VimeoがMacのFinal Cut Proを使うビデオ作者のための作業支援アプリケーションを提供

Vimeoが今日(米国時間4/10)、 Final Cut Proを使ってビデオを作っているMacユーザーのために、ビデオのファイルフォーマットやコーデックをコントロールするアプリケーションを発表した。これは、Final Cut Proにすでに組み込まれているVimeoにビデオをアップロードする機能をさらに拡張するもので、この新しいアプリケーションを使うとビデオの作者は複数のファイルを同時にアップロードできたり、その進捗をプログレスバーで見れたり、ビデオのリンクやレビューのページ、埋め込みコードなどに瞬時にアクセスできたりする。

さらに、このVimeo for macOSを使うと、Final Cut Proの中でビデオにキャプションをつけられたり、ブラウザーを開かなくてもアプリケーションの中でビデオを再生できたり、タイトルや説明やプライバシー設定を調整したりできる。詳しくは、Vimeoのブログ記事を読んでみよう。

このアプリケーションの目的は、Final Cut Proを使ってビデオを作るビデオ作者の時間節約と、コントロールの増大だ。

そしてもっと広い意味では、VimeoはこのMac用アプリケーションをひとつの例として、今後、YouTubeのようなデスティネーションサイトではなく、ツールのプロバイダーになりたいのだ。

同社がクリエイター支援の方向へ舵を切ったのは、昨年だ。同社は、有料会員制のビデオ・オン・デマンドサービスを放棄し、クリエイター事業のトップAnjali SudをCEOに据え、ライブのビデオストリーミングプラットホームLivestreamを買収した

今年に入るとVimeoは、複数のソーシャルネットワークにビデオを配布する作業をやりやすくする機能をローンチし、またライブのビデオをFacebookやYouTube, Twitch, Periscopeなどへ同時にストリーミングするツールや、FacebookとYouTubeにビデオを同時にアップロードするツールを提供した。

作品がライブのビデオであれ、あるいはアップロードする静的な作品であれ、Vimeoはビデオ作者のためのさまざまなツールやサービスの、ワンストップショップになろうとしている。仕事に必要な道具は何でもVimeoにある、Vimeoへ行けば仕事が早い、という状態にしたい。そのようにして、今後はこっちの方向で有料会員を増やしたいのだ。そのためにもちろん、今後もツールやサービスを増やしていく。

ビデオ編集ソフトウェアとしてVimeoは、Final Cut ProのほかにAdobe Premiere Proのエクステンションも提供している。

以下は、Vimeo for macOSアプリケーションの全機能だ。MacのApp Storeから無料でダウンロードできる:

  • ProResをはじめ、Final Cut Proの高度なコーデックをサポート
  • ユーザーのVimeoアカウントへ直接アップロード
  • Final Cut Proの中でキャプションをつけられ、このアプリケーションから設定へ行ける
  • ビデオのタイトルや説明、プライバシーの設定を調整できる
  • このアプリケーションからビデオを再生できる(ブラウザー不要)
  • ビデオのリンクやレビューページ、埋め込みコード等へ瞬時にアクセス

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Web上のビデオエディターWeVideoがFlash依存から完全なHTML5化に改装…可能だが技術をぎりぎりまで酷使

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ブラウザー上のビデオエディターWeVideoが、Flashの使用をやめてHTML5に切り替えた。

HTML5 vs. Flashという話題は、タイムマシンで2010年に戻ったような錯覚を与えるが、でもFlashはまだ生きながらえている。たとえばGoogle Chromeは、未だにその脱Flash努力を完了していない

WeVideoの新しいエディターは先週ひそかにローンチしたが、CEOのKrishna Menonによると、高度な、そして応答性の良いビデオエディターをHTML5で実装するのは、かなり大変だった。MenonとUXデザイナーのDiana Madrigalが、その苦労の過程を実際のデモで説明してくれた。そして最終的にはエディット行為と結果の再生がともに、気になる遅れもなく、可能になったのだ。

Menonは曰く、“ユーザーが再生ボタンを押すと、楽屋裏ではHTML5の3つか4つの成分がリアルタイムで混じり合うことによって、30fpsの動画を表示する。HTML5をレンダリングするブラウザーの能力を、限界ぎりぎりまで酷使しているね”。

WeVideoによると、現在のユーザー数は1400万、iOSとAndroidのアプリもあるけれども、どんなデバイスでも、このビデオエディターをいちばん使いやすいのはブラウザーの上だね、ということだ。

