Sling Studioでプロ級マルチカメラ・ビデオが制作できる――バックパックでどこでもロケ可能

私はビデオを作るのが好きだ―それが仕事でもある。 そこでこの仕事を簡単してくれるガジェットを発見したときには興奮し、レビューのビデオと記事を作ろうと決心した。それがSling Studioだ。これはバックパックに詰めて持ち歩ける小型ハードウェアだが、マルチ・カメラによるビデオ・プロダクションに必要な機能がすべて備わっている優れものだ。

バックパックというのは文字通りの意味だ。私はこの「どこへでも持ち出せるスタジオ」の機能と使い勝手に強い印象を受けた。スペックや感想は下に書いたが、レビューそのものは上のビデオを見ていただきたい。

マルチカメラ・ビデオ・プロダクションに必要なすべてのハードウェアがバックパックに収まる

Sling Studioの画像

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結論(ビデオを全部見る時間のない読者向け)

Sling Studioシステムにはいくつかの制限がある。たとえば接続できるカメラは最高4台まで、また当面ライブ配信できるのは Facebook Liveと YouTube liveだけだ。しかしSling Studioによれば、ユーザーは将来独自のRTMPを追加し、自由にライブ配信ができるようになる。また今のところ、独自のアニメーション・グラフィックスを追加することができないが、ロゴ、静止画、およびSlingがサポートする少数のグラフィックを追加できる。

Slingにはかなりのレイテンシーがあり、被写体の現実の動きとiPadでモニターする映像の間には明らかにズレが認められる。そこでこのシステムを使うときにはiPadの映像に集中し、現実の動きは見ない(聞かない)ようにする必要がある。でないとライブアクションのスイッチングはめちゃめちゃになる。あとキャリヤを切り替えるなどして別のインターネットに接続してもシステムが自動的に認識してくれないのも多少わずらわしい。接続パラメーターの変更はユーザーがマニュアルで実行しなければならない。つまりシステムに新しい接続速度を設定するには「アップデート」をクリックしてメニューを開く必要がある。/p>

こうした多少の問題はあるものの、Slingはマルチカメラをスイッチングする本格的ビデオ制作のハードルを大きく下げた。これはすごいことだ。一式すべてバックパックに詰めてどこにでもでかけ、撮影後すぐに動画編集ができる。これはゲームのルールを変える存在だ。小規模なビデオプロダクション会社を運営しているなら時間と資金の節約は大きいだろう。ライブストリーミングの画質も操作性もすばらしい

TechCrunchではTricasterのビデオ・プロダクション・システムを使っている。これはすべての機能を備えたプロ用機器で、われわれは当分これを使い続けるつもりだ。しかしTricaster的でもっと手頃、あるいはもっと携帯性の高いシステムを探しているならSling Studioは間違いなくお勧めだ。

クレジット

脚本: Tito Hamze
出演 Tito Hamze
撮影: Gregory Manalo, John Murillo, Tito Hamze
編集: Tito Hamze

スペシャル・サンクス:Mitch Eason、Joe Seiler、Keven Hempel、Jenni Curticeはすてきなティー・サロン、Luna Teaでの撮影に協力してくれた。

〔日本版〕Sling Studio本体は999ドル。本体用バッテリーは149ドル、ワイヤレスカメラ・リンクは1台349ドル、専用バックパックは199ドルなど。操作のためにiPadを別に必要とする。スマートフォンはiPhone 6以降、Galaxy S6以降がサポートされる(詳しくはサイトで確認)。下はSling Studio制作のプロモーションビデオ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビデオカメラ本体に画像安定化機能を持たせると称するSteadXP、Kickstarterで50万ユーロを獲得

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スマホなどの手持ちのカメラでビデオを撮れることは、とても便利に思えるけど、それを編集のために再生したときは、たいがい、がっくりする。ぐらぐらする映像は目の裏が痛くなるし、なんとか仕上げるまでに無限の時間がかかりそうだ。でもこれからは、SteadXPがあれば大丈夫かもしれない。

