これは、実際にはゲーマーよりも、開発者に対する影響が大きい。macOSをサポートしているゲームはほとんどなく、アップルの最高スペックのノートPCであるMacBook Proでさえ、OculusやSteamVRの最小限の仕様要件を満たしていないのが実情だ。Uploadが指摘するように、Valveの最近のハードウェア調査では、そもそも同社のプラットフォームを利用するゲーマーのうち、わずか4%しかmacOSを使っていないことが判明している。つまり実際のゲーマーのうち、Macを持っているVRユーザーはほんのひと握りというということになる。

macOS上でVRコンテンツを開発しているゲームデベロッパーは、おそらく1台のマシンで開発とテストができるというメリットを享受していた。アップルがMac ProやiMac Proのような高額な機材を、プロ向けに積極的に売り込んでいる状況で、主要なソフトウェアプラットフォームがその梯子を外すような決定をしたことは、決して好ましいものではない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Valve、Half-LifeのVRタイトルを開発中と発表

何年も前から噂になっていたが、Valve(バルブ)はVR(バーチャルリアリティー)向けのHalf-Lifeタイトルを開発している。

新タイトルの公式発表はValveの新しいTwitterアカウントで行われ、同社は今週中にさらなる詳細の公開を約束している。

新しいアカウントからの最初のツイートでこのようなニュースを流すのは少々奇妙だが、Valveの古くからの公式Streamアカウントもニュースをリツイートしているため、これは本物であることがわかる。

残念ながら、私たちは米国時間11月21日の午前10時まで、新タイトル「Half-Life: Alyx」について知り得ない。12年前にValveが「Half-Life」の筋書きを途中でやめたとき、シリーズは中断してしまったが、ようやくAlyx Vance(Half-Life 2のNPCキャラクター)の結末を知ることになる。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

ValveがSteam ChatのiOS/Android向けアプリをリリース

1年弱前、ValveはSteamのゲームストアやランチャーのチャット機能を大幅にアップデートした。これはグループチャットやメディア(GIF)の埋め込みなど現代的なチャットの利便性に注目し、Discordへとユーザーが向かわせないためのものだと考える人もいた。なお、Steam Chatの一般公開の数週間後、Discordはゲームストアをオープンさせている。

そして本日、Steam Chatはモバイル分野へと進出した。Valveによれば、Steam ChatアプリのiOSAndroidがすぐに利用可能になるという。

新たなモバイルアプリでは、誰がオンラインなのか、誰がどのゲームをプレイしているのか、Steamの友達の追加、そしてもちろんチャット(1対1とグループ)が可能だ。ゲーム中に邪魔されたくない? Valveによれば、通知は友人ごと、あるいはグループごとに設定できる。

ただし、まだ音声チャットは利用できない。Valveはこの課題に取り組んでいるが、今回のリリースでは機能は搭載されなかった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Steam LinkがiOSに対応しSteamゲームがプレイ可能に

およそ1年前、ValveはSteam Linkと呼ばれるアプリケーションを開発していることを発表した。macOS、Windows、Linux用に作られたSteamゲームをiOSやAndroid端末でプレイできるアプリだ。ストリーミングというマジックを使うことで、ローカルネットワーク上のコンピューターに重労働を任せることができる。

そしてValveがこれをApp Storeに申請したところAppleは拒否した。当時Valveは、Apple(アップル)は「利益の相反」が拒否の理由だと言っていた。

1年後、相反はついに解決したようだ。つい先程、Steam Link for iOSがApp Storeに登録された

ほとんどのPCゲームはタッチスクリーンで楽しむ方法がないので、おそらくコントローラーがほしくなるだろう。Valveは「Made fo iPhone」認証済みのコントローラや同社のSteamブランドのコントローラーを使えることを公表している。さらに同社は、最大の性能を引き出すためには、ストリーミングするPCはルーターに直接接続し、iOSデバイスは5GHzのWi-Fiに接続する必要があると注意している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Valve Indexは6月15日に発売 Steam運営元の新型VRヘッドセット

3月29日にティーザーされた段階ではその詳細はわからなかったものの、Valveは新型VRヘッドセット「Valve Index」の画像と詳細の一部を(事故だったのかもしれないが)公開した。

@Wario64によって発見されたValve Indexの詳細ページによれば、同VRヘッドセットは5月1日に仮予約が開始され、6月15日に発売される。なお、価格についての記載はなかった。

さらに、現在開発中のコントローラー「Knuckles」が「Valve Index Controllers」として、VRヘッドセットと同時に登場するようだ。残念ながら、画像解像度やスペックに関する情報はない。そして、有線ヘッドセットが本体に統合される。これは、OculusのVRヘッドセット「Rift S」との違いだ。

Valveは今回の情報の正確性を認めているものの、それ以上は言及していない。まずは、5月の正式発表を楽しみに待つことにしよう。

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(文/塚本直樹 Twitter

HTCのVRヘッドセットViveのデベロッパキットが発売…Oculusの独走を許さず

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仮想現実ヘッドセットの市場化ではHTCとValveがOculusを追っているが、今日(米国時間6/5)彼らはデベロッパ用ハードウェアを発売した。それは誰が見ても、最初のKickstarterキャンペーンのあとにやることとしては、Oculus VRよりもずっと進んでいる。

Valve/HTCのViveデベロッパキットにはViveヘッドセットとともに、二つのLighthouseベースステーションが入力のパッシブ部位としてあり、これとSteamのワイヤレスVRコントローラ二基がセットになって、プレーヤーの没入感が完成する。そのほかに、必要なケーブル類とインストラクションがあり、これらが一体となって、デベロッパにやる気を出させるつもりだ。今年の終わりごろに出る消費者製品の吉凶の運命は、彼らが握っているようなものだから。