この新しいエディターはユーザーインタフェイスも改良され、スタンダードなビデオトラックではタイムラインのデザインが変わった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoProのビデオ編集が便利になる―モバイル・アプリ2種類を発表

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GoProはモバイルにますます力を入れている。今日(米国時間5/3)、GoProは新しいモバイル・アプリを2種類発表した。一つはGoPro風の動画を自動的に作成する。もうひとつはユーザーがGoProビデオを簡単に編集できるようにする。両方とも無料で、GoProのユーザーにとって非常に便利なアプリだ。これらのアプリはGoProばかりでなくスマートフォンのカメラで撮影したビデオも編集できる

ただしまったく新規に開発されたアプリというわけではない。今年の2月末にGoProはStupeflixとVemoryというビデオ編集アプリ開発のスタートアップを合計1億500万ドルで買収している。GoProはアプリにアップデートを加えて今回再リリースするが、機能は実質的に買収以前とほとんど同じだ。 QuikはAndroidとiOSの両方のバージョンがあるが、SpliceはiOS向けのみとなる。

Quik〔以前のReplay〕はデバイスをスキャンしてビデオ・クリップを自動的に作成し、その過程でビデオや写真を音楽と同期させる。Splice〔以前と同名〕はGoProビデオをきめ細かくコントロールできる。GoProはプレスリリースで「Spliceを使えば、字幕、ワイプなどシーンの切り替え、トリミング、スローモーションなどの特殊効果などを追加し、誰でもほんの数分でプロ級のビデオ・クリップを作れる。Spliceには自由に使える音楽ライブラリーも用意されている」と述べた。

GoProはずっと以前からモバイル向けの本格的なビデオ編集機能を必要としていた。今回リリースされるアプリはこの問題を解決することが狙いだが、いささか立ち遅れ気味かもしれない。GoProは編集アプリの存在をこれからプロモーションしなければならない。もちろんプロモーションが効果を上げれば、抽斗の奥で埃をかぶっていたGoProを取り出し新しいビデオを撮影しようと考えるGoProユーザーも出てくるだろう。

〔日本版〕GoProはSpliceの紹介ビデオを昨日YouTubeで公開した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

あなたのiPadを本格的なビデオプロダクションスタジオにするSwitcher Studio、マルチカメラの撮影環境もセットアップ可能

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携帯〜スマートフォンのカメラがどんどん進歩したため、あの不格好で扱いにくい、カメラでしかないカメラは使う人が減りつつある。でも本格的な編集や映像制作となると、今でもデスクトップの仕事だ。とくにビデオの場合は、本格的なミキサー卓(ミキシングコンソール)のあるスタジオを使うことも多い。

そこでSwitcher Studioの登場だ。これがあると、お手元のiXXXXXデバイス(実際にはiPad)を使ってライブビデオのミキシングやプロダクション(制作行為)ができる。

いちばん基本的な使い方としては、iXXXXXデバイスで撮ったビデオをSwitcher Studioを使って編集したり、YouTubeやUstream、Twitchなどに直接ストリーミングしたりする。

でもこのアプリのディレクターモードでは、もっとすごいことができる。ほかに4つのiOSデバイスとワイヤレスで接続して、それぞれのカメラからの映像をSwitcher Studio上で今制作している本作中にミキシングできるのだ。

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ということは、最初は一台のiPadでしかなかったものが、今や、マルチカメラのプロダクションスタジオになる。ビデオソースとしては、ラップトップを加えてもよい。そうすると、Webの画面やPowerpointのプレゼンなどを、本作中へ混ぜ込める。

という、すごいことができるSwitcher Studioは、ビデオの編集機能も充実しているから、本物のプロが本物のスタジオで作ったようなビデオだって、作れる。トランジション、ピクチャインピクチャ、テレビ的なグラフィクス、オーバレイ、などなどができる。しかもそれらの編集をリアルタイムでできるし、あるいは録画完了後のポストプロダクションとしてもできる。

まだ自己資金だけでやってる同社は、月額25ドルの使用料をユーザーに求める。それでiOSとデスクトップの両方のアプリケーションを使えるし、あるいは同社のクラウドプラットホームにビデオをアップロードして、YouTubeなどからライブでストリーミングすることもできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Videogram、朝日放送グループのABC Dream Venturesのリードで新たな調達ラウンドを完了