やり方は簡単だ。SteadXPをカメラのホットシューに取り付けて、ふつうに撮影を開始する。カメラが内蔵している加速度計がカメラの動きを捉え、それとビデオのコンテンツをシンクする。映像を記録するとき、カメラが動いたぶんを逆方向に補正する。そうすると、お見事!、完全に安定した映像になる。それが、フランスのモンボノ=サン=マルタンのSoftware Magicが発明したマジックだ。

いや、少なくとも、理論的にはそうだ。CESで見たデモはかなり良かったが、でも実は、過去に何千回も未解決のままだったのは、画面のぐらつきという問題ではなかったようだ。最近ではますます多くのカメラに、光学式あるいはデジタルの、画像安定機能がある。また、どんなにベーシックな画像安定化ソフトやアプリにも、必ずその機能はある。本格的なポストプロダクションシステムともなれば、大量のAIを利用している。

しかしこれらのソリューションすべてに共通する問題は、ビデオを正しく撮るためにはフレームレートに合ったシャッターアングルを目指すべき、ということだ。これをもっとふつうの言葉で言えば、ビデオカメラは、やや長めのシャッタースピードで撮っている、ということ。30fpsなら、1/60秒が動きがなめらかになる最適のシャッタースピードだ。でも写真的には、1/60秒では動きがぶれる。それはパンやズームでは正しく見えても、アクションの連続では個々のフレームがややぶれる。SteadXPのようなプロダクトは、ひとつのフレームとその前のフレームを整列するが、その過程で導入されるカメラのぶれについては何もできない。そしてそのせいで、安定化した映像がなんだかおかしく見える。

上のややこしい説明を単純化して言えば、“けっこうなアイデアだけど、これが手ぶれという問題をどうやって解決するのか、理解できないね。最初から、三脚やSteadicamのリグを使うべきだよ”、となる。

なお、公平を期すために言っておくと、このSteadXPという製品はKickstarterで50万ユーロあまりを集めているが、その合計2280名強の支援者たちは〔==支援をしたということは〕、ぼくのこの評価が間違っていると信じているのだろう。どっちが間違っているのか、同社のWebサイトには実例がたくさんあるから、読者はぜひ、ご自分でご判断を!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

あなたのiPadを本格的なビデオプロダクションスタジオにするSwitcher Studio、マルチカメラの撮影環境もセットアップ可能

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携帯〜スマートフォンのカメラがどんどん進歩したため、あの不格好で扱いにくい、カメラでしかないカメラは使う人が減りつつある。でも本格的な編集や映像制作となると、今でもデスクトップの仕事だ。とくにビデオの場合は、本格的なミキサー卓(ミキシングコンソール)のあるスタジオを使うことも多い。

そこでSwitcher Studioの登場だ。これがあると、お手元のiXXXXXデバイス(実際にはiPad)を使ってライブビデオのミキシングやプロダクション(制作行為)ができる。

いちばん基本的な使い方としては、iXXXXXデバイスで撮ったビデオをSwitcher Studioを使って編集したり、YouTubeやUstream、Twitchなどに直接ストリーミングしたりする。

でもこのアプリのディレクターモードでは、もっとすごいことができる。ほかに4つのiOSデバイスとワイヤレスで接続して、それぞれのカメラからの映像をSwitcher Studio上で今制作している本作中にミキシングできるのだ。

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ということは、最初は一台のiPadでしかなかったものが、今や、マルチカメラのプロダクションスタジオになる。ビデオソースとしては、ラップトップを加えてもよい。そうすると、Webの画面やPowerpointのプレゼンなどを、本作中へ混ぜ込める。

という、すごいことができるSwitcher Studioは、ビデオの編集機能も充実しているから、本物のプロが本物のスタジオで作ったようなビデオだって、作れる。トランジション、ピクチャインピクチャ、テレビ的なグラフィクス、オーバレイ、などなどができる。しかもそれらの編集をリアルタイムでできるし、あるいは録画完了後のポストプロダクションとしてもできる。

まだ自己資金だけでやってる同社は、月額25ドルの使用料をユーザーに求める。それでiOSとデスクトップの両方のアプリケーションを使えるし、あるいは同社のクラウドプラットホームにビデオをアップロードして、YouTubeなどからライブでストリーミングすることもできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))