DRP創薬を手がける産総研技術移転ベンチャーVeneno Technologiesが2億円のシード調達

DRP創薬を手がける産総研技術移転ベンチャーVeneno Technologiesが2億円のシード調達

Veneno Technologies(ベネイノテクノロジーズ)は1月24日、シードラウンドとして、第三者割当増資による2億円の資金調達を完了したと発表した。引受先は、SBIインベストメント、筑波総研、SBI地域活性化支援。

調達した資金は、採用・組織体制の強化、同社独自のペプチド創薬プラットフォーム技術のさらなる発展と、DRP機能性ペプチドを基盤分子とする自社創薬パイプラインの研究開発に投資し、DRP創薬を推進する。DRPは、ジスルフィドリッチペプチド(Disulfide-Rich Peptide)の略称。分子内に3つ以上のジスルフィド結合を有し特徴的な構造を持つ、20から60アミノ酸残基程度のペプチドの総称したもの。

Veneno TechnologiesのVeneno Suiteは、独自のDRP創薬一気通貫技術により、天然のDRPを鋳型に人工的に加速進化させ作成される巨大な遺伝子ライブラリーと、そのライブラリーから目的とするDRPを高速・効率的に探索できるスクリーニングシステムという。また多様なDRPを短期間で効率よく製造できる技術からなるとしている。

同社は、これまで創薬困難とされてきた膜たんぱく質などの標的や、それに関与する難治性疾患に対し新たな薬剤を提供することで、医療の進歩に少しでも貢献することをミッションとして掲げており、DRP創薬の新たな展開に向けて、調達した資金により以下の点を中心に強化するという。

・DRP創薬を進める高度な研究員の登用、研究所の新規開設
・DRP焦点化ライブラリー(DRP Space)の拡充
・DRP高速探索システム(PERISSTM)の強化とパイプライン拡充(共同研究の推進)
・DRP製造技術(Super Secrete)の開発(高効率な少量多品種製造技術の確立)
・DRP分析技術の開発

Veneno Technologiesは、DRP機能性ペプチドの研究開発を加速し、先進的で持続可能な医療と社会への貢献を目指し、2020年7月に設立。産業技術総合研究所(産総研)で長年研究されてきた革新的なDRP探索技術と、現在研究開発を進めているDRP製造技術の統合により、新薬や研究試薬、農薬、バイオスティミュラントなど、様々なDRP創薬の研究開発をリードするとしている。

また産総研による技術移転措置により、特許実施許諾契約を締結し、産総研技術移転ベンチャーの称号を付与されている。