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Videogramは、パブリッシャーやクリエーターのオンラインビデオ活用を手助けする日米共同設立の会社だ。今年計画されているシリーズBラウンドに先立ち、つなぎとなる調達ブリッジラウンドを完了した。

この会社は昨年Cinemacraft(製品名はVideogram)から社名変更した。最後の資金調達は2015年2月に完了した390万ドルのシリーズAラウンドだ。今回のブリッジラウンドは金額非公開だが、TechCrunchは契約に近い筋の情報から、約60万ドルと推測している。

ラウンドをリードしたのはABC Dream Ventures、日本のメディア大手、朝日放送のベンチャーキャピタル部門だ。他に、500 Startups、NTT Docomo Ventures、Samsung Ventures、Turner BroadcastingのMedia Cap、およびタイラ・バンクスのFierce Capitalが、設立3年目のVideogramに投資した。

契約の一環として朝日放送は、動的埋め込みや、その他のビデオ表示サービスを含むVideogramの技術を、日本の消費者向けサイトで活用する。

Videogramのファウンダー・CEO、Sandeep CasiはTechCrunchに、新規資金は計画中のシリーズBラウンドに先立ち、アジアの― 主に日本、インド、ベトナム ― および米国の新たな多チャンネルネットワークパートナー獲得のために使うと話した。

本誌が最後にVideogramを取材したとき、同社は様々なツールを公開して、放送局やブランドが、YouTubeのような保存場所に頼るだけでなく、自社のビデオクリップのエンゲージメントを高める新しい方法を提供した。例えば、ビデオクリップから自動生成される滑らかなGIFや、カスタマイズ可能なビデオプレーヤーは、すべてのパワーをYouTubeのアルゴリズムに明け渡すことなく、ビデオが生んだトラフィックを他のページに分散されることができる。プレーヤーはホワイトレーベルで、Videogramの顧客である日本のBitstarは、300以上のYouTubeパーソナリティーを管理する代理店だ。

それ以外に、Videogramには新しいアップデートが2つある ― コードを1行書くだけでよい、ウェブサイト用の自動埋め込みと、YouTubeブロードキャユター向けのチャンネル埋め込みだ(後者はタイラ・バンクス等が使用している)。

そして、iOS版Videogramアプリが、昨年終りに更新され、YouTubeブロードキャスターのための様々な機能が加わった。例えば、GIFアニメの簡易生成や、フレームベースの専用エディター等だ。このアプリやVideogramのパートナー契約は、 同社自身のコンテンツプラットフォームを強化するものでもある。プラットフォームには、タイラ・バンクスの美容アドバイスや、Will It Blend!、Michelle Phan、本誌のTechCrunch TV等、数百のチャンネルがある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アマチュアが高度なビデオ作品を作れるオンラインビデオエディタShowboxは、無限に豊富なフォーマットが売り物

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Showboxの目標は、プロでないビデオ作者がいちばんよく使う、オンラインのビデオエディタになることだ。このテルアビブのスタートアップはこのほど800万ドルのシリーズAを完了したが、お金は主に製品開発と機能の増強に投じられる。

投資家のCharles Petruccelliは元American Express Global Business Travelの社長、Brad WechslerはIMAXの会長、Giora KaplanはWixの協同ファウンダでCTO、そしてKarl PetersonはTPG Capitalのシニアパートナーだ。

Ciscoの調査によると、2018年には消費者トラフィックの80%がビデオになる。今年はすでに昨年より64%増だ。今やYouTubeだけでなくFacebookTwitterも自動再生ビデオを導入しているから、なにしろオンラインビジネスにとってビデオはますます欠かせない要素だ。

ただしShowboxのファウンダTomer AfekとEffie Atadは、アマチュア用とプロのスタジオ用とではエディティングツールの落差が大きい、と感じている。

“企業はますますビデオに大金をつぎ込んでいるが、でも彼らは、製作コストが高すぎて、気楽にいろんなことをトライできない、と泣いている”、とAfekは語る。

 

フリーミアムのShowboxは今非公開ベータで、試用希望者が5万人あまり待機している。同社は上記の落差を解消するために、多様なフォーマットを提供しようとしている(トップファイブリスト形式、チュートリアル形式、など)。ユーザは自分の生映像をそこに放り込み、エディティングツールを使って微調整を行う。また、タイトルのカードやエンディングもつけ、自動生成のバックグラウンド、あるいはGetty ImagesやReuters、Dori Mediaなどが提供している無料の映像も利用する。