この開発キットは、最初は数が限られている。Valveの指定では、大手の映画スタジオとトップクラスでAAAのビデオゲームデベロッパ、そして、これから初めてゲームを作るインディーのクリエイターたちが対象だ。上のツイートの画像でお分かりのように、すでに梱包を開けてみた人もいる。

本誌のJohn Biggsは今年の初めのMobile World CongressでViveを触(さわ)ってみて、結果に大満足していた。彼みたいに、このヘッドセットに感動した人は多い。ハイエンドのVR消費者製品が、どこかの独走でないことを願っている人たちにとって、それはとても良いニュースだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SteamOSが大きな節目に到達…ゲームタイトル数1000に

SteamOSのSteam(会社名: Valve)がついに、そのゲームタイトル数1000に達した。それらは、インディーのゲームからAAAのタイトルまでさまざまで、どれもSteamのサービスから提供される。もっとすごいのは、タイトル数が今でもコンスタントに増えていること。今週だけでも、14のゲームがローンチした。

SteamがこのLinuxベースのゲームOSをローンチしたのは2013年で、そのときはわずか50のゲームがあり、1年後には500タイトルに達した。今現在、ゲーム数は1004で、DLCなどのダウンロードするコンテンツや拡張パックも含めると1835になる。

Linuxをゲームのプラットホームと考えた人は、これまで一人もいない。このオープンソースのオペレーティングシステムは最初のころ、あまりにも多様な実装ないしディストリビューションがあり、デベロッパがそのすべて、もしくはほとんどに対応することは不可能だっだ。そこへValveがやってきてSteamプラットホームを立ち上げ、Linuxのサポートを宣言した。

ValveがSteamOSを発表したのは、Steam上でLinuxのタイトルをローンチしてから7か月後だ。それが、ゲーム専用機(コンソール)というものの、Valveのコンセプトだった。でもそれがLinuxであるがゆえに、Steamで提供されているゲームの多くは、大衆化して広まらなかった。

それは2年前のことで、SteamOSは今ではValveのリビングルームソリューションの一つにすぎないが、依然健在だ。今月の初めに発表されたSteam Linkを使うと、PCゲームをChromecastのようなデバイスにストリーミングできる。また同社が発表したVR(仮想現実)のソリューションは、最近のゲームカンファレンスで注目を集めた。

ValveがSteamOSの開発を持続しているので、それに乗るコンピュータメーカーも増えている。数週間前にも、新しいSteamOSマシンがいくつか発表されたし、互換性のあるゲームも次々出ている。それらのマシンが実際に発売される今年後半には、もっといろんなオプションが出揃っているだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


ValveがLinuxベースのゲーム専用機SteamBoxを発売か?CEO曰く: ゲームの未来はLinuxにあり

今日(米国時間9/16)から行われるLinuxconの幕開けキーノートで、ValveのファウンダでCEOのGabe Newellが、ゲームの未来はLinuxにある、と言い、同社が来週実際に、Linuxをベースとするゲーム機を発表するらしきことを匂わせた。

彼がLinuxにそこまでの確信を持っているのは、同社のオンラインプラットホームSteamの経験からだ。昨年春のローンチ以来、すでにデベロッパたちがその上で198のゲームを作った。

彼によると、Steamの現状が示唆しているのは、ゲームがネットワークの、ひいてはオンライン経済の、ノードになる未来の姿だ。それらのノード(節点)の上で、企業ではなく個人が、様々な物やサービスを作り、共有し、交換していく*。〔*: それが、Linuxの開発史の姿そのものでもある。〕

Linuxのバラ色の未来が生まれた温床は実は、PCのベンダがプロプライエタリな技術で支配していた往年の日々だ。その壁を打ち破るためにオープンなシステムが出現し、プロプライエタリなハードウェアは徐々に影が薄くなっていった。今イノベーションを引っ張っているのはPCゲームだが、その中のもっとも興味深い開発はオープン技術のコミュニティから生まれている。

彼によると、プロプライエタリなシステムは業界に不和軋轢をはびこらせ、イノベーションの足かせとなる。たとえば、と彼は言う、今AppleでiPad用ゲームのアップデートを承認してもらうために、6か月もかかる。しかしLinuxをベースとするオープンな環境では、そんなとんでもない牛歩はありえない。

PC市場にも、同様の変化が訪れている。PCハードウェアの売上は年々減少しているが、PCゲームはそれに付き合って下降をたどることはなく、むしろ、オープンソースでイノベーションフレンドリーな環境で栄えている。またそのおかげで、昔のような、ゲームの制作者と消費者という明確な区別がなくなりつつある。たとえばTeam Fortressの場合は、コミュニティが作るコンテンツの方がValveのデベロッパが作るものよりも10倍も多い。

Newellは、彼が近未来のLinuxゲーム機によって構想しているらしいLinuxのリビングルームへの進出について、こう言った: ハードウェアはそれぞれ複雑なプロプライエタリなシステム(ドライバなど)を必要とするが、Linuxはそれらをすべて単一のシンプルで普遍的なものへと抽象化している。だから未来の開発環境として優位である。彼は、Linuxはモバイルとリビングルームとゲームを普遍的に一元化する、と言う。そして人びとも、それぞれ特殊な知識や特殊な周辺機器を必要とする複雑でプロプライエタリな製品よりも、シンプルで普遍的でオープンな、わかりやすくて使いやすいものを求めるだろう、と。以上が彼の、Linuxの未来はバラ色説の根拠だ。

前からの噂では、Valveが近くローンチするゲーム専用機はSteamBoxという名前らしい。もちろんそれは、Linuxマシンでもあるはずだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))