Next.jsのVercelがフロントエンドのクラウド化とサーバーレス化に向けて約113億円調達

Reactの人気フレームワークであるオープンソースのNext.jsを開発するVercelは米国時間6月23日、Bedrock Capitalが率いるシリーズCのラウンドで1億200万ドル(約113億円)を調達したことを発表した。このラウンドにはAccel、CRV、Geodesic Capital、Greenoaks Capital、GVなど既存の投資家も参加した。さらに、新しい投資家として8VCやFlex Capital、GGV、Latacora、Salesforce Ventures、そしてTiger Globalが参加した。これで同社の総調達額は1億6300万ドル(約181億円)になり、現在の評価額は11億ドル(約1219億円)である。

Vercelによると、同社は最近の数カ月の成長が著しくて、そのネットワーク上のすべてのサイトとアプリを合わせると、トラフィックは2020年10月の倍になった。Next.jsを使っているウェブサイトも世界最大の1万サイトあり、前年比で50%増加したという。

画像クレジット:Vercel

Next.jsフレームワークはオープンソースであり、ユーザーの全員がVercelの顧客ではないが、現在の有料顧客の中にはCarharttやGithub、IBM、McDonald’s、Uberなど有名企業もいる。

VercelのCEOであるGuillermo Rauch(ギレルモ・ローチ)氏は次のように語る。「私たちは、1人のフロントエンドデベロッパーからすべてが始まりました。そんなデベロッパーとチームに力をつけ、顧客のために楽しくて没入的なウェブ体験を作っていただくことが目標です」。

VercelでRauchと彼のチームはNext.js専用のサーバーレスプラットフォームを作り、デベロッパーがスケーリングとかパフォーマンスを気にせずにフロントエンドを作れるようにした。

ローチ氏によると、以前のソリューションではフロントエンドがクラウドプラットフォームとサーバーレスの技術から孤立していたため、デプロイとスケーリングをデベロッパーが面倒見なければいけなかった。一部のユーザーはヘッドレスのコンテンツ管理システムを使って満足するかもしれないが、ローチ氏の主張ではデベロッパーはますます、現在、多くの企業が使ってるような出来合いのソリューションよりも深いソリューションを作る必要に迫られている。

ローチ氏がさらに、デベロッパーがコードをエディットするたびに、サイトのフロントエンドのプレビューのURLを作ってくれるVercelの機能を彼らが本当に気に入っていることを明記している。「コードレビューにすべての時間を費やすのではなく、私たちはフロントエンドそのもののレビューや実体験に移行、それによって開発体験がもっとコラボレーション的になります。今ではこのフロントエンド制作のコラボレーションにデザイナーもITもCEOもみんな集まり、『その青はちょっとイメージと違うね』といったことが言えます」とローチ氏はいう。

Bedrockの創業者でマネージングパートナーのGeoff Lewis(ジェフ・ルイス)氏は次のように述べている。「市場の変化を追うのではなく、変化をVercel自身が引っ張っている。そこから私たちは、ウェブの付加価値の多くと、クラウドアプリケーションの開発の重点が、ユーザーに最も近い場所として真の体験が作られエンジョイされる、フロントエンドへ移りつつあることを、目撃している。ギレルモ(・ローチ)氏と彼がその革命の推進のために集めた最高のチームと一緒に仕事をできることは、とてもエキサイティングなことです。このラウンドを共同でリードできたこともうれしい」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Vercel資金調達

画像クレジット:Luis Alvarez/Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)