同サイトは、ほかのオンラインプラットホームに比べて映像の制作がずっと高速だそうだ。ビデオをShowboxの上でホストして、ほかのサイトに埋め込むことも可能。

オンラインのビデオエディタはコンペティタが多く、代表的なサイトとしてYouTube EditorWeVideoMagistoなどがある。しかしAfekによると、“今市場に存在するソリューションは、ビデオ製作過程のごく一部の要素しか扱わない不完全なものや、高すぎたり、あるいは経験豊富なプロにしか使えないものばかりだ”、という。

Showboxはまず、ビデオ製作過程のあらゆる部分をカバーする。PCやモバイルで撮ったものをフォーマットし、ビデオの埋め込みができるようにし、ほかのサイトにアップロードできるようにもする。どれもこれもShowbox的なビデオ(Showboxでエディットしたな、と分かるようなビデオ)にならないか、という心配に対しては、豊富なテンプレートや、ジャンル別のフォーマット、そしてサードパーティ提供のコンテンツにより、ビデオ作品の他との完全な差別化が可能だ、と彼らは主張する。

Afekはこう述べる: “仮に同じフォーマットを選んだとしても、二つの作品が同じに見えることはない。うちのプラットホームはモジュール構造なので、無限に多くのフォーマットを作れる。複数のジャンルがあり、それぞれに多様なフォーマットがあることによって、個人や企業のユーザは独自のブランド色を持った、個性的なビデオを作っていける。コンテンツをフォーマッティング用のツールボックスに放り込めば、ほぼ自動的に作品が完成するから、プロがやるようなポストプロダクションの処理もほとんど必要ない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a.
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StepUpは、YouTubeビデオを一口サイズに切り貼りするサービス

オンラインで見られているビデオの数は膨大だ。例えばこのデータには驚かされるだろう:ComScoreによると、アメリカでは今年の1月だけで、500億本近くのビデオが見られた。しかし、実はあなたは何も見ていない。

あらゆるデバイスにカメラが付いている今、ビデオを「発見する」ことが、益々難しくなっている。デジタルビデオは増え続け、リミックスに適した時期が来ている。

そこで、英国拠点のスタートアップ、StepUpは、既存ビデオコンテンツを短い断片にして、ループさせたり次々と再生したりするプラットフォームを作った。

ファウンダーのMakoto Inoueは、自らの作品を「YouTubeのためのVine」と呼ぶ。基本となるアイデアは、平均的ネット利用者に、タグや注釈の付いたビデオの断片をつなぎ合わせる機能を提供することだ。長いオリジナルビデオを短縮してハイライト版を作る。あるいは、複数のハイライトをまとめて、消化しやすいサイズにして学習に役立てる。

「オンラインビデオ自身は巨大な市場だが、多くの人たちはさらに多くのビデオを作らせることに集中している。しかし、人々がビデオを消費する方法を手助けしようとする会社は少ない。だから、ビデオが多く作られるほど、われわれが人々にビデオを消費しやすくする方法の範囲は広がる」とInoueは話す。

プロ向けのビデオ編集ツールは既にあるが、Inoueは平均的ビデオ視聴者が使える手段を提供したい。彼はStepUpを「ビデオを一口サイズにするサービス」だと説明する。Vineを思い浮かべるかもしれないが、あれは短いビデオを新たに撮るためのサービスであり、StepUpは、既存のコンテンツを新しいやり方でリミックスさせる。

「Vineはビデオのクリエーションのため。StepUpはキュレーションのため。Vineのおかげで便利なこともある。私が『YouTubeのためのVine』と言えば、小さなサイズに意味がある理由をわかってもらえる」

GIFアニメツールと比較すべきかもしれないが、StepUpはGIFのような一芸ツールではなく、より幅広いプラットフォームだと彼は言う。

StepUpは、便利なビデオ編集ツールとしてだけでなく、自身がビデオコンテンツプラットフォームになることも狙っている。人々が集めたハイライトビデオを検索して閲覧するサイトだ(類似のスタートアップにCoursmosがあり、短編ビデオをモバイルEラーニング用フォーマットとして利用している)。

Inoueは、ビデオの中からおいしい部分を取り出すために特別な訓練はいらないと言う。「特別なスキルもデザインスキルもいらない。必要なのは、どこが重要かを知ってることだけ。だから私はそこに集中した」と彼は本誌に語った。

「そして、われわれの最大の利点は、ダウンロードやアップロードに時間がかからないことだ」

StepUpのビデオセグメントに長さ制限はない(ただしデフォルトはVine風の6秒に設定されている)。ユーザーは元のビデオをStepUpに登録し、”clip” ボタンを押して目的のセグメントを選び、カテゴリー、タグ、メモなどを追加してリミックス版をStepUpプラットフォームにアップロードする。

切り貼りするためのソースビデオは、YouTubeまたはStepUpから取ってこられる。StepUpの閲覧者は、セグメント毎にいいね!をつけたり、ビデオ全体に対してコメントを書いたりできる。StepUpビデオは他サイトへの埋め込みも可能。

直接のライバルとして、Inoueはロシアのスタートアップ、Coubが一番近いとして名前を挙げたが、Coubのビデオが10秒間に制限されているのに対して、StepUpは長さ制限がないので、より充実した内容をユーザーに届けられると話した。

他者のコンテンツを使うことに関する著作権問題は、オリジナルへのリンクを貼ることで回避している ― Pinterestがネット上の既存写真を「ピン」するのと同様。Inoueは、これがStepUpのセールスポイントになると信じており、オンラインニュースやコミュニティーサイトがGIFアニメを埋め込んでいるやり方は、著作権的にグレイであると指摘する。

「そうした目的には私のツールを使う方がずっと簡単だ。GIFアニメと殆ど同じで、サウンドもあり、ワンクリックでオリジナルのビデオに戻れる。記事への埋め込みは、StepUpを使ってもらいたい分野の一つだ」と彼は付け加えs

長いトークやミュージックビデオは、StepUpに特におすすめだと言う。

もっと広く、Eラーニングやエンターテイメントにも利用場面はある。自社で十分多くのユーザーを集めることができたら、発見プラットフォームになる。YouTubeダイジェストのようなものだ。

StepUpの元になったInoueのアイデアはBenkyo Playerと呼ばれ、今も別のラーニングツールとして、大規模公開オンライン講座(MOOC)のビデオライブラリの字幕検索などを提供している。

このEラーニングへの取組みにより、InoueとBenkyo Playerは、アクセラレーター、Bethnal Green Ventures(BGV)の支援を受けた。BGVは、Eラーニング専門から、StepUpというより広いビデオプラットフォームへと会社が転換した後も、支持を続けている。

StepUpという名前は、同名の映画から取ったもので、そこではヒップホップダンサーとクラシックバレーのダンサーがそれぞれのダンスの動きを教えあう ― そのステップ・バイ・ステップの学習プロセスが、StepUpの目指すものだとInoueは言う。

StepUpは今年4月にスタートし、現在月間ページビューは平均1~3万。
BGVからの1万5000ポンドに加え、InoueはNominetからも資金と助言を受け、これまでに計6万5000ドルの早期資金を調達している。現在Inoueは、事業拡大のために10~50万ポンドのシード資金調達を目論んでいる。

Inoueの優先課題はモバイル版StepUpの開発だ。今はブラウザーの制約により、モバイルでは正しく動作しない。その修正が、重要課題だと彼は言う。

ビジネスモデルに関しては、十分なユーザー数を確保できたら、Pinterestスタイルのモデルを考えている ― 断片ビデオにネイティブ広告を挿入することによって、より効果的で邪魔にならない広告手段をブランドに与えられるかもしれない。

他の収益化アイデアとしては、StepUpツールのフリーミアムモデルがある。例えば、一般公開されていないビデオコンテンツの編集や、高度なタグ付けを可能にする。クリップ作業やキャプション付けの自動化も候補の一つだ。

さらにInoueは、ブランドにビデオ分析を提供する可能性も考えている ― StepUpはヒデオコンテンツの中から視聴者が特に好きな部分を識別するのにも使える(セグメントをループさせる回数や、いいね!をつけられた数等)

しかし、どのアイデアも今は構想にすぎない。InoueはStepUpを動かしている単身のファウンダーであり、現在のデスクトップ専用サービスを、モバイル対応にステップアップするための資金を調達する必要がある。しかし、少なくとも核となるアイデアは堅牢な基盤の上にあるので、金はついてくる彼は願っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook